内分泌・代謝・栄養の病気

 

<情緒不安定、易刺激性、うつ状態は内科の病気かも?>

 

4回シリーズ(第一話)

 

 

42歳女性。公務員。情緒不安定でイライラしやすく、

 

部下にうっかり暴言を吐きパワハラを訴えられ、

 

うつ状態になり、某有名病院の神経科を受診していました。

 

 

彼女は通勤の途中で駅の階段で転倒、左橈骨を骨折し、

 

国家公務員等共済の某病院整形外科を受診した際に、

 

血液検査で高カルシウム血症を指摘され、精査と加療のため入院を勧められたが、

 

欠勤を怖れたため、上司に相談して高円寺南診療所を紹介され来院となりました。

 

 

<現病歴>

半年前から倦怠感、疲労感が出現したため、婦人科を受診したところ、

 

早めの更年期障害および骨粗しょう症という診断を受け、

 

活性型ビタミンD製剤と女性ホルモンの処方を受けている。

 

 

その後、勤務中に集中力低下、情緒不安定、易刺激性がみられ、

 

通勤電車では傾眠傾向となり、しばしば乗りこしし、遅刻するようになる。

 

そこで、上司にきちんとした心療内科を受診するように勧められ、

 

都内有名病院の神経科・心療内科を受診。

 

 

双極性障害(躁うつ病)のうつ病相と診断され抗うつ剤を処方されていました。

 

果たして、どのような展開になるでしょうか?

 

心臓・脈管 / ・泌尿器の病気

 

<降圧薬3剤でコントロール不良の高血圧⁻腎臓超音波が鍵!>

 

 

90代女性。50代から高血圧を指摘されているが、

 

薬に頼るのが嫌いなので、降圧薬の服用を不規則に続けていました。

 

3か所の大学病院で、それぞれ別々の降圧剤を処方され、

 

家庭血圧で140~160mmHg台で推移するように

 

自分の判断で飲み分けていた模様です。

 

最近では3剤すべてを定期内服しても家庭血圧は130~150mmHgでした。

 

 

年をとり、3か所の大学病院に通院するのが苦になったため、

 

高円寺南診療所を紹介され、今までと同じ薬を処方してほしい、とのことで来院されました。

 

 

問診:5年程前に腎機能異常の指摘を受けてから、

 

やむを得ず降圧剤を定期内服するようになった、とのことでした。

 

3か所での処方薬を確認したところ、以下の通りでした。

 

A大学のα教授から、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬のテルミサルタン【ミカルディス®】80mg

 

B大学のβ教授から、カルシウム拮抗薬のアムロジピン【ノルバスク®】5mg

 

C大学のɤ教授から、サイアザイド利尿剤のヒドロクロチアジド12.5mg

 

 

尿検査:蛋白(±)、潜血(-)、沈査(硝子円柱1~2/1視野、細胞成分は認めず)

 

 

血液生化学検査:クレアチニン1.8mg/dL, K 5.2mEq/L, eGFR 19.8mL/分/1.73㎡

 

 

腹部超音波検査両側腎臓の対称的萎縮を認める

 

⇒慢性腎疾患を示唆、腎血管性高血圧は否定的

 

 

<臨床診断>

慢性腎臓病(良性腎硬化症の疑い)

 

長い高血圧歴、活動性のない検尿所見、両腎の萎縮から良性腎硬化症を疑います。

 

 

<鑑別すべき疾患>

 

原発性アルドステロン症:

若年で低カリウム血症をともなう高血圧という臨床像とは異なるので否定的です。

 

 

腎血管性高血圧:

難治性高血圧で、腎萎縮は左右不均一であることが多いですが、

 

この症例は降圧が無効ではなく、均一性の腎萎縮であることから否定的です。

 

 

大動脈炎症候群:

腎血管狭窄を惹起すると腎血管性高血圧となることがありますが、

 

腎血管性を疑わせる所見がありません。

 

 

線維筋異形成:

まず若年女性に多い疾患である点、

 

不均一な腎萎縮が認められるなどの点で一致しません。

 

 

 

<治療>

ARB・Ca拮抗薬・利尿薬配合剤であるミカトリオ配合錠®を

 

一日1回1錠を処方に変更しました。

 

 

偶然ですが、これまで内服していた3種類の薬剤と

 

同等の成分配合の合剤を処方することができました。

 

 

<転帰>

血圧はこれまで以上に安定し、比較的良好な経過を維持していました。

 

3か所の大学病院での処方が高円寺南診療所1か所の、しかも1日1錠の内服で済むので、

 

とても安心だし納得して服薬できると感謝してくださいました。

 

しかし、90歳を超える超高齢者であるため、

 

介護認定の必要性や在宅医療の必要性を家族に説明して、

 

彼女の住所近くの医療機関を紹介させていただきました。

 

 

<教訓> 

3つの大学病院の循環器内科の教授の外来を受診し、

 

それぞれ他院での受診歴は伏せたまま、なおかつ、

 

それぞれの大学病院の門前薬局で調剤された薬を内服されていました。

 

 

お薬手帳も3冊持参されていましたが、

 

医療制度のメリットが全く生かされていないのが残念でした。

 

かかりつけ医とか主治医をもつことが大切とは、

 

世間で何十年も言われ続けてきたことでした。

 

かかりつけの開業医から大学病院へ紹介という流れが効率的であるはずです。

 

しかし、高円寺南診療所では逆の流れが圧倒的に多いことから、

 

第一線の医療のむずかしさを感じています。

 

この傾向が続くのであれば、心電図やテレビレントゲン装置の他に、

 

超音波診断装置やなどは必需品です。

 

今回も、腎臓超音波検査が薬剤抵抗性の高血圧症の原因究明に役に立ち、

 

適切な対応決定するための材料が得られたことは特筆すべきだと思います。

<第6ステップ> その2

 

「社会的スキル」は私たちが生活していく上で、生きやすく活動していくために、

 

また他者と円滑な関係を築き、維持していくためにも非常に重要なスキルです。

 

 

このスキルは幼少期から家族や他者と関わっていくプロセスを通して発達していきます。

 

他者とのやりとりがうまくできて要領を得て成功体験を蓄積したり、

 

必要なことができなかったときに謙虚に反省することなどをくり返したり、

 

そうした試行錯誤の中から徐々にスキルアップしていきます。

 

 

しかし、場当たり的に試行錯誤をくり返すだけでは

 

スキルは向上しないということは、指摘しておかなければなりません。

 

 

「社会的スキル」の向上が見込めない具体例を挙げてみましょう。

 

 

・相手のことを考えずに強引に行動してきた。

 

・自分の望ましくない行動について、しかるべき適切な立場の人から指摘されてこなかった。

 

・過去の失敗を恐れて、相手とのやりとりを避ける行動様式を身に着けてしまった。

 

・孤立して他者とのやりとりの機会が極端に奪われてしまった。

 

 

スキルアップには、失敗を恐れず、過去の経験を顧みて、

 

絶えずトライ・チャレンジすることが必要です。

 

 

* 参考文献: 太田仁,2005,「たすけを求める心と行動」,金子書房

 

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子


 

呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

 

<インフルエンザは従来よりも積極的な予防投与が推奨>

 

 

『日本感染症学会提言2012「インフルエンザ病院内感染対策の考え方について

 

(高齢者施設を含めて)」』(日本感染症学会・インフルエンザ委員会)には

 

抗インフルエンザ薬の暴露後予防投与について記載されています。

 

 

そこから、学べることを質疑応答形式でまとめてみました。

 

ただし、抗インフルエンザ薬は、ワクチン接種の代わりになるものではないということ、

 

インフルエンザの迅速診断には限界があることなどを予め念頭に置いてください。

 

 

 

Q1. 病院職員が家庭内で、インフルエンザを発症した人と接触した場合、

 

積極的に予防投与を行う必要がありますか?

 

 

A1. 必要はありません。健康な職員は、ワクチン接種を行っていれば、

 

予防投与は原則として必要はありません。

 

 

高円寺南診療所では非常勤を含め職員全員が

 

インフルエンザのワクチンを毎年早期に接種しています。

 

そして日頃から健康保持に努めるようにしています。

 

健康とは身体的、心理的、社会的、霊的すべての側面で良好な状態であるということです。

 

職員が水氣道®に自主的に参加していることも、

 

インフルエンザ予防対策の一環として大きな意味があります。

 

 

 

Q2.インフルエンザを発症した患者に接触した入院患者に対しては、

 

ワクチン接種の有無に関わらず、抗インフルエンザ薬の予防投与が必要ですか?

 

 

 

A2. 必要です。ただし、本人の承諾が必要です。強制はできません。

 

ただし、実施するのであれば、なるべく早く24時間以内に投与を開始します。

 

発症者の同室者に対して予防投与を実施するのが原則です。

 

 

 

Q3.多床室(個室でない病室)に入院中の患者がインフルエンザを発症した場合、

 

その患者は個室に隔離し、その他の患者は他の病室へ移動しないようにするのは正しいですか?

 

 

A3. 正しいです。インフルエンザを発症した患者は直ちに個室に隔離して治療を行います。

 

同室の患者移動は、潜伏期間を考慮し、

 

3日間は、それまでの病室からの患者移動は行わないようにします。

 

 

 

Q4.高齢者施設では、どのような段階で、フロア全体で予防投与を行うべきですか?

 

 

A4. インフルエンザ様の患者が2~3日以内に2名以上発生して、

 

1名でも迅速診断でインフルエンザと診断されたら、

 

フロア全体の予防投与の開始を考慮すべきです。

 

 

 

Q5. 予防投与はワクチン療法に置き換わるものですか 。

 

また、インフルエンザの予防投与が認められている薬剤について教えてください。

 

 

A5. 予防投与は、いずれもワクチン療法に置き換わるものではありません。

 

10歳以上の未成年者ではハイリスクを除き原則使用は控えます。

 

現在、3剤が予防投与に使うことができます。

 

 

①ザナミビル(リレンザ®):1日1回、7~10日間内服

 

治療目的では症状発現から2日以内に使用します。

 

 

②オセルタミビル(タミフル®):1日1回、10日間吸入

 

慢性呼吸器疾患患者は、使用後に気管支痙攣発現の可能性があり、

 

乳製品に対して過敏症の患者は慎重投与とされるため、

 

アレルギー患者の多い高円寺南診療所では、他の薬剤を選択することが多いです。

 

 

③ラニナミビル(イナビル®):1回完結、単回吸入、2日間吸入も可

 

オセルタミビル耐性ウイルスに有効とされます。    

 

インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始します。

 

治療目的のときは、症状発現後、可能な限り速やかに投与開始します。

皆様、人は遊ぶために生まれてきたのでしょうか。

 

戯れるために生まれてきたのでしょうか。

 

遊んでいる子供の声を聴いていると、

 

感動して私の体さえも動かされてしまいます。

 

 

遊戯航法:

遊(あそ)びをせんとや生(うま)れけむ

 

戯(たわむ)れせんとや生れけん

 

遊(あそ)ぶ子供(こども)の声(こゑ)きけば 

 

我(わ)が身(み)さえこそ動(ゆる)がるれ

 

梁塵秘抄 巻第二 四句神歌 雑 より

 

 

中川流の奥義:

 

水氣道の世界に遊戯して調身、調息、調心、これら三調の統合がはかれる感動。

 

 

<調身>

胎児のようにしなやかな身体が自由に動いて、

 

しかも、使いやすく、働きやすくなりますように!

 

そう願うのではなく、に身を委ねてみる。

 

 

<調息> 

心と体の間をとりもつ息。

 

その出入りが聖霊のようにスムーズに働きますように!

 

そして、心と体、自分と仲間のハーモニーによって一体感が味わえますように!

 

結果を切望するのではなく、その過程で得られる雰囲を味わってみる。

 

 

<調心> 

「今、ここ」に意識を傾け、生かされていただけている実感が得られますように!

 

何をすべきか迷うのではなく、何かをさせていただけているを歩んでみる。

 

 

この3つの調節を達成できれば、辛い今より、もうちょい楽に生きやすくなるかなあ?

 

 

日本水氣道協会 上席支援員 水氣道従弐段下

 

水氣道中川流 遊戯三調航法 奥伝 中川良子

消化器系の病気

 

<心療内科は内科医だから責任重大なのです!>

 

3回シリーズその1

 

 

 50代女性。夫よりDVを受けていることで精神科

 

(本人は、心療内科と言ってはいますが・・・)に通院中だそうです。

 

高円寺南診療所に通院中の妹さん(看護師)のお話では、

 

最近、飲酒量も増えてきたそうです。

 

郷里から訪れた母親と共に部屋を訪れた際、

 

空の空き瓶が散在していて驚いたとのことでした。

 

なお、精神科の担当医はDVを専門とする、とあるマスコミ有名医ですが、

 

アルコール依存に関しては専門外とのことで、薬物治療のみの対応であったそうです。

 

 

高円寺南診療所では、患者さん本人の意思で来院される場合でない限り、

 

ご相談をお受けしないのを原則としておりますが、

 

相談者が継続的な通院患者さんである場合は、

 

最低限の必要な助言だけはお伝えできるように努めています。

 

そこで、まず基本的な身体状況・生活状況の確認をお願いしました。

 

 

お二人のお話から得られた情報は、

 

当該女性の眼球結膜(瞳の周囲の白目の部分)が黄色くなり、

 

お腹が異様に膨満していること。

 

 

その日は朝から、お酒を飲んでいないのに異様な口臭がすること。

 

 

身長152㎝、体重48㎏、脈拍(安静時)110/分、血圧94/52mmHg、呼吸数16/分。

 

SpO₂95%(高円寺南診療所の経皮的動脈血酸素飽和度測定装置をナースである妹さんにお貸しして測定)

 

 

ここまで、私は一切、話題の病人を診察しておりません。

 

しかし、暫定的診断はほぼ可能です。

 

 

<アルコール性肝障害>です。

 

ただし、重症度をきちんと評価しなければ適切な対応はできません。

 

そこで、ご本人に受診を促していただくことにしました。

血液・造血器の病気

 

<のどの痛みや腹痛は、単なる風邪とは限りません!>

 

咽頭(のど)が痛いので他院を受診し、

 

感冒薬を処方され症状が改善したので風邪は治った、と自己判断した20歳男性。

 

1週間後に腹痛とともに下肢に盛り上がった湿疹が出現したため、

 

一石二鳥の安上がりを狙って高円寺南診療所を受診することになったそうです。

 

 

この方は、今どきの平成生まれのお兄さんで、

 

帽子を被ったまま診察室にお入りになるのでした。

 

意識は清明、発熱なし、血圧126/80mmHg、脈拍数68拍/分、

 

バイタルサインには異常を認めませんでしたが、

 

そのためか尿検査がお気に召さないようでした。

 

<腹痛と湿疹できたのに、なぜ尿まで調べるんだ。>とのたまうのでした。

 

 

尿検査所見:蛋白(+)、潜血(+)、

 

これで腎機能障害、ときに腎炎合併が疑われるので血液検査が必要なのですが、

 

聞く耳持たぬ若者への説明に苦慮しました。

 

 

<検査の結果すべて異常が無かったら診療代は払いたくない。>という若者に対して、

 

<私の眼には狂いがないので>と応じると、

 

<先生おもしれえ、オッサン大門(ドラマ、ドクターXの主人公)かよ!わかったよ。

 

痛くねえように血取ってよ。俺、医者と注射が大の苦手なんで>

 

と急に弱気な態度に。

 

 

採血後<先生、スゲー名医だ!ちっとも痛くなかった>、

 

やはり、この男の子、身長は180センチ近いが、

 

先月まで未成年のお子ちゃまでありました。

 

 

 

 初診時診断の手掛かり:

 

①隆起性の病変、②急性の腹痛その他、

 

最低、これだけで、米国リウマチ学会の基準で

 

<シェーンライン・ヘノッホ紫斑病>と診断できます

 

その他、この症例は③20歳以下(つまり、未成年者の病気)に一応該当しています。

 

なお、④バイオプシーといって生検組織で、

 

小動静脈壁の顆粒球を見出せば、確かですが、ふつうそこまでしません。

 

これは、全身性のアレルギー性血管炎が本体で、

 

血管の炎症によって毛細血管の透過性が亢進して、浮腫や組織への出血を来す病気です。

 

 

先行感染があり、隆起性の紫斑、腹痛、腎炎などの所見が揃えば、

 

概ね誤診はないと思いますが、医学には100%確実ということはありません。

 

素人の一般大衆はそれがわからないのは仕方ないから

 

裁判に訴えることもやむなしだとしても、

 

裁判官がそのレベルだとこの国の司法も大いに心もとないと思います。

 

 

追加の検査として、腹部レントゲン検査をしました。

 

その理由は、腸重積を来すことがあるため、見落としを防ぐためです。

 

幸い腸重積の所見はありませんでしたが、

 

腸管ガス像が顕著でしたので、ガスを駆除することにしました。

 

像が顕著でしたので、ガスを駆除することにしました。

 

 

 

処方:

ガスコン®【消化管ガス駆除剤】のみを処方(前医で処方され、飲み残していた鎮痛剤の内服を許可する)

 

 

血液所見(再診時に説明):

赤血球474万、Hb14.2g/dL, 白血球9,800好酸球15%、血小板32万、

 

PT-INR1.0(基準0.9~1.1),APTT32秒(基準対照32.2)、

 

血清IgA612mg/dL、血沈15mm/時間(基準値2~10)

 

 

幸いにも血小板・凝固系は正常であったので、特別な治療は必要ではありません。

 

ただし、炎症所見があり、特に血清IgAが高値なのでIgA腎症との鑑別が必要です。

 

 

前医で処方された飲み残しの薬を呑み切ってしまうと、関節が痛みだしたというので、

 

精査しましたが関節リウマチの合併は認められませんでした。

 

 

現在は、軽度のネフローゼ症候群のため、定期的に尿検査をしています。

 

今では素直で誠実な青年に成長しています。

 

 

テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その4)

 

<反り腰>この不健康なる姿勢の矯正法

 

今回は、水氣道関連の話題から、姿勢矯正についてお話いたしましょう。

 

姿勢の大切さについては、健康な皆様は普段あまり関心がないかもしれません。

 

実は、医師とりわけ最近の整形外科医の先生方も、患者さんの姿勢について

 

あまり積極的にコメントされない傾向があるかもしれません。

 

 

次の例は、よくあるケースです。

 

初診の患者さんに、しばしば受診理由をお尋ねすると、

 

いろいろなお答えに遭遇します。<家の近くだから>なるほど!

 

<ネットで検索して良さそうだったから>どこが?

 

<医者に見放されたので>私も医者の端くれなんですが・・・

 

 

腰痛や膝痛の相談をしたら、

 

<レントゲンに異常がないから、シップと鎮痛剤を出しておきましょう>

 

という対応だったので、軽く考えていました。

 

しかし、5年後には、かなり腰や膝が変形してきたので、

 

同じ病院の同じ先生にみていただきました。

 

今度は<どうしてこうなるまで放置していたのか、毎日電気を充てに来なさい>、

 

というので半年通ったが一向に改善しないので、おそるおそる理由を尋ねると

 

<年のせいだから現実を受け入れなさい>といわれ、どうにも納得がいかないので、

 

メイドの土産ついでに、前から気になっていた高円寺南診療所にでも行ってみるか、

 

ということになった次第というお話・・・

 

 

こうしたケースの患者さんは、姿勢の悪さに気づかないまま、

 

また、整形外科医に指摘されないまま、

 

あるいは指摘されても具体的な対策をとらないまま年余を過ごされ、

 

重症化させてきているのです。

 

 

大抵の場合、姿勢の悪さは、非効率的で不健康な日常動作をもたらします。

 

骨にも筋肉にも神経にも良くない刺激を与え続けています。

 

それから、浅くて不規則な呼吸も、

 

姿勢の悪さが関与している例を多く観察しています。

 

 

姿勢の悪い患者さんに遭遇したとして、

 

私たち医師は何をして差し上げることができるでしょうか。

 

医療というシステムとの付き合い方がポイントです。

 

 

現行の医療には限界があることを多くの一般人も医療従事者も、

 

気づいているはずなのですが、自分自身の問題として、

 

あまり真剣には考えていない風潮があるのではないでしょうか。

 

患者さんが求める医療ケアは、

 

限定された医療機関の施設の中だけでは実現できないことが多い、

 

ということに気づいたとして、そこから何かを独自に始めてみようという

 

気概を持って行動している医師にはとんとお目に掛れないのは残念なことです。

 

そこで、苦節十数年、工夫と実践の積み重ねによって

 

体系化することができた鍛錬法が水氣道®です。

 

 

病気を治すには、病気の原因に気づくことが大切です。

 

自覚症状は、自分で感じるほかはありません。

 

すぐには自覚できない症状も、定期的な鍛錬と養生を繰り返すことによって、

 

次第によくわかってくるものです。

 

 

症状が悪化するときばかりでなく、改善するときも観察が必要です。

 

それによって、<気づき>が促されるからです。

 

また、顔見知りの親しいグループで鍛錬することによって、

 

自分で気づけないことでも、気づかせてもらえる機会が増えます。

 

さらに、<他人のふり見て、わがふり直せ>という教えも至極もっともだと思います。

 

 

 そして、新たな<気づき>は<新鮮な驚き>と<感動>をもたらします。

 

頭で納得するだけでなく、<腑に落ちる>ということができて、

 

はじめて自然治癒力が発動されるからです。

 

水氣道は単なる自己整体法ではなく、心身の均衡と再統合を図ることができるため、

 

治療やリハビリテーションのみならず、

 

病気の早期発見や健康の維持・増進などすべての領域に関与します。

 

本来、予防とはこれらすべての概念を統括するものなのです。

 

TCさん