号外『加速し続ける世界で僕らはどう生きるかChat GPT vvs. 未来のない仕事をする人たち』(サンマーク出版 堀江貴文著) と各社新聞から得た情報

 

 

前回はこちら

 

 

JR中央線の列車内の広告が私の目に留まったのが、このタイトルです。


いかにも堀江氏が出版しそうなテーマであると思いました。


本の帯には、
<会社員の仕事のほとんどがなくなる時代5年後のあなたの居場所をつくるために
というインパクトのある呼び込みが書かれています。


それと同時に、他に4人の共著者名が紹介されていました。

 

佐藤航陽(たった1人で億を稼ぐ若者の登場)


茂木健一郎(日本人がまだ知らないAIの話)


緒方憲太郎(「食いっぱぐれない」と思っていた仕事ほどなくなる)


深津貴之(人間に残された仕事は食レポ?)

 

 

私はこの本をアマゾンで購入しましたが、一読してもっとも興味深かったのは、佐藤航陽(Katsuaki Sato)氏の記事でした。

 

私にとって興味深い記述は、まず、「OpenAIも設立当初は非営利団体でした。」(185頁)という情報でした。

 

OpenAIを運営している組織の成り立ちとコンセプトを知らずにってムッシュChatGPTとのお付き合いを続けることには不安と懸念が伴なうからです。どうやら、OpenAIの設立団体は非営利から営利に転換したことが示唆されます。その場合の営業利益は誰の手に渡り、そして、どのように使われていくことになるのかは無関心ではいられません。

 

ついで、佐藤氏のショッキングなサブタイトル「AI同士の会話に人はついていけなくなる」(192頁)に続き、以下の文章が続きます。


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OpenAIを立ち上げたサム・アルトマンやイーロン・マスク*の慧眼は、「人間はそもそもそれほど賢くない」ことを知っていたことにあると考えています。(中略)サム・アルトマンはそこに気づいていて、ChatGPTにもその設計思想が持ち込まれているように思います。つまり、ユーザーがChatGPTを触るにあたり、ある程度それっぽい会話を返してあげるだけで十分で、正確性を追求し過ぎなかったことが成功の一番重要なポイントになっていると考えています。

 

*イーロン・マスクは、Open AIの創立メンバーであったが、途中で辞任している。
(193頁註)


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なぜ、私がこの部分が気になったかというと、それは、OpenAIを立ち上げたサム・アルトマンやイーロン・マスクが現在どのようにOpenAIにかかわっているかについて知っておきたいと考え始めたばかりだったからです。イーロン・マスクの辞任の背景と、その後のOpenAIの運営方針の変化は重要な検討課題だと思います。

 

そのように考えていると、これも絶妙なタイミングで、サム・アルトマン氏のOpenAIのCEO解任のニュースが飛び込んできました。ChatGPT使用歴が高々2週間の初心者である私は、この記事によって、サム・アルトマン氏のOpenAIのCEOであったことを知ることができたわけです。


ちょうど、OpenAIについて各言語でOpenAIについて質問したところ、情報量が最大であるはずの英語の回答に、OpenAIを立ち上げたサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏の名前が挙げられていないことを訝しく感じていたところです。

 

英語の他に、イタリア語と日本語の回答でも彼らの名前は挙げられていません。

同じ敗戦国であるドイツと比べて、現在の日・伊両国の情報リテラシーの水準の低さと、対米従属を反映しているかのようで残念です。

 

フランス語をはじめその他の言語ではイーロン・マスク氏の名前が紹介されているにもかかわらず、この現象を不自然だと感じるのは私だけでしょうか?

 

2021年1月以前のデータに基づいて回答文が生成されるのだとしたら、イーロン・マスク氏はともかく、サム・アルトマン氏の氏名が英文の回答で明記されていないという事実をどのように考えたらよいでしょうか?

 

イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏の追い落としは、既定の路線であった可能性については如何でしょうか?

 

このように書くと、それは深読み過ぎるとか、陰謀論とかの批判を受けそうですが、いずれにせよ、今回に至るまでの一連の出来事は、今後のOpenAIの組織運営の方向性やChatGPTのプログラム特性に重大な変化がもたらされる可能性は否定できない、と考えることまでも非難されるべきでしょうか?

 

この疑念は、現時点でのChatGPTの機能のいくつかについて注意深く見守っていくきっかけを与えてくれるでしょう。その一つが、ChatGPTの感情分析機能です。これについては次回の話題にしたいと思います。