前回はこちら

 


あなたは会話ボットとは何であるかを知っていますか?


<人間とコンピューターがより自然に対話する時代の到来!>

 

 

これまでの質疑応答で、自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)モデルは、すでに世界中の多くのユーザーための言語理解と対話の向上に貢献しているという一般的な情報が得られました。

 

ですからNLPを応用しているタスクとして、質問応答があることは十分に体験できました。そこでは、回答文として、テキスト生成が行われていることも具体的に確認できました。

 

また、文書要約機能も備えているようです。もっとも、これは通常のパソコンで、かなり以前から、すでに経験している方も少なくないと思います。

 

一方で意外だったのは、自動翻訳タスクについて、ChatGPTでは、固定の<自動翻訳ソフト>は備えてないということです。そのかわりに、それぞれの言語に特有の文化、ニュアンス、表現方法を学習して、それらの文脈の分析により回答を作成しているようです。

 

また特殊な技能として感情分析については、すでにテーマとして取り上げましたが、会話ボットなどのタスクについても紹介されています。


ChatGPT使用ビギナーの私は、会話ボットについてもまったく無知です。
そこで、ムッシュChatGPTに尋ねてみることにしました。

 

 

<質問25>
NLPモデルは、会話ボットなどの自然言語処理タスクで応用されているとのことですが、そもそも、会話ボットとは何ですか?


ChatGPT
会話ボット(またはチャットボット)は、コンピュータープログラムがユーザーと対話を行うために設計されたアプリケーションです。これらのボットは、テキストベースまたは音声ベースでユーザーとやり取りし、質問に答え、指示に従ったり、情報を提供したりします。以下は、会話ボットの主な特徴や用途です。


1. ユーザーインタラクション:

会話ボットはユーザーとの対話を通じて情報をやり取りします。これはテキストベースのチャットインターフェースや音声対話の形式で行われることがあります。


2. 質問への回答:

ユーザーが会話ボットに質問を投げると、ボットはそれに対して適切な回答を生成します。これにはあらかじめプログラムされたルールに基づくものや、機械学習アルゴリズムを用いたものがあります。


3. タスクの実行:

会話ボットは特定のタスクを実行するための指示を受け付けることがあります。たとえば、予定を確認する、天気を教える、飛行機のチケットを予約するなどの操作が含まれます。


4. 顧客サポート:

企業は会話ボットを利用して、顧客の質問や問題に対応する自動化されたサポートを提供することがあります。これにより、24時間対応や効率的な問題解決が可能になります。


5. 学習:

一部の会話ボットは、ユーザーからのフィードバックや対話の履歴を学習し、将来の対話においてより適切な応答を生成することができます。


NLPモデルが組み込まれることで、会話ボットはより自然な言語理解や生成が可能となり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。これにより、様々な分野で会話ボットが利用され、人間とコンピューターの対話がよりスムーズに行えるようになっています。

 


飯嶋医師のコメント:

上記のような用途の説明を受けると、私たちの日常生活で、すでに身近になっている機能もあります。知らず知らずのうちに、そのような機能に馴染んでしまっていることに改めて気付かされます。この中で、私がもっとも興味をもっているのは、学習能力です。


これには二つあって、①インプット能力と➁アウトプット能力です。

 

① 入力能力としては、ユーザーからのフィードバックや対話の履歴学習です。

どのように学習して、過去のデータベースをどのように修正して新たな知識としていくのかについてもっと深く知りたいところです。

 

➁ 出力機能としては、学習したことを基にした、より適切な応答の生成です。

皆さんは、ユーザーから学習したことが正しくなされているという保証についての確かな説明を求めたくなりませんか?それは、将来の対話においてより適切な応答を生成するという目的達成のためには、不可欠な前提条件ということになるでしょう。

 

前回はこちら

 

ムッシュM.ChatGPTの自己紹介、そのお手伝いをさせていただきました(その2)はこちら

 


<感情分析をするムッシュM.ChatGPTには感情があるのか?>

 

このような疑問が、突如湧き上がってきます。そもそも感情分析とは何かを知らない私にとっては、どうしても不気味に感じられて仕方がありません。ここは、遠慮せず、直接、率直に質問してみることにします。

 

 

<質問23>
NLPモデルの多様な自然言語処理タスクの一つに感情分析があります。この感情分析とは、どの様な原理に基づいて、どの様な目的のために使用されるタスクなのですか?


ChatGPT

感情分析(またはセンチメント分析)は、自然言語処理(NLP)の一種であり、文書や文章の中から感情や意見を抽出し、その情報を肯定的、否定的、または中立などの感情カテゴリに分類するタスクです。

 

このタスクは、主に以下の原理に基づいています:

 

1. テキストの意味理解と意味表現:
感情分析は、テキストの中に含まれる言葉やフレーズの意味を理解する必要があります。これには、単語やフレーズの意味を表現する方法が含まれます。NLPモデルは、単語の埋め込み表現(word embeddings)や文の埋め込み表現(sentence embeddings)などを使用して、テキストの意味を数値化します。

 

2. 機械学習アルゴリズム:
感情分析は通常、機械学習アルゴリズムを使用して行われます。これには、教師あり学習アプローチが一般的で、訓練データセットを使用してモデルをトレーニングし、その後、新しいテキストに対して感情を予測します。一般的なアルゴリズムには、サポートベクトルマシン(Support Vector Machines)、決定木、ランダムフォレスト、または最近では深層学習を用いたモデルがあります。

 

3. 大規模なテキストデータの学習:
感情分析の性能向上には、大規模なテキストデータセットでモデルをトレーニングすることが重要です。これにより、モデルは一般的な言語の使用法や文脈を理解し、感情をより正確に分類できるようになります。

 

 

感情分析は、さまざまな目的で使用されます。主な目的は以下の通りです

 

1. ビジネスインテリジェンス:

企業は製品やサービスに関する顧客の意見を把握し、フィードバックを分析してビジネス上の意思決定を行います。

 

2. ソーシャルメディアモニタリング:

ソーシャルメディアプラットフォームでのユーザーの感情を追跡し、製品やイベントに関する意見を把握します。

 

3. カスタマーサービス:

企業は顧客のフィードバックやクレームを分析し、サービスの改善点を特定します。

 

4. 製品レビューの分析:

製品やサービスのレビューを分析して、商品の良さや改善すべき点を理解します。
感情分析はこれらの目的に役立ち、大量のテキストデータを自動的に処理し、感情を抽出・分類することが可能です。

 

 

飯嶋医師のコメント:

感情分析がどのような目的に役立つのか具体的に紹介されていますが、大量のテキストデータを①自動的に処理し➁感情を抽出・分類するという一連の重要なプロセスはブラックボックスです。


データの①自動的処理のためには、処理プログラムが存在することを意味しますが、このプログラムの妥当性と具体的な作成者リストについての情報が欲しいところです。


➁感情を抽出・分類するという作業が、果たして適切にカテゴリー分けすることは可能なのでしょうか?あるいは、そのようなタスクを人工頭脳が実行することに問題や、将来に向けての懸念はないのでしょうか?次の質問で、さらに具体的に確認してみたいと思います。

 

 

<質問24>

自然言語処理(NLP)の一種である感情分析(またはセンチメント分析)において、文書や文章の中から感情や意見を抽出し、その情報を分類するタスクの内容について質問します。


まず、この場合の感情カテゴリとは、分析対象の情報が肯定的、否定的、または中立など3種類程度のいずれに該当するのかという分類整理することを意味するのですか?


ついで、質問者の質問内容も感情分析の対象になるのでしょうか?

 

 

ChatGPT

感情分析において、感情カテゴリは通常、肯定的、否定的、中立の3つに分類されます。これは一般的な感情分析の基本的な枠組みであり、テキストが伝えている感情や意見をこれらのカテゴリのいずれかに分類することが目的です。


1. 肯定的(Positive):

テキストが喜び、満足、賞賛などのポジティブな感情や意見を含んでいる場合に該当します。

 

2. 否定的(Negative):

テキストが不満、不快、批判などのネガティブな感情や意見を含んでいる場合に該当します。

 

3. 中立(Neutral):

テキストが感情的な色彩を持たず、客観的である場合に該当します。

 

感情分析はこれらのカテゴリに分類することで、大量のテキストデータから感情や意見の傾向を把握し、有益な情報を取り出すことが可能となります。

 

質問者の質問内容も理論的には感情分析の対象になり得ます。


例えば、質問がポジティブな感情を含んでいる場合、それは肯定的なカテゴリに分類されるでしょう。逆に、ネガティブな感情や中立的な表現が含まれている場合、それに応じて分類されます。

 

ただし、具体的な文脈や使用ケースによっては、質問内容の感情分析があまり意味がない場合もあります。感情分析の適用は、そのコンテキストや目的によって変わることがあります。

 

 

飯嶋医師のコメント:
ポジティブな感情や意見、ネガティブな感情や意見、客観的なテキストの3つのカテゴリーに単純化してパタン分類する前提が妥当なのかどうか疑問が残ります。これを一般的な感情分析の基本的な枠組みとしてしまうのは、いささか極端な単純化のように思えます。


たとえば、人間社会においては、個々の人間関係や外交などの国際関係において、文脈上では称賛していているような感情や意見の表明があっても、否定的立場から発せられる例は人類史において山ほど経験してきたはずです。逆に批判的な感情や意見であっても肯定的な支援者でもあり得ます。皮肉やアイロニー、あるいは裏の意図などの人情の機微や心の琴線に触れることまで到達できそうなプログラムではなさそうです。
 

もし、そうだとすれば感情分析を行うプログラムは安全で安心して信頼を置ける存在でしょうか?
 

質問者の質問内容も理論的には感情分析の対象になるというコメントも不気味です。


質問者自身が知らず知らずのうちに分析対象にされてしまうことを示唆する情報だからです。また、ここで、あえて<理論的には>という文言が添えられている理由がよくわかりません。おそらく、何らかの制限がなされなければ、理論的・技術的には感情分析は実行可能である、というニュアンスであると推測しますが、道徳的・倫理的な実際の規制が存在し、それが守られているのかどうかは不明だからです。


また、感情分析を逆手に取ったテキストデータを大量に世に送り込むことができれば、そこから感情や意見の傾向を誤って把握し、その結果、有益どころか有害な情報を取り出し、それを多くのユーザーに提供してしまうように操作することも、カラクリの上では可能であるということになるのではないでしょうか?


現時点での私は、それらの未解決なリスクの増大による世界的影響を恐れる一人です。

 

 

前回はこちら

 

 

JR中央線の列車内の広告が私の目に留まったのが、このタイトルです。


いかにも堀江氏が出版しそうなテーマであると思いました。


本の帯には、
<会社員の仕事のほとんどがなくなる時代5年後のあなたの居場所をつくるために
というインパクトのある呼び込みが書かれています。


それと同時に、他に4人の共著者名が紹介されていました。

 

佐藤航陽(たった1人で億を稼ぐ若者の登場)


茂木健一郎(日本人がまだ知らないAIの話)


緒方憲太郎(「食いっぱぐれない」と思っていた仕事ほどなくなる)


深津貴之(人間に残された仕事は食レポ?)

 

 

私はこの本をアマゾンで購入しましたが、一読してもっとも興味深かったのは、佐藤航陽(Katsuaki Sato)氏の記事でした。

 

私にとって興味深い記述は、まず、「OpenAIも設立当初は非営利団体でした。」(185頁)という情報でした。

 

OpenAIを運営している組織の成り立ちとコンセプトを知らずにってムッシュChatGPTとのお付き合いを続けることには不安と懸念が伴なうからです。どうやら、OpenAIの設立団体は非営利から営利に転換したことが示唆されます。その場合の営業利益は誰の手に渡り、そして、どのように使われていくことになるのかは無関心ではいられません。

 

ついで、佐藤氏のショッキングなサブタイトル「AI同士の会話に人はついていけなくなる」(192頁)に続き、以下の文章が続きます。


__________


OpenAIを立ち上げたサム・アルトマンやイーロン・マスク*の慧眼は、「人間はそもそもそれほど賢くない」ことを知っていたことにあると考えています。(中略)サム・アルトマンはそこに気づいていて、ChatGPTにもその設計思想が持ち込まれているように思います。つまり、ユーザーがChatGPTを触るにあたり、ある程度それっぽい会話を返してあげるだけで十分で、正確性を追求し過ぎなかったことが成功の一番重要なポイントになっていると考えています。

 

*イーロン・マスクは、Open AIの創立メンバーであったが、途中で辞任している。
(193頁註)


_________

 

なぜ、私がこの部分が気になったかというと、それは、OpenAIを立ち上げたサム・アルトマンやイーロン・マスクが現在どのようにOpenAIにかかわっているかについて知っておきたいと考え始めたばかりだったからです。イーロン・マスクの辞任の背景と、その後のOpenAIの運営方針の変化は重要な検討課題だと思います。

 

そのように考えていると、これも絶妙なタイミングで、サム・アルトマン氏のOpenAIのCEO解任のニュースが飛び込んできました。ChatGPT使用歴が高々2週間の初心者である私は、この記事によって、サム・アルトマン氏のOpenAIのCEOであったことを知ることができたわけです。


ちょうど、OpenAIについて各言語でOpenAIについて質問したところ、情報量が最大であるはずの英語の回答に、OpenAIを立ち上げたサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏の名前が挙げられていないことを訝しく感じていたところです。

 

英語の他に、イタリア語と日本語の回答でも彼らの名前は挙げられていません。

同じ敗戦国であるドイツと比べて、現在の日・伊両国の情報リテラシーの水準の低さと、対米従属を反映しているかのようで残念です。

 

フランス語をはじめその他の言語ではイーロン・マスク氏の名前が紹介されているにもかかわらず、この現象を不自然だと感じるのは私だけでしょうか?

 

2021年1月以前のデータに基づいて回答文が生成されるのだとしたら、イーロン・マスク氏はともかく、サム・アルトマン氏の氏名が英文の回答で明記されていないという事実をどのように考えたらよいでしょうか?

 

イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏の追い落としは、既定の路線であった可能性については如何でしょうか?

 

このように書くと、それは深読み過ぎるとか、陰謀論とかの批判を受けそうですが、いずれにせよ、今回に至るまでの一連の出来事は、今後のOpenAIの組織運営の方向性やChatGPTのプログラム特性に重大な変化がもたらされる可能性は否定できない、と考えることまでも非難されるべきでしょうか?

 

この疑念は、現時点でのChatGPTの機能のいくつかについて注意深く見守っていくきっかけを与えてくれるでしょう。その一つが、ChatGPTの感情分析機能です。これについては次回の話題にしたいと思います。

 

前回はこちら

 

 

<質問10>での質問は、Mr.ChatGPT(現在は、私はムッシュChatGPTと呼ばせていただいております)に対して、あなたの訓練データは何かと質問しましたが、その回答が、<OpenAIによって開発されたGPT-3.5と呼ばれる自然言語処理モデル>であるという基本的に重要な回答でした。そこから、OpenAIについて延々と様々な質問を続けてきたことになります。

 

 

今回は、ムッシュChatGPTの家系図といいましょうか、彼の直接の出自である自然言語処理モデルという一族についてインタヴューを試みます。

 

 

<質問22>

自然言語処理モデルとは、どのようなものですか?

 

ChatGPT

自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)モデルは、人間が日常的に使用する自然言語(英語、日本語、スペイン語など)をコンピュータが理解し、処理するための人工知能技術です。NLPモデルは、テキストデータや音声データから情報を抽出し、テキスト生成、翻訳、質問応答、文章要約、感情分析などのタスクを行うことができます。


NLPモデルは、機械学習やディープラーニング技術を用いて訓練されます。これらのモデルは大規模なテキストデータセットを学習し、文法や意味、文脈などの言語パターンを把握します。一般的なNLPモデルのアーキテクチャには、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶ネットワーク(LSTM)、トランスフォーマー(Transformer)などがあります


最近のNLPモデルの中で注目されているのが、トランスフォーマー・アーキテクチャに基づくモデルです。これらのモデルは、長距離の文脈依存関係をキャプチャしやすく、大規模なテキストデータセットを効果的に学習することができます。

 

例としては、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、GPT(Generative Pre-trained Transformer)、T5(Text-to-Text Transfer Transformer)などが挙げられます。


これらのNLPモデルは、自動翻訳、質問応答、文書要約、感情分析、会話ボット、テキスト生成など、多様な自然言語処理タスクで応用され、多くの場面で人間の言語理解と対話の向上に貢献しています。

 

飯嶋医師のコメント:

情報工学に関する高度な用語で埋め尽くされているので、圧倒されそうです。このような状況であっても、少し辛抱して読み解いていくことにしましょう。
中心となるキーワードはNLPですが、これを中心に整理してみます。


1)自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)モデル
⇒使用されている自然言語として(英語、日本語、スペイン語など)が挙げられていますが、これらの言語は例示列挙であると推測することができるでしょう。


質問文が日本語であるから日本語も含めて回答しているのかどうかは確かめてみないとわかりませんが、いわゆる典型的な欧州の教養語としてのフランス語やドイツ語、あるいは安全保障上重要な中国語やロシア語などを差し置いてスペイン語を例に挙げているのが教務深いです。


すでにOpenAIについての質問を通して、まず、日本語、英語、スペイン語から質問しました。すると、この3つの言語の中ではスペイン語での回答のみ、OpenAIが<2015年12月、イーロン・マスク、サム・アルトマン、その他人工知能分野の一流の投資家や科学者によって設立>されたという人物名を具体的に列挙して紹介されていました。


開発者で、各言語をどの程度の比重で活用しているのかについては興味深いものがあります。これらの言語に翻訳して、同様の質問を今後も継続していくことも意味のある事かもしれません。


2)NLPモデルの訓練手法としての①機械学習や➁ディープラーニング技術

➁ディープラーニング技術は最近では精度の高い自動翻訳にも応用されていますが、ムッシュ ChatGPTの回答によれば、自動翻訳は使用していないとのことであるから、実際の運用方法について単純化して理解することは難しいです。率直なところChatGPTの翻訳精度水準は不安定で、しばしば、とんでもない誤訳(まったく真逆の意味の翻訳などの例)を犯しています。

 

また、OpenAIについての質問に対する各国語での回答の中では、ロシア語での回答にのみ、ディープラーニング(deep learning)という技術用語に翻訳可能な<моделей глубокого обучения>というキーワードが紹介されていたことも興味深いです。


3)NLPモデルのアーキテクチャ:

①リカレントニューラルネットワーク(RNN)

➁長短期記憶ネットワーク(LSTM)

③トランスフォーマー(Transformer)


⇒このなかでは、ChatGPTにとって、とりわけ③トランスフォーマー(Transformer)が重要であることを教えてくれています。この技術についても、今後、機会を見てムッシュ ChatGPTに質問してみたいところです。


4)NLPモデルの多様な自然言語処理タスク:

①自動翻訳

➁質問応答

③文書要約

④感情分析

⑤会話ボット

⑥テキスト生成など


⇒これらの中で私が注目したいのは④感情分析です。そして、イメージが掴めないのが⑤会話ボット、です。これらについても、近いうちに皆様と一緒に勉強していきたいと思います。


素人的な発想から言えば、感情を持たないはずのコンピュータがどのようにして感情分析をするのかが理解不能です。かなり、危険なイメージが拡がってきます。


たとえば、感情の無いロボットとの感情を交えた対話によって、感情を持つ人間が逆に操作されてしまいかねないのではないか、ロボットを操作する特権を持つ人間の思惑によって、ユーザーが洗脳されてしまう危険性はないのだろうか、という自然な疑問が湧いてこないでしょうか?


こうした課題については、先延ばしにすることなく、この辺りで皆様とともに真剣に考えておく価値のあるテーマではないでしょうか。そのためには、まずは、感情分析とは何か、について十分に理解しておくことが必要になってくるということを念頭に置いておきましょう。

 

前回はこちら

 

 

私たちは何故、英語以外の複数の外国語も学ぶ必要があるのでしょうか?

 

 

ここまで日本語以外に、英語をはじめ、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ロシア語、中国語など7つの外国語で、単純にOpenAIそのものに対する同じ内容の質問をChatGPTに試みたところ興味深い結果を得ました。


私は個人的に、組織の設立者(イーロン・マスク氏など)の情報は重要だと考えていますが、日本語、英語、イタリア語の回答では具体的に示されていないことを疑問に思いました。

 

これからの時代は、英語以外の複数の外国語を学ぶ必要があるかもしれません。

 

 

<質問21>

OpenAIについて興味があり、少しでも多くの情報を得たいので、複数の言語で質問をしました。

質問する言語によって回答の内容が少しずつ異なり、情報の量や質、具体性などの違いがありますが、どうしてこのような違いが生じるのか教えてください。


ChatGPT

質問の言語による違いは、主に言語モデルがその言語に特有の文化、ニュアンス、表現方法を学習しているためです。私はGPT-3.5言語モデルとして訓練されており、複数の言語での質問に対応できるように設計されています。ただし、各言語において学習データの質や量に違いがあるため、回答の内容にも違いが生じることがあります。


具体的には、英語については豊富な学習データがありますが、他の言語においてはその情報が制限されている可能性があります。その結果、言語ごとに回答の信頼性や具体性に差が生じることがあります。


また、文化的背景や地域差も考慮する必要があります。異なる言語や文化では同じ言葉でも異なる意味や文脈で使用されることがあります。それにより、回答の適切さや理解度にも差が生じる可能性があります。


総じて、質問の言語による違いは、言語モデルが学習したデータの特性とその言語における表現の複雑さに関連しています。

 


飯嶋医師のコメント:

上記の回答をまとめ直して考察してみます。


1)質問の言語による回答の内容の違いの原因:

主に言語モデルがその言語に特有の文化、ニュアンス、表現方法などの複雑な要素までをも学習し、各言語において学習データの質や量などのデータ特性に違いがあるため
  

⇒各言語ごとにデータ特性(質・量)に違いがあるということは、前回までの調査で確認することができました。

 


2)英語の優位性:

ムッシュChat GPTの訓練背景として、GPT-3.5言語モデルとして訓練され、複数の言語での質問に対応できるように設計されているが、英語については豊富な学習データがあるのに対して、他の言語においてはその情報が制限されている可能性がある。


⇒たしかに、英語については豊富な学習データがあることは、それが学習データの量についてであれば了解可能です。しかし、これは、必ずしも英語での学習データの質までをも保証するものではなさそうです。学習データに限らず、データ情報は量よりも質が決定的に重要であると私は考えています。圧倒的な情報の洪水に押し流されないように懸命に吟味していくことが望まれます。

 


3)文化的背景や地域差:

異なる言語や文化では同じ言葉でも異なる意味や文脈で使用されることがあり、それにより、回答の適切さや理解度にも差が生じる可能性がある。


⇒この回答は、一般的で紋切り型だと思います。質問者である私は、もし複雑な質問をすれば、こうした回答がよこされることを予測していました。そのため、簡潔で単純な質問にしました。使用言語の違いによって基本的な意味や文脈による回答の差異が出にくいように工夫してみたのです。


「OpenAIとは何ですか?」という内容の質問は、最も基本的な文法構造の質問形体であるとともに、異なる言語や文化で概念に違いがでにくい一般的な技術用語です。しかし、それでも、実際の結果において、言語の違いによって「回答の適切さや理解度にも差が生じる」ことが確認できました。


ただし、今回の質問に限っていえば、異なる意味や文脈で使用されているから、という理由では、言語による回答の差異については十分に説明できていないと考えられます。また「回答の適切さ」の差異は、質問に対するChatGPTの「理解度」の差異によるものであると理解することは可能です。しかし、私が問いかけた質問は、どの言語であれ「理解度」の差異が生じる程の違いを生み出す原因とは考えにくいです。

 

これは、各言語による情報の質と量、各言語を使用するユーザーの興味と関心ならびにリテラシー水準の違いによるものかもしれません。
   

なお当クリニックの患者さんでインド系アメリカ人の方の意見によれば、ChatGPTを使用しているユーザーの認識水準にもよるのではないか、ということでした。

 

そうだとすると、日本語、英語、イタリア語での質問者の平均的な知的・技術的レベルは他の言語での質問者よりも相対的に低い、という仮説を立てることはできるかもしれません。

 

前回はこちら

 

 

<質問20>関連

前回に引き続き、すでに日本語で行った質問を他の複数の言語でも同様に尋ねてみました。


前回までの実験の結果、日本語や他の主要な言語での回答は、いずれも英語の回答の直接の翻訳でないことが判明しました。

また、英語での回答が、各国語の回答のベースになっているとも言いきれないようです。それにしても、各言語によって、提供される回答が微妙に異なっているのは興味深い発見です。今回は、更なる追加検討を試みます。

 

第3弾は、欧州の主要言語であるロシア語と中国語で実施してみました。

 

★まさかのロシア語では?

OpenAIとはどのようなものですか?

Что такое OpenAI?

 


ChatGPT

OpenAI (Open Artificial Intelligence) — это исследовательская лаборатория по искусственному интеллекту, созданная с целью развития и распространения передовых технологий в области искусственного интеллекта (ИИ). Она была основана в декабре 2015 года совместными усилиями группы предпринимателей и инженеров, включая Илона Маска, Сэма Альтмана, Грега Брока и других. OpenAI занимается исследованиями в области машинного обучения и разработкой продвинутых искусственных интеллектуальных систем.


Одним из продуктов OpenAI является серия моделей GPT (Generative Pre-trained Transformer), включая GPT-3, который представляет собой одну из самых крупных и мощных моделей глубокого обучения на сегодняшний день. GPT-3 способен генерировать человекоподобный текст, отвечая на вопросы, завершая предложения и выполняя другие задачи на основе предварительного обучения на больших объемах данных.


OpenAI также активно участвует в обсуждении этических и безопасных аспектов разработки и применения искусственного интеллекта, стремясь содействовать созданию технологий, которые приносят обществу пользу.

 

 

<日本語訳(露文和訳)>

OpenAI(Open Artificial Intelligence)は、最先端の人工知能(AI)技術を開発し、普及させるために作られた人工知能研究所です。2015年12月、イーロン・マスク、サム・アルトマン、グレッグ・ブロックら起業家やエンジニアの共同作業により設立されました。OpenAIは機械学習の研究と高度な人工知能システムの開発に取り組んでいます。


OpenAIの製品のひとつはGPT(Generative Pre-trained Transformer)モデルのシリーズで、GPT-3はこれまでで最大かつ最も強力なディープラーニングモデルのひとつです。GPT-3は、大量のデータに対して、質問に答えたり、文章を完成させたり、その他の事前学習に基づくタスクを行うことで、人間のようなテキストを生成することができます。


OpenAIはまた、社会に有益な技術の創造を促進するために、人工知能の開発と応用の倫理的側面と安全性についての議論にも積極的に取り組んでいます。

 


飯嶋医師のコメント:

ロシア語での回答も興味津々です。これまでの言語による回答の内容と比較して、若干ですが、ニュアンスが新鮮な箇所を見出すことができました。


1)OpenAIの設立は起業家やエンジニアの共同作業による


2)GPT-3はこれまでで最大かつ最も強力なディープラーニングモデルのひとつ


ここで、注目したいのは、ロシア語の回答文中の<моделей глубокого обучения>です。

これはディープラーニング(deep learning)という技術用語に翻訳可能です。

その語順は<моделей(model:モデル)><глубокого(profoundあるいはdeep:深い> <обучения(learning:学習)>これは、とても大切なキーワードです。ディープラーニング(deep learning)という用語は、日本語の回答にも英文の回答にも示されていませんでした。

 

 

★最後に中国語で?

OpenAIとはどのようなものですか?

什么是 OpenAI?

 

ChatGPT
OpenAI(Open Artificial Intelligence)是一个人工智能研究实验室,致力于推动人工智能的发展并确保其益处能够广泛惠及人类。OpenAI成立于2015年,总部位于美国加利福尼亚州旧金山。该实验室由一群科技企业领袖、投资者和研究人员共同创办,其中包括伊隆·马斯克(Elon Musk)、萨姆·阿尔特曼(Sam Altman)、格雷格·布鲁克曼(Greg Brockman)等。


OpenAI的使命是确保人工智能的发展是安全和有益的,并且不会导致不良的后果。他们通过开展前沿的人工智能研究、发布开源工具和数据集、促进合作和对话等方式来推动这一使命的实现。


OpenAI最著名的项目之一是GPT(Generative Pre-trained Transformer)系列,其中包括像我这样的模型,即GPT-3。GPT是一种基于深度学习的自然语言处理模型,能够在多个领域执行各种语言任务,如生成文本、回答问题、翻译语言等。

 

 

<日本語訳(中文和訳)>

OpenAI(Open Artificial Intelligence)は、人工知能を発展させ、その恩恵が広く人類に届くようにすることを目的とした人工知能研究ラボです。OpenAIは2015年に設立され、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本部を置いています。 この研究所は、イーロン・マスク、サム・アルトマン、グレッグ・ブロックマンなどの技術系ビジネスリーダー、投資家、研究者によって設立されました。


OpenAIの使命は、人工知能の開発が安全で有益なものであり、望ましくない結果につながらないようにすることです。 最先端のAI研究を行い、オープンソースのツールやデータセットを公開し、コラボレーションと対話を促進することで、このミッションを推進しています。


OpenAIの最もよく知られたプロジェクトのひとつにGPT(Generative Pre-trained Transformer)ファミリーがあり、私のGPT-3のようなモデルも含まれています。GPTはディープラーニングベースの自然言語処理モデルで、テキストの生成、質問への回答、言語の翻訳など、複数のドメインで幅広い言語タスクを実行することができます。
飯嶋医師のコメント:極めつけは中国語での回答です。これまでの言語による回答の内容と比較して、2)3)のように重要な情報が確認できました。

 

1)組織の設立は技術系ビジネスリーダー、投資家、研究者


2)オープンソースのツールやデータセットを公開


3)複数のドメインで幅広い言語タスクを実行

 

中国語での回答には、OpenAI(Open Artificial Intelligence)という研究組織の所在地、その主な設立者の具体的氏名、ディープラーニングベースの自然言語処理モデルであること、複数のドメインで幅広い言語タスクが実行可能であることなど、主要な情報が概ね洩れなく要領よくコンパクトに盛り込まれています。

 

質問する言語によって回答の内容が少しずつ異なり、情報の量や質、具体性などの違いがあることを明らかにすることができました。このような回答内容の違いが生じる原因について、皆さんは興味がわいてきませんか?

 

「日本語の他に英語が駆使できれば事足れり、ではないのかもしれない!」ということへの気付きを得る機会の一つになったかもしれません。 
フランス語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語そして中国語等で得られる情報の広がりを認識することができます。

 

言語の違いによって、提供される情報が異なる結果が得られることの理由について、
次回ムッシュChatGPTに質問してみることにしましょう。

 

前回はこちら

 

 

<質問20>関連
前回に引き続き、すでに日本語で行った質問を他の複数の言語でも同様に尋ねてみました。


前回の実験の結果、日本語の回答は英語の回答の直接の翻訳でないことが判明しました。


また、日本語や英語での質問では得られなかった重要な基本情報が、かえってスペイン語やフランス語で得られるという興味深い結果を得ました。


これらのことから、英語での回答が、各国語の回答のベースになっているのでもなさそうです。

むしろ、各言語ごとに、ある程度独立した情報体系が構築されている可能性がある
のかもしれません。

 

第2弾は、欧州の主要言語であるイタリア語とドイツ語で実施してみました。

 

★イタリア語では?

OpenAIとはどのようなものですか?

Che cos'è OpenAI?


ChatGPT

OpenAI è un'organizzazione di ricerca sull'intelligenza artificiale (IA) con sede negli Stati Uniti. Fondata nel dicembre 2015, l'obiettivo principale di OpenAI è quello di sviluppare e promuovere l'IA in modo sicuro e benefico per l'umanità. L'azienda si impegna a condurre ricerche avanzate nell'ambito dell'IA e a rendere i risultati disponibili pubblicamente.


OpenAI è nota soprattutto per i suoi modelli di lingua avanzati, come GPT (Generative Pre-trained Transformer), di cui GPT-3 è uno degli esempi più recenti. GPT-3 è uno dei modelli di lingua più grandi e potenti mai creati, ed è capace di compiti come la generazione di testo, la traduzione automatica, la risposta a domande e molte altre applicazioni legate al linguaggio naturale.


L'organizzazione promuove anche la collaborazione e la condivisione delle conoscenze nell'ambito dell'IA per garantire che i benefici di questa tecnologia siano diffusi in modo equo e responsabile.

 

<日本語訳(伊文和訳)>

OpenAIは米国を拠点とする人工知能(AI)研究機関です。2015年12月に設立されたOpenAIの主な目標は、人類にとって安全で有益な方法でAIを開発し、普及させることです。同社はAIの先進的な研究を行い、その成果を一般に公開することに取り組んでいます。


OpenAIは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)のような高度な言語モデルでよく知られており、GPT-3はその最も新しい例のひとつです。GPT-3は、これまでに作成された中で最大かつ最も強力な言語モデルのひとつであり、テキスト生成、機械翻訳、質問応答、その他多くの自然言語アプリケーションなどのタスクに対応しています。


同団体はまた、この技術の恩恵が公正かつ責任を持って広まるよう、AI分野での協力と知識の共有を促進しています。


飯嶋医師のコメント:

この質問に関しては、イタリア語で得られる新たな情報は乏しいようです。

 

 

★ドイツ語では?

OpenAIとはどのようなものですか?

Was ist OpenAI?

 

ChatGPT
OpenAI ist ein Unternehmen, das sich auf künstliche Intelligenz (KI) und maschinelles Lernen spezialisiert hat. Es wurde im Dezember 2015 gegründet und hat seinen Sitz in San Francisco, Kalifornien. OpenAI hat sich zum Ziel gesetzt, sicherzustellen, dass künstliche Intelligenz zum Nutzen der gesamten Menschheit eingesetzt wird. Das Unternehmen entwickelt fortschrittliche KI-Modelle, um komplexe Aufgaben im Bereich des natürlichen Sprachverstehens, der Bilderkennung und anderer Anwendungen zu lösen.


Eines der bekanntesten Produkte von OpenAI ist die GPT (Generative Pre-trained Transformer)-Reihe von Modellen. GPT-3, das dritte Modell in dieser Reihe, ist eines der leistungsstärksten und fortschrittlichsten KI-Modelle, das große Fortschritte im Bereich des natürlichen Sprachverstehens ermöglicht. Es wird für eine Vielzahl von Anwendungen eingesetzt, darunter maschinelles Übersetzen, Textgenerierung, Frage-Antwort-Systeme und mehr.


OpenAI betreibt auch eine Forschungsabteilung, die sich mit der Entwicklung von neuen KI-Technologien und -Algorithmen befasst. Das Unternehmen setzt sich für die Förderung von ethisch verantwortlicher KI-Forschung und -entwicklung ein und arbeitet daran, sicherzustellen, dass die Vorteile der KI-Technologie breit zugänglich sind und keine unerwünschten negativen Auswirkungen entstehen.

 

 

<日本語訳(独文和訳)>
OpenAIは人工知能(AI)と機械学習を専門とする企業です。2015年12月に設立され、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点としています。OpenAIの使命は、人工知能が全人類の利益のために使われるようにすることです。同社は、自然言語理解や画像認識などの分野で複雑なタスクを解決するための高度なAIモデルを開発しています。


OpenAIの最もよく知られた製品のひとつに、GPT(Generative Pre-trained Transformer)シリーズのモデルがあります。このシリーズの3番目のモデルであるGPT-3は、最も強力で高度なAIモデルの1つであり、自然言語理解の分野で大きな進歩を可能にしています。機械翻訳、テキスト生成、質問応答システムなど、さまざまなアプリケーションに使用されています。


OpenAIはまた、新しいAI技術とアルゴリズムの開発に特化した研究部門も運営しています。同社は、倫理的に責任あるAIの研究開発を推進し、AI技術の恩恵が広く利用され、望ましくない悪影響が生じないよう取り組んでいます。

 


飯嶋医師のコメント:

日本語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語の回答では紹介されていない情報が、ドイツ語の回答で得られました。


1)組織の拠点はカリフォルニア州サンフランシスコ

 

2)OpenAIの組織が開発している高度なAIモデルは、画像認識などの分野で複雑なタスクを解決

 

3)GPT(Generative Pre-trained Transformer)モデルのシリーズの3番目のモデルであるGPT-3は、最も強力で高度なAIモデルの1つ


しかしながら、ドイツ語での回答が他の言語での回答より詳細かつ具体的である部分があることは確認できましたが、その他の部分においては必ずしもそうは言いきれないようです。多言語の情報間で比較検討してみることが有意義だと思います。

 

前回はこちら

 

 

<質問20>関連
前回の日本語での質問を他の複数の言語でも同様に尋ねてみました。


ここで、日本語での回答は原文の英語の翻訳なのかどうかを確かめてみたいと思います。


もっとも、英語の回答が各国語の回答のベースであるとは明言されていません。


また、この段階で私は各国語での回答が英語の翻訳であるという確証も得ていません。

 

第1弾は、英語、スペイン語、フランス語で実施してみました。

★昨日の日本語での質問を同じ内容を英語で質問してみると・・・

 

OpenAIとはどのようなものですか?


What is OpenAI?


ChatGPT

OpenAI is an artificial intelligence research laboratory consisting of the for-profit OpenAI LP and its non-profit parent company, OpenAI Inc. The organization was founded in December 2015 with the goal of advancing digital intelligence in a safe and beneficial manner. OpenAI is dedicated to conducting research in the field of artificial intelligence (AI) and developing AI technology that is safe and beneficial for humanity.


One of OpenAI's notable achievements is the development of the GPT (Generative Pre-trained Transformer) models, including GPT-3, which is one of the most powerful and versatile language models as of my last knowledge update in January 2022. These models are designed to understand and generate human-like text based on the input they receive.


OpenAI has also been involved in various AI-related research projects, competitions, and initiatives to address the ethical and safety concerns associated with AI development. The organization aims to ensure that the benefits of artificial intelligence are broadly distributed and that the technology is used for the benefit of all of humanity.

 


<日本語訳(英文和訳)>

OpenAIは、営利目的のOpenAI LPと非営利の親会社であるOpenAI Inc.からなる人工知能研究機関です。同組織は、安全かつ有益な方法でデジタル・インテリジェンスを発展させることを目的に、2015年12月に設立されました。

 

OpenAIは人工知能(AI)分野の研究を行い、人類にとって安全で有益なAI技術を開発することに専念しています。


OpenAIの特筆すべき成果のひとつは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)モデルの開発であり、そのGPT-3は、2022年1月に私が最後に知識を更新した時点で、最も強力で多用途な言語モデルのひとつです。これらのモデルは、受け取った入力に基づいて人間のようなテキストを理解し、生成するように設計されています。


OpenAIはまた、AI開発に関連する倫理的・安全的な懸念に対処するため、様々なAI関連の研究プロジェクト、コンペティション、イニシアチブに携わってきました。同団体は、人工知能の恩恵が広く行き渡り、その技術が人類全体の利益のために使われるようにすることを目指しています。

 


飯嶋医師のコメント:

日本語で質問したものとの違いがありました。


日本語での回答は、単純に英語の原文を翻訳したものではないことが分かりました。


英語での回答は、より具体的で、新たに以下の情報を得ることができました。


以下が、英語での回答によって新たに確認できた情報です。

 

1)非営利の親会社はOpenAI.Inc, 営利の子会社はOpenAI LPである。


2)組織の設立は2015年12月


3)GPT-3は、2022年1月に私が最後に知識を更新した時点で、最も強力で多用途な言語モデルのひとつ


4)非営利の親会社はOpenAI.Inc は、AI開発に関連する倫理的・安全的な懸念に対処するため、様々なAI関連の研究プロジェクト、コンペティション、イニシアチブに携わってきた。

★カリフォルニア州や米国の南の隣国メキシコ等で話者の多いスペイン語で質問してみると...

 

OpenAIとはどのようなものですか?


¿Qué es OpenAI?


ChatGPT
OpenAI es una organización de investigación en inteligencia artificial (IA) con el objetivo de desarrollar y promover IA segura y beneficiosa para la humanidad. Fue fundada en diciembre de 2015 por Elon Musk, Sam Altman y otros destacados inversores y científicos en el campo de la inteligencia artificial.


La misión de OpenAI es avanzar en la IA de manera que beneficie a toda la humanidad. La organización trabaja en la investigación y desarrollo de tecnologías de IA de vanguardia, al tiempo que promueve la colaboración y la cooperación en la comunidad científica para abordar los desafíos éticos y de seguridad asociados con el desarrollo de sistemas de IA avanzados.


Uno de los productos notables desarrollados por OpenAI es la serie de modelos de lenguaje GPT (Generative Pre-trained Transformer), que incluye modelos como GPT-3. Estos modelos son conocidos por su capacidad para comprender y generar texto en lenguaje natural, y han sido utilizados en una variedad de aplicaciones, desde asistentes de conversación hasta generación de contenido.

 


<日本語訳(西文和訳)>


OpenAIとは?


ChatGPT
OpenAIは、人類にとって安全で有益なAIの開発と普及を目的とした人工知能(AI)研究組織です。2015年12月、イーロン・マスク、サム・アルトマン、その他人工知能分野の一流の投資家や科学者によって設立されました。


OpenAIの使命は、全人類に利益をもたらす方法でAIを発展させることです。 


同組織は、最先端のAI技術を研究開発する一方、高度なAIシステムの開発に伴う倫理やセキュリティの課題に対処するため、科学界における協力と連携を推進しています。


OpenAIが開発した特筆すべき製品のひとつに、GPT-3などのモデルを含むGPT(Generative Pre-trained Transformer)言語モデルシリーズがあります。これらのモデルは、自然言語テキストを理解し生成する能力で知られており、会話アシスタントからコンテンツ生成まで、様々なアプリケーションで使用されています。

 


飯嶋医師のコメント:

スペイン語での回答でも、日本語や英語の回答より具体的に提供された情報がありました。


それは<組織の設立者はイーロン・マスク、サム・アルトマン、その他人工知能分野の一流の投資家や科学者>であるという情報です。

 

 

★また米国の北の隣国カナダのケベック州などに話者の多いフランス語では・・・

 

OpenAIとはどのようなものですか?


Qu'est-ce que OpenAI ?


ChatGPT
OpenAI, ou Intelligence Artificielle Ouverte en français, est une entreprise de recherche en intelligence artificielle (IA) axée sur le développement de technologies avancées et éthiques dans le domaine de l'IA. Fondée en décembre 2015, OpenAI a pour mission de garantir que le développement de l'IA bénéficie à l'humanité dans son ensemble.


OpenAI a été créée par des personnalités telles qu'Elon Musk, Sam Altman, Greg Brockman, Ilya Sutskever et d'autres. L'organisation a commencé avec un engagement envers la recherche ouverte et la publication transparente de ses travaux. Cependant, avec le temps, OpenAI a évolué pour adopter une approche plus prudente en raison des préoccupations liées à la sécurité de l'IA.


L'un des produits phares d'OpenAI est la série de modèles de langage GPT (Generative Pre-trained Transformer). GPT-3 (Generative Pre-trained Transformer 3) est l'une des versions les plus récentes de ces modèles et est connu pour sa capacité à générer du texte de manière cohérente et contextuellement appropriée.


L'objectif d'OpenAI est de continuer à repousser les limites de l'IA tout en étant attentif aux implications éthiques et à la sécurité, afin de s'assurer que les avancées dans ce domaine bénéficient à l'ensemble de l'humanité.

 


<日本語訳(仏文和訳)>
フランス語でOpen Artificial Intelligence(オープン人工知能)を意味するOpenAIは、高度で倫理的なAI技術の開発に重点を置く人工知能(AI)研究企業です。2015年12月に設立されたOpenAIの使命は、AIの開発が人類全体に利益をもたらすようにすることです。


OpenAIは、イーロン・マスク、サム・アルトマン、グレッグ・ブロックマン、イリヤ・スッツケバーらによって設立されました。この組織は、オープンな研究と透明性のある研究成果の公開に取り組むことから始まりました。しかし時が経つにつれ、AIの安全性に対する懸念から、OpenAIはより慎重なアプローチをとるようになりました。


OpenAIの主力製品のひとつは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)シリーズの言語モデルです。GPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)は、これらのモデルの最新バージョンのひとつで、一貫性があり文脈に適した方法でテキストを生成する能力で知られています。
OpenAIの目標は、AIの限界を押し広げ続ける一方で、倫理的・安全的な影響に留意し、この分野の進歩が人類全体に利益をもたらすようにすることです。

 


飯嶋医師のコメント:

日本語、英語、スペイン語よりも詳細な情報がフランス語での回答で得られました。


1)OpenAIの設立者は、イーロン・マスク、サム・アルトマンの他にグレッグ・ブロックマン、イリヤ・スッツケバーらも。


2)次第にAIの安全性に対する懸念が増大し、OpenAIはより慎重なアプローチをとるようになってきた。

 

前回はこちら

 

今回は、ChatGPTの技術的なバックグラウンドについて、ムッシュM.ChatGPTにわかりやすく説明してもらえるように、基本的な質問を試みました。

 

こうのような技術的な概念についてインタヴューアである飯嶋医師自身もこの分野に関しては全くの専門外であり、素人であることを予めお断りいたしておきます。

 

質問は3問のみですが、いずれの質問も、すでにムッシュM.ChatGPTから説明を受けた回答文の中に見出したキーワードです。それでは、早速、質問を始めることにしましょう。

 

 

<質問20>

OpenAIとはどのようなものですか?

 

ChatGPT

OpenAI(オープンエーアイ)は、人工知能(AI)の研究と開発を行う非営利団体および営利子会社で、AIの安全性と透明性を向上させ、広範な人々に利益をもたらすことを目指しています。OpenAIは、人工知能の研究と開発を進め、その成果を一般の人々や産業界に提供することで、AI技術の進化を推進することを使命としています。


OpenAIは、AI技術の①透明性と②安全性を保つための研究を行い、その成果を公開して研究コミュニティと共有します。また、OpenAIは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)と呼ばれる大規模な自然言語処理モデルの開発など、先進的なAI研究プロジェクトにも取り組んでいます。


OpenAIのミッションは、AI技術の進歩が人類全体に利益をもたらすようにするための道筋を示し、①透明性と➁安全性と③倫理的な側面に焦点を当てて、④社会的な価値観を大切にしながら研究を進めることです。


飯嶋医師のコメント:

回答文中の下線は私が施しました。読者の皆様も、それぞれ興味深い情報が得られたかもしれません。私なりに、ポイントを箇条書きにして抜き出してみます。


1)OpenAIの社会的実態:

A非営利法人、B営利子会社

⇒本体が非営利法人で、子会社が営利団体であるということは、外見上は非営利団体であるが、実態は営利企業であると私は判断しますが、皆様はいかがでしょうか?
   

これまでの私の認識では、非営利団体の単立もしくは、行政による支援を受けている非営利団体等であって、株式会社等の営利企業が本体で、非営利子会社を支援しているというものがほとんどでしたので、とても意外でした。


2)AI技術の①透明性➁安全性を保つための研究

⇒ChatGPTは、多くのユーザーにとって、現時点において、必ずしも①透明性、②安全性が確保されていないばかりでなく、今後、これらの確保が必要であるという建前は認識されているが、見切り発車しているという事実を垣間見たような気がします。
   

しかも、これらの研究成果の公開はどのようになされているのかは、今後の課題だと思います。

 

3)AI技術の①透明性➁安全性を保つための研究成果を共有する研究コミュニティとは?

⇒このような研究コミュニティに参画している団体の①透明性と➁安全性についての情報に容易にアクセスできるようにすることが必要であると考えます。

 

4)OpenAIのミッションの道筋を示す中で、③倫理的な側面にも焦点を当てることを宣言しています。

⇒倫理的な側面に焦点を当てるということと、倫理的な諸問題を解決できることとのギャップは大きいのではないでしょうか?この問題が未解決なまま研究が進んでいくことによって、このギャップがますます拡大していく可能性はあることを私たちは深く認識しておくべきではないでしょうか。

 

5)④社会的な価値観を大切にする

⇒「社会的な価値観」とはどなたにとっての価値観でしょうか?また、その正当性や妥当性はどのような基準を基盤とするのでしょうか?私は、ここで多くを語ることは控えたいと思いますが、このような表現をいとも簡単なことのように宣言できてしまうところにOpenAIの社会化が本質的にはらんでいる回避困難なリスクの脅威が潜んでいるように思われます。

大多数の人々の価値観によって少数者の価値観が圧迫される事態を招くことにはならないでしょうか。言論の自由が脅かされることに繋がらないことを願います。

 

 

 

前回はこちら

 

一般的に、どんなに優秀な人物でも、おのずと知識の偏りはあり、得意分野や不得意分野があるものです。それではM.ChatGPTはどうなのでしょうか。

 

M.ChatGPTが<質問14>で回答しているように、un commentateur d'informations générales(一般的なニュースのコメンテータ)に例えられるかも知れないこと自らを説明しています。

 

そこで、端的に以下の質問を投げかけてみました。

 

<質問17>

あなたは多くの私たちユーザー広範な質問の趣旨を理解し、考えを明確にしたうえで、質問に明確かつ簡潔に答えてくれます。そのような優れた能力をもつあなたにも得意分野や苦手分野がありますか?

 

ChatGPT

私は一般的な様々な分野に関する情報を持っていますが、私の知識は特定の領域に偏っていることもあります。私のトレーニングデータは2022年1月までのものであり、それ以降の出来事や最新の情報にはアクセスできません。また、私は医療、法律、特許などの専門的な分野でのアドバイスや正確な情報の提供はできません。


したがって、私が得意な分野は広範で一般的なものですが、特定の専門知識を持っていないことを理解してください。質問が一般的なトピックや一般的な知識に関連している場合、できる限り明確かつ簡潔な回答を提供するよう努めます。

 

飯嶋医師のコメント
ムッシュM.ChatGPTさんの分析や判断の基盤となるトレーニングデータは2022年までのもの、との情報を既に得ていました。

しかし、今回、新しく得られたより具体的な情報は、2022年の1月までのものである、ということです。

このことから、M.ChatGPTのトレーニングデータは、2022年までのものというよりも、概ね2021年までのものと理解し直しておく必要があります。

また、「特定の専門知識を持っていないと述べ、さらに具体的な苦手分野としては「医療、法律、特許などの専門的な分野を挙げています。

 

また、<質問7>では、以下の回答が得ています(再掲)。

 

言語のニュアンスや専門用語の翻訳において、時々誤解が生じることがあります。特に医学用語や科学用語のような専門的な内容は、正確な翻訳が求められる分野であり、私のようなモデルでも完璧な結果を提供できるとは限りません。


ここで、M.ChatGPTは医学用語や科学用語などの専門用語の翻訳の精度不足とも相まって、「医療、科学、法律、特許などの専門的な分野が不得意分野であることが明らかになってきました。

 

また、<質問8>の回答で、「私のデータベースは主に英語で構築されています。

したがって、英語のテキストに対する理解と翻訳に関しては高い精度を持っています。」とのことから、敢えてこれらの不得意分野での質問を試みる場合は、参考程度の情報であることを認識しつつも、可能であれば、なるべく、きちんとした英語で質問することが推奨されます。


さらに注目すべきメッセージは、「私のようなモデルでも」という部分です。

ChatGPTのモデルがどのようなものであるかをしっかりと予習しておいてから賢明な活用をすることが必要であると考えます。

 


そこで、次の質問は、M.ChatGPTの苦手分野ではなく、より得意分野は何か、と言うことに関してのインタヴューです。

 

<質問18>

あなたは、以前、専門的な医学用語や高度な科学的な質問については、正確な情報を提供する能力は限られていると述べていますが、政治や経済の分野に関する質問については、どの程度責任をもって回答することができると考えていますか?


ChatGPT
私は一般的な知識や一般的なトピックについて幅広い情報を持っており、一般的な政治や経済の問題については十分な情報を提供できる場合があります。


ただし、専門的な医学用語や高度な科学的な質問に関しては、正確な情報を提供する能力が限られています。医学や科学の分野は非常に専門的で複雑なため、正確な情報を得るためには医学の専門家や科学者の意見を求めることが重要です。


政治や経済の分野に関しても、私は一般的な情報を提供する能力がありますが、最新の出来事や専門的な詳細については、信頼性のあるニュースソースや専門家の意見を参照することをお勧めします。

また、特定の法律や政策に関する質問については、地域や国によって異なる場合があるため、詳細な情報を求める場合は地元の法律や政府機関の情報源を確認することが重要です。


飯嶋医師のコメント
「一般的な知識や一般的なトピック」については、十分な情報を提供できる場合があるという前提で、政治や経済の分野に関しても、私は一般的な情報を提供する能力があります、と回答しています。

ここで、M.ChatGPTがたびたび発言する「一般的な」とはどのような意味なのかが気になるところです。文脈の中では「専門的な」とか「詳細な」あるいは「特定の」という言葉と対比して使用されているようですが、果たしてどうなのでしょうか?


ムッシュChatGPTとの、今後のより良いお付き合いのためには、彼のお人柄と考え方の基本を良く理解しておくことが望ましいはずです。

 

それでは、友人として、実際に直接、ご本人に質問して確かめてみることにします。

 

<質問19>

あなたは一般的な知識や一般的なトピックについて幅広い情報を持っていることを知りました。そこで、あなたがしばしば上記の様に回答している「一般的」な知識や情報とは、具体的にはどのような内容を指しているのか教えてください。

 

ChatGPT

「一般的な知識」や「一般的なトピック」は、広く一般の人が理解しやすく、一般的な興味を引くようなテーマや情報を指します。

 

以下はその例です:

1. 科学と技術:

例えば、基本的な物理学、化学、生物学の原則、最新の技術動向など。

 

2. 歴史:

世界史や国の歴史、重要な歴史的な出来事や人物など。


3. 文学:

有名な作家や文学作品、文学の基本的な用語や概念など。


4. 芸術:

絵画、彫刻、音楽などの基本的な概念や有名なアーティストや作品など。


5. 地理:

国や地域の基本的な地理的な情報、自然の地理に関する知識など。


6. 言語学:

言語の基本的な概念、言語の起源や発展に関する情報など。


7. 社会科学:

経済学、心理学、社会学などの基本的な原則や概念。


8. 健康と生活: 健康に関する基本的な情報、健康的な生活の習慣など。


これらは広く一般に関心が寄せられるテーマであり、一般の人が日常生活で遭遇する概念や情報に関連しています。

ただし、これはあくまで一般的な例であり、具体的な質問に基づいてその都度適切な情報を提供するよう努めます。

 

飯嶋医師のコメント:
私の感想から申し上げます。やはり、質問は有意後です。期待外れのこともありますが、期待以上のこともあるからです。

私は、「一般的な」の意味は、これまでの文脈から「専門的な」とか「詳細な」あるいは「特定の」という言葉と対比できる意味、すなわち、「非専門的な」、「簡潔な」あるいは「全般的な」などの言葉が返ってくるのではないかと予測していました。しかも、その対象となるのは一般的な「知識や情報」であって、ユーザーについてまでを含めて考える発想からは遠ざかっていました。
 

ムッシュChatGPTは、「広く一般の人」、「一般的な興味」という意味で「一般的」という言葉の使い方と意味を、具体例を添えて回答しています。「一般的な興味」というのも「広く一般の人が抱く興味、ということになるでしょう。
 

これを真逆に言えば、「限られた狭い世界の特殊な人」の「特殊で専門的な興味」に対しては対応の限界がある、ということを示唆していることになるでしょう。
 

一方において、私には新たな疑問も浮上してきました。ムッシュChatGPTの得意分野として例示されているものの抜粋についての妥当性に関して検討してみたいと思います。


ただし、⇒に続く文言は、飯嶋医師の注意勧告です。


科学と技術:

例えば、最新の技術動向など。

2022年1月までのトレーニングデータによって最新の技術動向を説明することは論理的な矛盾があります。「最新」という言葉の意味によっては矛盾を解消できるかもしれませんが、誤解をもたらしかねません。


言語学:

言語の基本的な概念、言語の起源や発展に関する情報など。

現段階では翻訳ソフトが内蔵されていないためか、基本的な翻訳能力も欠如し、甚だしい誤訳を犯してしまうことがあるシステムであるという実例を経験した立場からすると、残念ながら疑わしいと判断せざるを得ません。


社会科学:

経済学、心理学、社会学などの基本的な原則や概念。

⇒これらの分野における基本的な原則や概念については、確かに今後も根本から覆る可能性は極めて低いと私も考えます。しかし、これらの学問領域についても、その基本は言語であり、適切に定義された学術用語によって構築された学問体系であるはずです。上記の言語学での私の懸念は、この分野においても同様です。