たった3日間の学会ですが、内容が濃く、膨大な情報量になってしまいました。

 

以下の学会報告リポートは、いわば講義ノートのようなものですが、一般の皆様にも理解し易いように書き改めています。私の分析の他、感想や思い付きは朱書きとしました。

 

 

第3日 ―平成30 年4 月15 日()― 講演会場(京都市勧業館(みやこめっせ)第3 展示場)

シンポジウム3.9 時00 分~11 時00 分(120 分)

二次性高血圧の診断と治療…… 司会 川崎医科大学 柏原直樹、大分大学 柴田 洋孝

 

日本人の3人に1人は高血圧。高血圧は、動脈硬化性疾患(脳卒中、虚血性心疾患、慢性腎臓病、末梢動脈疾患等)の原因となります。

 

高血圧の約90%は原因が特定できない本態性高血圧であり、約10%が二次性高血圧です。二次性高血圧は原因に即した治療により治癒や著明な改善を期待できます。

 

そのため、早期の診断と治療介入が重要です。

 

これらの疾患は、近年、診療ガイドラインが作成されており、かかりつけ医においても、積極的なスクリーニングが推奨されています。

 

 

これを受けて高円寺南診療所においても、二次性高血圧に対するスクーリニングをいままで以上に積極的に推進していく準備を始めています。

 

このシンポジウムで採り上げられていない二次性高血圧症としては、甲状腺機能亢進症や、大動脈炎症候群や膠原病の血管炎に伴う血管性高血圧症、脳血管疾患や脳腫瘍による高血圧、薬剤性高血圧症があり、これらの疾患を見落さないことも、高血圧診療では大切だと思われます。

平成30年4月17日(火)付けの産経新聞(P16、生活)に、以下の記事が掲載されました。

 

 

「不健康な生活習慣がうつ病の発症リスクに」

大規模ネット調査で関連判明

 

国立精神・神経医療研究センターなどのチームが、うつ病になったことのある人とない人で、生活習慣や体の状態に違いがあるかをインターネット調査で検討しました。

 

うつ病経験者1,000人(平均41歳)と非経験者11,000人(平均45歳)で比較しました。

 

すると、うつ病経験者では

「朝食を食べない」

「間食や夜食が多い」

「肥満または体重不足」

「脂質異常症や糖尿病」

 

などの頻度が多いことが分かりました。

 

 

不健康な生活習慣がうつ病の発症リスクと関連することを示す研究は欧米で増えていますが、日本でも大規模研究は珍しいとのこと。

 

記事のまとめとして

 

国立精神・神経医療研究センターの功刀浩 部長は

「生活習慣の見直しが、うつ病の病状改善につながる可能性がある。

それを調べる研究が必要だ」と話している。

 

と結んでいます。

 

1) 脳卒中合併症対策

 

① 脳卒中後けいれん:発症後1年以内に起こりやすく、高齢者てんかんの最大の原因です。抗てんかん薬を考慮します。

 

②脳卒中後認知症:脳卒中発症後1年以内に約10%が発症します。

ビンスワンガー病など血管性認知症の他、脳血管障害を伴ったアルツハイマー型認知症があります。コリンエステラーゼ阻害薬を考慮します。

 

③ 誤嚥性肺炎:肺炎再発予防にACE阻害薬、シロスタゾール、アマンタジン塩酸塩を考慮します。

 

④血管障害性パーキンソニズム:薬物療法の効果は限定的です。

 

⑤ 攣縮:片麻痺にともなう上下肢の攣縮には筋弛緩剤、ボツリヌス療法を検討します。

 

 

2) 脳卒中再発予防

 

① 生活習慣改善

 

禁煙:喫煙は脳梗塞、くも膜下出血の危険因子であり、再発予防においては禁煙が強く推奨されます。

 

飲酒制限:脳梗塞には大量飲酒を控えさせます。これに対して脳出血には禁酒を勧めます。

 

肥満の是正:肥満者には適正体重に近づけるように支援します。

 

運動:運動不足は肥満とともに、脳卒中、特に脳梗塞のリスクを高めます。

脳卒中既往患者においても30分の有酸素運動を週2回以上行うことが推奨されます。水氣道®であれば、半稽古(45分)を週2回以上行うように促しています。

 

 

②内科的リスク管理

 

高血圧:血圧140/90mmHg未満を目標とします。ラクナ梗塞、脳出血既往、抗血栓薬内服中の患者では脳出血発症を予防する目的で、忍容性があれば130/80mmHg未満を目標とします。

 

糖尿病:HbA1c7.0%未満の管理が推奨されています。近年では低血糖リスクや副作用の少ないDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬が登場し、安全な血糖管理が可能となってきています。

 

脂質異常症:LDLコレステロール120mg/dL未満への管理が推奨されています。

 

 

③ 抗血栓療法

 

心原性脳塞栓症:原因の約8割は非弁膜症性心房細動であり、抗凝固療法が必須となります。

 

非心原性脳塞栓症:アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞が主であり、抗血小板薬を選択します。従来から使用されているアスピリンにかわり、シロスタゾールまたはクロピドグレルの使用が望ましいとされます。

 

 

林 亮博 弐段の水氣道手記です。

 

新年度からの手記を公開していきます。

 

 

H30年4月2日(月)杉十小温水プール

 

 新年度の始まりです。新たな気持ちを持って水気道に取り組みたいと思っています。

 

しかしながら私は体調不良のため不参加です。

 

前回同様受付から俯瞰させてもらいます。

 

イキイキ体操を3グループで行いその後、ランニング。次に第三航法前蹴り歩きの後サイドウォークに入りました。

 

後半は、5グループに分かれて指導をしているように感じられました。

 

<所感>

イキイキ体操で、肘が曲がっていたり腕が下がっている方が数名いらっしゃいました。

 

修練生以上の方は気が付いたら指導をお願いします。

 

今日の参加者は20名に至りませんでした。

 

 

 

H30年4月4日(水)杉十小温水プール

 

今朝は初夏を感じる天候になりました。

 

杉十温水プール前半の室温29.9度、水温30度。

 

後半の室温は、30.1度、水温30.1度になっていました。

 

今回初めて室温、水温同じ温度になりました。

 

皆様はどのように感じられましたか。

 

今回の内容は、2グループになってイキイキ体操、1列になって基本五航法(起承転結)背筋が伸びている方、姿勢が前傾になっている方などが散見できました。

 

後半はマスゲームを行っていました。

 

基本五航法に入る前にお互いに姿勢を再度確認しあうことが賢明であると痛感しました。因みに今日の参加人数は、14名で1名見学です。

 

 

H30年4月9日(月)杉十小温水プール 

 

朝は、寒かったが日中は温かく感じた。

 

体調が回復し19日ぶりの水気道参加。

 

過去4回も参加できないことはなかったですが様子をみて休みました。

 

慎重にルーチンワークを行いました。

 

体の張りはそれほど感じず。プールの水は少しヒヤッとした。体を動かしているうちに直ぐに温かくなりました。

 

前半は準備航法、イキイキ体操、ランニング、基本五航法+α、後半は、サイドウォーク、交叉航法、バレエ、ヨガ、相撲+αで終了しました。

 

全てドクターの指導で行いました。

 

久しぶりの水気道参加での所感は、五航法が終わったあたりからくたびれてきました。

 

体力が落ちています。次回の藤村でどのように体に感じるか楽しみです。

 

 

高血圧は、心血管病(脳卒中および心疾患)の最大の危険因子です。

 

現在、わが国における高血圧有病者数は約4,300万人と推定されています。

 

今後は人口の高齢化に伴い、有病者数はさらに増加することが予想されます。

 

 

一般的に高血圧のみでは特異的な症状を伴わないので血圧測定の習慣のない方には気づかれない病気です。

 

重篤な心血管イベントを発症したときや、健診や予防接種、感冒などによる受診の際に、偶発的に気付かれることが多いです。

 

 

わが国では日本高血圧学会が2014年4月に独自の高血圧ガイドライン(JSH2014)を公表しました。

 

高血圧は心血管病の最大の危険因子であるばかりでなく、血圧水準と心血管病リスクの間には、段階的、連続的な正の相関があります。

 

理想的な血圧(至適血圧)は診察室血圧で120/80mmHg未満であり、リスクは最小です。

 

全死亡者のうち約20%が至適血圧を超える血圧によって発生するものと推定されています。

 

診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧値を優先します。

 

 

家庭血圧測定の方法と評価について

 

(日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン、2014)より

 

測定環境(詳細はプリントを差し上げます)

 

測定条件(詳細はプリントを差し上げます)

 

測定回数:1機会原則2回測定し、その平均をとります

 

評価の対象:朝測定値5日(5回)以上の平均、晩測定値5日(5回)以上の平均

 

評価:高血圧とは、朝・晩それぞれの平均値≧135/85mmHg

   正常域血圧とは、朝・晩それぞれの平均値<135/85mmHg

 

 

高血圧について高円寺南診療所で説明し、推奨していること

 

①高血圧は代表的な慢性疾患の一つです。

生涯にわたり病気と付き合っていくという自覚をもって生活することが大切です。

 

②家庭血圧計による自己血圧測定を施行し、所定の血圧手帳に記録し、受診の際に医師に報告していただきます。

 

③治療の基本は、塩分制限が最も重要です。それと同時に、定期的な有酸素運動をすることが効果的です。

現在行っている運動療法による降圧効果が十分でない方には、水氣道®をお勧めします。確実な降圧効果をもたらします。

なお、ヴォイストレーニングや歌唱など聖楽院で行っているレッスンは、有酸素運動と同等の降圧効果が期待できます。

 

④医師の指示通りの服薬の順守がとりわけ重要です。

自己判断で内服調整することは禁物です。

血圧が安定しない場合は、速やかに医師に相談してください。

 

 

高円寺南診療所から他の専門病院に紹介する事例について

 

高円寺南診療所の院内対応能力の向上に伴い、高血圧専門医をはじめ循環器内科に紹介する事例は減少しています。

 

しかし、今後とも腎臓内科、内分泌内科などへの紹介は必要に応じて行う必要があります。

 

逆に、妊娠中の患者さんをはじめ産科医からの相談を受けることは増えてきました。

 

①二次性高血圧が疑われる症例・・・鑑別能力向上のため減少

 

②治療抵抗性高血圧・・・治療成績向上のため減少

 

③妊娠高血圧・・・相談件数増加

 

④高血圧緊急性・切迫性・・・症例数減少傾向

 

⑤ACE阻害薬 / ARB治療で腎機能が悪化した症例・・・少量慎重投与によりまれ

 

⑥腎障害、心不全、脳卒中合併高血圧における治療方針の確認・・・精密検査目的で紹介

 

⑦降圧薬の副作用が疑われる場合・・・降圧剤の種類を変えることで初期対応します

 

➇血圧の変動が大きい症例・・・生活習慣の他、心理・社会的環境因子を検討します

 

⑨白衣高血圧の判断に迷う症例・・・白衣高血圧は自律訓練法にて改善傾向を示します

 

⑩妊娠高血圧の判断に迷う症例・・・産科医と連携して診断・治療に当たります

『日本心療内科学会リーフレット』より抜粋・整理し、解説を加えてご紹介いたします。

 

解説 日本心療内科学会 登録指導医・専門医 東京大学博士(医学) 飯嶋 正広

 

この説明文によって、高円寺南診療所の診療理念や体系をご理解いただけたら幸いです。

 

心療内科とは? 一般内科や、とくに精神神経科との相違にご注意ください。

 

心療内科を受診されると,身体的な診察や諸検査があり,必要に応じて心理テストや心理・社会面因子(いわゆるストレス)に関する面接があります。

 

そのうえで,からだの治療とさまざまな心の治療(心理療法) がなされます。

 

病気の身体的なデータを踏まえたうえで,病気に影響を与えているストレスの役割を正しく評価し患者様全体を治そうとするものです。 病気を診ると同時に病人を診て,からだと心の両面から全人的に患者様を治療する医療、それが心療内科です。

 

 

■心療内科で診る主な疾患■ 

 

➢ 消化器系の心身症 . . . . . . . . . . . . . . 機能性胃腸症, 過敏性腸症候群, 慢性膵炎など

 

➢ 内分泌・代謝系の心身症 . . . . . . . . . . . 糖尿病, バセドウ病, 摂食障害など

 

➢ 呼吸器系の心身症 . . . . . . . . . . . . . . 気管支喘息, 慢性閉塞性肺疾患, 慢性咳嗽など

 

➢ 神経・筋肉系の心身症 . . . . . . . . . . . . 緊張型頭痛, 片頭痛, 痙性斜頸など

 

➢ 循環器系の心身症 . . . . . . . . . . . . . . . . 高血圧, 冠動脈疾患, 不整脈など

 

➢ 自己免疫・アレルギー系の心身症 . アトピー性皮膚炎, 慢性蕁麻疹, 関節リウマチなど

 

➢ その他の疾患 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 疼痛性障害, 慢性疲労症候群など

 

 

このように、心療内科では、

 

生活習慣病(糖尿病、高血圧など)の他、

 

アレルギー系疾患(気管支喘息、慢性咳嗽、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹など)

 

リウマチ系疾患(関節リウマチ、線維筋痛症をはじめとする疼痛性障害など)

 

といった心理社会的ストレスによって影響を受ける様々な身体疾患を診るスペシャリストです。

 

 

高円寺南診療所の診療標榜科目(すべて「広告可能な専門医資格」に対応)において心療内科と並んでアレルギー科・リウマチ科があるのは、むしろ必然的なことなのです。

 

また、漢方専門医は、すでに心身医学的(心療内科的)なアプローチで診療してきたエキスパートです。

 

 

心療内科専門医は内科医の仲間ですから、内科医として、まずは身体的な診察や諸検査を行います。

 

そして、心理テストや心理・社会面因子(いわゆるストレス)に関する面接は、心理療法家あるいは心身医学療法専門家として身体症状に心理・社会的なストレスが悪影響を及ぼしていることが疑われるときに必要に臨機応変に行っています。

 

本物の行政も国民も切望している総合診療や全人的医療を、一般の内科医や精神科医に期待するのは賢明ではありません。

 

逆に、内科全般をベースとして、必要に応じて心理療法を行っている心療内科専門医が、神経症うつ病で身体症状にも苦しんでいる患者様の相談を同時に並行して受けいれる専門性のメリットは計り知れません。

 

 

日本心療内科学会の活動内容

心療内科の臨床に携わる優秀な人材を育成し,医療を通して皆様の健康と福祉に貢献すると いう理念の下,私どもは活動しております。

 

しかし,心療内科の専門医は少なく(日本心療内科学会のHPによれば、2017年10月1日現在合計118名が認定されています),また,地域に偏りがあるのが現状(たとえば、関東地方でも茨城、栃木、群馬、埼玉には、この時点で心療内科専門医有資格者は存在しません。心療内科を標榜している精神科医は多数存在します。)です。心

 

療内科専門医をはじめ,心療内科の診療に携わる医療者の数を増やし,地域差を解消し,急増するストレス疾患で病んでおられる方々の治療のお役に立てることが私どもの願いです。

 

国際学術交流の一環として,ドイツ心身医学会と姉妹関係締結協定書を取り交わし,学術的交流を行っています

 

平成30年4月11日 

 

慢性腎臓病は、慢性腎不全の原因のほとんどを占めています。慢性腎不全など、自分には無関係だと、根拠をもって言い切れる人は、医師である私自身を含めて皆無だと思います。

 

一般論として、病気になってやっと治療を始めるのではなく、病気にならないように予防することが賢明であることは言うまでもありません。慢性腎臓病の予防には、慢性腎臓病を予防することを考えるべきでしょう。

 

 

一口に慢性腎臓病(CKD)といっても、いろいろな段階(ステージ)があります。

 

高円寺南診療所の初診時に尿検査をすると、ほとんどの人の尿蛋白は(±)以上なので、すでにCKDの初期以上に相当することがわかります。

 

1)CKDステージの進行を抑制するためのポイント

①禁煙

②飲酒

 

中等量以上のアルコール摂取(エタノール20~30g/日以上)とならないようにする。蛋白尿を発症させる可能性があります。

 

③睡眠

短時間睡眠、睡眠障害は蛋白尿の発症に、睡眠時無呼吸症候群ではCKDの合併が高率にみられます。

 

④水分

脱水は腎機能を悪化させる危険性があるため、適切な水分摂取が必要です。

 

⑤栄養

蛋白質制限は、ステージG3b以上に進行したCKD推奨されています。

蛋白質の質も重要です。リン(P)の摂取量を減らすためには、蛋白質制限だけではなく、P/蛋白質比の高い食品(乳製品、ナッツ、豆乳)や食品添加物の多い製品(加工食品、ファーストフード、インスタント食品、冷凍食品、スナック菓子、一部の清涼飲料などには、リン酸塩として非常に吸収効率の高い向きPが多い)は避けるべきです。

 

 

2)CKDの発症・進展に影響を及ぼす疾患の管理

① 高血圧

正常高値血圧でさえCKD発症のリスク

  

②血糖

早期腎症ではHbA1c(NGSP)7.0%未満にします。

 

 

3)CKD-MBD(慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常)

CKD患者においてカルシウム(Ca)、リン(P)のコントロールは必要です。

 

血清P値は基準内であっても相対的高値であることがリスクにつながります。

 

ホームページの「初診の方へ」に当院を初めて受診される際の注意事項を掲載しました。

 

既に受診されている方は、当たり前の事かもしれません。

 

しかし、再度確認をお願いしたいので、こちらにも載せました。

 

ーーーーーーーーーー

 

〇お薬について

当院では最小限の薬を処方しております。

それに伴い、生活習慣の指導を重視しております。

 

先生が診察を行った上で薬を処方します。

お薬は、処方された通りに服薬していただきます。

 

病気の原因となっている生活習慣などを、変えたくない方

治療方針や、飲みたい薬をご自分で決めている方は、他の医療機関をお勧めします

 

 

〇検査について

当院では必要最小限の検査のみを実施しております。

 

 

〇症状が多い方へ

1つ1つ順番に診ていきますので一番つらい症状をお伝えください。

 

 

〇事務手続き(診療時間や費用等)について

受付・ソーシャルワーカーにお問い合わせ下さい。

 

 

〇付き添いについて

未成年者以外は介助が必要な方を除きおひとりで、診察を受けていただきます。

必要があれば、先生がお呼びしますので、待合室にてお待ちください。

 

 

〇診療順について

諸事情により、やむをえず順番が前後する場合がございます、ご了承下さい。

 

 

〇再診について

特に院長から指示がない場合は、薬が無くなる前にいらして下さい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 〇お薬について

前回(夕食の習慣が無いので飲みませんでした)のようなことを続けたり、飲むのを間引いたりすると効果が発揮されません。しっかり指示された通り服薬してください。

 

生活習慣はとても大事です(Nogucciが実証してます)。

直ぐに変えるのは大変ですが、工夫や努力していただくことが重要です。

 

 

〇事務手続き(診療時間や費用等)について

ご不明な点があれば、Nogucciに遠慮なくお申し出下さい。

予約や休診等も気軽にお問い合わせ下さい。

私の重要な仕事です、ドクトル飯嶋に聞いて私から仕事を取り上げないでください。

 

 

〇診療順について

高熱があったり、感染症の疑いがある方や、診察中に検査をして再度診察する等で順番が前後する場合があります。

 

ご協力お願いします。

 

 

 

 

 

赤血球増加症の鑑別診断は、まず循環赤血球量が増加する絶対的赤血球増加症と、増加しない相対的赤血球増加症に大別されます。

 

さらに、前者は真性赤血球増加症二次性赤血球増加症とに鑑別されます。

 

二次性赤血球増加症とは、血清エリスロポイエチンが高値となることによって赤血球が増加するもので、原因としては、低酸素状態やエリスロポイエチン産生腫瘍等があります。

 

なお、慢性骨髄性白血病以外の骨髄増殖性腫瘍(真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症)に共通してJAK2遺伝子が見られます。

 

また、真性赤血球増加症の診断基準の大項目にJAK2V617FもしくはJAK2exon12変異を認めることが盛り込まれています。

 

わが国では、JAK2阻害薬でルキソリニチブが2015年に保険適応になりました。

 

 

高円寺南診療所でも、しばしば多血症(赤血球増加症)を発見しますが、そのほとんどが相対的赤血球増加症です。その原因は、喫煙、慢性的なストレスや疲労、高血圧によるものがほとんどでした。

 

 

赤血球増加症の鑑別

赤血球

認知症の病態と治療…………………名古屋大学 祖父江 元

 

高齢者の約4人に1人が認知症もしくは認知症予備軍とされる時代になりました。一口に認知症といっても、その背景疾患の種類により、病像や経過、治療法等が異なります。

 

認知症の根治治療や病態抑止治療開発のために、症例ごとの超早期診断が重要になります。

 

脳には領域内の機能的な結合や特定の領域間の機能的な統合を高めること等によって、脳の蛋白質老化に抗して認知機能を保つシステムが内在しています。

 

アルツハイマー病前頭側頭葉変性症の発症に楔前部・尾状核がハブ領域として関係しています。

 

また前頭側頭葉変性症の早期診断に繋がる尾状核の異常を早期に検出できる意思決定課題として確率逆転学習が有用です。

 

 

近年の画像検査の進歩、とりわけ神経回路解析、PET,網羅的高次機能検査などどれ一つ取ってみても日常診療には馴染めない大道具ですが、確率逆転学習は導入可能かもしれません。

 

それを良く調べて、検討し、できれば臨床応用したいと思います。

 

 

管理が困難な糖尿病とその対策………………東京大学 門脇孝

 

管理困難な糖尿病として(1)肥満糖尿病と(2)高齢者糖尿病が挙げられました。

 

治療の二大原則は、①低血糖を起こさないこと、②体重を増やさないこと

 

 

(1)肥満糖尿病の治療は、カロリー制限・糖質調整と有酸素運動による減量に加え、血糖管理の上で必要な場合には体重を増加させないビグアナイド薬、Dpp-4阻害薬、GLP-L受容体作動薬、SGLT2阻害薬等を単独あるいは組み合わせて使用します。

 

これらに対して、SU薬やインスリン注射は避けます。肥満糖尿病に合併し易い高血圧、脂質代謝異常についても管理します。インスリン抵抗性高度例や動脈硬化進展例では、チアゾリジン役を使用することで病態の改善・像区の防止を期待することができますが、心不全等の禁忌や体重の増加に注意する必要があります。

 

肥満症(BMI≧25)では、現体重の3%の減量、高度肥満(BMI≧30)では、現体重の5~10%の減量を当面の目標とします。

 

ただし、入院治療をした高度肥満者の4割はリバウンドしてしまいます。有用なツールとして、グラフ化体重日記〔大分医大方式〕食行動質問票(「くせ」や「ずれ」を自覚させる)があります。

 

 

(2)高齢者糖尿病は、65歳以上の糖尿病者とした場合、全糖尿病患者の68%を占めます。重要な課題は、サルコペニアと認知機能低下です。

 

高齢者糖尿病は日本糖尿病学会・日本老年医学会の「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」にしたがって、高齢者の認知機能・ADLを評価し、重症低血糖を起こし得るインスリンやSU薬等を使用している場合と、そうでない場合に分類します。

 

分類に応じて血糖管理目標を個別に定めます。投薬量については、腎機能等を考慮しながら慎重に設定します。

 

高齢者では、サルコペニアサルコペニア肥満が増加することから、体重だけではなく、体組成も考慮した病態の評価を行います。

 

摂取エネルギーは原則25~30kcal/kg標準体重の範囲で、サルコペニアがある場合には比較的多めのエネルギー摂取とします。

 

腎障害がある場合を除いて、蛋白質は比較的多めに摂取します。蛋白質の摂取状況と筋肉量の増減は直接関係します。

 

運動療法は、有酸素運動(体脂肪を燃焼させる)だけでなく、無理なく実行可能なレジスタンス運動(筋肉を維持・増強させる)、さらにはバランス訓練の併用を勧めます。

 

 

門脇先生は、肥満糖尿病、高齢者糖尿病ともに、患者のアドヒアランスや治療意欲を引き出すように患者中心医療を進めることが大切であると述べられました。また、サルコペニア対策としては遅くとも65歳までに始めるようにとのことでした。

 

門脇先生のレクチャーを受講して、高円寺南診療所は糖尿病診療の実践面においては、最先端を行っているといっても、あながち過言ではないことが確認されました。

 

体重のみならず、体組成も概ね3か月ごとに実施しています。また、水氣道®は糖尿病治療においてもまさに理想的なエクササイズであることは、参加者であれば容易に理解できることでしょう。

 

ただし、グラフ化体重日記〔大分医大方式〕食行動質問票は、再検討して導入をはかりたいと思います。

 

門脇先生のレクチャーで疑問なのは、患者のアドヒアランスや治療意欲を引き出すことと患者中心医療との関連が不明であることです。

 

そもそも東大病院は患者中心の医療を実践することに向いているのでしょうか。患者中心の個別的医療を真剣に推進していったとしたら、東大にはエビデンスが集積できなくなり、研究が進まず、論文も生産できなくなります。

 

せいぜいが、診療ガイドラインに掲載できるような層別化医療を目指さざるを得ないのではないでしょうか。