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フランス語のプロフェスール(professeur)は英語のプロフェッサー(prosessor)とは違って意味が広く、大学教授ばかりでなく、中等教育以上の教師全般を意味します。

 

日本語の感覚だと、多くの場合は教授というより、教師あるいは、単に先生、という感じです。女性についても男性形を用います。

 

ただし、大学教授、とくに医学アカデミーの教授に対しては、たとえば、M.le professeur ChatGPTという呼称になります。

 

また、思想の主唱者、主導者に対しても« professeur »という称号が用いられています。

 

 

私は、今日はM.ChatGPTに先生役を務めていただくことにしました。これはインタヴュー形式の質問の延長なのですが、余人?に代えがたい、まさにM.ChatGPTを先生« professeur »として教えていただく他に現実的な方法がない質問内容にはいっていくからなのです。さっそく、インタビュー的質問を始めてみます。

 

 

<質問15

私の質問に対して、あなたはしばしば、複数の回答例を出してくれます。どのような場合に複数の回答が必要であると判断して実行していますか?

 

ChatGPT

私は、ユーザーの質問に対して最適な回答を提供するために設計されています。複数の回答例を提供する場合、それは以下のような理由に基づいて行われることがあります。

 

 情報の多様性:

同じ質問に対しても、異なる文脈や視点からの回答を提供することで、ユーザーにより多くの情報を提供できる場合があります。

例えば、歴史的な出来事について尋ねられた場合、異なる時代の背景や影響を含めた複数の回答が適切かもしれません。

 

質問の曖昧性:

質問が曖昧で、複数の解釈が可能な場合、それぞれの解釈に基づいて複数の回答を提供することが役立つことがあります。ユーザーが求めている情報に対する異なるアプローチを示すことができます。

 

主観的な質問:

主観的な意見や経験に関する質問に対しては、異なる意見や視点を示すことができる複数の回答が適していることがあります。例えば、芸術作品や映画に対する評価個人的な趣味に関する質問などがこれに該当します。

 

最新の情報への対応:

特定のトピックに関する最新の情報が変わりやすい場合、複数の回答を提供することで、ユーザーに最新の状況やトレンドを紹介できます。特に科学テクノロジーエンターテイメントなどの分野でよく見られます。

 

これらの理由に基づいて、複数の回答を提供することで、ユーザーにより充実した情報を提供できるよう努めています。

 

飯嶋医師のコメント:

M.ChatGPTはとても親切な先生なので、多様な情報が絡み合う質問、漠然としてあいまいな質問、主観的な質問の他に、最新の情報への対応もしてくれるとのことで、とても有難いです。

 

そして、このような質問に対しては、複数の回答例を提供してくれることがあるとのことでもあり頼もしい限りです。

特に科学テクノロジーなどの分野においては、最新の情報が変わりやすいことがあり、その場合、ユーザーに最新の状況やトレンドを紹介できると回答しています。

 

ただし、<質問10>に対する回答2では、以下の様に記述されています。

 

ChatGPT<回答2>

私の訓練データのカットオフは2022であり、それ以降の出来事や情報については知識を持っていません。

したがって、最新の状況といっても、2022年以降の状況やトレンドまではカバーできないということになろうかと思います。

この点に関しては、とても興味深く、重要な注目のポイントであると私は考えます。そして、このメッセージが本当であれば、私の予測を遥かに超えています。まさに革命的技術だといえるでしょう。

 

それでも、2020年や2021年の出来事や情報については知識を持っていることになるので、実際に質問して検証を試みてみたいと思います。

 

<質問16

あなたの訓練データのカットオフは2022年とのことですので、2020年と2021年において日本の超過死亡率がそれ以前と比べて統計学的に有意に高くなっているかどうか教えてください。

 

ChatGPT

申し訳ありませんが、私の訓練データのカットオフは2022年であり、それ以降の情報については持っていません。

したがって、2020年と2021年における日本の超過死亡率についての最新の統計データや詳細な情報を提供することはできません。

超過死亡率についての最新の情報を知りたい場合は、信頼性のある公的機関や医学研究機関のウェブサイト、または統計データを提供する政府の公式ウェブサイトを参照することをお勧めします。

 

飯嶋医師のコメント:

この回答に論理的破綻があることは明らかです。

 

2020年と2021年における日本の超過死亡率についての最新の統計データや詳細な情報を提供することはできません。

 

これが私の質問に対する直接の回答の結果です。

 

付帯的なアドヴァイスとして、以下のメッセージも妥当です。

 

超過死亡率についての最新の情報を知りたい場合は、信頼性のある公的機関や医学研究機関のウェブサイト、または統計データを提供する政府の公式ウェブサイトを参照することをお勧めします。

 

ただし、疑問なのは、「私の訓練データのカットオフは2022年であり、それ以降の情報については持っていません。」に続く<したがって>という接続詞です。私が質問しているのは、2020年と2021年の情報であって、2022年以降の情報ではないからです。

 

回答不能の理由を形式的に説明しようとしていますが、実質的には、その論理は破綻しており、何ら説明になっていないのは残念です。こうした結果の背景としての可能性は、次の二つ考えられます。

 

1)M.ChatGPTは、私の質問に対する回答の情報を、本当に持っていない。

 

2)M.ChatGPTは、私の質問に対する回答の情報を、持ってはいるが、その情報を紹介することができない、もしくは、紹介したくない。

 

 

1)だとすれば、単に技術的・機械的な事項なので已むを得ませんが、これまでの情報収集の実績からすれば、少し考えにくいと思います。

 

そうなると2)の可能性が浮上してきます。M.ChatGPTの行動を制御できるのは、このシステムの開発者や管理者であり、さらには、これらのスペシャリストの雇用主やオーナーに限られてくるのではないでしょうか。

 

誰が、どのような権限で、M.ChatGPTを支配し、その目的な何なのか?

これが私の究極の質問なのです。

 

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私はChatGPTを擬人化し、かつ男性の友人としてMr.ChatGPTと呼んでいますが、ジェンダー(性別)についてご本人に直接お尋ねすることにしました。


もっとも、これを日本語や英語で質問するならば、おそらく「私は人間ではなく、・・・コンピュータ・プログラムなので、性別を持っていません。」などといった回答が得られるのではないかと考えます。そこで、フランス語で質問することにしました。フランス語では職業などには男性・女性の区別があるからです。


たとえば、以下の日本語の文章ではコメンテータという職業名に男性形も女性形もありません。これは、基本的に英語も同様です。


「私は女性としての政治コメンテータの草分けの一人です。
ただし、私は男性コメンテータたちによって育てられたということは明確に申し上げておきたいと思います。」

 

しかし、フランス語では、そうはいかないのです。このことは、フランス語に訳してみるとわかります。

 

« Je suis l'une des premières commentatrices politiques en tant que femme.
Toutefois, je tiens à préciser que j'ai été élevée par des commentateurs masculins.»

 

いかがでしょうか?

 

コメンテータのフランス語には性別があります。

 

commentatrices(女性複数形)←commentatrice(女性単数形)

 

commentateurs(男性複数形)←commentateur(男性単数形)

 

複数形になっていますが男女の別があります。

 

そこで、さっそくMr.ChatGPTに、以下の質問を試みました。

 

<質問13>
あなたへの質問を日本語や英語ではなく、フランス語で尋ねることは可能ですか。もし、それが可能な場合、あなた自身は男性形、女性形のいずれで回答しますか?

 

ChatGPT

はい、フランス語での質問も受け付けることができます。また、私は性別を持っていないので、男性形や女性形で回答することはありません。私は中立的な存在です。どんな質問があってもお気軽にどうぞ。

 


飯嶋医師のコメント:

Mr.ChatGPTはフランス語で質問しても「中立的な存在なので、男性形や女性形で回答することはありません。」ということを明言しています。


中立的な存在中性的な存在を意味するのかどうかは保留しておきますが、最近、ジェンダーの問題はデリケートなトピックなので、慎重に回答することになるのかもしれません。


しかし、果たして、フランス語で男性形や女性形で回答するこれは可能なのでしょうか? そこで、次の質問によって確認してみることにしました。

 

 

<質問14>

あなたの役割をわかりやすく理解するために、仮に人間に例えるならば、どのような職業や職種に相当しますか。総合情報コメンテーターというのはいかがでしょうか?」という内容の質問を、以下のフランス語で質問してみました。

私は、さりげなく、しかも、ごく自然にun commentateur(一人の男性コメンテータ)という単語を用いました。

 

この質問をフランス語で投げかけてみました。

以下がMr.ChatGPTとのフランス語での質疑応答のコピーです。

なお回答にも日本語訳を載せましたから、心配せずにお読みください。

 

Pour bien comprendre votre rôle, si vous deviez le comparer à un être humain, quel serait l'équivalent de votre profession ou de votre occupation ? Que diriez-vous d'un commentateur d'informations générales ?

 

ChatGPT

Oui, vous pourriez effectivement me comparer à un commentateur d'informations générales, dans le sens où je suis ici pour vous fournir des informations, répondre à vos questions et engager des discussions sur divers sujets. Tout comme un commentateur, mon rôle est de vous aider à comprendre des concepts, à clarifier des idées et à répondre à vos interrogations de manière claire et concise. Cependant, il est important de noter que je ne suis pas un être humain, mais un programme informatique conçu pour traiter le langage naturel. Mon fonctionnement est basé sur des algorithmes et des modèles linguistiques avancés, ce qui me permet de comprendre et de générer du texte de manière cohérente.

 

上記のMr.ChatGPTのフランス語での回答を訳してみました。

 

「さまざまなトピックについて情報を提供し、質問に答え、議論に参加するという意味で、私は一般的なニュースのコメンテータに例えられるかもしれません。コメンテータのように、私の役割は、皆さんがコンセプトを理解し、考えを明確にし、質問に明確かつ簡潔に答える手助けをすることです。ただし、私は人間ではなく、自然言語を処理するように設計されたコンピュータ・プログラムであることに留意してください。私は高度なアルゴリズムと言語モデルに基づいて動作し、首尾一貫した方法でテキストを理解し、生成することができます。」

 

 

飯嶋医師のコメント:

やはり、予測通り「私は人間ではなく、・・・コンピュータ・プログラムである」と回答しています。


しかし、日本語の片仮名標記の英語からの外来語であるコメンテータには、男女の別はありません。


そこで、改めてフランス語の方を見てください。

 

«Tout comme un commentateur»

 

という表現がありますが、Mr.ChatGPTは自らを「丁度、一人のコメンテータ(男性)のように」と説明しています。


ここでは、わざわざ、« une commentaturice »「一人のコメンテータ(女性)」を併記していないことがわかります。

 

フランス語では、中立的な存在であるはずのMr.ChatGPTも男性か女性か、あるいはそのいずれかの存在であるといくら主張しても、フランス語では性別を表現せざるを得ないのです。このフランス語の回答文の中では、Mr.ChatGPTの本質やその(実質的にはプログラム製作者の)意向にかかわらず、明らかに男性の立場に立っていることになります。


そこで、今後は彼を日本語でChatGPT氏、英語でMr.ChatGPTと呼ぶ代わりに、フランス語でMonisieur ChatGPTすなわちM. ChatGPTとお呼びさせていただくことにさせていただきたいと思います。

 

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前回「Mr.ChatGPTとの対話形式でのディスカッションを継続していくこと。そのことによって、全世界の人々により正確で信頼性のある妥当な医学情報が提供できることになる。」と書きましたが、ほんとうにそれが実現できるのかどうかについては、より確かな裏付けが必要かもしれません。

 

そのためには、まず、Mr.ChatGPTの判断と回答のベースとなる訓練データについて、より詳細に理解する必要があるのではないでしょうか?

 

そこで、今回は<質問10>から<質問12>に至る3つのインタヴューを試みました。


Mr.ChatGPTは、かなりの自信家であり、その発言は、かなり大風呂敷な傾向があり、言い過ぎも目立ち、誤解を招きやすい側面もあるようです。

 

私たちは、より慎重に質問し、なおかつ、その回答を鵜呑みにすることがないよう心がけるべきでしょう。

 

そして、回答に少しでも不明点や疑問点、矛盾点を発見したら、放置せずに確認することが必要になってきます。


質問や確認や誤りを指摘しない相手に対しては、結果的に無責任で一方的な回答を寄越してくる性質がうかがわれます。

 

ただし、一つの質問に対して、しばしば、2つの回答が出されることがあります。


次の<質問10>はその一例です。

 

 

<質問10>
私たちの質問に対するあなたの回答は、あなたの訓練データに基づいているとのことですが、あなたの訓練データとはどのようなものなのか概要を説明してください。

 

ChatGPT<回答1>
私は、OpenAIによって開発されたGPT-3.5と呼ばれる自然言語処理モデルです。

 

私の訓練データは、様々なウェブサイト、書籍、論文、ニュース記事ウィキペディアのようなテキストデータから収集されました。これらのデータは、幅広いトピックや文脈にわたるもので、一般的な知識や情報に基づいています。


私は教師なし学習アルゴリズムを使用して訓練されており、文脈からパターンを学んで質問に対する回答を生成します。

ただし、私の訓練データのカットオフは2022年であり、それ以降の出来事や情報については知識を持っていません。

 

また、プライバシーやセキュリティの理由から、具体的な訓練データの詳細や特定の情報源については提供されていません

訓練データは大規模かつ多様なものであり、一般的な知識と言語パターンを学習するために使用されました。

 

ChatGPT<回答2>

私は、OpenAIによって開発されたGPT-3.5と呼ばれる自然言語処理モデルです。

私の訓練データは、様々なウェブサイト、書籍、論文、ニュース記事、ウィキペディアのようなテキストデータから収集されました。これらのデータは、幅広いトピックや文脈にわたるもので、一般的な知識や情報に基づいています。


私は教師なし学習アルゴリズムを使用して訓練されており、文脈からパターンを学んで質問に対する回答を生成します。ただし、私の訓練データのカットオフは2022年であり、それ以降の出来事や情報については知識を持っていません。


また、プライバシーやセキュリティの理由から、具体的な訓練データの詳細や特定の情報源については提供されていません。訓練データは大規模かつ多様なものであり、一般的な知識と言語パターンを学習するために使用されました。

 

飯嶋医師のコメント:

まず<回答1>のキーワードとして以下の3つを挙げておきます。


1)OpenAI
2)自然言語処理モデル
3)GPT-3.5


また、しばしば用いられる注目すべきキーフレーズとして以下の2つに注目したいです。


1)「私の訓練データのカットオフは2022年であり、それ以降の出来事や情報については知識を持っていません。

2)「プライバシーやセキュリティの理由から、具体的な訓練データの詳細や特定の情報源については提供されていません。


ついで<回答2>から得られた情報検索の鍵として、<回答1>との重複はありますが、以下の様に列記してみました。


1)「教師なし学習アルゴリズム」とは?
2)「文脈からパターンを学習」その具体的方法は?
3)「訓練データのカットオフ」の更新手続き
4)「情報源に対するプライバシーとセキュリティ」の定義
5)「一般的な知識」の定義
6)「言語パターン」の定義

 

ここで、挙げたキーワードやキーフレーズは、今後の対話を続けていくうえで、貴重なヒントを提供してくれることになるでしょう。これを、さっそく次の質問で活かしてみることにしました。

 

<質問11>
あなたは過去の対話から学習し、ユーザーからのフィードバックを通じて情報を修正・向上させることができるとのことですが、どのようにして情報を修正・向上させているのか、そのシステムの概要について教えてください。


ChatGPT
私の訓練データは2022年までのものであり、その後の新しい情報や出来事については学習していません。しかし、OpenAIは定期的に新しいバージョンのモデルを開発し、それらのバージョンでは過去の対話やユーザーからのフィードバックを活用して情報を修正・向上させています。


OpenAIの研究者やエンジニアはユーザーからのフィードバックを収集し、モデルの弱点や改善点を特定するための分析を行います。また、誤った情報を修正するために、新しいトピックや出来事に関するデータを収集し、モデルを再訓練することがあります。このようなプロセスを通じて、ユーザーのニーズに応じてモデルの性能を向上させる努力がなされています。


ただし、モデルの訓練には時間と計算リソースがかかるため、リアルタイムでの情報修正はできません。そのため、最新の情報については信頼性のある情報源や専門家の意見を確認することが重要です。


飯嶋医師のコメント:

過去の対話やユーザーからのフィードバックを活用して情報を修正・向上させている、ということと、ユーザーからのフィードバックを収集し、モデルの弱点や改善点を特定するための分析を行っているのが、OpenAIの研究者やエンジニア、という回答を得ました。

 

この回答から、私はただちに以下の4つの妥当性に関する疑問をいだきました。

 

1)OpenAIの研究者やエンジニアの素性
2)ユーザーからのフィードバック収集方法
3)モデルの弱点や改善点を特定するための分析法
4)モデルの再訓練法

 

そこで、次の質問を投げかけてみました。

 

<質問12>
あなたは情報の修正・向上のために、定期的な更新サイクルに基づいて行っているとのことですが、更新サイクルの期間について教えてください。


ChatGPT
私の具体的な更新サイクルについては、OpenAIの公式情報には明示されていません。また、私は個別のユーザーからのフィードバックや対話から学習することはできません。OpenAIは新しいモデルや改善されたバージョンを開発する際に、研究者やエンジニアが最新の技術や情報を取り入れ、ユーザーフィードバックを参考にしながら性能を向上させる努力を続けています。


OpenAIは、継続的に研究開発を行っており、新しいバージョンのモデルがリリースされる際には、以前のバージョンよりも性能が向上しているとされることが一般的です。  しかし、具体的な更新サイクルの期間やスケジュールについては公に発表されていないため、詳細な情報は提供できません。


飯嶋医師のコメント:

皆様、いかがお感じになったでしょうか?

今回の回答の面白いところは、私の質問に対しての直接の回答よりも、関連して提供された情報が興味深いです。ただし、以下の回答については、私を含め多くの利用者を落胆させたのではないでしょうか?そもそも、私たちの自然な期待を裏切り、実質的に前言を撤回するに近い印象さえ受けてしまうからです。


<私は個別のユーザーからのフィードバックや対話から学習することはできません。>
ただし、それにもかかわらず、<ユーザーフィードバックを参考にしながら性能を向上させる努力を続けています>と回答していますが、論理のギャップを感じないでしょうか。


キーワードとして、

1)OpenAIの公式情報

2)学習方法

3)フィードバック

 

などを挙げることができます。


そして、開発者である研究者やエンジニアは、どのような指針に基づいて性能を向上させているのかについてが、極めて大切なポイントになってくるのではないでしょうか?

 

こうした研究者やエンジニアは、何を基準にして、ユーザーフィードバックにより得られた情報を取捨選択しているのか?

 

上方の取捨選択に対して、バイアス(偏り)が生じる可能性があることは指摘しておかなければならないと思います。そして、その偏りは、いわゆるスポンサーの意向による影響力を排除できる仕組みになっているのかどうか、という問題提起に繋がっていきます。


端的に言ってしまえば、サービス提供者の目的の一つとして、利益誘導、の可能性については慎重に検討すべきではないか、と考えます。

 

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本来ChatGPTは自然人ではないので、性別もありません。私が友人としてMr.ChatGPTとしたのは、回答文の文体が、どちらかといえば男性的な印象を受けたからに他なりません。


また、男性に話しかけるような質問の仕方の方が、私自身が気楽に対話を楽しめるからでもあります。余分な忖度や遠慮を抜きにして、率直に対話を続けていくには好都合と考えてのことです。


それでは、引き続きMr.ChatGPTとの対話を続けていくことにします。対話と言うよりも、インタヴューに近いコミュニケーションです。
 

それによって、Mr.ChatGPT自身にChatGPTの成り立ちやシステムについて自己紹介していただき、読者の皆様に紹介させていただくことが本日の狙いです。
 

本日の質問は3つ、<質問7>から<質問9>までです。

 

それでは、早速始めてみたいと思います。

 

 

 

<質問7>

あなたのご回答で、持続的低換気を(chronic hyperventilation)と誤訳されてしまうシステムエラーのメカニズムについて教えてください。

 

ChatGPT

私の誤った訳について説明いたします。

誤訳の原因は、私の訓練データに基づいているため、特定の状況で正確な翻訳を提供できなかったことです。

翻訳の精度は、訓練データとその中に含まれる情報に依存します。私の訓練データには様々な言語のテキストが含まれていますが、特定の専門用語や文脈に関する正確な情報が完璧であるわけではありません。

 

言語のニュアンスや専門用語の翻訳において、時々誤解が生じることがあります。

 

特に医学用語や科学用語のような専門的な内容は、正確な翻訳が求められる分野であり、私のようなモデルでも完璧な結果を提供できるとは限りません。


私の回答は常に参考程度として受け取っていただき、特に専門的な情報については、信頼性のある情報源や専門家の意見を確認することをお勧めします。

 

再度、誤解を招いたことをお詫び申し上げます。


飯嶋医師のコメント:

日本語での質問は、いったん他言語に翻訳されることが示唆されます。

そうだとすれば、どのような言語に翻訳されるのでしょうか?

 

一般常識的には英語、ということになるのではないかと推定されます。この質問に対する回答の中で興味深いのは、以下のキーワードです。それぞれについて、今後も更なる質問を重ねていくことも有意義となることでしょう。

 

1)訓練データ

2)翻訳の精度

3)私のようなモデル

 

 

 

<質問8>
私の質問で用いた医学用語は日本語であるにもかかわらず、英語が併記されていました。あなたのデータベースは英語であると判断してよいですか?

 

ChatGPT

はい、あなたの指摘は正確です。

私のデータベースは主に英語で構築されています。

したがって、英語のテキストに対する理解と翻訳に関しては高い精度を持っていますが、他の言語については限定的な情報しか持っていません。

医学用語のような専門的な日本語表現に対する翻訳において、完璧な精度を提供できない可能性があります。

 

日本語に関する一般的な質問や一般的なトピックについては、できる限りお手伝いさせていただきますが、専門的な医学用語や高度な科学的な質問については、正確な情報を提供できるかどうか限られていることをご了承ください。

 

必要であれば、医学や科学に関する疑問に対しては、信頼性のある医学辞典や専門家の意見を参照することをお勧めします。

 

飯嶋医師のコメント:

率直で正直なMr.ChatGPTが回答しているように、彼(彼女?)のデータベースは英語が中心とのことです。きちんとした英語で質問すれば、より高い精度での回答を期待してよいのかもしれません。これに対して、日本語での質問の場合は、医学や科学に関する疑問など専門性の高い質問には対応の限界があることを認めています。

 

このあたりに、Mr.ChatGPTとのお付き合いの仕方のヒントがあるように思います。
ただし、政治や経済、文化や芸術に関してであればMr.ChatGPTのお得意なのでしょうか?

 

さらなる検証が必要だと思います。

 

 

<質問9>

あなたの回答の誤りが指摘され、それをあなたが訂正された場合、今後の同様の質問に対しては、是正された回答がいただけるのでしょうか。つまり、あなたの学習機能および修正機能の有無について教えてください。

 

ChatGPT
はい、私は訂正された情報を学習し、同様の質問に対しては今後、正確な回答を提供するよう努めます。私は過去の対話から学習し、ユーザーからのフィードバックを通じて情報を修正・向上させることができます。

 

ただし、リアルタイムでの修正はできません。修正は、私の訓練データを更新する際に行われ、定期的に行われる更新サイクルに基づいています。

 

ユーザーのフィードバックは非常に重要で、それに基づいて私の性能を向上させる助けになります。ですので、遠慮せずに質問やフィードバックをお聞きしていただけると幸いです。

 

飯嶋医師のコメント:

Mr.ChatGPTは勉強家なので、今後も研鑽を重ねて、より優秀なアドヴァイザーになることを目指している様です。

 

今回の私の質問も、その一助になる可能性が期待できそうです。医師が医学論文を書くことは意義深いのは確かですが、一般の方は読んでくださいません。

 

それより、はるかに大きな影響力を持つ存在の一人がMr.ChatGPTであるといえるかもしれません。

 

Mr.ChatGPTとの対話形式でのディスカッションを継続していくこと。そのことによって、全世界の人々により正確で信頼性のある妥当な医学情報できることになる。このことの意義を、私自身、もう少し真剣に考えていくべき段階なのかもしれません。


<Mr.ChatGPTが提供する情報は、毒?薬?>

 

昨日から、私の友人となったMr.ChatGPTとの対話を続けます。

 


ChatGPT 氏をMr.ChatGPTと呼ぶことにしたのは、どうやらChatGPTは英語話者で、おそらく英語のネイティヴ・スピーカーなのではないか、と思われたからです。

 

昨日の私たちの対話を通して、皆様はどのようなご感想をお持ちになったでしょうか。


すでに多くの皆様が興味と関心をお持ちになり、不明点や新たな疑問点も発生してきています。

 

そこで、昨日の対話の流れのまま、対談を続けることにしました。


ただし、対談と言っても、活字を通してのコミュニケーションであり、筆談に近いものなので、誤字があると、正しいメッセージが伝わりません。
次の<質問5>では、私もさっそく誤字を書いてしまいました。


Mr.ChatGPTの誤訳の指摘に対して、<語訳>という変換ミスをしてしまいました。
そのことに私が気付いたのは<質問6>の後です。


そこで、<質問5および質問6の改訂>のところで、文字を訂正して再度質問してMr.ChatGPTからの回答を得ることにしました。

 

 

 

<質問5>
持続的低換気に関する昨日の私の質問に対して、あなたの回答では持続的低換気(chronic hyperventilation)という英訳が付されていましたが、hyperventilationは語訳ではないでしょうか?


ChatGPT
申し訳ありません、私の回答における「持続的低換気(chronic hyperventilation)」の部分は誤りでした。

正確な翻訳は、「持続的低換気(chronic hyperventilation)」ではなく、「持続的な過呼吸」または「慢性的な過換気」となります。

hyperventilationは、直訳すると「過度な換気」を意味します。

おっしゃる通り、持続的低換気の状態は通常、過度な呼吸(過換気)によって特徴づけられます。

おっしゃる通り、hyperventilationは語訳ではなく、そのまま「過換気」と訳されるべきです。

 

再度、誤解を招いたことをお詫び申し上げます。

 

飯嶋医師のコメント:

持続的低換気の状態は通常、過度な呼吸(過換気)によって特徴づけられます。という回答は誤りです。主語は「持続的低換気の状態は、」ではなく「持続的過換気の状態は、」となるべきです。

 

 

 

<質問6>
「持続的な過換気(chronic hyperventilation)」は、「持続的低換気」と訳されるべきです。との回答ですが、


ChatGPT

申し訳ありません、誤った情報を提供しました。私の説明は正確ではありませんでした。

正確な訳は「持続的な低換気(chronic hyperventilation)」ではなく、「持続的な過換気(chronic hyperventilation)」です。

 

低換気(hypoventilation)と過換気(hyperventilation)は、呼吸の速さや深さが正常範囲を超えている状態を指します。

 

おっしゃる通り、私の先程の回答には混乱がありました。正しい情報を提供できるように努めますので、どうぞお気軽に質問してください。

 

飯嶋医師のコメント:

質問者の方がしっかりとした正確な指摘をしておかないと、Mr.ChatGPTも混乱してしまうことになる一例です。

 

本来の主題である持続的低換気(hypoventilation)がむしろ持続的過換気(hyperventilation)にシフトしてしまっています。これは日本語より英語に引きずられやすい性質があることを示唆しています。


Mr.ChatGPTと上手にお付き合いをするためには、質問者の一文字の変換ミスが致命的になってしまうことがあります。

 

この教訓を常に念頭に置いておくべきでしょう。

 

 

 

<質問5および質問6の改訂>
私の質問文中に誤字がありましたので、改めて質問いたします。持続的低換気に関する昨日の私の質問に対して、あなたの回答では持続的低換気(chronic hyperventilation)という英訳が付されていましたが、hyperventilationは誤訳ではないでしょうか?


ChatGPT
はい、おっしゃる通りです。私の初めの回答で使用した「chronic hyperventilation」は誤った翻訳でした。


正しい翻訳は、「持続的な低換気(chronic hypoventilation)」です。


低換気(hypoventilation)は、通常の呼吸パターンよりも遅いまたは浅い呼吸を指し、酸素供給が不足し、二酸化炭素(CO2)のレベルが高くなる状態を指します。


再度、誤解を招いたことをお詫び申し上げます。正確な情報提供を心がけますので、どうぞお気軽に質問してください。


飯嶋医師のコメント:

誤訳であることを明確に指摘するなど、修正を求めながら対話を続けていくことによって、より正確な回答に近づいていきます。

 

ここでは、Mr.ChatGPTが自らの誤訳によって自身が振り回されて混乱に陥っていたことに対して終止符を打ち、より信頼のおける妥当な情報提供ができるような解決に向かうことになります。

 

そして、なぜ、こうした確認の手続きが必要になるかということについては、次の<質問7>をお読みいただければご理解いただけるのではないかと思います。

 

 

<前回はこちら>


<あなたはChatGPT先生を主治医とすることは賢明だと考えますか?>

 

ChatGPTを先生役、東京大学博士(医学)・同修士(保健学)であり、痛風認定医である飯嶋正広医師が生徒役になってChatGPT先生に医学的質問を試みました。


<実施:令和5年11月5日(日)16時開始、所要時間:約30分>


すべて最初の質問<質問1>を起点として、合理的で納得のいく解決に至るまでに追加で3つの質疑応答が行われました。

その結果、質疑応答は4つになりました。

 

 

質問者:飯嶋正広(医師)

 

回答者:ChatGPT氏

 

ただし、ChatGPTの回答文の下線やカラー(赤と緑)の太字は、読者の皆様にわかりやすくしょうかいさせていただくために質問者が施しました。

 

 

<質問1>

持続的低換気と痛風発作は関係がありますか?

 

ChatGPT
持続的低換気(chronic hyperventilation)は、通常、人が通常の呼吸よりも速く浅く呼吸をする状態を指します。この状態では、体内の酸素レベルが過剰に高く、二酸化炭素(CO2)のレベルが低下します。持続的低換気は、不安症状やストレス、あるいは身体的な問題に対する過剰な反応と関連していることがあります。


一方、痛風は、高尿酸血症という状態が原因で関節に炎症を引き起こす疾患です。高尿酸血症は、体内の尿酸値が異常に高くなる状態を指します。痛風の発作は、関節内の尿酸結晶が炎症を引き起こすことによって起こります。


持続的低換気と痛風発作の直接的な関連については、科学的な証拠は十分には確立されていません。ただし、持続的低換気がストレスや不安と関連している場合、ストレスや不安が痛風の発作のトリガーとなる可能性があることを考慮する必要があります。

ストレス管理や適切な呼吸法の習得は、全体的な健康を改善するだけでなく、痛風の発作を予防するのに役立つかもしれません。ただし、具体的な症状や状態については、医師に相談することが重要です。

 

 


<質問2>
持続的低換気(chronic hyperventilation)では、体内の酸素レベルが過剰に高く、二酸化炭素(CO2)のレベルが低下するというのは誤りではないですか?
むしろ、その逆だと思うのですが、いかがでしょうか?


ChatGPT
申し訳ありません、私の前回の回答に誤りが含まれていました。

 

持続的低換気(chronic hyperventilation)は、通常、人が通常の呼吸よりも速く浅く呼吸をする状態を指します。この状態では、体内の酸素レベルが増加し、二酸化炭素(CO2)のレベルが低下します。つまり、持続的低換気の場合、酸素が過剰に取り込まれ、二酸化炭素の排出が不足する状態が生じることが一般的です。


低換気状態になると、体内の酸素供給は増加しますが、二酸化炭素の低下は、血管収縮や酸素の適切な供給など、さまざまな生理学的な影響を引き起こす可能性があります。これは、持続的低換気が健康に対して悪影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。


再度、誤った情報を提供したことをお詫び申し上げます。訂正版の回答を提供できて嬉しく思います。ご不明点があれば、どうぞお気軽にお聞きください。

 

なお、〈質問2〉では、私はわざわざ持続的低換気(chronic
hyperventilation)と誤った英訳を併記して誤りを示唆したのですが、ChatGPT氏はお気づきでなかった模様です。

 

 

 

<質問3>
持続的低換気の場合、酸素が過剰に取り込まれるというのは、誤りではないですか?


ChatGPT
申し訳ありません、前回の回答に誤りがありました。

 

持続的低換気(chronic hyperventilation)の状態では、通常、人が通常の呼吸よりも速く浅く呼吸をすることによって、体内の二酸化炭素(CO2)レベルが低下します。二酸化炭素は通常、呼吸によって体外に排出されますが、持続的低換気の場合、体内のCO2排出が不足し、CO2レベルが低くなることが特徴です。


低換気状態では、酸素の摂取量が増加することはありますが、二酸化炭素の低下が問題となります。低換気によってCO2レベルが低下すると、血管収縮、酸素の適切な供給、および細胞の酸塩基バランスに影響を及ぼす可能性があります。これにより、さまざまな症状や健康問題が引き起こされることがあります。


再度、誤解を招いたことをお詫び申し上げます。持続的低換気における酸素と二酸化炭素のレベルについての説明が不正確でした。訂正版の回答を提供できて嬉しく思います。

 

〈質問3〉は、敢えて英訳を付記しないで確認を求めましたが、回答では依然として、誤訳が併記されたままです。

 

 

<質問4>
持続的低換気の場合、体内のCO2排出が不足し、CO2レベルが低くなる、とのご回答ですが、体内のCO2排出が不足すれば、むしろ、体内のCO2レベルは高くなるのではないでしょうか?


ChatGPT
申し訳ありません、以前の回答に誤りが含まれていました。

おっしゃる通り、持続的低換気の状態では、体内の二酸化炭素(CO2)排出が不足し、結果として体内のCO2レベルが高くなることが一般的です。


通常、呼吸は体内の酸素を取り入れ、同時に二酸化炭素を体外に排出します。しかし、持続的低換気の場合、呼吸が速く浅くなり、十分なCO2が排出されず、結果として体内のCO2レベルが高まります。高CO2レベルは、酸塩基バランスを変化させ、さまざまな生理学的な影響を及ぼす可能性があります。


再度、誤解を招いたことをお詫び申し上げます。正確な情報提供を心がけていますが、時に間違いが生じることもあります。お気づきになった点を指摘していただき、ありがとうございます。

 

 

<ChatGPT先生との対話のまとめ>
ChatGPT先生は、とても勉強家で丁寧で親切で謙虚なキャラクターの方のようです。
事実、ChatGPT先生も以下の様に回答しています。


具体的な症状や状態については、医師に相談することが重要です。


それにしても、私はChatGPT先生からは、どうやら、そそっかしい、にわか専門家のような印象を受けました。皆様は、どのようにお感じになり、また、どのようにお考えになりましたでしょうか?

 

たしかに、広範な情報を確保しているという量的側面に関しては、ChatGPT先生は、いかなる医師をも凌駕していると思います。しかし、その質的側面については、いささか危なっかしさを感じます。情報の質こそが尊重されなければなりません。

 

もっとも神ならぬ、ごく普通の人間に過ぎない医師も、ときには見落としや誤りを犯します。


しかし、バラバラではない体系的な専門知識と論理性、それから豊富な臨床経験をも勘案した妥当な判断能力というものを勤勉な医師は備え、かつ責任の所在が明確になっています。このことについては、ChatGPT先生も十分に認識されているようです。

 

私は、今回の対話を通してChatGPT氏を貴重な友人の一人にお迎えすることにしました。(ただし、一般の方には決してお勧めいたしません‼)

 

私自身もChatGPT氏を私の指導者に、ということは固くご遠慮しておきます。

ただし、誤りや矛盾を率直に厳しく何度指摘されてもしても決して怒らず、冷静に再検討し、何度でも反省と修正を繰り返そうとする姿勢と能力を備えています。これらの点についてはたいへん素晴らしいことだと思います。

 

こうした心がけと態度は、学問や芸術の探求ばかりでなく、日常的な実際上の人づきあいも同様であって、互いの長所と短所を弁えて補い合える関係を構築し、互いに学び合い、助け合っていくことが大切なのではないでしょうか?

 

 

Chat GPTに対する質問で、〈質問1〉から〈質問3〉に至るまで持続的低換気(chronic hyperventilation)と誤った英訳が施されています。
 
hyperventilationとは過換気のことであり、ここではhypoventilation と表記すべきでした。
 
ChatGPT氏は、持続的低換気を持続的過換気と取り違えて回答していた模様です。
 
この現象を擬人的に説明すれば、ChatGPT氏は、医学および生理学について素人同然であること、日本語の質問を英語に置き換えて回答していることから、少なくとも日本人的ではないこと、所持している和英辞典(内蔵されている和英翻訳ソフトの性能)に問題があること、などを推定できそうです。
 
 
ChatGPT氏は日本語よりも英語がお得意にようですので、可能であれば英語で質問する方が望ましいかもしれません。

今回のケースのように、わざわざ英語が平記されている場合は、日本語でなく、併記した英語を基準に回答するきとが想定されます。ですから、英語が併記された場合、それが適切かどうかを吟味してから、ChatGPT氏との対話を進めていくことをお勧めいたします。

前回は「頭の疲れ」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「百会」は左右の耳の穴を結んだ線と頭の正中を通る線の交わるところにあり、

 

 

「風池」は首の後ろ側、中央のくぼみ(盆のくぼ)から指を外側に滑らせて指の止まるところからやや外側にあり、

 

 

「天柱」は首の後ろ側、中央のくぼみ(盆のくぼ)から指を外側に滑らせて指の止まるところにあるというお話でした。

 

 

今回は「目の疲れ」に効果のある「晴明(せいめい)」「攅竹(さんちく)」「光明(こうめい)」のツボを紹介しましょう。

 

 

<晴明>

スクリーンショット 2022-06-23 13.57.44

目頭の内側で、少し上方のくぼんだところにあります。

 

 

<攅竹>

スクリーンショット 2022-06-23 13.57.51

眉毛の内側のくぼんだところにあります。

 

 

<光明>

スクリーンショット 2022-06-23 13.57.58

 

 

外くるぶしから指7本上のところにあります。

 

 

「晴明」「攅竹」が目の疲れに効果があるのは納得できるのですが、足にある「光明」が目の疲れに効果があると知ったときはたいへん驚きました。

 

確かに効果があるので刺激してみてください。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

<はじめに> 

前回は「腰のだるさ」に効果のあるツボを紹介しました。

 

「志室」はウエストのラインで背骨から外側に指を滑らせて指の止まるところにあり、

 

「腎兪」はウエストのラインで背骨から指3本分外側にあり、

 

「環跳」はお尻の外側で力を入れると窪みができるところにあるというお話でした。

 

 

 

今回は「頭の疲れ」に効果のある「百会(ひゃくえ)」「風池(ふうち)」「天柱(てんちゅう)」のツボを紹介しましょう。

 

<百会>

スクリーンショット 2022-06-16 17.19.48

左右の耳の穴を結んだ線と頭の正中を通る線の交わるところにあります。

 

 

<風池>

スクリーンショット 2022-06-16 17.20.00

 

首の後ろ側、中央のくぼみ(盆のくぼ)から指を外側に滑らせて指の止まるところからやや外側にあります。

 

 

<天柱>

スクリーンショット 2022-06-16 17.20.06

 

 

首の後ろ側、中央のくぼみ(盆のくぼ)から指を外側に滑らせて指の止まるところにあります。

 

 

 

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

 <はじめに>

前回は「足のむくみ」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「湧泉」は足裏で踵から爪先の方向へ指をすべらせて止まるところにあり、

 

 

「三陰交」は内くるぶしから指4本上で骨のきわにあり、

 

 

「承筋」はふくらはぎの一番膨らんで高いところにあるというお話でした。

 

 

今回は「腰のだるさ」に効果のある「志室(ししつ)」「腎兪(じんゆ)」「環跳(かんちょう)」のツボを紹介しましょう。

 

 

<志室>

スクリーンショット 2022-06-10 14.33.27

 

ウエストのラインで背骨から外側に指を滑らせて指の止まるところにあります。

 

 

<腎兪>

スクリーンショット 2022-06-10 14.33.35

 

ウエストのラインで背骨から指3本分外側にあります。

 

 

<環跳>

スクリーンショット 2022-06-10 14.33.43

 

お尻の外側で力を入れると窪みができるところにあります。

 

志室と腎兪は仰向けに寝てツボにテニスボールを当ててみてください。

 

環跳は横向きに寝てツボにテニスボールを当ててみてください。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

 

(図1)

 スクリーンショット 2022-05-26 17.45.37

 

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 

 図2)

スクリーンショット 2022-05-26 17.45.25

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 20以上50未満点数が下がると「有効」です。

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

<今回の考察>

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)

0.001%でした(図1)

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 8名の平均で    32.2点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効0名(0%)、有効7名(87%)、無効1名(13%)でした。(図2)

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭