<統合医学(心身医学・漢方医学)カンファランス>


日本感染症学会特別寄稿

感染症に対する漢方治療の考え方

金沢大学附属病院漢方医学科 小川 恵子

 

 

はじめに

まだ抗生物質もワクチンもなかった時代、日本の伝統医学である漢方医学の主要な対象は感染症でした。しかし漢方薬が重篤な感染症にも有効であるという事実は広くは知られていないと思います。

漢方医学の専門家という立場から私見を言えば、漢方の現代医学とは異なった感染症へのアプローチは、今日でも役立ちます。

しかし筆者は、この COVID-19 のパンデミックへの漢方医学の貢献の可能性に関して積極的に発言するのを避けてきました。

なぜなら、エビデンスが確立していないからです。

 

また、中国と日本では、気候や体質が異なるため、異なった病態を示す可能性も多くあり、本来は漢方医学診断から処方を決めた方が効果が高いと推察されるからです。

しかし、数多くの呼吸器内科医や救急医の友人たちから、「患者さんに役立つならば是非効果のありそうな処方を知りたい」という要望があり、現状で分かっていることで、漢方が役立つ可能性を伝えるという視点から、主に中国の診療ガイドラインを参考に、現在までに分かっている漢方医学的・中医学的な知見を簡潔にまとめました。

しかし、日本の漢方医学にはいくつか中医学と異なる点があります。臨床的にみて最も大きな違いは、中国では生薬を組み合わせて煎じ薬を新たに創るのに対し、日本では保険診療で認可された、固定した処方のエキス製剤を使うことが多いことです。そのため、中国からの報告を日本での保険診療に役立てるには、中国の中医学的指針の単なる翻訳ではなく、適切な補説を伴った翻訳が必要と感じました。

 

実際の臨床に役立ち、重症化の防止や、重症化した患者さんの早期回復に役立てれば幸甚です。 また、記載内容について不十分な点もあるかと思います。ご意見がありましたら、是非ご連絡いただければと思います。

 

 

 

杉並国際クリニックからの追補

著者の小川恵子先生は、名古屋大学医学部出身の医学博士で、現在は金沢大学附属病院漢方医学科特任准教授です。

東洋医学会の漢方専門医の中には私以外にも同様の発想で国内向け処方案を考案する方がおられるだろうと予測していたところでした。

ただし、小川先生とは直接の面識はありません。先月の<統合医学(心身医学・漢方医学)カンファランス> にて毎週土曜日に連載しましたが、好評につき、さらにわかりやすくまとめてみることにします。

 

小川先生は『漢方医学の専門家という立場から私見を言えば、漢方の現代医学とは異なった感染症へのアプローチは、今日でも役立ちます。』と書いていますが、これは患者さん向けでなく、日本感染症学会会員の医師向けのメッセージであることが大切です。

 

日本感染症学会の専門医で漢方薬を使いこなせる方は少ないだけでなく、エビデンス病の患者が多いこともあり、そもそも漢方薬など効くはずがない、と思い込んでいる頭の固い方が少なくないからです。だからこそ小川先生「私見を言えば」と控えめな表現をとらなければならなかったのだということは私には良く理解できます。

 

新しい病気や未知の病気が蔓延したとき、西洋医学では早期の対応ができないことが多いです。原因やメカニズムがわかって診断がついても、治療方法やワクチンなどの予防法が確立するまでに時間がかかります。これに対して、漢方医学は、患者さんの確定診断が得られなくとも、折々の個々の病態に叶った個別的な治療対応が直ちにとれることが大きな強みだと思います。

週間<外国語>旅行

Sanidad:Crisis del coronavirus
健康:コロナウイルス危機No1

 

La realidad de la pandemia en las funerarias: "Hay muchos más muertos de los que dicen"
葬儀場でのパンデミックの現実:「彼らが言うよりも多くの死者がいる」

 

• VÍCTOR MONDELO
@VMondelo
Barcelona
Actualizado Sábado, 25 abril 2020 - 09:51

 

El sector funerario está convencido de que la mortandad por el coronavirus acabará superando, en mucho, lo que reflejan las estadísticas oficiales del Gobierno

葬儀業者は、コロナウイルスの死が政府の公式統計を大きく上回ると確信している

 

Dos operarios junto a un féretro en el tanatorio de San Juan de la Cruz, en Segovia. REUTERS

セゴビアのサンファン・デ・ラ・クルスの遺体の棺に取り組む2人の作業員。ロイター

 

«Esto es mucho más grande de lo que están diciendo. La magnitud de lo que está sucediendo es mucho mayor a lo que antes se decía sin tener en cuenta las muertes fuera del hospital, y sigue siendo superior a lo que están diciendo ahora». El sector funerario no alberga dudas: la mortandad provocada por la crisis sanitaria acabará superando, en mucho, lo que reflejan las estadísticas oficiales del Gobierno, incluso tras la corrección realizada para incorporar fallecimientos en geriátricos y domicilios.

「これは彼ら(政府)が言っているよりもはるかに大きい件数です。何が起こっているかの大きさは、病院の外での死亡に関係なく、以前に言われたものよりもはるかに大きい数字であり、それは彼ら(政府)が今言っているよりも高い状態のままです。」と葬儀業者には疑いを挟む余地がない:健康危機によって引き起こされた死者数は、老人や家庭での死亡者数を組み入れる補正を行っても政府の公式統計上の数をはるかに越えるだろう。

 

Habla con meridiana claridad Fernando Sánchez, director de comunicación del Grupo Mémora, el principal operador funerario de la Península Ibérica, con 140 tanatorios en España y Portugal. «En Barcelona hemos multiplicado por cinco el número de defunciones. De 40 de media hemos pasado a días de más de 200. Eso sigue sin cuadrar con las cifras que ahora se están dando. Todavía estamos lejos de la realidad», prosigue el portavoz de Mémora, quien, además, subraya cómo el coronavirus está teniendo una «incidencia global» en el aumento de la mortalidad en España, no sólo por los fallecidos que causa directamente el virus, sino por otras muchas muertes indirectas generadas por la crisis sanitaria. «Están los que mueren por Covid-19, por causas vinculadas al Covid y luego los que mueren por no haber podido ir a un hospital por estar colapsado, o los que no se atreven a ir con síntomas de infarto y acaban muriendo en casa. Hay una serie de muertes colaterales a esta crisis del Covid que hace que la mortalidad sea mucho más elevada», certifica Sánchez tras comprobar de primera mano la evolución de la pandemia en su amplia red de tanatorios.

イベリア半島の主要な葬儀オペレーターでスペインとポルトガルで140の葬儀場を取り仕切っているグルーポ・メモラの広報責任者のフェルナンド・サンチェスは、明快に語る。「バルセロナでは死者数が5倍に増えた。1日平均40件が200日以上続いています。それはまだ今も公表されている数字とは一致しません。我々はまだ現実から遠く引き離されているのです」と。メモラのスポークスマンはこう続けます。「コロナウイルスで直接亡くなった方だけでなく、健康危機によって引き起こされる他の多くの間接的な死亡のために、コロナウイルスはスペインの死亡率の«全体の増加に大きく関与する因子»です。」「Covid-19のために亡くなる人は、Covidに関連して亡くなる人、転倒してしまい病院に行けずに亡くなる人、または心臓発作の症状があるためにあえて通院せず家で亡くなる人も含まれています。「このCovid危機には、こうした一連のコロナ関連死があるため、死亡率をより高くしています。」と、サンチェスは、広範な葬儀場のネットワーク内でのパンデミックの拡大を直接目撃して確信しています。

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。


症例1:感染 治療なき入院 20代女性が語る

3月12日、27日取材(札幌放送局 北井元気)
20代の女性は3月5日に感染が確認され、20日間近く入院しました。「自分が感染するとは全く思っていなかった」という女性。あまり知られていなかった症状や入院中の日々などを語りました。

 

第1症例(その5)(3月12日、27日取材 札幌放送局 北井元気)

 

第4節:“自分はかからない”後悔と教訓

入院中、女性が『何より心配だったのは濃厚接触者となった家族や友人のこと』(⇒医学原理1:戦略3:戦術3)だった。感染するまでの本音と、感染して痛感した教訓を語ってくれた。

 

家族は濃厚接触者なわけじゃないですか。『どうしても肩身の狭い生活をするというか、“コロナの菌”みたいな感じで思われるだろうし、その目をすごく気にしているんじゃないかな』(⇒医学原理1・2・3:戦略1・2・3/戦術1・2・3)と思うんですよね。日中は外を出歩かないようにしているんじゃないかなと思うんですよ。そこが『申し訳ない』ですよね。

 

人によっては、汚い、悪い菌を持ってる人たちみたいな、そういうふうに思う人はいるんじゃないかなと思うんですよ。テレビで見てたら、ただアジア圏ってだけで差別されるという話をやってるので、家族はすごく気にしているっていう感じが連絡とっていたらわかりますね。

 

正直、テレビであんなにやってはいたけれど 『自分はかからないだろうと、自分がかかるわけはないだろう』と思っていました。北海道で感染している人は、私がかかったときは90人もいなかったのかな、『まさかその中に自分が入るなんて全くと言っていいほど思ってもいなかったし、隔離されるような経験をすると思っていなかった』ので。


60代以上の人たちがかかっていて、20代30代の人がかかってるとはあんまり言われていなかったので、『かかっても簡単に自力で治せると思ってた』(貴重な教訓ですね。これが戦略1に直結します。)のが正直な気持ちです。


『思いのほか時間がかかったことの衝撃というか、びっくりした感じ』なんですが、家に帰ってきてまず安心しました。


本当に基本的なことになっちゃいますけど、手洗いとうがいの徹底。アルコールはなくても、せっけんでもいいから、ちゃんと手を洗ったほうがいいんだろうなって、今になって思います。

 

あとはちょっとした体調の変化を軽く考えないで、少しでも変化があれば外出は控えてみるということが大事なんじゃないかなと。簡単に治る病気ではないので、『自分たちが原因』(⇒戦略1・戦術1)で、もしかしたら『誰かにうつしてるのかもしれない』(その通りですね。ただし、もう少し視野を広く持っていただけたら一層素晴らしいと思います。⇒戦略2・戦術2;戦略3・戦術3)と思ったら、手洗い、うがいをちゃんとしておけばよかったなと、それに尽きますね

 

週間<外国語>旅行

イタリア北部のヴェネト州のルカ・ザイア知事はズバリと本音を言うイタリア人気質の人物です。

ロシアの通信社、スプートニクの中国語版サイトが2月29日付で配信した記事では「中国はこの感染症で大きな代償を払った。なぜなら私たちは、彼らが生きたネズミやそのようなものを食べるのを見ているからだ」などと発言した。

これに在イタリア中国大使館が反発して「このような困難な時期に、中国とイタリアが感染症の流行に肩を並べて対処している時、イタリアの政治家は中国の国民を中傷した」などと抗議すると、さすがのルカ・ザイア知事も「もし誰かの気分を害したなら、謝罪する」と述べたといいます。

 

柳川という記者が翻訳して編集しているサイトで知りました。


中露の双方の情報を収集しているので<ロシアの通信社、スプートニクの中国語版サイト>という情報ソースが気になるところではあります。

 

さて、新型コロナウイルスの感染が早い段階で拡大していたイタリア北部のヴェネト州知事であるザイア氏は4月6日、新型コロナに対する抗体の有無を判別する抗体検査が医療従事者を対象に開始しました。手始めに2000─3000人の医療従事者に抗体検査を実施し、その後、高齢者施設の従業員や利用者、国民との接触機会が多い職員に対して実施するという段取りでした。

 

ここまでは賞賛に値します。少なくとも医療従事者自らが感染しているかどうかの確認をさせないまま医療の最前線に立たせている日本政府よりは、遥かに理性的です。

しかし、その後が良くなかったようです。ザイア氏の試みは、最終的に新型コロナの抗体がある個人が仕事に復帰するための「ライセンス」を発行することを目的とするものだったからです。

 

以下はイタリアの新聞記事です。中国に嵌められたことに気づいたときには、すでに手遅れ。背に腹は代えられない、という緊迫状況にあって、ますます中共の術中に嵌って抜け出せなくなっている、という状況なのでしょうか。

 

Il Veneto che lavora col virus Qui si "costruisce" la Fase 2

ヴェネト、ここではウイルスと共存して働き(流行の)第2相を「構築」する

 

In Veneto il 40 % delle imprese di fatto lavora. Il Giornale.it è andato a documentare questa realtà. Ieri Zaia ha firmato la nuova ordinanza: via libera alla vendita da asporto, cimiteri e fiorerie aperte e manutenzioni da diportismo.

ヴェネトでは、事実上40%の会社が稼働している。イル・ジョルナーレ紙はこの現実を報告した。昨日ザイア知事は新条例に署名した:

 

 

Serenella Bettin - Sab, 25/04/2020 - 22:44
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È il Veneto che riparte. È il Veneto che vuole ripartire. Soprattutto da oggi. Zaia ha firmato la nuova ordinanza in vigore dalle 15. Questo complice il controllo del contagio, le curve in ribasso, la responsabilità e la civiltà dei cittadini e il fatto che, di fatto, in Veneto già il 40 % delle aziende lavora.

再開するのがヴェネト州だ。再稼働したいのがヴェネト州だ。今日からは特に、である。
ザイア知事は午後3時から施行するこの新しい条例に署名した。これは、伝染の抑制、下降曲線、市民の責任と文明を複雑なものにし、しかも実際、ヴェネト州ではすでに企業の40%が働いているという事実があるのだ。

 

Noi del Giornale.it abbiamo fatto un viaggio per questo Veneto che riparte. In giro si vedono moto, auto, camion, parcheggi pieni, gente per strada, tutti rigorosamente con la mascherina. Ma soprattutto si vedono aziende che vogliono ripartire, che si stanno dando da fare, che stanno mettendo tutte le forze in campo possibili inimmaginabili per ripartire in sicurezza.

イル・ジョルナーレの記者である我々は、再開するヴェネトを旅行した。オートバイ、自動車、貨物を満載したトラック、通りの人々は皆マスクを装着しているのをあたりで見ることができる。しかし、とりわけ再開しようとしている会社、稼働している会社が目につくが、安全に再開するという想像もつかない考え方にすべての力を注ぎこんでいるかのようだ。

2020年現在の外来診療において、重点を置くべき領域の筆頭が呼吸器疾患であると考えます。これをA.一般診療とB.専門診療にわけて概観してみましょう。

 

A.呼吸器疾患の一般診療

 

かぜ症候群インフルエンザ肺炎肺結核非結核性抗酸菌症喘息慢性閉塞性肺疾患(COPD)が重要疾患群です。

これらの疾患群はすべて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との鑑別や合併に気を付けなければならない疾患です。COVID-19は、かぜ症候群として発症し、たちまちインフルエンザ様症状を呈し、急激に肺炎を招いて死亡する劇症例が問題になっています。

また、喘息慢性閉塞性肺疾患(COPD)を持病とする方は、こうした基礎疾患をしっかりとコントロールしておかないと罹患しやすくなるだけではなく、重症化のリスクも高いということを認識しておかなければなりません。

 

なお、喘息に関しては、花粉症湿疹(アトピー性皮膚炎・接触皮膚炎)はもとより、蕁麻疹皮膚掻痒症などを伴うことが多く、アレルギー専門医にとっては中核となる疾患群とともに、内科の全領域をも超える総合アレルギー診療が必要です。

 

 

B.呼吸器疾患の専門診療

 

間質性肺炎肺高血圧症睡眠時無呼吸症候群呼吸不全・在宅酸素療法などの疾患は、専門医による管理・治療が必要な代表的な呼吸器疾患です。

 

これらのうち杉並国際クリニックで常に注意を払っているのは間質性肺炎です。

その理由は、専門医としてリウマチ診療を行っているからです。関節リウマチは、関節や滑膜などの運動器系の疾患であると誤解している方も少なくありませんが、間質性肺炎などを含む内臓症状を呈する全身病です。

関節リウマチの診断がつけば、間質性肺炎は常に警戒しておかなければならない疾患でありうえに、関節リウマチの治療薬の主薬であるメトトレキサートの主要な副作用として間質性肺炎があるからです。

そのため、間質性肺炎の早期発見のため、診療の際には必ずパルスオキシメータ―という小型装置を用いて動脈血中の酸素分圧濃度を計測しています。

通常では96~99%の範囲ですが、93%以下で准呼吸不全、90%以下では呼吸不全と評価します。関節リウマチの患者さんの中で、たった1例ではありますが、急性間質性肺炎を発症し、呼吸不全となり、近位で在宅酸素療法を受けるに至ったケースを経験しています。

 

また睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性(OSA)と中枢性(CSA)とがありますが、閉塞性(OSA)が大多数を占めます。OSAの新規患者が2010年で年間650万人を越え、この17年間に15倍に増加し、不眠患者数とほぼ同数になったと報告されました。

 

OSAは、高血圧糖尿病虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)心不全脳卒中慢性腎障害(特に重症例)うつ病などでさらにその頻度は増加するので、根本的な解決のためには、呼吸器専門医というより、心療内科をも加えた総合内科的アプローチにより基礎疾患のコントロールをはかることが重要だと考えます。

 

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。

 

症例1:感染 治療なき入院 20代女性が語る
3月12日、27日取材(札幌放送局 北井元気)

 

20代の女性は3月5日に感染が確認され、20日間近く入院しました。「自分が感染するとは全く思っていなかった」という女性。あまり知られていなかった症状や入院中の日々などを語りました。

 

第1症例(その4)(3月12日、27日取材 札幌放送局 北井元気)

 

 

第3節:“治療が行われない”入院

<入院後は熱が上がったり下がったりがしばらく続いた>が、女性が驚いたのは、【特別な治療が行われなかった】(むしろ、特別な治療を施されずに済んことは幸いだったと思います。安静と隔離、これに栄養補給と安心が加われば、ひとまずOKでしょう。)ことだという。

 

6時に起床して基本的にはベッドの上です。担当の先生が1日に1回ぐらい見に来て、頭にネットをかぶってメガネかけて長袖のエプロンのようなものを着て手袋はもちろんしていて、本当に厳重な、テレビで見る真っ白な防護服ではないんですけど、入ってくる。部屋を出るときには、着ていた服や手袋を全部ゴミ箱に捨てて出ていくという感じです。

 

私の場合は【熱が出たら解熱剤を飲んでください】(おそらく、比較的安全性が高いとされるアセトアミノフェンが処方されたのではないかと推測します)ということで、それ以外は点滴もないですし、【決まった時間に体温をチェックして、決められた時間にごはん】(生活のリズムの維持は、たとえ半ば強制的であっても大切な治療要素だと考えます。)が出てということ以外は特別大きな処置というものはありませんでした。


薬がない状況なので、【せきやのどの痛みを先生に伝えても、特別この薬を出すとかいうようなことはなく】(金羚感冒散が大いに助けになりそうですが、漢方専門医でも詳しくない先生がいるくらいなので、入院後の内服許可は降りない可能性が高いものと推測します。)ほんとに【一般的にメジャーな解熱剤、普通のかぜのときに使う解熱剤】を出されて、あとはどうすることもできないというか、【自力で治してください、そしてこの部屋から出ないでください】っていう形です。


『いつ自分の熱が下がりきるんだろうとか、先が見えないので、自分ではわからないので不安』(お察ししますが、医療従事者も同じ不安を抱えています。患者にはPCR検査を実施しても、日々多数の患者に接触し、高度なストレスの下で心身共に疲労状態にある極めてハイリスクの医療従事者がノー・チェックで仕事を続けさせられていることは、さらに大きな問題だと考えています。)


女性は症状が軽く1週間ほどで回復してきたが、退院までには20日近くかかった。

「入院してから1週間後くらいには、もう熱も下がってせきもたまに出るくらいで、のどの痛みもなくなっていた」ので、先生からは「もしかしたら早めに退院できるかもしれないよ」と伝えられていました。

【1週間ちょっとくらいで1度目の検査をした】と思います。自分としては『体調はもう戻っていたので、検査したら陰性になるだろう』と思っているんですが、結果は「陽性だったよ」(症状と検査結果が一致しないことが多いことは、新型コロナ感染症の際立った特徴の一つです)と。


いちど陽性になると、検査した日から48時間おかないと次の検査ができないようになっているので、結果が陽性だった場合は次の日にまた検査をするという形です。検査と検査結果との交互でした。

検査を繰り返して陽性が出るたびに、『本当にいつになったら終わるんだろう、いつになったら病院から出られるんだろうと、先の見えない不安』がありました。(⇒医学原理1・3によるアプローチの必要性)


私の場合は5回目でようやく陰性が出て、2回続けて陰性が出ないと退院できないので、計6回検査しました。

 

<明日に続く>

【衝撃】ノーベル賞受賞のウイルス学者リュック・モンタニエ氏

「新型コロナウイルスは中国の人工ウイルス」と結論

 

新型コロナウイルスでエイズワクチン開発

 

新型コロナウイルスが世界的パンデミックを引き起こし、日々、感染者と死者を増やし続けているなか、日本では外出自粛の要請がなされ、緊急事態宣言が発令される事態となっている。新型コロナウイルスの発生源は中国の地方都市、武漢市だといわれているが、ノーベル賞受賞者があまりにも衝撃的な発言をし、多くの人たちが驚きを隠せずにいる。

 

・武漢ウイルス研究所で造られたウイルスか

ノーベル賞受賞者であり、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の発見者としても知られているカリスマ的な生物学者、リュック・モンタニエ氏(87歳)が、「新型コロナウイルスは中国で造られた人工ウイルス」と結論づけたというのである。日本においても日本国際賞を受賞している人物であり、彼の発言は非常に信頼性が高いものといえる。

 

・間違いと言い切れない情報源

これは医学報道サイト「Pourquoi Docteur」や「Gilmore Health」が大々的に報じているもので、フランスのハフィントンポストや、フランスのYahoo!ニュースでも報じられている。医学分野においての数々の功績を重ね、権威としてもカリスマ的な人物のリュック・モンタニエ氏が断言していることから、「仮説」「間違い」「デマ」だと言い切れない情報なのは確かだ。


Révélations sur l'origine de SARS-CoV-2 par Luc Montagnier, un prix Nobel
Le coronavirus aurait été l’objet d’une manipulation génétique avec des séquences de VIH (sida) — Adrenaline ✞ 🇫🇷 (@adrenaline1001) April 17, 2020
Holy shit. French virologist, Nobel prize winner for discovery of the HIV virus, just went on TV to reveal there is proof that #COVID19 was engineeried and artificially laced with parts of the HIV virus (not natural) and authorities tried to keep it quiethttps://t.co/K2JSwfnyvV
— Frλ͎ncis Pouliot ☣️ (@francispouliot_) April 17, 2020
Chinese #Coronavirus Is a Man Made Virus According to #LucMontagnier the Man Who Discovered #HIV. https://t.co/MNY3Lp2ARQ pic.twitter.com/KSA5hhc5u5
— Geopolitics & Empire (@Geopolitics_Emp) April 17, 2020
Really interesting: Luc Montagnier, virologist & winner of the 2008 Nobel Prize for Medicine for his work on HIV – appears to confirm the prior work of Indian researchers who hypothesised that COVID-19 was genetically altered.
Source and interview here:https://t.co/V78PyY0480
— Emanuel Ajay Datt (@eadatt) April 17, 2020
C’est annoncé par un chercheur éminent Luc montagne le covid19 a été creee par un laboratoire en Chine .. ce professeur a découvert une séquence De protéine du VIH.. C’est hallucinant pic.twitter.com/Bw1PYcym97
— Mouf.rosali (@f_mouhou) April 17, 2020
> Jean-Claude PEREZ. (2020). “WUHAN COVID-19 SYNTHETIC ORIGINS
> AND EVOLUTION.” International Journal of Research – Granthaalayah, 8(2), 285-324.

・コロナ使用でエイズワクチン開発か
リュック・モンタニエ氏によると、新型コロナウイルスは武漢ウイルス研究所から事故的なトラブルで放たれたものとのこと。また、新型コロナウイルスは自然発生したものではなく、人工的に作られたウイルスと断言している。

・自然発生しない新型コロナウイルス
また、リュック・モンタニエ氏を報じている記事では、「武漢ウイルス研究所はコロナウイルスを使用してエイズワクチンを開発しようとしていた」とも報じている。さらにDNAや遺伝子などゲノム研究者であるジャン・クロード・ペレス氏も、新型コロナウイルスは自然発生しない存在としている。

・さらなるエビデンスが必要
メディアのインタビュー取材に対して「このウイルスは操作されたものという結論に達した」(Nous sommes arrivés à la conclusion qu’il y avait une manipulation au sujet de ce virus)と語るリュック・モンタニエ氏。生物学界の権威が語っている時点で信憑性が高い諭と考えることもできるが、誰もが納得する確定情報となるには、さらなるエビデンスが必要となりそうだ。要は、今後、中国国内で他国が調査を進めることができるかどうかが重要となってくるといえよう。

 

 

« Nous sommes arrivés à la conclusion qu’il y avait eu une manipulation au sujet de ce virus… » Luc Montagnier, prix Nobel de médecine 2008

「私たちが達した結論では、このウイルスについては人工的な操作が加えられていたということ・・・」リュック・モンタニエ、2008年度ノーベル賞受賞者

• Par Stanislas Rigault

• le 17 avril 2020

 

Ce matin sur CNews, le Professeur Luc Montagnier, prix Nobel de médecine 2008, a fait une déclaration qui risque de beaucoup faire parler :

今朝Cニュースで、2008年度ノーベル賞受賞者のリュック・モンタニエ教授が大きな波紋を呼び起こしそうな声明を発表しました。

 

« Nous sommes arrivés à la conclusion qu’il y avait eu une manipulation au sujet de ce virus. Il y a un modèle qui est évidemment le modèle classique, et là c’était un modèle venant de la chauve souris. Mais à ce modèle on a par dessus ajouté des séquences notamment du VIH.

「私たちが達した結論では、このビールスについては人工的な操作が加えられていたということです。明かに通常の型があり、そしてコウモリ由来の型がありました。しかし、この型にはとりわけHIV(エイズウイルス)の遺伝子配列が加えられていました。

 

Non ce n’est pas naturel, c’est un travail de professionnels, de biologistes moléculaires, c’est un travail très minutieux, on peut dire d’horloger.

 

これは決して自然由来のものではなく、分子生物学者のような専門家の手が加わったものであり、極めて綿密な作業によるもので、時計職人の技に例えることができます。

 

Dans quel but ? Ça ce n’est pas clair. Moi mon travail c’est d’exposer des faits, c’est tout. Je n’accuse personne, je ne sais pas qui a fait ça et pourquoi. Peut être était-ce pour faire un vaccin contre le sida. Donc on a pris des petites séquences du virus et on les a installé dans la séquence plus grande du coronavirus. »

その目的は何か?それは明らかではありません。私の仕事は事実を明らかにすることが全てであり、誰かを非難することではなく、誰がなぜこのようなことをしたのかは知りません。おそらくエイズに対するワクチンを作ろうとしたものでしょう。そこでエイズウイルスの遺伝子配列の一部を切り取ってより大きなコロナウイルスの遺伝子配列の中に挿入したのではないでしょうか。」

 

Toutefois, le Pr Montagnier est régulièrement remis en cause, comme l’indiquait un article du Figaro. En effet, cent cent six académiciens des sciences et de médecine se sont levés pour s’opposer publiquement aux dérives du professeur Luc Montagnier qui a reçu le Nobel de médecine en 2008 pour la découverte du virus du sida. Les médecins n’y vont pas de main morte «Nous, académiciens des sciences et/ou académiciens de médecine, ne pouvons accepter d’un de nos confrères qu’il utilise son prix Nobel pour diffuser, hors du champ de ses compétences, des messages dangereux pour la santé, au mépris de l’éthique qui doit présider à la science et à la médecine», écrivent-ils.
Article du Figaro

 

それでも、モンタニエ教授はフィガロ紙のような記事の求めに応じて定期的に質問を受けています。もちろん、科学および医学関連の108の諸学会は、エイズウイルスの発見により2008年度のノーベル賞を受賞したモンタニエ教授の行き過ぎに対して公に反対意見を表明しました。医師たちは歯に衣を着せずに「我々科学および医学の諸学会は、ノーベル賞受賞者であることを嵩に着て、自身の専門的能力を超える領域で、科学および医学を統括する倫理を無視して健康に危害を及ぼすメッセージを広めている、我々の会員の一人に賛成することはできない」と記しています。

 

フィガロ紙の記事

 

新型コロナウイルス感染症に関する心不全患者の心構えについての Q&A

 

〇 当クリニックの心臓病患者からの2つの質問

(問1)

国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses:ICTV)が2月7日までに、新型コロナウイルスを「SARS-CoV-2」と名付けていました。

しかし、WHOは2月11日に新型コロナウイルスの正式名称を「COVID-19」とすると発表しました。現在では、両方の名称が使われていますが、どちらの方が心臓病へのリスクが大きいのでしょうか。

 

(答)

新型コロナウイルスのウイルス名については、SARS(重症急性呼吸器症候群)を引き起こすウイルス(SARS-CoV)の姉妹種であるとして「SARS-CoV-2」と名付けています。

 

これに対して、「COVID-19」の「CO」は「corona」、「VI」は「virus」、「D」は「disease」の意味となります。これに、コロナウイルス感染症と感染者が報告された2019年を組み合わせたものです。ウイルス名には(SARS-CoV)を、病名には「COVID-19」を用いることになっていますが同じウイルスです。ウイルス名と病名が異なることや、ウイルス名に「SARS」が使われていることついて今後も議論を呼びそうです。

 

 

(問2)

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はACE2を介して増殖することがわかりました。そして、降圧薬のACE阻害剤やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)はSARS-CoV-2の受け皿であるACE2発現を高めて重度のその感染症COVID-19を生じ易くする恐れがあるとの専門家見解がランセット呼吸器医学誌(Lancet Respiratory Medicin)に最近掲載されました。ACE阻害剤やARB服用を中止してよいですか。

 

(答)

自己判断で中止してはいけません。米国の3学会・HFSA/ACC/AHAの声明では、COVID-19患者は医師からの指示がない限り心不全や高血圧などに対して続けているACE阻害剤やARB服用を中止しないようにとの勧告がありました。

 

杉並国際クリニックでは、降圧薬にACE阻害剤は使用していませんが、ARBは第一選択の一つとして処方しているため、慎重に経過を観察しています。

そして、とくに感染のリスクが高いと判断した方には、他の降圧薬に切り替える方針ですが、幸いにも該当者が出ていません。しかし、いずれにせよ、降圧薬の自己判断による中止は大きな危険を伴いますので、慌てて中止しないようにしてください。

 

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ3

症例の研究
以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。


症例1:感染 治療なき入院 20代女性が語る

3月12日、27日取材(札幌放送局 北井元気)

北海道に住む20代の女性は3月5日に感染が確認され、20日間近く入院しました。「自分が感染するとは全く思っていなかった」という女性。あまり知られていなかった症状や入院中の日々などを語りました。

 

第1症例(その3)

 

第2節:経験したことのない異変

母親は3月3日に感染が確認された。女性もその2日後に陽性と分かり入院するが、<しばらく前から、味やにおいがしないという異変を感じていた。>(嗅覚をつかさどる嗅神経は第1脳神経です。嗅神経が障害を受けると、嗅覚だけではなく、味覚を損ねてしまいます。それだけ、味覚は嗅覚に大きく依存しているのです。そして、嗅覚や味覚が損なわれると食欲が減退するだけでなく、胃腸の働きを抑制し、免疫力を低下させます。消化吸収には、脳相、胃相、腸相の3層が関与しているためです。おいしそうな食べ物を目の前にすると、 視覚、味覚、嗅覚などが刺激(脳相)されます。その刺激が副交感神経を通して胃液の分泌を促す(胃相)からです。そのための事前の備えの第1弾が玉弊風散であり、発症後は第2弾として藿香正気散が使えます。もっとも、これらの漢方薬の効果を増強するためには、嗅覚や味覚に深いかかわりをもつミネラルである亜鉛を補充しておくことが望ましいです。慢性の亜鉛欠乏症は味覚障害、食欲不振、下痢などの諸症状や、創傷治癒遅延や免疫能低下をもたらす<参照:「わかりやすい臨床栄養学・第6版」:三共出版、飯嶋正広他)>ことが知られているからです。COVID-19の患者の血清亜鉛や銅の濃度についてのまとまった情報が欲しいところです。)

<陽性が出て入院すると言われた前日ぐらいから、食べ物のにおいがしない>ので、『私おかしいのかな』と思って。<シャンプーもにおいがしないですし、1番何よりもにおいの強いイメージのある香水を持って鼻に近づけてみても全くにおいがしない>んですよ。<その衝撃というか、本当に何もにおいがしないことにびっくりしました。>(こうした、ショックや驚きなどの精神的ストレスにより、ますます免疫能が低下していきます。医療専門家による適切なケア・サポートなどの介入により、安心感を与えることが求められます。)

 

<今までかぜは何度もひいてきた>(ウイルス性感染を受けやすいこと、易感染性の体質を日頃から改善する工夫と努力の継続が望まれます。⇒戦略1:戦術1⇒日頃から玉弊風散を1包を毎日内服することが望ましいです)んですが、それとは全く違って、<しょっぱいも甘いも感じなくて、辛いは少し感じました。>

<野菜にドレッシングをかけて食べても、全く味がしないので目隠しされた状態で食べているような感じでした。>(表現力に優れた方です。匂いや味が損なわれると、どんなに色彩豊かで芸術的な盛り合わせをしても、決しておいしそうには見えなくなります。脳相が反応しないため、胃相や腸相での消化吸収・代謝が損なわれ、ますます免疫力が低下していきます)

そんなことは今までなかったので、『これはコロナの影響なのかな』(素晴らしい洞察力です!)と少しは思いました。


でもテレビで言われてなかった症状だったので、『自分だけなのかな』(⇒戦略1:戦術1)という思いと、『これがそうなのかな』という不安がありました。


<入院してからも1週間ぐらいは、においと食べ物の味がしないというのは続きました。>病院食なのでそんなに濃い味ではないものだということは分かっていたんですが、<みそ汁の味はもちろんしないですし、お肉料理も出てきたんですがその味も全くしない>(免疫力の維持に必要な亜鉛は、牡蠣、肉類、ごまやナッツ、小魚などに多く含まれます。)
看護師さんや先生たちも初めてコロナの診療しているので情報が足りないというか知らないみたいで、「そんな話もあるんだよね」とは言っていたと思います。


<においや味が完璧に戻ったのは、入院してから10日間ぐらいたってたんじゃないか>と思います。<熱が下がって食べ物をよく食べられるようになってからすごく感じた>(この段階では決して油断してはいけませんが、峠を越えて、重症化は免れたようで、とても良かったです。)ことです。


症状がおさまってきて、味覚と嗅覚が戻ってきたときのごはんは、食べる楽しさとかうれしさとかがありましたね。
 

 

新型コロナ感染症対策として、3つの戦略と3つの戦術の具体的な適応法について解説してきましたが、このあたりで、3つの臨床医学原理を提案しておきたいと思います。
 

臨床医学原理1:心身医学を基礎とする全人的アプローチ 

 

臨床医学原理2:伝統医学と現代医学を統合(中西医結合)的アプローチ


臨床医学原理3:臨床栄養学と鍛錬学(水氣道®)の統合的アプローチ

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

症例検討会(カンファレンス)

 

症例1の20代の女性は、とても賢明な方であり、患者としては申し分ない対処行動をとったことがわかります。

この方の賢明さがこの方を救ったばかりではなく、いかに、新型コロナウイルスが手ごわいものであるのか、そして、今後は、どのような理解のもとに、戦略を組み立て、戦術を生み、そして実際の行動に移していくことが良いのかを決定するうえで、とても得難い情報源となっています。


この方の最後のご感想、人によって本当に症状が違うんだなにはすべてが凝縮しているといって差し支えないと思います。

 

はい。その通りなのです。とても貴重な御感想です。

 

この方の命がけの体験から発せられた言葉を私ども医療従事者はしっかりと肝に銘じておかなければならないと思います。現場の臨床とは、まさにそのようなものです。

 

私たちが直面している武漢ウイルスによるパンデミックは、第3次世界大戦といった形容を遥かに超え、得体のしれないエイリアンと地球防衛軍との戦いになぞらえることができます。

こうしたパンデミックにおいては、RCTなどのような高いエビデンスレベルに基づくガイドラインは入手不能です。

それに固執して、患者の救命活動より、PCRなどの不完全な検査のために手間と時間と財源と労力を浪費して、肝心な救命活動に支障を生じてしまっていることの現状を反省すべきではないかという思いを強くしました。

 

ですから、症例数が少ない段階では、臨機応変に対応し、心身医学な全人的アプローチを基礎に据え、経験則と論理則とブラックボックス理論と確率論等の理論ツールを総動員した戦略構想に基づき、具体的な戦術を素人にもわかりやすくガイドするのが臨床医の務めなのではないでしょうか。

 

新型コロナウイルス対策のエキスパートの面々の中には、残念なことに、東洋医学や心身医学の専門医も見当たりません。

ですから、感染予防だけでなく、発症予防、重症化予防を視野に入れるべき臨床の現場での経験が乏しい方々によって占められています。

 

見通しのつかない中で、自宅待機を余儀なくされ、「検査はあれども手当なし」という状況下に置かれた素人の患者さんたちが、どれほどの不安と恐怖と、場合によっては絶望に近い心理状態に陥っているか、という課題を深く認識できていません。

 

そして、そのことが、どれほど大きなストレッサーとなって、私たちすべての人命にとって等しく最も基本的であり、最終的な回復資源である免疫力を、どれほど甚だしく損なっているのかという重大な根本課題の解決に考えが及んでいないのはすこぶる残念なことです。

 

新規の創薬は間に合わず、可能性が見込めそうな既成の薬剤の治験(人体実験)を始めていますが、同時に副反応も心配です。

これに対して2000年以上の歴史の中で、幾度も世界レベルのパンデミックを経験してきた中で淘汰されずに生き残ってきた漢方薬の有効性を最大限に生かそうとする知恵が不足している、あるいは否定しようとしている一部の医学エキスパートが多数の人命救助を阻んでいるのだとしたら、実に嘆かわしいことではないでしょうか。