日々の臨床 8月11日金曜日<むくみを見たら癌を疑え!>その1

心臓・脈管 / ・泌尿器の病気

 

<むくみを見たら癌を疑え!>その1

 

 

尿検査の重要性を、高円寺南診療所はこれまでずっと強調してきました。

 

尿検査で癌を早期発見したことが何度もあります。

 

血尿であれば泌尿器系の癌を疑いますが、蛋白尿も大切です。

 

とくに慢性的に蛋白尿が続いていると浮腫といってむくみが現れやすくなります。

 

逆にむくみを観察したら、患者さんが無自覚で特にお困りでない場合でも、その原因を調べる必要性を説明します。

 

 

最も安価で簡単な検査が尿検査です。

 

蛋白尿が顕著であってむくみがあらわれていれば、まず腎臓病を疑います。

 

高度な蛋白尿≧3.5g/日がみられ、蛋白尿が主体で血尿が無い場合、成人であれば膜性腎症をまず疑います。

 

なお、高齢者の一次性ネフローゼ症候群では膜性腎症が最も多く、その場合は約10%に悪性腫瘍が合併することが知られています。

 

10%というのは無視できないほど高い頻度なので悪性腫瘍を調べる必要があります。

 

悪性腫瘍が原因となって膜性腎症が生じることがあります。

 

 

膜性腎症に他の合併症としては腎静脈の血栓症があります。

 

 

来週は、診断方法について説明します。