2020年07月01日(水) 00:00 公開 AFPBB News 医療

 

【翻訳編集】 AFPBB News

 

杉並国際クリニック、飯嶋正広 加筆改編

 

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【AFP=時事】

数多くの薬剤の試験が実施され、ワクチン候補は100を超える──。現在も多くの臨床試験が続く中、この記事では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬や予防法に向けた主要な研究開発の概要を報告する。

 


■治療薬:失敗を重ねた末の希望

・デキサメタゾン

死亡率を低減

安価で広く入手可能なステロイド薬のデキサメタゾンは通常、アレルギー反応や関節リウマチ、ぜんそくなどの治療に用いられる。
 

COVID-19の治療薬を研究しているチームは今月、デキサメタゾンの投与で症状の極めて重い患者の死亡数が通常の治療に比べて約3分の1減少したと発表した。
 

だが、特効薬というわけではない。研究者らはデキサメタゾンが人工呼吸器を装着した患者の8人に1人の命を救う可能性があると考えている一方、それほど重症でない患者には臨床的有益性がほとんどないことが明らかになっている。

 

コメント:

当クリニックにて、「デキサメサゾン」を処方する可能性は、ほとんど想定できません。

 


・レムデシビル

恩恵はわずか
 

抗ウイルス薬のレムデシビルがCOVID-19患者の入院期間を短縮させる可能性があることが、米国で実施された少なくとも2件の大規模研究で明らかになっている。
 

5月に米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」で発表された研究によると、本来はエボラ出血熱の治療薬として開発されたレムデシビルではあるが、患者の回復をプラセボ(偽薬)投与時よりも早めることができたという。
 

これらの研究結果は注目に値するものの、薬剤の効果は驚異的というわけではないようだ。平均すると、レムデシビルによって患者の入院期間が15日から11日に短縮した。
 

しかし、英医学誌ランセット(The Lancet)に発表された1件の研究は、レムデシビルを用いた新型コロナウイルス患者の治療では、「はっきりとした臨床的有益性」が確認できなかったと記している。

 

コメント:

当クリニックにて、「レムデシビル」を処方する可能性は
ほとんど想定できません。

 

・ヒドロキシクロロキン

結果はまちまち
 

数十年前に開発された抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が奇跡のCOVID-19予防薬として大いに称賛したが、実際に治療薬として作用することの科学的な証拠はほとんどない。
 

英国の研究グループ「リカバリー(RECOVERY)」は今月、ヒドロキシクロロキンがCOVID-19患者の助けにはならないとの結論を下した。
 

また、ヒドロキシクロロキンが効果を示さないばかりか、死亡リスクを高めると主張する研究論文がランセット誌に掲載された。この結果を受けて複数の臨床試験が一時的に中断されたが、データに関する問題が原因で論文は撤回された。

 一方、世界保健機関(WHO)は、ヒドロキシクロロキンに予防措置としてある程度の価値があることが現在進行中の臨床試験で示される可能性があるとの認識を示している。

 

コメント:

当クリニックにて、「ヒドロキシクロロキン」は処方できません。

 

 

・その他の治療薬

このほかにも、別の目的で開発された複数の薬剤が新型コロナウイルス感染症の治療薬として有用かを調べるための試験が行われている。ランセット誌によると、これまでに数十の薬品治療に関する臨床試験が1000件以上実施されているという。
 

中でも最も有望視されているのが、抗レトロウイルス薬のロピナビルリトナビル、抗精神病薬のクロルプロマジン、免疫抑制薬のトシリズマブなどだ。
 

回復した患者から採取した血漿(けっしょう)に関する臨床試験でも、ある程度の可能性が示されている。

 

コメント:

抗レトロウイルス薬のロピナビルとリトナビル(ノービア®)はいずれもHIV感染症すなわちエイズの治療薬です。国内ではロビナピル単独の製剤はないようですが、ロピナビルとリトナビルの配合剤であるカレトラ®があります。

多岐にわたる禁忌例があり、外来で容易に処方すべき薬剤ではありません。

 

■ワクチン:

時間との闘い

 

・開発中のワクチンはいくつあるか


6月16日時点では、WHOが確認しているだけで11件のCOVID-19ワクチン臨床試験が世界各地で個別に進められている。臨床試験の半数以上は中国で実施されている。
 

全世界では、開発中のワクチン候補は大半が第1相臨床試験の段階にある。第1相試験は3段階の臨床試験の最初の段階で、安全性の検査を目的とする。第2相臨床試験に進んでいるワクチン候補は数種のみで、第2相試験では第3相試験とともに有効性が調べられる。
 

結果については、これまでのところ一部しか公表されていないが、中には「有望」とされているものもある。
 

現在、最も進んでいるのは、英オックスフォード大学(University of Oxford)が英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)と共同で主導する欧州の開発計画だ。
 

中国でも、軍事医学研究院(Academy of Military Medical Sciences)とバイオ企業の康希諾生物(CanSino Biologics)が参加するワクチン開発計画が順調に進行している。
 

WHOは臨床試験がすでに進行中のワクチンの他に、まだ開発の前臨床段階にある128のワクチン候補をリストアップしている。
 

WHOとは別に、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine)も、現在進行中の全てのワクチン開発計画のカタログ化に取り組んでいる。ここでは190以上のワクチン候補がリストされており、うち17が臨床試験段階に進んでいるとされている。

 

・いつ入手可能になるか

欧州医薬品庁(EMA)は5月中旬、新型コロナウイルスのワクチンについて「楽観的なシナリオ」では1年以内に準備が整う可能性があるとの見方を示した。
 

米政府が進めるワクチン開発計画「ワープスピード作戦(OWS)」は、米国の人口にほぼ匹敵する3億2000万回分のワクチンを2021年1月までに調達することを目指している。
 

中国では、大手国有企業の中国医薬集団総公司(Sinopharm)が現在、2種類のワクチン候補の開発を進めており、2020年末から2021年初めにかけて市場に投入される可能性がある。
 

欧州でも、2020年末までに有効なワクチンの提供を目標とする複数の開発計画が進行中だが、生産と発売にはそこからさらに数週間から数か月を要することが考えられるという。

 

コメント:

以上より、今年度中にワクチンの恩恵を受けることはほぼ不可能であると認識しておくことが賢明だと思われます。

令和2年6月30日(火)20:00~21:00


鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)

 

参加者:支援員1名、修錬生2名、訓練生1名、特別体験生1名(早退者1名)

 

指導トレーナー:水氣道正弐段下 林亮博

 

修錬生インストラクター:水氣道2級 細谷健太、同、坂本光昭

 

報告担当ファシリテーター:水氣道5級(中等訓練生)植田栄喜

 

受付:主当番:支援員トレーナー:林亮博

 

 

稽古内容

1) 親水航法

 

2) 準備体操(イキイキ体操)
広がって、各8カウントの短縮版

 

3) 基本五航法(起のみ):一列縦列行進方式
修練生2名を頭尾位に配置し、指導トレーナーがサポート

 

4) 各種航法:名宣り稽古方式
理気航法、調血航法、活水航法、経絡航法

 

 

【まとめ】

稽古プログラムの流れは、水氣道の原則にしたがって実施

 

各種航法では、特別体験生の名宣り「初伝」、訓練生の名宣り「脇伝」の稽古を実施

 

経絡航法は1枚目のみ実施

 

活水航法は11枚目まで実施

 

整理体操(のびのび体操)は行わなかった

 

・今回は両サイドのレーンが個人使用で普段より波が多くバランスを取るのが大変だった

 

・活水航法を11枚目までやれたが、久しぶりにやった動きでは身体が以前より固くなっていたのを感じた

7月3日(金)10:00~11:00am

鷺宮会場(中野支部)

1レーン使用:参加者定員5名

 

 

7月4日(土)3:00~4:00pm

ハイジア会場(新宿支部)

全面(4レーン)使用:参加者定員24名

 

 

7月7日(火)2:00~3:00pm 

鷺宮会場(中野支部)

1レーン使用:参加者定員5名

 

7月10日(金)10:00~11:00am

鷺宮会場(中野支部)

1レーン使用:参加者定員5名

 

7月11日(土)3:00~4:00pm

ハイジア会場(新宿支部)

全面(4レーン)使用:参加者定員24名

 

7月14日(火)2:00~3:00pm 

鷺宮会場(中野支部)

1レーン使用:参加者定員5名

 

7月17日(金)10:00~11:00am

鷺宮会場(中野支部)

1レーン使用:参加者定員5名

 

7月18日(土)3:00~4:00pm

ハイジア会場(新宿支部)

全面(4レーン)使用:参加者定員24名

 

 

7月25日(土)3:00~4:00pm

ハイジア会場(新宿支部)

全面(4レーン)使用:参加者定員24名

 

7月28日(火)2:00~3:00pm 

ハイジア会場

1レーン使用:参加者定員10名

 

7月30日(木)10:00~11:00am 

ハイジア会場

1レーン使用:参加者定員10名

 

7月1日(水)

 

前回はこちら


症例13(その3)

第3節:ひどかったせき 死の恐怖さえ感じた 

 

最初の発熱から8日後、PCR検査を受けた男性。この頃からひどくなっていたのがせきだったという

 

もう話しながらせきが出る感じで。電話の向こうの保健所の方も「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」って、せきはひっきりなしに出てた。呼吸が苦しくなるようなせき(註1:気管支炎から肺炎に移行しているものと思われます)。1回出ると何回もこう10回とかそのくらい何回も、げほげほ、げほげほ出る感じ。


特に夜寝る時はせきで目覚める。あおむけになってると出やすくなる感じ(註2:起きていた方が楽なことがあります。起坐呼吸と言って、気管支喘息や心臓喘息でも特徴的にみられる症状です。)で、横向きになって寝たりとか。腹筋がこらえられなくなって、ちょうどみぞおちのあたりの腹筋がつりそうな感じにもなって、もう本当に苦しかった覚えがありますね。


腰もかなり痛かった。ずっと寝てたせいもあるんでしょうけど、立って歩けないくらい、つえついてよぼよぼって歩くようなおじいちゃんのような感じで歩いてましたね。このまま呼吸困難になったら、呼吸できなくなったらどうなるんだろうなって思ったこともありました。もうそのまま死ぬんじゃないかなと、そこまで思ったことありました。

息子に「もしせき止まらなかったら救急車呼んでくれよ」とまで言ったような覚えがあります。

 

検査の翌日に陽性と判明し、男性は4月10日に入院した
入院したその日の夜からアビガン投与と吸引薬、オルベスコっていうやつを処方(註3:この時点では最新の医療情報に基づく処方だったと思います。オルベスコ®は気管支喘息患者に処方される吸入ステロイド薬で、この方は喘息様の症状も呈していたため有効な処方であったと思われます。)されました。

(オルベスコの)吸引は1日3回、1回が2プッシュずつ。私はこの吸引薬がいちばん嫌(註4:薬の好き嫌いを言っている場合ではないことを認識していらしたのだと思います。一番嫌いな薬が一番良く効くのに拒否されるという日常診療上の経験をしているのは私だけではないと思われます。)で、逆にむせてせきが出てくるんですよ。

すーって吸い込んだときに本当は息5秒から10秒くらい止めなきゃいけないんですけど、その間にむせちゃって。すぐには効かなかったような気がするんですけど、徐々に効いていって、知らないうちに楽になっていたというか…。

せきがだんだん、腹の底から来るようなせきじゃなくなってきました。

 

<明日へ続く>

7月1日(水)

喘息の自然療法

 

関連参考記事:

アレルギー専門医として<喘息>を語る


気管支喘息は自然療法に頼る時代が長く続きました。東大のアレルギー・リウマチ内科は、物療内科(物理療法内科)から改称された内科の一部門です。温泉療法や針などの物理療法、転地療法を含む気候療法など自然療法と密接な研究がなされてきました。喘息の体質改善のためには、いまでもこうした自然療法が役立つのですが、次代の流れは薬物療法中心主義へと向かったまま、省みられることが少なくなったのは非常に残念です。自然療法の優れた点は様々ですが、私たちの健康と環境保護とは表裏一体であることを教えてくれるものです。


水氣道、呼吸法、自律訓練法などの心身医学療法、漢方や生薬による治療法、鍼灸療法を包括的に行なっている杉並国際クリニックが自然志向であるというのは、こうした健康管理が長期的にかつグローバルな意味においてとても有意義だと考えているからなのです。


それでは、気管支喘息に対するドイツの包括的自然療法をご紹介することにしましょう。

 


Asthma bronchiale
気管支喘息

 

Hydro-Thermotherapie:
Vorsichtig aufbauende Hydrotherapie:temperaturansteigende Armbäder, 35-39℃ in 12-15 min, Nachruhe. Temperaturansteigende oder wechselwarme Fußbäder. Warme Peloidauflagen (Fango,Moor) in der Rückengegend, ggf. auch Heusäcke.
Später Teilwaschungen, Teilgüsse, Halbbäder mit Kräuterextrakten:Thymian, Melisse, Fichtennadeln, Latschenkiefernadeln. Evtl.Sauna, einmal wöchentlich.
水治療法
慎重に組み立てられた水治療法:温度上昇型腕浴、35~39℃で12~15分、その後は安静にします。 温度を上げたり、交互に温めたりする足湯。背部領域の暖かい治療用泥パッド(湿布用鉱泥、泥炭)、場合によっては乾燥薬草袋も。
その後に部分的洗浄、部分的注水、ハーブエキス入りの半身浴: タイム、レモンバーム、トウヒの針葉、欧州這松の針葉。場合によってはサウナを週1回。

 

Bewegubgstherapie:
Atem- und Übungstherapie, vorsichtig aufbauend, anfangs unter physiotherapeutischer Leitung; Erlernung geeigneter Atemtechniken.
Später regelmäßige selbstäntige Atemgymnastik und Übungstherapie.
Gymnastik, angemessener Sport, wenn möglich in der Gruppe,  Wandern, Golf u.a. Klassische Massage (Rücken, Thorax umfassend), vor allem vor der Übungsbehandlung.

運動療法
呼吸法と運動療法、最初は理学療法士の指導下で慎重に組み立て、適切な呼吸法を習得します。
その後は定期的な自己制御呼吸法と運動療法。
体操、適切なスポーツ、グループで実施可能であれば、ハイキング、ゴルフなど 、古典的なマッサージ(背中、胸郭の包括的な)は、特にこれらの運動療法の前に行います。

 

Massagethrapie:
Klassische Muskelzonenmassage: Bindegegebsmassage. Trockenbürstungen. Hauptpflege mit Funktionsölen.

マッサージ療法
古典的な筋層マッサージ:結合組織マッサージ、乾燥ブラッシング。 機能性オイルを用いる基本ケア。

 

Ernährungstherapie:
Grunddiät-Vollwertnahrung, ggf. Ausschaltung allergisierender Bestandteile.
栄養療法
基本的な食事としての完全自然食品、場合によってはアレルゲン成分の除去。

 

Phythotherapie:
Die Verabreichung von spasmolytischen drogen (wie z.B. ephedrinhaltigen ) ist nicht sinnvoll. Je nach Symptomen sollten die in 15-5.1 gennanten Drogen verordnet warden.
薬草療法
抗痙攣薬(エフェドリンなど)の投与は推奨されていません。症状に応じて、15-5.1に記載されている薬を処方する必要があります。

 

Zur Hustenreizlinderung: Eibischwurzel (Althaeae radix), Isländisches Moos (Lichen islandicus), Spitzwegerichkraut (Plantaginis lanceolatae herba).
Bei reizhusten: Efeublätter (Hederae helicis folium), Sonnentaukraut (Droserae herba).
Zur Expectorantionsförderung: Eukalyptusöl(Eucalypti aetheroleum),Thimiankraut (Thymi herba).
Bei spastischer Komponente: Efeublatter (Hederae helicis folium).
Bei Infektanfälligheit: Sonneenhutkraut (Echinaceae purpureae herba).
咳刺激緩和のために:薄紅立葵根(註:うすべにたちあおい⇒根のでんぷん質はマシュマロの原料:Althaeae radix)、アイスランド苔(Lichen islandicus)、箆大葉子(へらおおばこ:Plantaginis lanceolatae herba)
過敏性咳嗽:木蔦の葉(Hederae helicis folium;ウコギ科)、

 

註:

漢方の人参、黄耆は参耆剤といって珍重されます。これらはいずれもウコギ科なので、この薬草も効き目がありそうです。
毛氈苔(もうせんごけ:Droserae herba;註、食虫植物の一つ)。

 

註:

漢方にも「冬虫夏草」が使われるので、興味深いです。
喀痰促進:ユーカリ精油(Eucalypti aetheroleum)、麝香草(じゃこうそう:タイム:Thymi herba、シソ科)。

 

註:

ユーカリとタイムはアロマ療法では定番の材料です。
鎮痙性成分:ツタの葉(Hederae helicis folium)。

 

易感染性:

紫馬簾菊の葉(むらさきばれんぎく、エキナセア、キク科ムラサキバレンギク属)。注意:菊アレルギーではアナフィラキシーショックの危険性あり!

 

 

Ordnungstherapie:
Sorge für warme Füße.
Entspannungsübungen, autogenes Training ggf. Hypnose und/oder bionome Psychotherapie.
Regelmäßige Gymnastik in der Gruppe. Nikotinabstinenz.

心身医学療法
足元の保温ケア。リラクゼーション訓練、自律訓練法、必要に応じて催眠術、ビオノーム心理療法(註)。定期的な集団体操。ニコチン禁止。

(註)

ビオノーム心理療法 bionome Psychotherapie.

 

Bionomie geht von der Annahme aus, daß bestimmte Aspekte eines individuellen Lebens von Gesetzen gesteuert werden, die uns nicht oder noch nicht bekannt sind. Während eines psychotherapeutischen Prozesses sollten daher somatische Aspekte, biologische und erbliche Parameter, Lebensereignisse sowie Phantasien und falsche Erwartungen der Klientin als ein Ganzes erfaßt werden, um so den schließlich hilfreichen Zugang zum innerpsychischen Problem der Patientin zu finden, so daß sie besser damit umzugehen lernt.
Indem einer Autor den Begriff „Bionomie“ hervorhebt, weist er auf die Notwendigkeit hin, die Konflikte einer Patientin zusammen mit den biographischen und peristatischen Bedingungen zu erfassen, unter welchen sie letztlich der Patientin zur Last werden.
ビオノ―ムは、個人の生活のある側面が、私たちが知らない、あるいはまだ知らない法則によって支配されているという前提に基づいている。心理療法の過程では、身体的な側面、生物学的、遺伝的なパラメータ、人生の出来事、空想やクライアントの誤った期待などを全体として記録することで、患者の内面の心理的な問題に最終的に役立つアプローチを見つけることができ、より良い対処法を学ぶことができるようになる。ある著者は「ビオオノミー」という言葉を強調することで、患者の葛藤を、最終的に患者の負担となる伝記的で反芻性の状況とともに理解する必要性を指摘している。

 

Kurörtliche Therapie:
Umfassende Behandlung in Orten mit Natriumhydrogenkarbonatwässern, Natriumchloridwässern, Solen, ferner im Heilklima: Hochgebirge und Nordseeinseln, auch Mittelgebirge.

保養地滞在型温泉療法(転地療法)
炭酸水素ナトリウム水(旧称:重曹泉)、塩化ナトリウム水(旧称:食塩泉)、塩水がある場所での包括的治療、さらに治療的気候として:高山地帯、北海の島々、または中級山岳地帯(註:標高1000m以下)。

7月1日(水)

以前からのお話ですが、患者さんから、「こちらは皮膚科や耳鼻科や眼科もやっているのですか」と尋ねられることがあります。

アレルギー科という専門領域は内科の他に、小児科、皮膚科、耳鼻科、眼科の各領域に及ぶ総合診療科です。内科のアレルギー専門医は喘息の診療を中心に置きますが、狭い意味での内科的診療では喘息の治療成績を挙げることはできません。

 

わが国における大規模なアンケート調査では、喘息患者の70%近くで鼻炎の合併が報告されています。つまり、喘息患者の3人に2人以上が、同時に鼻炎に罹っているということです。また、花粉症時期に喘息が増悪する例も多く、鼻炎のコントロールは重要です。
 
 

抗アレルギー薬に加え、吸入ステロイド剤(アラミスト®など)を用いますが、当クリニックでは有効率80%以上に達します。

残りの20%の例では、杉並国際クリニック独自の方法があります。1)吸入、2)30秒間の息こらえ、3)鼻呼吸(唇は閉鎖しておく)の3ステップを毎晩入浴後に試みていただくだけで、アレルギー性鼻炎のみならずほとんどの症例で喘息症状が改善しています。

 

水氣道®や聖楽院でのボイトレ・歌唱レッスンを続けてきた方は息こらえを45秒、60秒と段階的に延長していきます。安全性の確保のために、パルスオキシメータ―(動脈血中酸素飽和濃度測定器)でモニターしながら行います。

その際、97%以上を絶対安全圏とし、95%以下で息こらえを中止していただいております。

息こらえをすると、動脈血中の酸素濃度が直ちに低下するだろうと予測している人がほとんどですが、実際には、肺内の酸素分圧が上昇し、その分、血中により多くの酸素が取り込まれるため、酸素濃度が1~2%程度増加することがありあります。

その場合でも、息こらえをさらに続けると、当然のことながら低下してきます。

 

さて、話を花粉症に戻しますが、花粉症は季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。

種々のアレルゲンが同定されていますが、日本では主として、春のスギ、ヒノキ、ハンノキ、夏のイネ科、秋のキク科の花粉症による鼻症状や眼症状に悩まされる例が代表的です。とりわけスギ花粉症は今や国民病と称されるほど罹患率の高い疾患として注目されています。

とくに日本のスギ花粉症は欧米の花粉症と比べて花粉アレルゲンの暴露量が比較にならないほど大量であるため、重症度が高い症例が多く治療内容も大きく異なっています。

そこでわが国では、欧米のガイドラインではなく、「鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版」および「アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第2版)」が参考とされています。ただし、通年性アレルギー性鼻炎では、欧米のガイドラインも有用だと思います。

 

通年性アレルギー性鼻炎とは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が、季節を問わずあらわれる疾患です。通年性アレルギー性鼻炎の主な原因(アレルゲン)は、ダニ、真菌(カビ)、昆虫、ペットの毛などが知られています。

鼻の症状だけでなく、目のかゆみや涙目をともなうこともあります。日本人の4人に1人は通年性アレルギー性鼻炎であり、日常生活や国民経済活動に大きな影響を与えています。

 

花粉症という疾病そのものが生命予後を脅かすものではないとされていますが、喘息を合併する場合には、その答えは当てはまりません。

しかも自然治癒率は低く、治療を中断すると再燃する可能性があります。薬物療法が奏功しない重症例においては舌下免疫療法(SLIT)が推奨されますが、根本療法であるため重症例に至らないうちに治療を導入する考え方もあります。

 

舌下免疫療法は、スギ花粉舌下液(シダトレン®)に始まり、常温保存可能で保持時間が1分間であるシダキュア舌下錠®も処方可能となりました。またダニアレルギー性鼻炎に対してアシテアダニ舌下錠®、ミティキュアダニ舌下錠®を使用することができます。

 

なお、スギ花粉舌下液(シダトレン®)による舌下免疫療法を開始するタイミングとしては、スギ花粉のシーズンを十分に過ぎた7月以降が良いと考えます。

 

<明日へ続く>

7月1日(水)

前回はこちら



水氣道は「明るい農村」で良いのか?

 

皆さんは、『明るい農村』という番組を御存じでしょうか。
毎朝6時台、牧歌的なテーマ曲で始まるNHKの総合テレビ番組で、1963(昭和38)年から1985(昭和60)年の終了まで、22年間、計8030回放送されました。かつてNHKに「農業」の分野を専門とする制作集団が存在していたことを意味します。

製作者たちは当時を振り返って「『明るい農村』が始まったころ、日本中には目いっぱい働こうという意欲がみなぎっていた。

農業は非常に厳しい仕事だが、人々の笑顔は輝いていた」と熱く語ったそうです。私はこの番組の記憶は、懐かしさ以外はほとんど残っていません。

ところで、私が中学生になったころ、『農村』に対するイメージは決して明るいものではありませんでした。そのような『農村』に「明るい」という形容詞が付いていることに違和感を覚えたことを明確に記憶しています。
 

『明るい農村』が始まったころは、たしかに日本中には目いっぱい働こうという意欲がみなぎっていたのだそうです。それは、明るい日と書く明日への希望に満ちていた時代だったことでしょう。

しかし、それがいつになっても実現しないとすれば、あるいは目標や希望を失っていったとすればどうでしょうか。『明るい農村』というタイトル自体には罪はないものの、それは単なる皮肉なキャッチ・フレーズと化してしまうことになるでしょう。

それは、あたかも北朝鮮の国営放送のようなものです。

また、かつての民主党政権が掲げた、根拠と責任を伴わない、地に足がついていないマニフェストのようなものです。なぜ、この番組が終了したのかは把握しておりませんが、何となくわかるような気がします。
 

しかし、こうも言えます。令和の時代になって、農村は昔より遥かに豊かになったかもしれない、ということです。

さだまさし氏の「聖野菜祭(セント・ヴェジタブル・デイ)」の歌詞に出てくる「野菜もち」の豊かな希望と想像力、吉幾三氏の『俺ら東京さ行ぐだ』の「東京でべこ買うだ」の滑稽な逆説の歌詞が、令和の時代の到来を予言していたかのようで、いまさらながら懐かしく思い出します。

 

逆説的と言えば、新型コロナが襲ってきてもびくともしない岩手の農村があります。先週、久しぶりで帰郷した茨城の農村もへこたれていませんでした。思えば東日本大震災の際にも、福島に隣接する茨城県の被害も甚大でしたが、敢えて窮状を全国に訴えようともせず、あるいは、訴える術も知らず、すべての現実を受け入れて粛々と、しかも逞しく誠実に復興を遂げた姿は、誇らしく思います。農村は東京や仙台など全国の大小の都会を支え続けています。
 

さて「水氣道は世界を救う」というフレーズは、ひたすら大げさな一過性のキャッチ・フレーズなのかどうか。

「明るい農村」が22年間続いたのに対して、「水氣道」は命名以来20年、事実上の発足はその数年前です。

水氣道は、世界を救うどころか、自らの団体の運営を維持することだけでも容易でないのが現実です。

しかし、それでも「水氣道」は続いています。メンバーの数ではなく質こそが、財源ではなくインテリジェンスこそが、今後の「水氣道」の発展の鍵を握っていることを確信しています。
 

そこで来週は、水氣道のインテリジェンスについてお話したいと思います。