7月27日(月)     

 

産業医とは何者か?

 

私が産業医について書くのは、私自身が産業医資格をもっているからばかりではなく、職業関連不調の患者さんがご自分の職場に「産業医」が置かれていることを全く知らない方がほとんどであるからです。そして、最近では企業の産業医から、従業員を当クリニックに紹介を受けることも増えてきたからです。

 

以下の文書の出典は、厚生労働省のファイルです。少し、うんざりするかも知れませんが、役所の文章は法律に則って厳密に表記せざるを得ないことも確かです。そのため少しだけ辛抱してお読みいただければ、と存じます。

 

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署

 

文書についてのご質問は、最寄りの都道府県労働局又は労働基準監督署、もしくは杉並国際クリニックまでお問合せください。

 

産業医について ~その役割を知ってもらうために~

 

●事業者の皆様へ

職場において労働者の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠なことから、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場においては、事業者は、産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならないこととなっています。

 

産業医を選任することで・・

・労働者の健康管理に役立ちます

・衛生教育などを通じ職場の健康意識が向上します。

・職場における作業環境の管理などについて助言が受けられます。

 

→ 健康で活力ある職場づくりに大きく役立ちます。

 

コメント:

産業医を選任することが企業にとってメリットがあるかどうかは必ずしも保証できません。それは、産業医の能力や、企業がどれだけ労働者を大切にし、かつ、労働者の健康管理の向上が、企業の業績の向上に直接結びつくことについての理解の程度にもよるからです。
産業医の仕事は三管理といって、1)労働者の健康管理、2)労働者の作業管理、3)労働者の作業環境管理がそれにあたります。小規模零細医療機関等では、院長(管理者)である医師が産業医の役割を兼ねることがほとんどです。そして、職員の健康管理が杜撰であるならば、医療機関としての社会的責任を果たせなくなることは言うまでもありません。しかし、それは、医療機関に限ったことではなく普遍的な真理だと思われます。

 

 

① 産業医の選任

 

事 業 者 は 、 事 業 場 の 規 模 に 応 じ て 、 以 下 の 人 数 の 産 業 医 を 選 任 し 、 労 働 者 の 健康管理等を行わせなければなりません。

 

(1)労働者数 50 人以上 3,000 人以下の規模の事業場 ・・・ 1名以上選任

 

(2)労働者数 3,001 人以上の規模の事業場 ・・・ 2名以上選任
また、常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、次に掲げる業務(※)に常時 500 人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専属の産業医を選任しなければなりません。
※労働安全衛生規則第 13 条第 1 項第 2 号

 

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

 

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

 

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

 

ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

 

ホ 異常気圧下における業務

 

ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

 

ト 重量物の取扱い等重激な業務

 

チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

 

リ 坑内における業務

 

ヌ 深夜業を含む業務

 

ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

 

ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

 

ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

 

カ その他厚生労働大臣が定める業務

 

コメント:

上記のリストは業務や職場環境の多様性を示すものです。上記のうち、Covid-19関連のキーワードとなるのは、ヌの深夜業、ワの病原体ですが、これらに十分対応できている産業医は少ないのではないかと思われます。それから現在、ますます比重が大きくなってきているのがホワイトカラー職場についてのストレスマネジメント等ですが、このリストには触れられていません。

 

② 産業医の要件

産業医は、医師であって、以下のいずれかの要件を備えた者から選任しなければなりませ ん。

 

(1) 厚生労働大臣の指定する者(日本医師会、産業医科大学)が行う研修を修了した

 

(2) 産業医の養成課程を設置している産業医科大学その他の大学で、厚生労働大臣が指   
定するものにおいて当該過程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者

(3)労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験区分が保健衛生である者

 

(4)大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授、常勤講師又はこれらの経験者

 

コメント:

杉並国際クリニックの飯嶋は産業医資格を保持しています。最初は、上記の(2)のコースで日本医師会認定産業医資格を取得しました。これは講習会に出席して単位を取得すれば一切の試験なしで取得可能な資格です。飯嶋は、宇都宮のホテルに連泊し、自治医科大学で受講したことを懐かしく思い出しました。情けない話ですが、連日の過労による影響で授業の半分以上を居眠りしていたことを記憶しています。その後、産業医資格を得ただけでは理解した実感を得られなかったため、(3)労働衛生コンサルタント(保健衛生)の国家試験(筆記試験・面接試験)を受験、幸いに合格できたため労働衛生コンサルタントに登録したため、産業医の資格維持のために、更新のための講習会に出席しなくとも済むようになりました。

 

 

③ 産業医の職務

産業医は、以下のような職務を行うこととされています。

 

(1) 健康診断、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措 置、作業環境の維持管理、作業の管理等労働者の健康管理に関すること。

 

(2) 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

 

(3) 労働衛生教育に関すること。

 

(4) 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
   

 

抽象的な表現なのでわかりにくいと思います。そこで、これらを、より具体的に説明してみることにします。

 

【産業医の主な業務】

・労働者と面談
産業医の大切な業務の1つが、労働者との面談になります。面談対応の労働者は、面談を通じて産業医から様々な指導や助言をもらいます。面談対象となる労働者は、長時間労働者や高ストレス者など、産業医が面談を必要と判断した者となりますが、希望をすれば産業医と面談をすることが可能です。面談を通じ、医療機関の受診が必要と判断した労働者に対し、医療機関の紹介を行う場合もあります。また、休職者や復職希望者も産業医と面談を通じ、現状報告をしながら適切な指導や助言をもらい、必要に応じて復職指導も受けます。

 

・健康診断結果のチェック

健康診断結果で所見有りと記された労働者に対し、産業医は就業可能か否か、就業制限の必要があるかといった判断をし、必要に応じて意見書を作成します。また産業医は、健康診断結果報告書に捺印をする必要もあるため、健康管理をする上で健康診断結果のチェックは大切な業務の1つになります。

 

・事業所の巡視

事業所の安全管理や状況改善のため、産業医による定期的な巡視が義務付けられています。事業所で問題点が発見された場合、改善に向けての適切な指導や助言を事業所側に行います。

 

・ストレスチェックの実施

2015年より年1度の実施が義務付けられたストレスチェックにおいて、計画や実施、事後措置に産業医が携わります。高ストレスと判断された従業員は後日、産業医と面談する必要があります。過労死などの突然死を予防するうえでも産業医によるストレスチェックは欠かせない業務になってきました。

 

・衛生委員会の参加
月に1回事業所で開催される衛生委員会に出席することも産業医の役割で、不参加の場合、作成された議事録に目を通す必要があります。

 

・衛生講話
産業医に対し企業から衛生講話の希望が出た場合、衛生委員会や職場研修などの場で講話を行います。
産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができます。また、産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないこととなっています。

 

 

産業医がみつからないときは・・

・健康診断を実施している機関に産業医の資格を有した医師がいて、かつ、他の事業場での産業医活動が可能な場合がありますので、相談してみてください。

 

・親会社等に産業医がいる場合は、その方を産業医に選任できるか相談してみてください。

 

 

● 労働者数 50 人未満の事業場については、産業医の選任義務はありませんが、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師等に、労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならないこととされています。

7月26日(日)
週間<外国語>旅行

 

前回はこちら

 

ブラジル大統領ボウソナウ氏がCovid-19に罹患してNo3



Andressa Anholete via Getty ImagesJá foram distribuídas 4,3 milhões de doses de cloroquina para pacientes de covid-19 no SUS, segundo o Ministério da Saúde.

 

Andressa Anholete via Getty ImagesJáは、保健省によると、SUSの患者に430万回分のコビド-19クロロキンを配布した。

 

 

Não há evidência científica para uso da cloroquina

クロロキン使用の科学的根拠なし

 

 

É consenso na comunidade científica que o uso da cloroquina para tratar covid-19 não é seguro e eficaz. Estudo publicado em 11 maio no Journal of the American Medical Association (JAMA), com dados de 1.438 pacientes infectados com o novo coronavírus internados entre 15 de março e 24 de abril em hospitais da região metropolitana de Nova York (EUA), revelou que não houve diferença significativa entre a taxa de letalidade dos que usaram hidroxicloroquina.

Covid-19の使用は安全かつ効果的ではないというのが科学界のコンセンサスである。米ニューヨーク都市圏の病院に3月15日から4月24日までに入院した新型コロナウイルスに感染した患者1438人のデータを用いた研究が5月11日、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(JAMA誌)に発表され、ヒドロキシクロロキンを使用した人の致死率に有意な差はなかったことが明らかになった。

 

 

Uma outra pesquisa, publicada no New England Journal of Medicine (NEJM), em 7 de maio, com 1.376 pacientes americanos de covid-19, mostrou que pacientes com e sem o tratamento com hidroxicloroquina apresentavam o mesmo risco de uma piora do quadro e de morte.

5月7日にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に発表された別の研究では、米国人のコビド-19患者1,376人を対象に、ヒドロキシクロロキンによる治療を受けた患者と受けていない患者では、症状の悪化と死亡のリスクが同じであることが示された。

 

 

As “Diretrizes para o Tratamento Farmacológico da COVID-19”, um consenso da Associação de Medicina Intensiva Brasileira (Amib), da Sociedade Brasileira de Infectologia (SBI) e da Sociedade Brasileira de Pneumologia e Tisiologia (SBPT), também não recomenda o uso de cloroquina e hidroxicloroquina em casos leves porque “até o momento, os estudos comparados existentes avaliaram pacientes hospitalizados somente, não havendo base para seu uso ou não em pacientes ambulatoriais”.

また、ブラジル集中治療医学会(Amib)、ブラジル感染症学会(SBI)、ブラジル呼吸生理学学会(SBPT)のコンセンサスである「Covid-19の薬理学的治療ガイドライン」では、「これまでのところ既存の比較研究では入院患者のみを評価しており、外来での使用や使用の根拠がない」として、軽症例でのクロロキンやヒドロキシクロロキンの使用を推奨していない。

 

 

As associações médicas ressaltam que “as evidências disponíveis não sugerem benefício clinicamente significativo do tratamento” das duas drogas. “O uso pode ser considerado mediante decisão compartilhada entre médico e paciente, somente em pacientes graves ou críticos, hospitalizados, com monitorização frequente de intervalo QTc e evitando medicamentos concomitantes que também prolonguem o QTc. Seu uso preferencial deve ser realizado mediante protocolos de pesquisa clínica”, diz o documento.

医師会は、「利用可能な証拠は、2つの薬の治療が臨床的に有意な利益をもたらすことを示唆していない」と指摘している。「QTc間隔(註1)を頻繁にモニタリングし、同じくQTcを延長する併用薬を避けて入院している重症または重症患者に限り、医師と患者の共通の判断で使用を検討することができる。その優先的な使用は、臨床研究のプロトコルによって行われるべきである」と文書に書かれています。

 

(註1)QTc間隔:

心電図上に描かれる特定の波形の時間間隔。心電図上の波形は、通常PからTまでのアルファベット順であらわされていて、QT間隔とはQ波のはじまりからT波の始まりまでの時間間隔を表す。

心電図上の QT 間隔は,心室の電気的興奮が回復するまでに要する時間を示す。

ただし、QT間隔は心拍数によって変化するため,その正確な評価のためにBazettの補正式(QTc=QT実測値/ RR間隔1/2)を用いて算出されたものがQTcである。心筋活動電位が延長するとQT延長がみられ、特殊な多発性心室細動を来すQT延長症候群が知られている。新薬開発に当たっては、この点に留意すべきことが以下のように、わが国でも示されている。

<非抗不整脈薬におけるQT/QTc間隔の延長と 催不整脈作用の潜在的可能性に関する臨床的評価について>厚生労働省医薬食品局審査管理課長 (平成 21 年 10 月 23 日)

非抗不整脈薬におけるQT/QTc間隔の延長と 催不整脈作用の潜在的可能性に関する臨床的評価について「本ガイドラインは、不整脈の発生し易さと関連した、薬物による心室の再分極遅延の可能性を評価するための臨床試験のデザイン、実施、解析、解釈に関するものである。

心室の再分極 遅延は、心電図におけるQT間隔の延長として計測されることから、評価においては、心血管系 の有害事象とともにQT/QTc間隔に及ぼす作用を調査するべきである。」なお「本ガイドラインは、概ね全身に影響を及ぼす新医薬品に対して適用される」ことが明記されている。

 

 

Já foram distribuídas 4,3 milhões de doses do remédio para pacientes de covid-19 no SUS, segundo o Ministério da Saúde.

すでに430万人の薬の投与量がSUSでcovid-19の患者に配布されている、と保健省は述べている。

 

 

Distribuição de recursos e medicamentos
資源と医薬品の流通

 

 

Nesta quinta, o Ministério da Saúde divulgou que até o momento foram entregues 6.549 ventiladores pulmonares, 163,3 milhões Equipamentos de Proteção Individual (EPIs) e habilitados 9.201 leitos de UTI exclusivos para pacientes de covid-19.

今週木曜日、保健省は、これまでに6,549台の肺換気用人工呼吸器、1億6,330万台の個別保護装置(IPE)、9,201台のICUベッドがcovid-19患者専用に納入されたことを明らかにした。

 

 

Segundo a pasta, 806 mil unidades de medicamentos para intubação foram distribuídos aos estados. Nas últimas semanas, profissionais de saúde relatam a falta desse tipo de medicação.

記録ファイルによると、挿管用の薬は80万6000単位が州に配布されたという。最近の数週間で、医療関係者の間では、この種の薬の不足が報告されている。

 

 

Em coletiva de imprensa, o secretário-executivo da pasta, Elcio Franco, afirmou que houve um desabastecimento no mercado internacional. Estados e capitais podem aderir a um pregão para a compra de mais medicamentos desse tipo até o dia 13 de julho.

ポートフォリオのエルシオ・フランコ執行幹事は記者会見で、国際市場で不足していると述べた。州や首都は7月13日まで、このタイプの薬を買い増すための取引に参加することができる。

 

 

De acordo com o balanço, o ministério descentralizou R$ 54,7 bilhões em recursos para os estados e municípios. O valor inclui orçamento previsto anteriormente e adicional para combate à pandemia.

バランスシートによると、同省は547億レアルの資源を州や自治体に分散させている。この金額には、パンデミック対策のために以前から計画されていた予算と追加予算が含まれている。

 

 

Nesta quinta, Franco citou levantamento da Confederação das Santas Casas e dos Hospitais Filantrópicos que mostra que apenas 39 das 361 instituições do tipo receberam recursos. Segundo o ministério, R$ 2 bilhões foram pagos para o setor filantrópico.

今週の木曜日、フランコは、このタイプの361機関のうち39機関だけが資金を受け取ったことを示している聖なる家と慈善病院の連合(註2)による調査を引用した。同省によると、慈善活動部門には20億レアルが支払われた。

 

(註2)

聖なる家と博愛病院の連合(Confederação das Santas Casas e dos Hospitais Filantrópicos)は、ブラジリアに本部を置く非営利・経済団体で、以下の公式サイトがある。

 

サイトはこちら

 

 


QUEM SOMOS
A Confederação das Santas Casas e Hospitais Filantrópicos (CMB) é uma associação sem fins lucrativos ou econômicos, fundada no dia 10 de novembro de 1963. Com sede em Brasília, a entidade é um órgão de união, integração e de representação das Federações de Misericórdias constituídas nos respectivos Estados, bem como das Santas Casas, Entidades e Hospitais Beneficentes. Atualmente, a CMB é composta por 16 Federações Estaduais, e representa 2.172 hospitais sem fins lucrativos em todo o país, dos quais 1.704 atendem o Sistema Único de Saúde (SUS).
Os membros da sua Diretoria e do Conselho Fiscal não recebem qualquer remuneração pelo exercício da função, nem poderão usufruir, direta ou indiretamente, de vantagens ou benefícios da CMB, sendo-lhes vedado qualquer vínculo remunerado com a instituição. Além disso, a CMB conta, ainda, com a colaboração de dezenas de outros diretores de Federações filiadas, médicos, provedores, administradores hospitalares e técnicos em Saúde, integrantes da estrutura dos milhares de hospitais que compõem a rede representada pela CMB.

私たちは誰なのか
聖隷病院連盟(CMB)は、1963年11月10日に設立された非営利・経済団体です。ブラジリアに本部を置き、それぞれの州で構成されている慈悲連盟や、聖職者の家、慈善病院連合の統合的代表機関となっています。現在、CMBは16の州連合で構成され、全国の2,172の非営利病院を代表しており、そのうち1,704の病院が単一健康制度 (SUS)にサービスを提供しています。本機構の理事会及び財務審議会のメンバーは、その職務の執行に対して一切の報酬を受けず、また、直接・間接を問わず、本機構の利益を享受することはできず、本機構との間にはいかなる報酬関係も禁じられています。さらに、CMBは、CMBが代表するネットワークを構成する何千もの病院の構造のメンバーである提携連盟の理事、医師、プロバイダー、病院管理者、医療技術者などの数十名の協力を得ています。

 

7月26日(日)

前回はこちら

 

今回は、皆様にウィーンから届いた音源をお楽しみいただきたいと思います。

 

贈り主は、ウィーン在住のピアニストで、私の歌の伴奏でもずっとお世話になっている今泉弘江さんです。

今泉さんによると、オーストリアは正常化に向かっているそうです。ただし、内陸国であるため周辺国との国境が開いた影響か、あちらこちらで感染者も出ているようです。

 

ウィーンでの音楽活動は、特に合唱は難しいようで、大編成の合唱はまだ始められないようです。今泉さんは少人数のアンサンブルのみ練習を再開したところのようです。

 

彼女が仕事をしているウィーン国立音楽大学もコロナで閉鎖されたようです。私が毎年レッスンを受けているVisca先生とはそれ以来ご無沙汰となっているとのことですが、幸いお元気そうであるという知らせを受けて安心した次第です。

 

またコロナで閉鎖されたのは、大学や劇場だけでなく教会にも及び、日本と同様に礼拝が中止になっていた模様です。

今泉さんが贈ってくださった音源は、礼拝が出来なかった時に録音して信者に配信したもののうち3つのリンクを添付していただきました。

 

「お時間のある時に聞いて頂ければ幸いです。」というメッセージを、そのまま皆さんにもお伝えします。

 

さて、今泉さんが演奏奉仕しているプロテスタント教会( Evangelischen Kreuzkirche Wien:福音聖十字架教会)はヒーツィングという私にとっては聞きなれた土地にあるらしいので、早速検索して発見しました。

ヒーツィングはウィーン市の23に分かれている区の1つで、ウィーン市域の最も西側に位置します。

 

街は緑にあふれ、西部はウィーンの森、その麓にはブドウ畑が広がっており、ヒーツィングの人々はこの豊かな緑を心から守り愛しています。

ヒーツィングには世界遺産シェーンブルン宮殿や動物公園があり、また、病院やシルバーハウスのような社会福祉施設もあります。

地下鉄ヒーツィング駅から約15分でウィーン市の中心部まで行くことができます。
 

私は、外国へ行くと日曜日にはカトリック教会で地元の信者と共に聖歌を歌うことがありますが、今泉さんが奏でるパイプオルガンで歌うことが出来たら素晴らしいと思いました。

是非、コロナを克服して、実現させたいと思います。

 

 

#1.メンデルスゾーン、アンダンテDdur

 

歌曲:見よ、母と父の祝福を(音楽:マルチン・ハイダー)

 

Mendelssohn, Andante in D-Dur Tagesgebet zum 3. Sonntag nach Trinitatis
Lied: Sieh den Segen der Mütter und Väter (Musik: Martin Heider)

 

<解説>

Trinitatisというのは三位一体の祝日(聖霊降臨祭後の最初の日曜日)

Sonntagというのは日曜日、Sonntag nach Trinitatisとは、
したがって、三位一体の祝日の後の日曜日

 

ウィーンのプロテスタント教会にて

 

こちらで視聴できます

 

 


#2.復活祭後の第2日曜日の「主の憐み」の祈り

 

コミュニティ(ミヒャエル・シュッツ)

 

歌曲:そして新しい朝が(グレゴル・リンセン)

パイプオルガン:今泉弘江

 

Musik: Community (Michael Schütz)
Lied: Und ein neuer Morgen (Gregor Linßen)
Orgel: Hiroe Imaizumi

 

<解説>

Andacht:祈り

Misericordias Domini:「主の憐み」復活祭後の第2日曜日

Andacht Misericordias Domini:復活祭後の第2日曜日の「主の憐み」の祈り

Michael Schütz(ミヒャエル・シュッツ)1963年7月29日カールスルーエ生まれのドイツの教会音楽家、作曲家、大学講師。新しい霊歌のために伝統音楽の様式をポップ音楽様式を繋げることに傾注している。

 

こちらで視聴できます

 

 

#3.山上のパイプオルガンにそれを知らせに行け

パイプオルガン:今泉弘江

ケーグラ―パイプオルガン福音十字架教会ウィーン

 

Go tell it on the mountain (Michael Schütz)
Orgel: Hiroe Imaizumi
Kögler Orgel der Evangelischen Kreuzkirche Wien

Go tell it on the mountain Orgel


Go tell it on the mountain Orgel

 

 

以下は、この教会のホームページの案内を翻訳したものです

 

Historisches

歴史

 

 

Die Geschichte der Evangelischen Pfarrgemeinde A.B. Wien-Hietzing ist mit dem Wachsen der Außenbezirke Wiens eng verbunden. Nachdem mit dem Revolutionsjahr 1848 die Bebauung des Inneren Bezirks ihren Abschluss gefunden hatte, sollten nun in den nächsten 50-70 Jahren die sogenannten klassischen Außenbezirke, wie Hietzing oder Währing, ihre städtebauliche Gestaltung finden. Diese rasante Entwicklung der sogenannten Gründerzeit erklärt, warum ursprünglich das Gebäude der Evangelischen Kirche A.B. Wien-Hietzing in der Astgasse/Ecke Penzinger Straße im Jahr 1909 geplant wurde. Als Zwischenglied wurde 1913 ein Grundstück in der Cumberlandstraße erworben und darauf das Gemeindehaus gebaut. Am 12. Juli 1914 fand die Einweihung des Predigtsaales statt. Als ursprünglicher Termin hierzu war der 5. Juli 1914 geplant gewesen. Da aber am 28. Juni der Thronfolger Erzherzog Franz Ferdinand in Sarajewo erschossen wurde, wurde die Einweihungszeremonie für den Predigtsaal in einen Trauergottesdienst umgewandelt. Kurze Zeit danach marschierten die Söhne Österreich-Ungarns in den 1. Weltkrieg. Aus einem Provisorium wurde etwas Beständiges.

福音派教区A.B.ウィーン・ヒーツィングの歴史は、ウィーンの周辺地域の発展と密接に関係しています。 革命期の1848年に内地の開発が完了した後、ヒーツィングやヴェーリングのようないわゆる古典的な郊外の地区は、次の50年から70年の間に都市設計を見つけることになりました。いわゆる「Gründerzeit」と呼ばれるこの急速な発展は、アスト通り/ペンツィンガー通りの角にあるプロテスタント教会A.B.ウィーン・ヒーツィングの建築が1909年に計画された理由を説明しています。1913年、カンバーランド通りの土地が中間リンクとして取得され、その上に教区庁舎が建設されました。1914年7月12日、説教堂が落成しました。当初の予定日は1914年7月5日でした。しかし、王位継承者であるフランツ・フェルディナント大公が6月28日にサラエボで射殺されたため、説教堂の落成式は葬儀に変えられました。その後まもなく、オーストリア・ハンガリーの息子たちが第一次世界大戦に進軍しました。仮の取り決めが恒久的なものになりました。

 

 

Baugeschichte
Das Patenkind des berühmten Wiener Architekten Otto Wagner, dessen berühmteste Kirche sich in den Steinhofgründen im 14. Bezirk befindet, Theophil Niemann (*1883 – †1962) wurde nach dem Zusammenbruch der Österreich-Ungarischen Monarchie und dem Elend der Nachkriegsjahre beauftragt, die evangelische Kirche zu errichten. Der Bau wurde im Stil einer evangelischen Hauskirche errichtet. Sie stellt heute etwas ganz Besonderes da. Diese Tradition des evangelischen Kirchenbaus geht auf das Toleranzpatent des Kaisers Josef II. 1781 zurück, in dem den evangelischen Christen zwar der Bau und Betrieb von Kirchen erlaubt wurden, diese allerdings als solche äußerlich nicht erkennbar sein durften. Am 18. Oktober 1931 wurde die Kreuzkirche eingeweiht.

建物の歴史
テオフィル・ニーマン(*1883 - †1962)は、オーストリア・ハンガリー王政の崩壊と戦後の悲惨な時代を経て、プロテスタント教会の建設を依頼されました。建物はプロテスタントの家の教会のスタイルで建てられました。今日は何か特別なものを表しています。このプロテスタントの教会建築の伝統は、1781年の皇帝ヨーゼフ2世の寛容特許にまでさかのぼり、プロテスタントのキリスト教徒は教会を建設して運営することは許されていたが、そのような教会として外部から認識されることは許されていませんでした。十字架教会は1931年10月18日に聖別されました。

 

Die beiden Eingangstore sind mit schmiedeeisernen Rhomben beschlagen und haben gelb verglaste Dreiecksgiebel. Sie sorgen für Licht in den Gängen. Durch den rechten Eingang gelangt man in die Vorhalle, wo sich die zwei Zugänge zum Kirchenraum befinden, und weiter zum Innenhof. Hier mahnt eine monumentale Inschrift: „Seid aber Täter des Worts und nicht Hörer allein“ (Jakobus 1,22). Darunter ist eine Gedenktafel für Kantor Prof. Julius Peter angebracht.
2つの入堂門には錬鉄製の菱形の装飾が施され、黄色の釉薬が施された三角屋根の門があります。廊下を明るくしてくれます。右側の入り口から教会への2つの入り口がある前庭に入り、中庭へと進んでいきます。ここには記念碑的な碑文があり、「あなたがたは、ただ聞くだけではなく、みことばを行う者となりなさい」(ヤコブ1:22)と警告しています。その下には、カントル(註1)のユリウス・ペーター教授の記念プレートがあります。
(註1)カントル:

プロテスタント教会のオルガン奏者兼合唱隊指揮者

 

 

Der Innenraum ist annähernd ein quadratischer Saal mit ostseitig in halber Höhe eingezogener Empore. Die Westseite beinhaltet schmale Zwischenräume mit eingespanntem spitzbogigen Altarraum.

内部空間はほぼ正方形のホールで、東側の半分がギャラリーになっています。西側には狭い空間があり、その中には尾形の祭壇空間が伸びています。

 

 

Altarraum:祭壇

In die Westwand spitzbogenförmig eingeschnitten befindet sich der Altarraum, an dessen Rückwand sich ein großes goldfarbenes Kreuz vor dunkelblauem Grund erhebt. Es trägt eine stilisierte Dornenkrone. Dieses Kreuz verweist auf den Namen der Kirche. Zwei Stufen führen zum Altartisch hinauf. Die Kirche besitzt eine überaus sehenswerte Sammlung von Antependien, die in den liturgischen Farben gehalten und mit den zu den jeweiligen Anlässen passenden Symbolen versehen sind. Sie stammen zum Großteil noch aus der Erbauungszeit.

西側の壁に切り込まれた扇形アーチの形をした聖堂は、その後ろの壁には、紺色の背景に金色の大きな十字架がそびえ立っています。それは様式化された茨の冠が付いています。この十字架は教会の名前を指しています。祭壇のテーブルには二段の階段があります。教会には、典礼色とその時に相応しいシンボルを用いた、非常に興味深いアンテペンディウム(註2)のコレクションがあります。そのほとんどは、教会が建てられた時代にまでさかのぼります。

(註2)アンテペンディウム:

祭壇の前面の装飾的な布または絵画・彫刻

 

 

Die Kanzel als spezifischer Ort der Wortverkündigung hat für den evangelischen Gottesdienst und damit für den evangelischen Kirchenbau besondere Bedeutung. Der Reformator Martin Luther sprach und schrieb auf besonders originelle und liebevolle Weise davon, was ihm die biblischen Schriften bedeuteten:
Das Wort Gottes ist eine Speise; wer sie isst, den hungert immer mehr danach. …
Ich lese die Bibel, wie ich meinen Apfelbaum ernte: Ich schüttle ihn, und was runterkommt und reif ist, das nehme ich. Das andere lasse ich noch hängen.
Die Heilige Schrift ist ein wunderbares Kräutlein, je mehr du es reibst, desto mehr duftet es.

みことばを宣べ伝えるための特定の場所としての説教壇は、プロテスタントの礼拝にとって特別な意味を持ち、プロテスタントの教会建設にとっても特別な意味を持っています。改革者のマルティン・ルターは、聖書の記述が彼にとってどのような意味を持つのかについて、特に独創的で愛に満ちた方法で話し、書いています。神の言葉は食べ物であり、それを食べる者は、ますますそれを渇望します。…

私はリンゴの木を収穫しながら聖書を読みます:私はその木を揺さぶって落ちてきたものを取ります。そうでないものは木にぶら下げたままにしています。聖典は、手指で擦ればれば擦るほど香りが出てくる素晴らしいハーブです。

 

Die Wandflächen links und rechts des Altarraums füllen monumentale Wandgemälde, der Erzengel Michael und Gabriel vor blauem Grund, die Pfarrer Erwin Schneider gemalt hat. Michael ist mit Flammenschwert und steinbesetztem Gurt dargestellt, was auf seine Funktion als Bezwinger des Satans bezogen werden könnte. Er trägt ein langes weißes Gewand mit aufgekrempelten Ärmeln und braunes, an mittelalterliche Schnabelschuhe erinnerndes Schuhwerk. Er ist umgeben von seinen die ganze Nische ausfüllenden Flügeln, die wie ein Strahlenkranz leuchten. Gabriel ist ebenso in ein weißes Gewand gekleidet, das mit einem roten Band gegürtet ist. Er hält als Verkündigungsengel einen Lilienzweig in seinen Händen. Beide Engel sind von äußerst muskulöser Gestalt, zeigen aber eher weibliche Gesichtszüge. Die sehr flächige Darstellung der Engel mit ihren nach unten geklappten Füßen entspricht den im Jugendstil üblichen Engelsbildern.

聖堂の左右の壁面には、エルヴィン・シュナイダー牧師が描いた青い背景の前に大天使ミカエルとガブリエルが描かれた記念碑的な壁画が描かれています。燃えるような剣と石をちりばめた帯で描かれたミカエルは、サタンの征服者としての機能と関連している可能性があります。袖を捲り上げた長い白衣を着て、中世のくちばし靴を思わせる茶色の靴を履いています。ニッチ全体を埋め尽くす翼に包まれ、光線の後光のように輝いています。ガブリエルも赤いベルトのついた白いローブを着ています。告知の天使のように百合の枝を手に持っています。どちらの天使も非常に筋肉質な体型をしていますが、どちらかというと女性的な特徴を持っています。足を折りたたんだ天使の非常に二次元的な表現は、アール・ヌーヴォーによく見られる天使像に対応しています。

 

 

Die fünf Glasgemälde in den Fenstern der Südwand sind nach Entwürfen des Pfarrers Erwin Schneider von Franz X. Götze geschaffen worden. Vier der Glasmalereien sind vom Kirchenraum aus sichtbar, eines befindet sich im Aufgang zur Empore und eines auf der Empore. Alle Fenster sind in leuchtend bunten Farben gehalten und stellen bedeutende Persönlichkeiten des Protestantismus dar.

南側の壁の窓に描かれた5つのガラス絵は、フランツ・X・ゲッツェが司祭エルヴィン・シュナイダーのデザインに合わせて制作したものです。教会内部から見えるステンドグラスの窓は4つあり、1つはギャラリーへの階段に、もう1つはギャラリー上にあります。すべての窓は明るい色で塗られ、プロテスタントの重要な人物が描かれています。

 


Martin Luther (*1483 – †1546), Philipp Melanchthon (*1497 – †1560), Paul Gerhardt (*1607 – †1676), Johann Sebastian Bach (*1685 – †1750)

マルティン・ルター (*1483 - †1546) フィリップ・メランチトン (*1497 - †1560) パウル・ゲルハルト (*1607 - †1676) ヨハン・セバスチャン・バッハ (*1685 - †1750)

 


Die erste Hausorgel stammte vom Komponisten Franz Schmidt und wurde von Vinzenz Moszny in Preßburg 1880 gebaut. In den 90er Jahren des letzten Jahrhunderts beschloss das Presbyterium der Gemeinde die Errichtung einer neuen Orgel durch die Oberösterreichische Bauanstalt St. Florian.

最初の会堂パイプオルガンは作曲家フランツ・シュミットのもので、1880年にヴィンツェン・モズヌイによってブラチスラバに建設されました。前世紀の90年代には、小教区の司祭会者は、上部オーストリアの建築研究所であるサン・フローリアンによって新しいパイプオルガンを建設することを決定しました。

 

 

Sie ist auf der an der Ostwand eingezogenen Empore mittig in die Brüstung eingeschnitten. Die neue Orgel wurde 1997 errichtet und hat 2 Manuale und 16 Register. Die Mensurierung und Intonierung erfolgten durch Helmuth und Christian Kögler, unterstützt von Bernhard Hilbrand Edsges. Am 22. März 1998 wurde die neue Orgel von Superintendent Mag. Werner Horn mit musikalischer Gestaltung unter Leitung von Mag. Norbert Zeilberger eingeweiht.

東側の壁に引き込まれたギャラリーの欄干の真ん中に切り込まれています。1997年に作られた新しいオルガンで、2つのマニュアルと16のストップを備えています。編成とヴォイシングはヘルムートとクリスチャン・ケーグラーが担当し、ベルンハルト・ヒルブラント・エッジスがサポートしました。 1998年3月22日、ヴェルナー・ホルン総監督の指揮のもと、ノルベルト・ツァイルベルガーの指揮下の音楽様式とともに新しいパイプオルガンが発足しました。

 


Die Decke des Kirchenraumes, gestaltet von Pfarrer Schneider, zeigt auf dunkelblauem Grund rundumlaufend ein Deckengemälde mit den Tierkreiszeichen in Sgraffito-Manier. Begleitet werden die Tierkreiszeichen von einem gestirnten Himmel. An der Decke über der Empore begleiten Engel den Tierkreis. Sie tragen Sterne und Mond und sind wohl als Symbole des universalen Charakters von Christi Botschaft zu sehen.

シュナイダー牧師がデザインした教会空間の天蓋には、紺色の背景にスグラフィット様式(註3)で十二支が描かれた天井画が描かれています。十二支は星空を伴っています。ギャラリーの上の天蓋には、天使が十二支を伴っています。彼らは星と月を運び、キリストのメッセージの普遍的な性格の象徴として見られます。
(註3)スグラフィット:

陶器装飾や絵画法の一種

 

<はじめに>

 

 

前回は「冷え症」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「中極」はへそから指5本分下にあり、

 

 

「陽池」は手の甲側で手首の中央にあり、

 

 

「太衝」足の親指と人差指の間をなぞって指の止まるところにあるというお話でした。

 

 

今回は「生理痛」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

 

<生理痛に効果のあるツボ>

2020-05-12 14-17

 

 

 

「太白(たいはく)」は足の親指の内側で、骨が出っぱっているところのすぐ後ろです。

 

 

「三陰交(さんいんこう)」内くるぶしから指4本分上にあります。

 

 

「陽池(ようち)」は手の甲側で手首の中央にあります。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

7月25日(土)

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ボリビア記事の続きの続きの更なる続きのそのまた続き

 

Banco de sangre
血液バンク

 

 

La esposa del paciente enfermo aseguró que “tuvo suerte”, pues luego de solicitar el plasma ORH+ en el Banco de Sangre de Santa Cruz, éste le fue entregado y ya recibió dos veces la transfusión. Su esposo de 43 años está internado en el Hospital Obrero y a la espera de su pronta recuperación.

患者の妻は、サンタクルス血液バンクでORH+血漿をリクエストしたところ、それが渡され、すでに2回輸血を受けているので「ラッキー」といっていた。43歳の夫はオブレロ病院に入院しており、一刻も早い回復を待っている。

 

 

“Gracias a Dios lo hemos conseguido. Él es bastante conocido, pues es maestro de esta zona. He llamado a tantos celulares que aparecen en las redes sociales de posibles donantes, pero son mensajes falsos. Yo solo me encargué de ir recoger el plasma”, dice la esposa.

「助かった。 このあたりではかなり知られているマエストロです。寄付者候補のソーシャルネットワークに出てくる携帯電話にたくさん電話をかけたが、それらは偽のメッセージだった。私は血漿を取りに行っただけです」と妻。

 

 

Asegura que su pareja habría sido contagiada por su vecino de la de zona, quien hace días murió por COVID-19, en un encuentro que tuvo con él.

彼女は、自分の夫は、数日前にCOVID-19で死亡した隣人から感染し、そのときの会合で彼女も彼と一緒だったと主張する。

 

 

“Todo fue mucho estrés, mucha preocupación. Esperemos salir de esto, él sigue con oxígeno”.

「ストレスと 心配 でいっぱいでした。ここから脱出したいです。彼はまだ酸素を吸っているのです。」。

 

 

La mujer lamenta que en el Banco de Sangre se encontró con muchas personas que solicitaban plasma, que se quedaban varias horas y caminaban con sus carteles para pedir ayuda de la gente.

女性は、血液バンクで、血漿を求めて数時間滞在し、人々に助けを求めるポスターを持って歩き回る人たちにたくさん出会ったことを後悔している。

 

 

“Cuídense, por favor”
「気をつけてください」

 

 

Él paciente, de 57 años, peregrinó por tres centros médicos, uno en Potosí y dos en Cochabamba, y en el último perdió la vida, este sábado 20 de junio. Su hijo lo recuerda como un gran profesional y amante de todo lo que hacía.

患者は57歳で、ポトシとコチャバンバの3つの医療センターを巡礼したが、最後の1つで命を落とした。息子は、父親のことを偉大なプロであって、自分がすることを何でも喜んでくれた存在として記憶している。

 

 

Hace unas dos semanas, el hombre se puso mal y tuvo dificultades para respirar. Vivía con su padre de 93, quien aún se desconoce si también sería positivo.

2週間ほど前に体調を崩し、呼吸困難になった。93歳の父親と同居していたが、まだ陽性かどうかはわかっていない。

 

 

“Mi papa tenía problemas con sus pulmones y cada resfrío que le daba era muy fuerte. Si salía era solo fue para ir a la farmacia, para comprar medicamentos para mi abuelo y por emergencia”.
「父は肺に問題を抱えていて、風邪をひくたびに大変なことになっていました。外出するとすれば、祖父のために薬を買うためと、緊急時のために薬局に行くことくらいだった。」

 

 

En su comunidad potosina pudieron atenderlo y llevarlo en una ambulancia, “pero lastimosamente no se cuenta con muchas condiciones, solo le pusieron oxígeno de tubo y suero en la cama”.

彼の地元のポトシーナでは、彼らは彼に付き添って、救急車に乗せることができた。「しかし、残念ながら多くの条件がそろわず、彼らは彼のベッドで酸素と血清をチューブに繋ぐだけ」。

 

 

Tras las recomendaciones necesarias fue trasladado a Cochabamba. Una ambulancia de una universidad potosina ayudó en ello. “Todo fue un proceso, pues si hay más de dos urgencias ya no hubiera existido posibilidad”
必要な勧告を受けた後、彼はコチャバンバに移された。ポトシーナの大学の救急車が助けてくれた。「緊急事態が2件を超えていれば、可能性はゼロだったので、すべては成り行き次第だった。」

 

 

En Cochabamba fue internado en la Caja Nacional de Salud, donde ingresó “sin problemas”, “pero no es igual con todos (los pacientes positivos), pues este sistema está colapsado, hay mucha gente enferma y poco espacio”.
コチャバンバでは「問題なく」国民健康基金に入院していたが、「このシステムが崩壊しているので、みんな(陽性患者は)同じではないし、病人が多くてスペースも少ない」とのこと。

 

 

El hombre fue internado dos noches, pero después fue trasladado a un centro de salud donde “en la mañana fue intubado con un respirador no oficial, pero respirador al fin, pero a las 16.00 de ayer (19 de junio) dejó de respirar”, cuenta llorando el hijo.
その男性は2晩入院したが、その後保健所に移送され、「午前中は非公式の人工呼吸器で挿管されていたのが、ようやく人工呼吸器になったのだが、昨日(6月19日)午後4時に呼吸が止まった」と息子は泣きながら話している。

 

 

A diferencia de los casos anteriores, en este caso no se necesitó plasma, pese a que la familia ya estaba creando mensajes para publicarlos en las redes.
これまでの事例とは異なり、この事例では家族がすでにネットワークに投稿するメッセージを作成していたにもかかわらず、血漿は必要ではなかった。

 

 

“Hay un temor en la población, como en el personal médico, que no siempre está capacitado ni existen protocolos, pero hago notar que han ayudado a mi papá. Los médicos están haciendo un gran esfuerzo, pero la gente está muriendo”.
「一般市民の中にも医療従事者と同様に恐怖があり、常に訓練されているわけでもなく、手順書もありませんが、皆が私の父を助けてくれたことを心にとめています。医者は努力しているが、人が死んでいくのです。」

 

 

Las historias siguen. Hasta la noche del sábado, según datos oficiales del Ministerio de Salud, en Bolivia fueron reportados 5.086 pacientes recuperados de un total de 23.512 contagiados. No contaron su calvario 740 personas. (21/06/20)

 

話は続く、土曜の夜にまでの保健省の公式データによると、ボリビアの感染者は計2万3512人で、5,086人の患者が回復したと報告されている。740人の受難者についてはまったく数えられていない。(21/06/20)

7月25日


杉並国際クリニックでは、Covid-19そのものに対する漢方対策の基本方針に基づく予防戦略は、幸いなことに多くの皆様方のご理解と支持を受けることができ総合内科的な対応としては軌道に乗せることができました。しかし、長引くコロナ禍の影響は、容赦なく私たちの全身に及んでいます。最近のイタリアの追跡調査報告によるとコロナ回復者の9割が全身に及ぶ様々な持続症状で苦しんでいるとのことです。


これまで中心的な課題ではなかった内科領域外の感覚器も少なからざる悪影響に曝されていることを日々の臨床からも実感しております。そもそも東洋医学や心身医学は、あらゆる健康相談の窓口となる総合内科さらには総合診療を担当することになるため、今後を見越して有効な対策を提案させていただきたいと思います。

 

患者さんの実際の<生の声>とともにご紹介いたします。まずは、コロナ対策をしっかり行ったうえで、少しでも期待できそうな漢方を最大限に活用し、その後、なるべく早期に鍼灸治療を開始し、少し落ち着いてきたころから、徐々に水氣道®を始める、という治療の道筋が、これら多くの皆様方にとってのゴールデン・スタンダートです。その取り組みを急がなければ、と考えているところです。

 

 

 不安にたいして、<心臓が止まったり、心筋梗塞の前兆だったりとかでは?>

 

顕著に増加しています!

 

定悸飲(ていきいん):動悸が目立って苦しんでいる神経質な方に。

1) ストレスや不安感などにより、動悸が強く感じる場合に

 

2) めまい、ふらつき、のぼせなどを伴う不安症に

 

3) パニック障害

 

 

 

 肩こりに対して、<在宅勤務で楽になることを期待していたのですが・・・>

独活葛根湯(どっかつかっこんとう):重だるさを伴う頑固な慢性的肩こりに。


ひどくなると、腕の上げ下ろしができない、首が回らないなど

 

 

 口内炎に対して、遠方の方からの相談が増えてきました。

 

甘露飲(かんろいん):口腔内疾患の特効薬、<どの科にいっても良くならず・・・>

 

余り気が付かれていない潜在的な胃の炎症を鎮めることによって口中を潤すことで、口腔内のほとんどのトラブルに対応可能。

 

1) 口中や舌にできる口内炎や潰瘍

 

2) 歯茎が腫れたり、化膿したり、出血する場合

 

 

 

 眼の症状に対して、<眼科の先生には「年のせい」で片づけられたのですが・・・>

 

滋腎明目湯(じじんめいもくとう):過労や高齢によって起こる眼精疲労、視力障害に。

 

1) 目のかすみ、

2)目の疲れ、

3)目の奥の痛み

 

 

 

 耳の症状に対して、<耳鼻科の先生には「治らない」と宣言され・・・>

 

滋腎通耳湯(じじんつうじとう):耳の機能の低下に
       

1)聴力の低下(聞こえずらさ)、

 

2)耳鳴り、

 

3)めまい

7月24日(金)
週間<外国語>旅行

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Covid-19のようなパンデミックが猛威を振るうことによって、医療従事者が懸念されるのは少数の重症な患者のための医療資源が犠牲になりかねないことです。以下は、イタリアでの一例ですが、わが国でも同様の事態が起こりつつあることが懸念されます。


Malattie rare ossee: nel Centro Italia i pazienti
non hanno più una struttura dedicata

希少な骨疾患:イタリア中部では患者の専用施設がなくなった

 

 

Ancora nessuna alternativa per le famiglie dei pazienti trattati presso l’Unità Operativa Semplice Dipartimentale Malattie Rare Displasie Scheletriche e Malattie Metabolismo Osseo del Policlinico Umberto I, a Roma, chiusa alla fine del 2019

ローマのウンベルト1世総合病院の簡易手術部門の希少疾患骨格異形成症・骨代謝疾患で治療を受けた患者の家族のための代替手段はまだないまま2019年末に閉鎖された。

 

 

Eliana Astorri – Città del Vaticano
エリアナ・アストーリ - バチカン市国

 

 

Grande disagio di molte famiglie per la chiusura, dopo 15 anni di attività, dell’UOSD, dedicato alle malattie rare dello scheletro e delle ossa del Policlinico romano Umberto I. Un punto di riferimento fondamentale per le persone con gravi e rare patologie, molte di queste bambini, che chiedono la riorganizzazione di un Centro analogo che possa garantire la presa in carico dei pazienti e la loro cura nel tempo. La struttura era un’eccellenza nazionale che trattava malati da numerose regioni, soprattutto del centro-sud. Intervista ad Annalisa Scopinaro, presidente di UNIAMO, Federazione Italiana Malattie Rare:

ローマ のウンベルト1世総合病院は、骨格および骨希少疾患に捧げられた UOSD の15年の活動の後の閉鎖のため多くの家族の大きな不快感をもたらしている。重度かつ希少な病気を持つ人たちへの言及の基本的な要点は、多くのこうした子供たちが年余を要するケアと治療を保証することができる類似のセンターを求めているということである。その構造は、国家的に卓越していて、多くの地域、特にイタリア中南部出身の患者を治療するものでした。

イタリア希少疾患連盟(UNIAMO)会長アンナリーザ・スコピナーロ氏への記者会見:

Ascolta l'intervista ad Annalisa Scopinaro 

イタリア希少疾患連盟(UNIAMO)会長アンナリーザ・スコピナーロ氏に聞く

 

 

Quali sono i motivi per i quali è stata decretata la chiusura dell’UOSD Malattie Rare Scheletriche dell’Umberto I?

ウンベルト1世のUOSD骨格希少疾患の閉鎖理由は?

 

 

R. - Il direttore ci ha motivato questa chiusura come una generale ristrutturazione dell’ospedale tendente ad una maggiore efficacia ed efficienza. Con questa riorganizzazione si sono perse, però, alcune specializzazioni che erano dedicate alle malattie rare, destinandole ad altri reparti. Questo comporta il fatto che non c’è più un centro di eccellenza come era prima, ma ci troviamo di fronte ad un reparto che adesso è confluito in pediatria, sguarnito di medici e di specialisti.

R. - 院長は今回の閉鎖を、より効果的で効率的な病院運営を目指した病院全体のリストラとして動機づけています。しかし、この再編により、一部の専門分野は失われ、希少疾患に特化し、他の診療科へと移行することになった。これは、以前のようなセンターがなくなったことを意味していますが、今では医師や専門家がいない小児科に合併してしまった診療科に直面しています。

 

 

Che ne è delle persone con malattie rare ossee che vi venivano trattate e curate?

そこで治療して治った珍しい骨の病気の人はどうなるのでしょうか?

 

 

R. – Queste persone si trovano senza un punto di riferimento, salvo il professor Celli che è rimasto nel reparto di pediatria, e sono abbastanza preoccupate perché ci sono da recuperare tutte le visite sospese con il lockdown provocato dal Covid-19. E questo, senza personale specializzato, dedicato, sarà piuttosto difficile da fare in tempi brevi.

R. - この人たちは、小児科病棟に残っているチェッリ教授を除いてはご紹介できないし、Covid-19によるロックダウンで中断していた面会をすべて取り戻さなければならないので、かなり心配しています。そして、これは専門の専任スタッフがいないと、短時間で行うのはむしろ難しいでしょう。

 

 

E queste sono persone con disabilità motorie ed altre patologie che hanno bisogno, oltre che di medici specialisti, anche di infermieri competenti nella gestione della mobilizzazione di pazienti con fragilità ossea?

そして、これらの人々は、運動障害や他の病気を持つ人々であり、医療専門家だけでなく、骨脆弱性を持つ患者を管理する能力のある看護師を必要としているでしょうか?

 

 

R. – Assolutamente sì, perché devono essere trattati con tutte le dovute cautele, specialmente per quello che riguarda l’osteogenesi imperfetta, ma anche per l’Ehlers-Danlos, ci sono dei movimenti che non possono essere fatti. Tanto è vero che anche per il Pronto Soccorso ci sono delle avvertenze specifiche. Il rischio è di rompere le ossa alla persona.

R. – 間違いなくその通りです。患者は、あらゆる注意を払って治療しなければなりませんが、特に骨形成不全症に関しては、エーラーズ・ダンロス症候群に関しても、それができなくなる動きがあるからです。そこでとくに救急の件に関しては特定の警戒案件が生じます。そのリスクは患者の骨折です。

 

 

Le associazioni tutte, e voi, come Federazione Italiana Malattie Rare, state chiedendo la riapertura dell’UOSD o di un Centro analogo?

すべての協会、そしてイタリア希少疾患連盟(UOSD)とあなたの組織は類似のセンターの再開を求めているのでしょうか?

 

 

R. – Noi stiamo chiedendo che non vengano smantellate eccellenze che c’erano. Anche nell’ambito della riorganizzazione dell’ospedale, che venga però preservata la possibilità di avere personale dedicato alle persone con malattia rara ossea che vi confluivano, senza perdersi, quindi, in vari rivoli dell’ospedale, una cosa che non sarebbe più accettabile.

R - そこにあった優れたものが解体されないようにお願いしています。また、病院の再編成の流れの中では、希少な骨の病気を持つ人々に対応する専用のスタッフを確保する可能性は失われることはなく維持されますが、そのため、病院の様々な科では、もはや受け入れられなくなるものもあります。

 

 

C’è un dialogo tra voi e la Direzione del Policlinico Umberto I?

ポリクリニコ・ウンベルト1世(総合病院)の経営者との間に話し合いはありますか?

 

 

R. – Sì, so che la Direzione si è dichiarata disponibile per un incontro chiarificatore per spiegare la situazione e per poter accogliere anche le richieste dei pazienti. E speriamo che questo incontro ci sia a breve e sia molto proficuo.

R. - はい、経営者が状況明確化のための説明会議を開き、患者さんの要望を受け入れられるように宣言していることは知っています。そして、この会議が早く行われ、実りあるものになることを願っています。

7月24日(金)

 

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過敏性腸症候群(IBS)は、頻度が高く、QOL障害が強い疾患です。推定で6~14%程度の有病率です。有病率は女性で1.6倍高く、加齢とともに減少する傾向があります。

 

IBSには国際的な診断基準としてRomeⅣ基準(2016年改訂)があります。わが国では現在、日本消化器病学会から発表された「機能性消化管疾患ガイドライン2014-過敏性腸症候群(IBS)」の他、2017年には関連研究会が発表した「慢性便秘症診療ガイドライン」が発表され、そこには便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)に関してのエビデンスが盛り込まれています。

 

ガイドラインではIBSの定義は、「代表的な機能性腸疾患であり、腹痛あるいは腹部不快感とそれに関連する便通異常が慢性、もしくは再発性に持続する状態」としています。

 

過去3カ月間、少なくとも週に1日以上、「腹痛」が繰り返し起こり、下記の2項目以上があること、

1. 症状と排便が関連している。

 

2. 排便頻度の変化で始まる。

 

3. 便形状(外観)の変化で始まる。

 

 

6カ月以上の長い期間にわたって、腹痛や便通異常を繰り返す症例で、排便によって腹痛が軽減し、血便や発熱、器質的疾患を疑うような理学所見を認めない症例で、最近3カ月間は上記の基準を満たしている場合IBSが疑われます。

 

 

IBSの確定診断がついた場合には便性状の割合によって4病型に分類されます。

① 便秘型IBS(IBS-C)

 

② 下痢型IBS(IBS-D)

 

③ 混合型IBS(IBS-M)

 

④ 分類不能型IBS(IBS-I)

 

 

IBSの病態は、十分に解明されていない点も多い中で、消化管運動異常、内臓知覚過敏および心理的異常が神経伝達物質や内分泌物質を介して相互に影響し合う、いわゆる心身相関が病態の中心と考えられています。

代表的な心理異常としては、うつや不安があり、うつ病と不安症がIBS発症のリスク要因であることが報告されています。

 

 

また近年、腸内細菌の研究が進み、IBSの病態に腸内細菌・粘膜炎症が関与することが解明されてきました。

急性胃腸炎罹患後にIBSを発症する、感染性腸炎後IBSが注目されています。

これは腸炎自体は治癒したにもかかわらず、腹痛や便通異常などのIBS症状が持続します。ストレス、うつ、身体化傾向、60歳未満、女性、喫煙などが発症リスクとされます。

 

IBSの初診時に行う検査は、末梢血、血液生化学検査、炎症反応、TSH、尿一般検査、便潜血検査、腹部単純X線検査などを行います。

 

貧血や便潜血陽性などの所見があれば大腸検査を手配します。

また、腹痛の原因として膵疾患等が疑われる場合には、杉並国際クリニックでは、腹部超音波検査なども必要に応じて追加します。

 

警告症状、徴候(註1)や危険因子(註2)がなく、初診時の検査異常が指摘されなかった症例および大腸検査で器質的疾患が否定された症例について、RomeⅣ基準に準じてIBSの診断を行います。


(註1)

警告症状、徴候:発熱、関節痛、血便、6カ月以内の予期せぬ3㎏以上の体重減少、異常な身体所見

 

(註2)

危険因子:50歳以上での発症、大腸器質的疾患の既往歴または家族歴

 

 

 

IBSの治療は段階的に行なわれます。

 

準備段階:

①診療内容に関して医師が十分な説明を行うことで、良好な医師―患者関係を構築する。

②食事指導・生活習慣指導を行う炭水化物、油脂、アルコール、コーヒー、香辛料を控える。低FODMAPダイエット(註1)(フルクタン、ガラクタン、ポリオール、果糖、乳糖などの糖類を含む食品の制限)、不規則な生活などを認める場合には、良好な睡眠、休養など生活改善指導を行う。

(註1)

低FODMAPダイエット:フォッドマップ食事法(FODMAP)のフルネームは「Fermentable、Oligo-、Di-、Mono-saccaharides and Polyols」で、「発酵性のオリゴ糖、2糖類、単糖類、ポリオール」という意味です。

 

 

過敏性腸症候群の人はこの発酵性のある炭水化物が短時間に体内で発酵し、小腸でうまく吸収されない可能性があります。腸管内の水分量や浸透圧が変わることで、小腸や大腸の腸管が不具合をおこし、過敏性腸症候群の原因になっているという考えに基づいています。 

FODMAP食事法とは、FODMAPの摂取をまず1~2週間ごく最小限にします。その後、少しずつ摂取を開始していき、お腹の不調を起こす食品があるかを探っていきます。

 

果糖不耐症の場合

【フルクトース(果糖)が多いもの】

過剰な果糖含有食(ハチミツなど)、りんご、マンゴ、梨、フルーツの缶詰など

 

乳糖不耐症の場合

【ラクトース(乳頭)が多いもの】
牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなど

 

【フルクタン・イヌリン・ガラクタン(オリゴ糖)が多いもの】
高フルクタン含有食(玉ねぎ、にんにく、グリーンピース、ブロッコリ、小麦など)
高オリゴ糖含有食(ひよこ豆、レンズ豆など)

 

【糖アルコール・ポリオールが多いもの】
さくらんぼ、プラム、アボガド、
ポリオール甘味物(添加物キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど)

 

 

第1段階:

薬物療法を行なう。
プロバイオティクス(ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌製剤など)や高分子重合体であるポリカルボフィルカルシウム(ポリフル®)などは病型にかかわらず有効。

オピアト作動薬トリメプチンマレイン酸(セレキノン®)、ペパーミントオイル。
その他は病型分類および優勢症状に合わせた薬剤選択を行う。

① 便秘型IBS(IBS-C)では、
緩下剤(酸化マグネシウムなど)の下剤を用いる。
IBS-Cは痙攣型便秘であるため、刺激性下剤(センナ、ラキソベロン®)は避ける。
近年、粘膜上皮機能変容薬として、以下の薬剤の処方が可能となった。

ルビプロストン(アミティーザ®):慢性便秘症が適応
リナクロチド(リンゼス®):腹痛を伴う便秘に有効

 

② 下痢型IBS(IBS-D)では、
ロペラミド(ロペミン®):止痢薬
5-HT₃拮抗薬のラモセトロン塩酸塩(イリボー®):腹痛を伴なう下痢に有効などを用いる。

 

③ 腹痛優位の症例では、
抗コリン薬(ブスコパン®)を併用する。禁忌を確認する。

 

④ 自律神経失調症が疑われる場合には、
トフィゾパム(グランダキシン®)

 

⑤ 機能性ディスペプシア合併例には
オピアト作動薬トリメプチンマレイン酸(セレキノン®)

 

これらの治療を8週間行っても無効な場合には第2段階へ移行し、中枢機能の調整を含む治療を行う。

 

第2段階:

ストレスや心理的異常の評価を行い、それらを認めない場合には再度器質的疾患の除外を行う。

① 便秘型IBS(IBS-C)では、消化管運動賦活薬(5-HT₄刺激薬)、漢方薬(小建中湯、桂枝加芍薬湯、六君子湯など)、抗アレルギー薬(エバステル®など)の併用

 

② 内臓知覚過敏・腹痛・抑うつを伴う症例では、抗うつ薬(三環系、SSRI)の併用

 

③ 不安を伴う症例では、抗不安薬の投与(依存に注意)

 

④ 不安抑うつを伴う症例では、簡易精神療法(ストレスマネジメントなど)
    

これらの治療を8週間行っても無効な場合には第3段階へ移行する。

 

第3段階:

中等症~重症例を対象とする。消化管運動異常や内臓知覚過敏についての精査やストレス、心理的異常の更なる評価、鑑別診断、心身医学療法が含まれる 。自律訓練法・漸進性筋弛緩法・行動療法・鍼灸療法・水氣道®・聖楽療法など
     

 

7月23日(木)

 

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栄養学のルーツ

 


Etymologie & définition de la nutrition
栄養学の語源・定義

 

Quant à la nutrition, ce mot provient du latin "nutrire" qui signifie "nourrir". La nutrition est ainsi centrée sur l'assimilation et la transformation par le corps des nutriments. On étudie alors les phénomènes liés au métabolisme du corps quand on parle de nutrition.

栄養については、この言葉は"栄養を与える "という意味のラテン語 "nutrire "に由来します。このように、栄養は体内での栄養素の同化と変換を中心です。そして、栄養について語る際には、身体の代謝に関係する現象を勉強することになります。

 

 

Là où on utilise le terme d'aliments en diététique, on parle de nutriments en nutrition. On s'intéresse alors aux composants des aliments qui se divisent d'ailleurs en deux grandes familles :

食事療法で食品という言葉を使う場合には、栄養学では栄養素のことを言います。そこで食品の成分が興味の対象になりますが、それは主に2つの系統に分かれます。

 

• les macro-nutriments : les glucides, les lipides et les protéines

• マクロ栄養素:炭水化物、脂質、たんぱく質

 

• les micro-nutriments : les vitamines, les fibres et les oligo-éléments

• 微量栄養素:ビタミン、食物繊維、微量元素

7月23日(木)

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皆さまが、もし食後のもたれ感、早期飽満感、心窩部痛、心窩部灼熱感、の4つの消化器臨床症状を“つらい”と感じている場合は機能性ディスペプシア(FD)かもしれません。

ただし、胃X線造影検査や上部消化管内視鏡検査などで、胃癌・胃潰瘍などの器質的疾患を認めない場合に限ります。

 

わが国の現代人は、胃酸分泌の増加した胃内環境へと変化しており、さらにはストレス社会などから、機能性ディスペプシア(FD)を含む機能性消化管障害(FGIDs)の患者さんが増加する傾向があります。

この背景としては、ピロリ除菌療法が定着し、若年世代のピロリ菌感染症の激減、脂肪および蛋白質摂取量の増加、塩分摂取量の減少といった食習慣の変化によるものと考えられています。

 

ディスペプシア患者のうち、ピロリ感染が症状に関与するのは10%程度とされており、H.ピロリ関連ディスペプシアと呼ばれています。現在、慢性胃炎はH.ピロリ感染胃炎とほぼ同義であり、FDはH.ピロリ感染を問いません。

 

こうした社会の疾病構造の変化に対応すべく、日本消化器病学会からわが国独自のガイドラインとして「機能性消化管疾患診療ガイドライン2014-機能性ディスペプシア(FD)」が作成されました。

これは国際基準であるRomeⅢ基準を作製されたものです。そして、FDの定義は「少なくとも6カ月前から症状があり、3カ月間は症状の持続を認めるものとする」という厳密な病悩期間を条件としています。

しかし、実臨床においては、胃痛・胃もたれ・腹部膨満感・早期飽満感が1カ月以上続く中で、腹部超音波・便潜血検査などで異常がなく、可能であれば上部消化管内視鏡検査でも慢性胃炎程度の所見しかない場合にはFDと診断できます。

 

Rome分類では、FDを2大別し、

1)食後愁訴症候群(PDS):食後の腹部膨満感および早期飽満感、

 

2)心窩部痛症候群(EPS):心窩部痛もしくは心窩部灼熱感
 としますが、実際には、症状が重複し、ガイドラインでもタイプ別の治療指針が示されてはいません。

 

 

FDの診断にあたり初診時には、一般的採血検査・腹部エックス線検査などを行います。これらの検査でも異常を認めない場合には、腹部超音波検査や便潜血検査などを行い、さらに上部消化管エックス線造影検査を行うこともあります。

こうした検査が必要になるのは、器質的疾患を除外することが必要だからです。

器質的疾患とは、胃癌、胃潰瘍、胆石症、慢性膵炎といった胆膵疾患です。そのために上部消化管内視鏡検査は必須の検査であるとされますが、必ずしも全例で検査を実施する必要はないと考えます。むしろ、早期慢性膵炎との鑑別が注目されるようになり、腹部超音波検査の有用性が増しています。

 

またFD患者においては、精神的な素因が背景にあることが多いことが指摘されています。

杉並国際クリニックでは第1段階で<CMI健康調査票、またはPOMS>、第2段階で<STAIまたはSDS検査>を行っています。

 

これらの心身医学的、心理的評価表において、特定の領域のスコアが高いケースが散見されます。

患者の症状発現に関して、精神的な側面が大きいと判断できる場合には、心身医学的・心療内科的アプローチをとります。

CMIは心身両面にわたる多項目の質問票であり、FDとは直接関係がない諸症状の有無についても確認することができます。これは、治療抵抗性FDのケアにおいて、しばしば有効な手がかりを与えてくれます。

 

FDの治療目標は、患者の症状およびQOLの向上です。

一次治療の最初のステップは、PPI(プロトンポンプ阻害薬)やヒスタミンH₂受容体拮抗薬(註)を用いて酸分泌を抑制することです。

次のステップは消化管運動改善薬であるアコチアミド(アコファイド®)の単剤もしくは併用療法です。アコチアミドは、通常であれば内服開始後2か月は経時的に臨床症状の改善が期待されます。

二次治療としては漢方薬(註1)や抗うつ薬・抗不安薬(註2)などです。

 

(註1)漢方薬:

半夏厚朴湯をはじめ、君子湯、茯苓飲、安中散、四逆散などが有効とされますが、杉並国際クリニックでは、新型コロナウイルス予防対策を兼ねて玉弊風散(ぎょくへいふうさん)をベースに食後愁訴症候群(PDS)タイプには香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)、また心窩部痛症候群(EPS)タイプには柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)の組み合わせを推奨しています。

(註2)抗うつ薬・抗不安薬:

三環系抗うつ薬や抗不安薬としてセロトニン1A部分作動薬のタンドスピロン(セディール®)がガイドラインではエビデンスレベルAで推奨されています。

 

 

それでもFD症状が改善しない場合は、治療抵抗性FDと考え心療内科医に紹介されてきます。杉並国際クリニックでは、鍼灸療法をはじめ自律訓練法や漸進性筋弛緩法などのリラクゼーション、認知行動療法、水氣道®、聖楽院でのボイストレーニングなどで良好な成績を挙げています。

 

治療抵抗性FDの病態としては、通常のFD患者よりもうつ傾向や不安症状がより強い傾向にあります。さらに、食習慣の乱れと身体活動の低下、QOLの低下、睡眠障害の程度も通常のFD患者よりも深刻であると報告されています。

 

FDの外来管理に関しては、臨床症状の改善の程度や、直接的なFD関連症状ではなくても、食欲改善や体重増加の有無の確認が必要です。最近、懸念されるのは感染後FDです。感染後FD患者においては、症状の増悪とともに体重減少がみられることがあるので特別な注意が必要になるからです。

 

FDは基本的には悪性の病気ではないのですが、症状がいったん改善しても、また増悪する可能性があることに留意する必要があります。したがって、投薬中止時期の目安などについてはガイドラインでも明記されてなく、経過や予後も不明です。