今月のテーマ<腎臓の特定内科診療>

 

「難治性ネフローゼ症候群」②

 

症例:50代男性。「足がむくみをとってほしい」と来院された方

 

<続き>

 

腎生検所見:

 

     1)H-E染色標本<基本検査>:腎糸球体の基底膜肥厚

 

     2)二重蛍光抗体法:腎糸球体基底膜上皮側にIgGの顆粒状沈着

 

     3)電子顕微鏡:腎糸球体の基底膜上皮側に高電子密度沈着物

 

 

病理組織学的診断:膜性腎症によるネフローゼ症候群

 

「一般臨床で、ネフローゼ症候群の診断をすることは難しくありませんが、

 

病理学的診断レベルである膜性腎症を疑って紹介されたのは飯嶋先生がはじめてです。」

 

とおっしゃってくださりました。しかし、これは褒めすぎです。

 

なぜなら、医師国家試験レベルの知識に過ぎない、と私は思っているからです。

 

 

ネフローゼ症候群では脂質異常症になり、

 

腎臓の糸球体から濾過される脂肪成分が増加します。

 

その結果、腎臓の尿細管上皮細胞が脂肪変性をきたし、

 

それが脱落して尿中に出現します。

 

この症例では、膜性腎症に特徴的な尿沈渣所見が得られていました。

 

 

この患者さんの脂質異常症の原因はネフローゼ症候群によるものであり、

 

食生活の乱れが原因なのではありません

 

循環器内科の先生は、「高血圧と脂質異常症が合併した生活習慣病」

 

との思い込みがあったのだと思います。

 

多忙な専門外来では有り得る話だと思いました。

 

 

ネフローゼ症候群の食事指導:腎臓に負担を掛けないように

 

低たんぱく食が推奨されています。

 

すると筋肉や血液などの体のタンパク質が分解されてしまう

 

「蛋白異化亢進」に傾きがちです。

 

そこで、十分なエネルギー補充(体重1㎏あたり、1日35kcal以上)が必要です。

 

この方は、入院後体重が63㎏となり、理想体重になりました。

 

ですから、63×35=2,200kcal以上を摂取していただく必要があります。

 

 

エネルギーは炭水化物と脂質から十分に補うべきなので、

 

この方が続けている低炭水化物食は軌道変更していただくことになりました。

 

その代わりに、頑張っていただかなくてはならないのが塩分制限です。

 

ネフローゼ症候群では、腎臓の血流が低下することによって、

 

アルドステロン症がもたらされます。

 

この病気では、体にナトリウムが蓄積して浮腫みを生じさせるからです。

 

 

循環器の先生には手紙を書いて、降圧薬の変更をお願いしました。

 

 

 

患者さんからのご報告:

 

「母親から、父親のように早死にしないよう厳しくしつけられてきました。

 

私自身もかなりの健康オタクで、体に良いといわれることは、

 

なるべく実行してきました。一生懸命に健康管理しているのに、

 

病院の専門医の先生に、『生活習慣の改善を!』

 

と言われ続ける自分が情けなくなり、意気消沈していました。

 

今回は、自分の病気のことが良くわかり、

 

納得のいく無理のない健康管理の大切さに気付くことができ、

 

とても気が楽になり、体調もすこぶる良好です。」

 

入院中は1日食塩摂取量が4gに制限されて、とても辛かったそうです。

 

ただ、真面目な方なので、それを順守したため、

 

現在では8gに緩和でき、それで十分食事を楽しめるようになったとのことでした。

 

 

痛々しさを感じさせるくらいとてもまじめで方でした。

 

しかし、他のドクターには苦手扱いをされてきたようで、

 

気の毒に思いました。

 

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

「重症筋無力症クリーゼ」

 

この症例は70代女性でした。女子大生の寮の受付に従事していた方です。

 

 

「午前中は問題ないが、午後になると上瞼が重たくなり、頭を支えていることが辛くなる」

 

とのことでした。

 

疲れやすく、力が入りにくくなるが、休息すれば回復するという報告だったため、

 

水氣道に毎週1回参加していただくことになりました。

 

       

素朴ですが物静かで落ち着いた方でしたが、団体生活の中での悩み等もあり、

 

慢性疲労による軽度抑うつ状態であると考えていました。

 

 

しかし、抑うつ状態に比して、疲れやすさが増強してくる傾向があり、

 

ちからを使えば使うほど力が入らなくなる、という訴えに対して、

 

身体的精査に取り掛かるためのお話をはじめようと準備していました。

 

 

その矢先のことでした。

 

「しゃべりずらく、飲み物が飲みにくく、ろれつが回らなくなってきたことを同僚に指摘され

 

某病院に入院することになりました」

 

とのご報告を受けました。

 

 

精密検査の結果は、重症筋無力症、でした。

 

 

この病気の後発年齢は、小児や20から40歳代までの女性、50から60歳代の男性で、

 

初発症状は眼瞼下垂(まぶたが下がる)、複視(物が二重に見える)で、

 

次第に筋力低下が明らかになってきます。

 

彼女は、下半身はしっかりしていて、水氣道の稽古により、体調も良く、

 

午前中の生活に関しては全く支障がありませんでした。

 

 

胸部CT検査で胸腺腫が発見されたため、胸腺摘除術を受けることになりました。

 

ただし、手術ストレスやその後の過労や治療薬により、

 

筋無力性クリーゼという重症化発作を経験されたそうです。

 

その後は、ステロイド内服療法と免疫抑制薬療法を継続されているとのことです。

 

 

四肢の脱力や呼吸困難といった顕著な症状が出現する前の段階で、

 

この病気を早期発見することのむずかしさを経験しました。

 

元来体力が低下していて永年運動習慣のない方であったため、

 

入院や手術の前に、水氣道一定程度の体力と抵抗力を養っておくことができたのは、

 

せめてもの幸いだったと思います。

 

 

解説:重症筋無力症

 

神経と筋肉をつなぐ部位である神経筋接合部において、

 

アセチルコリン受容体に対する自己抗体が出現することによって、

 

神経筋伝達障害をきたす疾患です。

 

自分の体の一部を異物と錯覚して攻撃してしまう病気を自己免疫疾患といいますが、

 

関節リウマチをはじめとする膠原病や、

 

バセドー病や橋本病などの甲状腺の病気もその仲間です。

 

有病率は10万人あたり1ないし2です。しばしば、胸腺腫を合併します。

 

高円寺南診療所で永年の実績がある外来栄養食事指導。

 

それが、いったいどのようなものか、ご質問をうけることがございます。

 

指導員は高円寺南診療所の専任管理栄養士、中田美砂恵先生です。

 

指導時間帯は、火曜日・・・

 

患者さんは基本的に個人指導ですが、

 

食事の準備を担当されるご家族に同伴していただくこともあります。

 

そこで、今回は具体例を挙げて、ご紹介いたしたいと思います。

 

 

 

相談者:Mr.X。40代男性(毎月1回、継続的指導に参加)独身。

 

Xさんの指導を具体的に見ていきましょう。

 

 

 

データ

 

身長:171センチ

 

体重:98.8kg

 

BMI:33.7

 

脂質異常症、肥満

 

 

<前回からの振り返り>

 

タンパク質を減らした。

(肉、魚を減らし、豆腐に置き換えたが量が多かった)

 

間食はなし。

 

 

〈具体的に〉

 

朝・夕食のタンパク質減量:豆腐1丁を毎日→1/3丁に、

 

お腹が減るので野菜の量を増やす

 

ごはんはパック(200グラム/1回)

 

昼食は、月・火お弁当、水木金・サンドイッチ、牛乳、野菜パック

 

週1回外食、野菜が多い定食

 

 

<今回の指導>

 

ごはんの量が1回200グラムと少し増えた。

 

自炊で1合を半分にした量(180グラム)にできると良い。

 

それ以外は、このまま継続し、1か月1㎏減量、

 

マイペースで続けていきましょう。

 

実際の「栄養食事指導せん」です

(画像クリックで拡大、ブラウザの戻るボタンでもどります)

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今月のテーマ<腎臓の特定内科診療>

 

「難治性ネフローゼ症候群」①

 

50代男性。「足がむくみをとってほしい」とのことで来院。

 

問診によると「高血圧のため3年前から循環器内科で降圧薬の処方を受けている」

 

とのことでしたので、「循環器の担当の先生にご相談されましたか」と尋ねました。

 

すると、「3か月ごとの通院のたび担当医から『変わりありませんね?』と

 

尋ねられますが、返事する間もなく『いつものお薬お出ししておきますね。

 

コレステロールも高いので食事に気を付けてください。

 

とやられてしまうので、相談できませんでした。」とおっしゃる。

 

 

詳しくお尋ねすると

 

「3ヶ月前から、尿の泡立ちに気づき、

 

1ヶ月前から膝から下が浮腫み、体重が4.5㎏増加し、

 

重だるいです。」とのことでした。

 

 

 

「父は高血圧なのに酒タバコで早死にしたので、煙草は吸いません。

 

お酒は人付き合い程度でしたが、最近は控えています。

 

それから、コレステロールの少ない食事を採っています。

 

糖尿病にならないよう、ローカーボ(低炭水化物)ダイエットを励行しています。

 

1日1,800kcalです。」と御自分から説明してくださいました。

 

(高円寺南診療所では、必ず喫煙のことや食事のことを尋ねられることを、

 

事前に奥様から聴いていらしたそうです。)

 

 

 

体重の急増と下肢の浮腫(⇒心不全、肝不全、腎不全、栄養失調?)

 

血圧156/94mmHg(⇒コントロール不良の高血圧)、脈拍74/分、脈不整なし。

 

身長169㎝、体重76㎏(BMI=26.6:肥満度1)、体温36.6℃

 

尿検査:蛋白4+、糖(-)、尿潜血1+

 

(⇒軽度な血尿と著明な蛋白尿で、ネフローゼ症候群を疑う!)

 

 

診察所見:心音・呼吸音ともに異常なし。

 

腹部は平坦で柔らかい。肝・脾・腎を蝕知しない。

 

前脛骨部に浮腫(指圧すると凹んだまま)。

 

 

尿沈渣:尿赤血球5~10/1強視野、卵円形脂肪体、脂肪円柱、脂肪滴

 

血液生化学所見:総蛋白5.0g/dL、アルブミン2.4 g/dL、尿素窒素20mg/dL,

 

クレアチニン1.1mg/dL,尿酸6.8 mg/dL、総コレステロール330 mg/dL,

 

ナトリウム142 mg/dL、カリウム3.5 mg/dL、カルシウム8.3mg/dL、

 

リン2.9 mg/dL

 

 

臨床診断:高血圧症に合併したネフローゼ症候群

 

尿沈渣所見より、膜性腎症(疑い)とのことで

 

某大学病院腎臓内科に紹介し、腎生検を依頼しました。

 

 

<次回に続く>

今月のテーマ<腎臓の特定内科診療>

 

「難治性腎疾患」グッドパスチャー症候群(肺⁻腎症候群)

 

 

還暦目前の男性。「血を吐いたので肺がんや結核や腎臓のがんではないか」

 

と心配する家族とともに来院。1日60本というヘビースモーカで大の医者嫌い。

 

問診によると「今朝起きてトイレに行ったら尿が真っ赤で、血痰が出るようになった。

 

2日前から尿の出が悪くなり、膝から下が浮腫んできたので、気にはなっていた。

 

全身がだるくて食欲がない状態が1ヶ月半くらい続いている。」とのことでした。

 

 

 

血圧198/112mmHg(⇒コントロール不良の高血圧)、

 

脈拍114/分、脈不整なし、

 

体温37.7℃。

 

身長165㎝、体重56㎏(BMI=20.6)、体温36.6℃

 

尿検査:蛋白3+、糖(-)、尿潜血4+(⇒進行性の腎炎を疑う!)

 

 

診察所見:下腿の浮腫あり。

 

両側の肺に水泡音(プツプツいう雑音⇒肺胞腔の液体貯留所見)を聴取。

 

胸部レントゲン検査:肺浸潤像のみ

 

臨床判断:吐いた血液は消化管からではなく痰交じりなので肺胞出血を疑いました。

 

また、急速に進行する腎炎(急速進行性糸球体腎炎の疑い)

 

が発症していていることから、顕微鏡的多発血管炎、多発血管性肉芽腫、

 

グッドパスチャー病あるいは全身性エリテマトーデスなどの膠原病を疑い、

 

血液検査を済ませて、

 

即日、某大学のアレルギー・リウマチ内科を紹介するための準備をしました。

 

 

血液検査データが届いたため、紹介先のドクターに報告しました。

 

血液所見:赤血球245万、ヘモグロビン7.6g/dL,ヘマトクリット21%、

 

白血球8,800、血小板19万。

 

 

血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン4.4 g/dL、尿素窒素78mg/dL,

 

クレアチニン5.8mg/dL,尿酸10.8 mg/dLナトリウム142 mg/dL、

 

カリウム5.8 mg/dL、クロール103 mg/dL。

 

 

免疫学的所見:C反応性蛋白3.8mg/dL, 抗基底膜抗体(+)

 

肺胞出血、急速進行性腎炎の疑い、抗基底膜抗体陽性の所見が揃ったため、

 

グッドパスチャー病を強く疑い、確定診断のため、腎生検を依頼しました。

 

 

この病気は、結核などの感染症やがんではありません。

 

一言でいえばアレルギー性の病気です。

 

細胞傷害型あるいはⅡ型アレルギー群の一つです。

 

体内で形成された自己抗体が直に自己の正常組織を障害するものです。

 

慢性甲状腺炎(橋本病)、バセドウ病、自己免疫性溶血性貧血、

 

特発性血小板減少性紫斑病などと同じグループです。

 

 

 

グッドパスチャー症候群はしばしば急速に進行し,

 

早期発見と早期治療が遅れた場合,死に至ることもあります。

 

この方は、幸いなことに呼吸不全または腎不全の発症前に治療が開始され、

 

即日禁煙を開始してくださったため、現在もお元気です。

 

 

 

教訓:臓器別専門医療で陥りやすい大問題の一つは、

 

複数の臓器が同時に侵される病気についての見落としです。

 

患者さんの全身を診察しなければ診断がつかない専門医である、

 

アレルギー専門医やリウマチ専門医は、その点が強みである、

 

と言えるかもしれません。

 

「わかっています、でも…」

 

私の過食してしまった後(心の中での)口癖でした。

 

過食の時は、「味わう」ことを忘れています。

 

 

とにかく、食べ物をかき込み、

 

お腹に物が溜まっていくことに集中するのです。

 

そうすると「あら不思議、不安や焦り等嫌な気分から解放される!」

 

解放されると言いましたが、

 

実際は「何も考えずに済む。」の、ほうが近いのです。

 

 

お腹の物を詰めこむと(食事ではありません)一時楽になります。

 

 

「でも…」その後で「またやちゃった…」と後悔の繰り返し。

 

 

「わかっている」ことからまず実践していきました。

 

「食事は味わって、ゆっくりと。」

 

実践するって大切です。

 

正月に107.5キロあったのが6月30日で99.5キロまで落ちました。

 

まだまだですが、できることから頑張っています。

 

たまに、かき込みたくなる衝動に駆られます。

 

ホントは内緒にしておきたいのですが、

 

応援してくださる皆様に対する感謝をこめて喜んで懺悔いたします。

 

 

 

ドクトル飯嶋からのコメント

 

「はい。だけど・・」というパターン。

 

このパターンは、これまでの禁煙外来などで

 

Mr.NoGucci自身が何千回も繰り返し聞かされてきた言い訳に違いありません。

 

 

≪わかっちゃいるけど、やめられない≫の名セリフで有名な「スーダラ節」

 

これをコメディアンの植木等さんに因んで

 

「スーダラ・パターン」と呼ぶことにします。

 

 

とはいえ「スーダラ・パターン」にも

 

若干の反省が見られる分だけ、まだ見込みがあります。

 

《後の祭りだ、どうにでもなれ》の

 

「失敗・開き直りパターン」よりはましだからです。

 

その「失敗・開き直りパターン」も≪そんなの関係ね~≫の

 

「否認・逃避パターン」よりは遥かにましなのです。

 

試行錯誤の中からたくましく学び取り、

 

少しずつ上質な価値観を確立させてきた歴史を傍から見ていて、

 

Mr.NoGucciが、ときには後戻りしつつも、

 

弛まず着実に成長していることは、確かなようです。

 

 

 

ところで、そのMr.NoGucci。

 

彼は個人的な懺悔録をネット上に公開することを決断しました。

 

並の人物ではありません。私は、彼の予想外の勇気に驚いています。

 

もちろん、勇気にも2種類あると思います。

 

創造的で生産的な勇気と破壊的で無謀な勇気(蛮勇)です。

 

医療機関に勤務する個人としての立場にもかかわらず、

 

このような投稿をするならば、

 

大抵の医療機関では蛮勇扱いで厳重注意が相当でしょう。

 

ところが、高円寺南診療所も並大抵ではないのです。

 

むしろ、これを閲覧者の皆様と共に支援しているくらいなのです。

 

院長のドクトル飯嶋も、Mr.NoGucciから勇気を貰っています。

 

「失敗を恐れるな。失敗から学べ。」と言われている気がします。

 

 

失敗を懺悔することの勇気は、謙譲の美徳と共に

 

他者に対する無条件の信頼から発しているもののように思われます。

 

彼のそうした姿勢から謙虚に学びたいことがあります。

皆さま、初めまして。

 

聖楽コンサート第5水曜日先任ピアニストの齋藤 文香(さいとう ふみか)です。

 

今月より、毎月第1日曜日にレギュラーで

 

音楽コラムを執筆させていただくこととなりました。

 

 

音楽に対する思いや、今後の演奏活動の情報などを

 

発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 

 

『聖楽コンサート』主宰のテノール歌手、飯嶋正広さんとは、

 

現在シューマンの”詩人の恋”をご一緒させていただいております。

 

 

ハインリヒ・ハイネによる詩とシューマンの音楽が、

 

恋をする人間の心の憧憬や目に見える風景を見事に表現しており、

 

非常に繊細で美しい歌曲となっております。

 

 

憧れの人や愛する人を想うとき、

 

喜びや悲しみを胸いっぱいに感じる

 

…恋をするときはみんな詩人になるのかもしれませんね。

 

 

全曲完成までもう少し時間がかかりそうですが、

 

1曲1曲、その曲に寄り添いながら

 

心をこめて丁寧に仕上げていきたいと思います。

 

 

 

演奏会のお知らせです。

 

 

7月30日(土)の19時より杉並区和泉の「ソノリウム」にて

 

切り絵とフルートデュオによる『真夏の夜の夢』のコンサートを開催致します。

 

 

今回共演するフルーティストの高橋詩織さん自身が作った切り絵の映像と共に、

 

メンデルスゾーン作曲の"真夏の夜の夢"を始め、

 

3人それぞれによるソロの演奏をお届け致します。

 

映像と音楽のコラボレーション、ぜひお楽しみください!!

 

 

 

≪詳細≫

 

日時

 

2016年7月30日(土) 開場18:30  開演19:00

 

場所

 

sonorium(ソノリウム)

 

東京都杉並区和泉3-53-16

 

TEL 03-6768-3000

 

 

アクセス

 

京王井の頭線 永福町下車 (北口) 徒歩7分

 

東京メトロ丸ノ内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分

 

 

チケット

 

一般 3,000円

 

学生(高校生以下) 1,500円

 

 

チケットお問い合わせ

 

ムジコロア musikolor

 

musikolor.music@gmail.com

 

http://musikolor.jimdo.com

 

 

今回は交感神経が働き続けることによる弊害の

 

第三段階である「蓄積疲労」を見ていきましょう。

 

 

疲労度分類のオレンジ色の部分と自律神経の働きの表を見ながら読んでください。

 

(表をクリックで拡大、はっきりと表示されます、ブラウザの戻るボタンで戻ってください) 

Pasted Graphic

 

Pasted Graphic 1

 

蓄積疲労の自律神経状態をグラフでイメージすると

 3蓄積疲労

ようになります。

 

 

自律神経は共に疲弊しますが、

 

副交感神経の方がより顕著に疲労して働きにくくなります。

 

その結果、交感神経が相対的に優位な状態になります。

 

 

 

脳に余裕がなくなるため新たな情報を処理することが困難になります。

 

その結果、根気・興味欠如等がおきます。

 

 

 

また、喫煙の増加や酒量の増加等、身体に悪いこととは気づいていても、

 

制御できず、悪癖を繰り返すことがあります。

 

脳の疲労で新しい行動をとることができなくなり、

 

慣れ親しんだ行動をとりたくなるからです。

 

 

交感神経の働きが優位になるので、消化器の働きが抑制されます。

 

それにより食欲不振になります。

 

 

 

次回は、疲労困憊について解説していきます。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

今月のテーマ<耐性菌感染症>

 

今月の第一週の平日は本日のみ。

 

 

最近の「細菌の」薬剤耐性(薬が効かない)問題。

 

 

現在、カルバペネム耐性の腸内細菌など、

 

新しい耐性菌の出現が問題になっています。

 

 

これ以上、耐性菌を作らないために抗菌薬の適正使用が求められています。

 

 

しかし、医療現場では、保険診療であっても、

 

しばしば医療費負担についての患者さんからの苦情等もあり、

 

適切な細菌検査ができにくいのが現状です。

 

 

 

耐性菌を2つご紹介いたします。

 

No1. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

 

病原菌が黄色ブドウ球菌で、

 

メチシリンという抗菌剤が効かなければ診断が確定します。

 

重篤なやけど、免疫不全、半身不随、意識障害

 

などを基礎とする病気のときに起こりやすいです。

 

主たる病型は皮膚軟部組織の感染、菌血症、肺炎です。

 

 

 

No2. 多剤耐性緑膿菌(MDRP)

 

緑膿菌は、自然界に広く存在する細菌です。

 

ただし、ヒトが易感染(いかんせん)状態になると

 

日和見(ひよりみ)感染症をもたらし、

 

肺炎や敗血症により死亡することもあります。

 

易感染状態とは免疫力低下・免疫不全により

 

感染防御が低下した状態です。

 

免疫能が低下した入院患者で発症しやすくなります。

 

 

日和見感染は、基礎疾患(糖尿病、悪性腫瘍、エイズ)や

 

薬剤投与(化学療法、ステロイド、免疫抑制薬)などのために

 

免疫力が著しく低下した際に起こる感染症です。

 

 

 

高円寺南診療所のように入院がなく外来診療のみの医療機関では、

 

直接問題になることは少ないです。

 

しかし、尿路感染症、皮膚感染症、外耳炎、角膜炎、眼内炎などの原因になります。

 

もともと抗菌薬が効きにくい菌で、

 

ニューロキノン系薬、カルバペネム系薬、アミノ配糖体系薬など

 

3系統の抗菌薬しか効きません。

 

しかし、そのいずれにも効かない多剤耐性緑膿菌(MDRP)

 

の出現が大きな問題になっています。

 

 

 

それでは、どのような対策を取ればよいでしょうか。

 

1)抗菌剤を使用する場合には、可能な限り、

 

細菌学的検査(原因菌検索、薬剤感受性検査)を受けること

 

 

2)普段から、外来診療による健康管理につとめ、

 

可能な限り、入院医療を受けなくて済むような条件を普段から整えておくこと

 

 

3)免疫力を向上させるような生活リズム、食生活、運動(水氣道などの有酸素運動)

 

に心がけること

前回は「自動思考」のお話をしました。

 

今回は具体的な例を挙げてわかりやすく説明したいと思います。

 

今回のキーワードは、自動思考、認知のクセ(歪み)です。

 

 

 

例)Aさんは職場の会議のプレゼンの時に、

 

「資料の数値に間違いがある」と指摘されました。

 

 

Aさんは即座にこう思いました。以下はAさんの自動思考です。

 

「これでプレゼンは台無しだ。上司の評価も下がり、もう昇進はなくなった。

 

自分は肝心な時にいつもミスばかりしている。

 

みんなのように完璧な資料を作らなければならないのに。

 

業績が伸びないのも、全て自分のせいだ。もう会社の人に顔向けできない…」

 

 

(と思ってひどく憂鬱になり、Aさんは翌朝、起き上がれず、会社に行けなかった。)

 

  ↑これも認知、感情、身体反応、行動に当てはめて考えてみてくださいね!

 

 

 

この自動思考には「認知のクセ」がぎっしり詰まっています。

 

客観的には「そこまで思い詰めなくても…」と思えますが、

 

本人にとっては当然の思考なので、考え方が偏っている=思い込みである、

 

とは自力では気づきにくいものです。

 

 

ですので、認知行動療法では、まずはカウンセラーとともに

 

「認知のクセ」に気づけるようなワークをやっていきます。

 

 

次回はAさんの自動思考から、よくあるパターンを紹介します。

 

皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか。

 

 

臨床心理士 宮仕 聖子