医療のためのヒント:診察室では治せない病気

 

(その2)< 従来の医学体操の限界にチャレンジする医学運動 >

 

 

従来の医学体操で治せる病気は、いわゆる運動器系疾患といって、

 

専ら整形外科的疾患に限って紹介されている傾向があるようです。

 

その可能性の実現のためには、まず従来の医学体操ではなく

 

医学運動への転換が不可欠であるということに気づきました。

 

 

そこで医学体操では十分に発揮できなかった、

 

新たな視点からのパラダイム・シフトが必要であると考えました。

 

 

新たな視点からのパラダイム・シフトのポイントは5つありま。

 

〇従来の医学体操を陸上から水中へ、

 

〇個人から団体へ、

 

〇身体的アプローチから全人的アプローチへ、

 

〇部分的アプローチから相対的アプローチへ、

 

〇治療的アプローチから健康増進・予防・治療・リハビリテーションまでを包括する統合的アプローチへ

 

 

以上の様な、画期的な新たな視点による理論に基づいて、

 

親試実験による試行錯誤を重ねて体系化することができたのが、水氣道®なのです。

 

 

水氣道への計画的参加により、効果を認めることができた諸疾患は、

 

肥満症およびメタボリック症候群(高血圧・脂質異常・糖尿)や

 

フレイル・ロコモティブ症候群などの他に、以下のような疾患を挙げることができます。

 

〇冷え性 〇婦人病(月経困難症、月経前緊張症、無月経、過多月経)

 

〇不妊症 〇無力症体質(胃下垂、遊走腎など)〇甲状腺疾患

 

〇アレルギー体質(気管支喘息、アレルギー性結膜炎・鼻炎、蕁麻疹)

 

〇線維筋痛症 〇関節リウマチ 〇脳卒中後遺症 〇パーキンソン病

 

〇不眠症 〇不安障害(社交不安障害、広場恐怖、パニック障害、強迫性障害)

 

〇気分障害(うつ病、躁うつ病、ニコチン依存症、アルコール依存症) 

 

 

いかがでしょうか、水氣道会員の方であれば、

 

複数の項目について心当たりや思い当りがあるのではないかと思います。

Q 聖楽院という名称の由来を教えてください。

 

 

A 聖楽院の意味は、聖楽のための楽院です。

 

聖楽とは、一般にはキリスト教の宗教音楽と理解されることが多いですが、私たちの聖楽もこれと無関係ではありません。

 

その理由は、主として西洋の古典音楽をテーマとしているからです。

 

ただし、私たちは、芸術歌曲を含め、オペレッタ、歌劇のアリアを含めて聖楽と捉えています。

 

聖楽院とは、聖楽のための楽院、つまり、学校という意味ですが、

 

一般的な学校というより、現時点では、身近な音楽コミュニティといったところです。

 

観客の前で演奏をすることと、そのための稽古の場です。

 

 

 

 

Q & Regarding ‘Seigakuin’,

 

the Institute for the Sacred Classical Music Concert.

 

 

Q  Please tell me the history of the name ‘Seigakuin’.

 

 

A  ‘Seigakuin’ is an institute for sacred classical music concerts.

 

As it is generally understood that sacred music is related to Christian culture, our music and performances are also related to this to some extent, because Western classical music is more or less related to it.

 

‘Seigaku-in’ literally means an academy (-in, or gakuin) for the Sacred Classical Music (seigaku). But, our take on ‘Seigaku’ includes not only classical music but also art songs in general.

 

     It means a school, but at the present time, we have to define it as more of a musical community rather than as a regular music school. It is also implies a music salon for the audience as well as a place for rehearsals.

 

 

 

中毒・物理的原因による疾患、救急医学

 

<老年病は内科の延長で診ることが危険なワケ!>

 

その2.高齢者の不眠治療の落とし穴

 

 

高齢者の不眠治療は混乱しています。

 

私がかつて、今はなき東大分院心療内科に研修を受けていた時、超短時間作用型の睡眠薬であるトリアゾラム(ハルシオン®)、ゾピクリン(アモバン®)の処方は制限されていました。

 

その理由は、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊病症状)の発現と中途覚醒時の物忘れ(健忘)が出現しやすいからです。

 

また、東大以外の病院でも、薬物依存、離脱症状、日中不安、激越に注意しながら、継続投与は避け、短期間に留めることは添付文書にも記載されています。

 

 

ところが、高齢者の不眠症に、長時間作用型の睡眠薬を第一選択としてはならないことも、また事実です。

 

その理由は、長時間作用型の睡眠薬では、体外への薬剤排泄が遅いため、高齢者では譫妄、記銘力低下、歩行失調、言語障害、転倒などが起こりやすいからです。

 

ベンゾジアゼピン系製剤ではフルラゼパム(ダルメート®)、ハロキサゾラム(ソメリン®)、バルビツール系製剤ではバルビタール、フェノバルビタールがこれに相当します。

 

 

そこで、長短時間作用型の睡眠薬を少量より開始することを推奨する指導医がいますが、私としては頗る疑問を感じます。

 

 

高齢者の不眠の多くは、<眠れていない病>ではなく<眠れていないという思い込み病>、あるいは<毎日熟睡できなければ死んでしまうに違いない、という熟睡囚われ病>です。

 

あるいは、<つらい現実から解放されたい、という睡眠逃避病>も少なくありません。

 

そのくせ、彼らは<これ以上生きていたくない、いつ死んでもいい、死なせてほしい>と言って家人を悩ませることがしばしばです。

 

 

高齢者の不眠の訴えには、謙虚に耳を傾けつつ、その根底にある、寂しさ、虚しさ、悲しさ、不安、不満、抑うつ、希望のなさ、

 

あるいは怒りや憤りなどの感情に気づいた上で、家族や周囲のコミュニティと共に適切なケアを工夫していくことにこしたことはない、と考えています。

 

<仕事を完結させ、次につなげる①>

 

「復命」という言葉があります。

 

意味は:命令に従ってした事の経過・結果を命令者に報告すること。

 

 

ポイントは、「経過」と「結果」を「報告すること」です。

 

Nogucciは「経過の報告」も「結果の報告」も疎かになりがちでした。

 

 

指示した内容を忠実に実行したとしても、経過の報告が無い、結果の報告が無い、

 

自己満足のやり遂げたが残るが、次に繋がらない。

 

仕事が完結していないとうことになります。

 

つまり「やりっぱなし」だったわけです。

 

 

》往く週《 8月9日:第19回聖楽院週例コンサート(60分ショートプログラム)

 

 

先任ピアニスト齋藤亜矢子(聖楽院ピアノ伴奏科主任)

 

コンコーネ50番を完走した後、トスティの50ソルフェッジから毎回2曲ずつ、

 

小倉百人一首の歌詞を載せて歌唱することからはじまるのは週例コンサートの定番になりました。

 

今回はアヴェ・マリア、『白鳥の歌』からセレナーデ、『美しき水車小屋の娘』から第10曲《涙の雨》、第11曲《僕のもの》など、シューベルトの世界をテーマとしました。

 

常連のお客様達やシューベルト好きのお客様達、余り馴染みのないお客様達、いろいろな皆様で満席となりかなりの熱気となりました。

 

益々期待が高まるピアニスト齋藤亜矢子さんの演奏は9月と10月がお休みとなりますが、

 

次回は11月8日の第32回コンサートから復帰されますので、乞うご期待!

 

 

 

《 来る週 》8月16日:第20回聖楽院週例コンサート(90分スタンダードプログラム)

 

先任ピアニスト佐々木理之(聖楽院ピアノ演奏科主幹)

 

 

プログラムの最終調整が、開演の2日前、というのは第3週では決して珍しくないことです。

 

これは、90分プログラムということで複数の出演者が参加してくれるからに他なりません。

 

ピアノ佐々木理之、サックス冨士田紗季の定番メンバーの他に、

 

新人のゲストとしてフルート・オカリナ有延千尋、声楽はお馴染みのソプラノ若月櫻子、テノール藤原拓実、バリトン飯嶋正広、かつてない充実した彩りのプログラム、

 

どうぞ楽しみにしていてくださいますように。 

 

神経・精神・運動器

 

<突然、顔面に生じる耐え難い痛みの正体は?>

 

4回シリーズ(第二話)

 

 

50代半ばの主婦。主訴は顔面痛発作、初回発作は1週間前。

 

まず、診察の前に、彼女の訴えを再度整理し、問診や診察内容をプログラムしてみます。

 

痛みの部位:顔面←①両側か片側か、②顔面の全体か、局所か

 

痛みの持続時間:数十秒ほど←一分以内か、数分間か、それより長く続くのか

 

痛みの性質:突然で、えぐられるような、突き刺されるような耐え難い痛み←①自発痛のみか、圧痛を伴うか、②圧痛を伴うとしたら、明らかな圧痛点は確認できるか

 

痛みの誘因:洗顔、歯磨き←特定の動作が関与するのか

 

発作間歇期:発作と発作の間は無症状(痛みなし)

 

 

<問診結果>

痛みの部位は右中顔面、持続時間は1分程度、右中顔面を洗顔時に刺激したり、右上の歯を磨いたり、などの動作に伴い痛みが誘発される。

 

 

<診察結果>

疼痛領域が右中顔面であるため、圧痛点を捜索した。

 

右三叉神経第2枝(上顎神経)領域、特に下眼窩神経の出現部

 

解説:

上顎神経(V2)は頭蓋底の正円孔を出たのちに、名称のとおり上あごの全体にわたって分布し、歯茎や上唇、口蓋や下瞼、頬部、篩骨洞、蝶形骨洞や上顎洞などを支配しています。

 

 

<初診時暫定診断>

三叉神経痛:右第Ⅱ枝(上顎神経)

 

 

さて、これからどのような対応をすべきでしょうか?

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「風市(ふうし)」見ていきましょう。

 

IMG_1879

 

場所は太腿の外側で気をつけをした時の中指の先になります。

 

 

「下肢の麻痺」「膝関節炎」「脳血管障害後遺症」「頭痛」「めまい」「坐骨神経痛」「蕁麻疹」「耳鳴り」等に効果があります。

 

 

<参考文献>

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

内分泌・代謝・栄養の病気

<情緒不安定、易刺激性、うつ状態は内科の病気かも?>

 

4回シリーズ(第二話)

 

 

42歳女性。公務員。情緒不安定でイライラしやすく、

 

部下にうっかり暴言を吐きパワハラを訴えられ、うつ状態になり、某有名病院の神経科を受診していました。

 

 

神経科の処方薬を服用すると食欲不振、悪心、嘔吐、便秘が出現したが、

 

神経科の医師は抗うつ剤の副作用を緩和するために、吐き気止めを追加処方してくれました。

 

 

その後、口渇がひどくなり、水をやたらに飲み、排尿回数も増え、夜間尿のため何度もトイレに起きて、睡眠不足が悪化してきました。

 

疲れ果ててトイレに起きるための力が入らず、失禁するようになりました。腰痛や背部痛も出現してきました。

 

 

食欲が減退してきたが、仕事を続けるために無理に食事をすると激しい心窩部痛が生じたため、

 

消化器内科を受診して内視鏡の検査を受けたところ、胃潰瘍が発見されました。

 

そこで、消化性潰瘍治療薬の処方を受けています。

 

 

<検査前暫定的診断:高カルシウム血症>

 

以上の病的は概ね高カルシウム血症による身体症状及び精神症状として説明可能です。

 

なお病的骨折からは、続発性骨粗しょう症が疑われます。

 

そこで、問題となる高カルシウム血症の原因精査を試みました。

 

心臓・脈管 / ・泌尿器の病気

 

<むくみを見たら癌を疑え!>その1

 

 

尿検査の重要性を、高円寺南診療所はこれまでずっと強調してきました。

 

尿検査で癌を早期発見したことが何度もあります。

 

血尿であれば泌尿器系の癌を疑いますが、蛋白尿も大切です。

 

とくに慢性的に蛋白尿が続いていると浮腫といってむくみが現れやすくなります。

 

逆にむくみを観察したら、患者さんが無自覚で特にお困りでない場合でも、その原因を調べる必要性を説明します。

 

 

最も安価で簡単な検査が尿検査です。

 

蛋白尿が顕著であってむくみがあらわれていれば、まず腎臓病を疑います。

 

高度な蛋白尿≧3.5g/日がみられ、蛋白尿が主体で血尿が無い場合、成人であれば膜性腎症をまず疑います。

 

なお、高齢者の一次性ネフローゼ症候群では膜性腎症が最も多く、その場合は約10%に悪性腫瘍が合併することが知られています。

 

10%というのは無視できないほど高い頻度なので悪性腫瘍を調べる必要があります。

 

悪性腫瘍が原因となって膜性腎症が生じることがあります。

 

 

膜性腎症に他の合併症としては腎静脈の血栓症があります。

 

 

来週は、診断方法について説明します。

呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

<鑑別困難な膠原病>その1

 

 

膠原病は、何らかの自己免疫反応により(病因論的)、

 

全身に分布する結合組織を中心に炎症が生じ(病理学的)、

 

多臓器が障害される全身性炎症性疾患(臨床的・症候学的)の総称です。

 

経過は慢性的で、増悪と寛解を繰り返すことが多いです。

 

 

膠原病は、このように臨床的(症候学的)にはリウマチ性疾患、

 

病因論的には自己免疫疾患、病理学的には結合組織疾患という3側面を併せ持つ症候群です。

 

 

わが国で、<リウマチ性疾患>とは、

 

多関節炎など関節・骨格・筋の疼痛を主訴とする疾患を指しますが、

 

欧米では<結合組織疾患>という名称が一般的です。

 

 

<原因についての悩み>膠原病に係る多くの疾患で病因や発生機序は未解決です。

 

多くの臓器特異的自己免疫疾患では、疾患特異的な自己抗体が病態形成に直接寄与しています。

 

しかし、膠原病の病態においての自己抗体の意義は十分には解明されていません。

 

 

<どのような症状で膠原病を疑うのか>

 

発熱の主要要因を取り除いた後も、原因不明の発熱が続き、

 

さらに多臓器障害の症状(皮膚症状、関節症状、レイノー現象、筋症状)がみられる場合には、膠原病を疑います。

 

 

 

次回、具体的なケースを提示します。