(鍼灸)自律神経のはたらきとコントロール方法

・自律神経は循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために24時間

休まずに働き続け私たちの命を支えています。

 

・自律神経には2種類あります。

体の活動時や昼間に活発になる交感神経

安静時や夜に活発になる副交感神経です。

自律神経――・交感神経――――身体の活動時、昼間に活発になる。

                  ・副交感神経―――安静時、夜間に活発になる。

 

・脳の視床下部という部位で無意識にコントロールされています。

 

 

<交感神経優位>

作用部位

要素

<副交感神経優位>

収縮⇒血圧↑

血管

拡張⇒血圧⤵

増加↑

心拍数

減少⤵

増加↑

呼吸数

少なくなる⤵

抑制⤵

消化器の動き

活発になる↑

分泌抑制⤵

消化液

分泌亢進↑

拡張→

気管支

収縮←

抑制⤵

排泄

促される↑

拡大→

瞳孔

収縮←

 

 

交感神経が働くと倦怠感、痛み、痒みの感覚が抑制されます。

仕事中は疲れをあまり感じないのは、交感神経が優位だからです。

帰宅後に身体が重たく感じたりするのは、副交感神経優位になるからです。

 

自律神経は無意識にコントロールされますが、

なかには意識的にコントロールできる要素があります。

それは何でしょうか?

答えは表の中にあります。

来週までに、よく読んで探しておいてくださいね。

 

現代社会は交感神経が優位になりやすい状況になっています。

交感神経が働き続ける弊害を「疲労度分類」を使って説明していきます。

どのようにしたら疲労をため込まないで済むのか、

私たちの取り組みを通してご説明いたします。

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

ストレッチ教室感想とストレッチ教室参加者募集

 

 

ペンネーム camさんより

 

「実際にこの短時間のストレッチだけで体がほぐれた。

 

◯をのばすの理屈を応用できたら良いなと思う」

 

 

ペンネーム M.Sさんより 

 

「 日々続けることが大事だと思いました。」

 

 

という感想をいただきました。

 

 

◯◯はこのストレッチを理解するキーワードです。

 

 

このキーワードを理解すると、

 

ストレッチの世界が広がりますので、参加してみてください。

 

 

 

対象

 

1.水氣道に参加されている方

 

もしくは、高円寺南診療所で鍼灸治療を受けたことがある方            

 

 

 2.腰部に軽い痛みのある方

 

 

3.肩こりがつらいと感じる方

 

 

日時   

 

第8回  201664(土曜日) 午後1時

 

第9回  2016618(土曜日) 午後1時      

 

 

時間    30

 

 

定員    4人

 

 

参加費 2,000

 

 

場所      高円寺南診療所 リハ室

 

 

参加希望は野口まで

 

動きやすい服装でおいで下さい。

線維筋痛症患者の特徴としてほとんどの方にストレートネックという首の状態がみられます。

 

まず、正常な首の画像を見てみましょう。

 

PastedGraphic6

健常者の首の状態(53歳女性)

 

生理的前弯といって首が前にほどよくカーブしています。

この状態であれば、頭の重さを分散できるので、首、肩が緊張しにくいので健康を保ちやすいです。

 

次は、線維筋痛症患者の首の画像を見てみましょう。

 

PastedGraphic

線維筋痛症(54歳女性)

首がまっすぐなのがわかると思います。ストレートネックといいます。

頭の重さを分散できないので、首、肩が緊張しやすいです。

線維筋痛症の患者はこのような状態であることが多いです。

 

ストレートネックでは、自律神経の働きに影響がでて、不安や緊張、抑うつ、全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠などのさまざまな症状がでることがあります。

 

首、肩の緊張を緩めることが身体を楽にするために大切ですね。

 

次回は、自律神経のはたらきについて説明したいと思います。

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

平成元年7月に開設された高円寺南診療所は今年の7月で27年目を迎えます。

 

 

 

3年後の平成31年に開設30周年を記念する文化的イベントを企画したい、と考えています。

 

 

 

まだ白紙の状態です。

 

多数の皆様のアイデアを募集いたします。

 

 

また、ご協力、ご参加いいただける方の応募も

 

多方面からお待ちしております。

 

 

 

高円寺南診療所 事務次長

 

30周年記念イベント実行委員会 事務局長  野口将成

 

ペンネーム M.K さんより

 

「筋肉だけでなく〇〇も意識するというのは考え至らなかったので面白かったです。」

 

と言う感想をいただきました。

 

「〇〇」はストレッチ教室で説明させていただく大切なキーワードです。

 

 

 

5月21日(土曜日)  13時よりストレッチ教室を開催します。

ぜひご参加下さい。

 

第7回  5月21日(土曜日)  13時より30分  

第8回 6月4日(土曜日)        13時より30分

第9回 6月18日(土曜日)      13時より30分

定員  :4人  

対象 :当院で鍼治療経験者

参加費: 2,000円

場所  :高円寺南診療所 リハ室

私は鍼灸師として

実に多くの線維筋痛症の患者の皆様に

寄り添ってきました。

 

そこで感じたのは、身近な人たちにさえ理解されない痛みや、

本人でさえも気づいていない深い苦悩でした。

 

怠けていると誤解されたり、非難されたり

することもあるようです。

 

 

 

線維筋痛症の患者は本当に怠け者なのでしょうか?

 

私は胸を張って「そうではない」と断言することができます。

 

怠け者どころか、むしろ「頑張りすぎる生真面目な方たち」です。

 

ご家族の方は、本来それを一番理解できるはずなのです。

 

しかし残念ながら、実際には必ずしもその通りではないのです。

 

 

 

 

少子化超高齢化でかつストレスフルな現代社会になっては、

 

誰しもが自分自身のことで精いっぱいになり、

 

肉体的・精神的・時間的あるいは経済的な余裕を見失いがちになります。

 

 

線維筋痛症の家族を持つ多くの皆様も、こうした社会環境の下において、

 

とても大変な思いをされているに違いありません。

 

 

 

 

そこで、ご家族の皆様に是非ともお願いがあります。

 

線維筋痛症は決して治らない病気ではないということを信じてください。

 

肉親といえども理解して貰えない苦痛には、

 

さらにやっかいな苦悩が増し加わるのだという真実を、

 

もう一度、受け止め直していただけないでしょうか。

 

 

何物にもまして最も身近なご家族によるご理解とご支援こそが、

 

患者さんの最有力の治癒資源であるということを、

 

私は確信をもって証言したいと思っています。

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

 

線維筋痛症問診票( J-FIQ)での著効例をお知らせします。

 

 

線維筋痛症は、症状が多彩なため治療評価が簡単ではありません。

 

さて病気の進行度や症状、患者さんの機能障害の程度などを総合して疾患活動性といいます。

 

効果的治療のためには、疾患活動性や治療の評価を客観的に適切な尺度を使う必要があります。

 

痛みだけではなく多様な障害を総合的に評価することが不可欠です。

 

 

 

J-FIQとは、線維筋痛症が患者の日常生活にどの程度影響を及ぼしているかということに関する質問票であるFIQの日本語版です。

 

これは治療の評価方法として日本で使用しうる唯一の基準です。

 

20項目の質問等に基づき評価結果を数量化することができます。

 

 

 

高円寺南診療所ならびに併設鍼灸治療室坂本オフィスでは、このJ-FIQを用いて、

患者さんの重症度や治療効果を客観的に評価しています。

 

 

 

 Aさん( 女性・50代)

image035

64.1から12.2と順調に改善した例です。

 

 

 

Bさん(女性・60代)

image038

89.2から29.4まで改善した例です。

 

 

 

さん(女性・70代)

image034

治療の開始時は24.1と低い値でしたが最高71.9まで上昇しました。

 

これは、長期間の緊張状態により疲労痛みなどが感じにくくなっていたものが、回復するにしたがい感じられるようになったためと思われます。

 

3人共、治療に対して積極的でした。

 

「私たちの脳は、意識的な仕事を行っているときだけ活動し、

何もせずぼんやりしているときは脳も休んでいる」と考えられてきました。

 

 

<しかし>

 

安静時に活動が高くなり、特定の課題を遂行することによって抑制される脳領域がいくつか認められています。

 

 

<このことから>

 

安静時の脳活動が注目されるようになってきました。

 

 

<この活動は>

 

安静時にみられる基本的な脳活動という意味で、「デフォルト脳活動」と呼ばれます。

 

それぞれの領域はネットワークを形成しています。

 

 

<したがって>

 

これらの脳内ネットワークはデフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれます。

 

 

<線維筋痛症患者の脳内ネットワークの特徴は>

 

1.前帯状回(ACC)、島皮質(IC)、大脳基底核の間の結合が増強している。

 

2.内側前頭前野(mPFC)、視床(Thal)、中脳中心灰白質(PAG)などへの抑制系ネットワークが減弱している。

 

 

12週間の認知行動療法で、FM患者の痛みに対する左前頭葉の反応や、視床との結合が回復した。

 

Jensen KB, Loitoile R,Kosek E,et al:

Cognitive Behavioral Therapy increases pain-evoked activation of the prefrontal cortex in patients with fibromyalgia. Pain 153 : 1495-1503,2012

 

 

 

前回の投稿

それには、2つ考えられます。

 

1.「痛み」が軽くなると、仕事、家庭等の悩みに向き合わなければならず「苦悩」が浮上する。

2.「痛み」がある間は、「苦悩」に向き合わずにすむ。つまり、「痛み」に専念できる。

これは、”疾病利得”として心療内科の世界ではよく知られています。

 

これはどういうことでしょうか?

 

「痛み」とは身体を媒体として「苦悩」を自他に見える形にしたものであり「痛み」を通して自分自身の存在を感じる。

また、「苦悩」がある状況は、「痛み」に伴う「疼痛行動」として表現することにより他人に理解してもらいやすくなります。

 

つまり、「苦悩」は、「痛み」の原因になるということです。

 

「痛み」を取ることだけを考えて「苦悩」を置き去りにしていませんか?

身体のケアを通して「苦悩」の解決を一緒に考えていきましょう。