テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その4)
<反り腰>この不健康なる姿勢の矯正法
今回は、水氣道関連の話題から、姿勢矯正についてお話いたしましょう。
姿勢の大切さについては、健康な皆様は普段あまり関心がないかもしれません。
実は、医師とりわけ最近の整形外科医の先生方も、患者さんの姿勢について
あまり積極的にコメントされない傾向があるかもしれません。
次の例は、よくあるケースです。
初診の患者さんに、しばしば受診理由をお尋ねすると、
いろいろなお答えに遭遇します。<家の近くだから>なるほど!
<ネットで検索して良さそうだったから>どこが?
<医者に見放されたので>私も医者の端くれなんですが・・・
腰痛や膝痛の相談をしたら、
<レントゲンに異常がないから、シップと鎮痛剤を出しておきましょう>
という対応だったので、軽く考えていました。
しかし、5年後には、かなり腰や膝が変形してきたので、
同じ病院の同じ先生にみていただきました。
今度は<どうしてこうなるまで放置していたのか、毎日電気を充てに来なさい>、
というので半年通ったが一向に改善しないので、おそるおそる理由を尋ねると
<年のせいだから現実を受け入れなさい>といわれ、どうにも納得がいかないので、
メイドの土産ついでに、前から気になっていた高円寺南診療所にでも行ってみるか、
ということになった次第というお話・・・
こうしたケースの患者さんは、姿勢の悪さに気づかないまま、
また、整形外科医に指摘されないまま、
あるいは指摘されても具体的な対策をとらないまま年余を過ごされ、
重症化させてきているのです。
大抵の場合、姿勢の悪さは、非効率的で不健康な日常動作をもたらします。
骨にも筋肉にも神経にも良くない刺激を与え続けています。
それから、浅くて不規則な呼吸も、
姿勢の悪さが関与している例を多く観察しています。
姿勢の悪い患者さんに遭遇したとして、
私たち医師は何をして差し上げることができるでしょうか。
医療というシステムとの付き合い方がポイントです。
現行の医療には限界があることを多くの一般人も医療従事者も、
気づいているはずなのですが、自分自身の問題として、
あまり真剣には考えていない風潮があるのではないでしょうか。
患者さんが求める医療ケアは、
限定された医療機関の施設の中だけでは実現できないことが多い、
ということに気づいたとして、そこから何かを独自に始めてみようという
気概を持って行動している医師にはとんとお目に掛れないのは残念なことです。
そこで、苦節十数年、工夫と実践の積み重ねによって
体系化することができた鍛錬法が水氣道®です。
病気を治すには、病気の原因に気づくことが大切です。
自覚症状は、自分で感じるほかはありません。
すぐには自覚できない症状も、定期的な鍛錬と養生を繰り返すことによって、
次第によくわかってくるものです。
症状が悪化するときばかりでなく、改善するときも観察が必要です。
それによって、<気づき>が促されるからです。
また、顔見知りの親しいグループで鍛錬することによって、
自分で気づけないことでも、気づかせてもらえる機会が増えます。
さらに、<他人のふり見て、わがふり直せ>という教えも至極もっともだと思います。
そして、新たな<気づき>は<新鮮な驚き>と<感動>をもたらします。
頭で納得するだけでなく、<腑に落ちる>ということができて、
はじめて自然治癒力が発動されるからです。
水氣道は単なる自己整体法ではなく、心身の均衡と再統合を図ることができるため、
治療やリハビリテーションのみならず、
病気の早期発見や健康の維持・増進などすべての領域に関与します。
本来、予防とはこれらすべての概念を統括するものなのです。