<予告>COVID-19ワクチン開発の現状


初回: 11月22日(日)ポルトガル語旅行

 

連日: 11月23日(月)~28日(土)医療

 

最終回:11月29日(日)ポルトガル語旅行
 

 

10月に新型コロナに感染が判明したトランプ米大統領にも投与されてた抗ウイルス薬レムデシビルは日本では新型コロナ治療薬として特例承認済みでしたが・・・

 

世界のコロナ治療薬開発は、現状では壊滅状態に近く、
ワクチンへの期待がますます高まっています。

しかし、それらについても解決すべき問題が残されています。

 

 

そこで、まずは、治療薬の現状について・・・

 

 

WHO指針、コロナ治療でレムデシビル使用推奨せず
 2020年11月20日 (金)配信共同通信社

 

【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は20日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として米食品医薬品局(FDA)が正式承認した抗ウイルス薬レムデシビルについて、症状の軽重にかかわらず、使用は推奨しないとの指針を公表した。致死率や酸素吸入の必要性などの改善につながらなかったとしている。レムデシビルは米製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発した。同社はWHOの指針に対し「失望した」との声明を発表した。

 

一方、WHOは今回の指針で、デキサメタゾンなどのステロイド系抗炎症薬については、致死率を下げる効果が見られたとして、重症者への使用を推奨している。
 

WHOによると、レムデシビルは点滴で5~10日間かけて投与されるため、医療機関に負担もかかる。また費用は5日間で2300~3100ドル(約24万~約32万円)ほどと比較的高価なことなども踏まえ、今回の結論に至ったとしている。
 

レムデシビルは米国立衛生研究所(NIH)が主導し日本などが参加した臨床試験では、入院患者の回復にかかる期間が5日短縮したと報告された。一方、WHOは先月、各国当局と協力して世界最大規模の臨床試験を実施した結果として、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン、抗エイズウイルス(HIV)薬ロピナビル・リトナビル、抗ウイルス作用を持つタンパク質インターフェロンの3薬と共に、効果を否定していた。

<はじめに>

 

 

前回は「労宮(ろうきゅう)」を紹介しました。

 

 

労宮は拳を握って、中指、薬指の先が当たるところにあり、

 

 

自律神経のバランスを整えるツボで、気分の落ち込み、イライラ、憂鬱、不眠、精神の疲労に効果があるというお話してした。

 

 

今回は「手の三里(てのさんり)」を紹介しましょう。

 

 

<手の三里>

2020-11-12 16-25

 

 

手の三里は、肘を曲げてできた横皺から手首方向に指3本分で親指側にあります。

 

 

胃腸の機能を整え、ニキビ、喉の痛み、腫れ、首、肩のこり、腰痛、背部の痛みや不安や落ち込みに効果があります。

 

 

このツボは押すと意外と痛いです。軽い強さで刺激してください。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

前回はこちら


水氣道稽古の12の原則(5)漸進性の原則(その1)

 

運動の一般的な原理の一つに「漸進性の原理」というものがあります。一般的に理解されている内容は、トレーニングの質や量を少しずつ長期的に伸ばしていくということです。

そして、この原理のもっとも大切なポイントは、トレーニングを開始する場合は安全第一を心がけ、軽い運動で体を慣らしてから行うことを心がけるように、ということです。

ですから毎回の準備体操は欠かせません。

また、運動負荷は決して無理をせずに徐々に強くすることです。そして、ある一定期間トレーニングを続け体力が一定の水準に達すると、同じ負荷でそれ以上続けても効果が現れなくなります。そのために、体力の向上に従って、負荷も徐々に(漸進的に)上げていく必要があります。

 

 


水氣道の稽古はすべてが「準備体操」の積み重ね


水氣道の稽古構成は、親水航法、準備体操(イキイキ体操)、基本五航法、各種応用航法の五段階ですが、親水航法は、その日の稽古全体の準備体操なので、必ず行います。

そして、準備体操(イキイキ体操)は、次の基本五航法の準備体操であり、そして、基本五航法も各種応用航法の準備体操としての役割を担っています。

そして、それぞれの段階においても、細やかなステップがあり、前の体操は、後の体操の準備体操になるようにプログラムされています。

このように、水氣道においては、全体が準備体操であることが特徴であるため、水氣道の稽古は、おのずと「漸進性の原理」によって構成されているということができます。


ただし、一般的には「漸進性の原理」は特に筋力トレーニングの領域で論じられることが多いです。

そこでは筋量増加や筋力増強のためには負荷刺激(強度・量・仕事率など)を次第に高めていかなければ、これらの効果は期待できないという原則であるとされます。

つまり、徐々にトレーニング負荷を上げていくことで筋トレ効果が上がるということです。

 

 


「漸進性の原則」は「過負荷の原理」の基本要素


そして筋力トレーニングを論じる場合には、この「漸進性の原則
に「過負荷の原則」との2つを合わせて「漸進性過負荷(progressive overload)の原則」として紹介される場合もあります。

その理由は、「過負荷の原理」に沿って普段以上の負荷を筋肉に与えても、同じ負荷、同じ回数をいつまでも続けていると、身体が慣れてきて効果が薄れてくると考えられているからです。慣れてきたらまた負荷(重量・回数・頻度など)を徐々に上げていく必要があります。

これを「漸進性の原則」として紹介されることがあります。

トレーニングの頻度にもよりますが「効果が以前より感じられなくなってきた」という時期に入ったら負荷の見直しを行います。

 

トレーニングで運動効果を得るためには、ある程度高い負荷をかける(「過負荷」)必要があります。

日常生活レベルの負荷では身体は反応しないからです。

さらに、負荷や運動量、刺激の方法を段階的に上げていく(「漸進性」)べきです。

その場足踏み状態では、さらなる効果は望めないという理屈です。

 

水氣道では、「漸進性の原則」は、「反復性の原則」および「全面性の原則」とともに「過負荷の原理」を構成しています。「反復性の原則」および「全面性の原則」については、いずれ後ほど説明いたします。

 

 


水氣道では「運動能力」のみならず「感覚能力」も「漸進性の原則」に則って鍛錬する


ここで初心者の方へのアドバイスをさせていただきます。

水氣道では初心者を「体験生」と呼んでいます。

水氣道は、他では行われていない活動であるので、入門者は例外なく初体験をしていただくことになります。

外的あるいは内的を問わず何事かに直接に接触し、あるいはぶつかり、そこから技能・知識を得ることによって自分を豊かにしていくことを経験といいます。体験するということは、とくに「自分が身をもって」経験することです。


経験というものを言い換えると、人間が外界との相互作用の過程を意識化して自分のものにすることですが、実際に、このことを実現させるためには「自分が身をもって」実践すること、すなわち、実際に体験してみることが求められます。

経験とは人間のあらゆる個人的・社会的実践を含みますが、体験することなしに、人間が外界を変革するとともに自分自身を変化させることは困難です。それを実現するための活動が体験であるといってもよいでしょう。


それでは、水氣道ではどのように体験したらよいのでしょうか。

まずは、小さく始めましょう! 「水に入ったら泳ぎ始めなければならない」と強迫的に考えてしまう方が多いことに気づかされますが、人間は起立二足歩行で移動する動物です。

ですから、水中でまっすぐに立ってみるだけでも有意義な体験です。

まずは、水中に立ってその感覚をゆっくり味わってみましょう。

水氣道の体験は運動するだけでなく感受することも含めています。

つまり、運動能力だけでなく、感覚能力を鍛錬するのが水氣道であることを心得てください。


ですから、まずはゆっくりとしたペースで、少ない運動から始めることが大切です。

いきなり体の準備ができている以上の運動をしようとすると、体験を味わうことが疎かになるばかりか、ケガをしてしまう可能性があります。

毎回少しずつやって、新しい動きに体が慣れるようにしましょう。

そうすればすぐに慣れるので、いつの間にか安全に、よりハードな運動ができるようになります。

また、ある課題をこなすべきだと思っていても、体がそれについていけないと、とてもがっかりすることもあり、せっかくのモチベーションを低下させてしまいます。

 

次は、過去に運動をしたことがある人で、しばらく休んでからまた始めようとしている人へのアドバイスです。

約2週間以上休んでいる方は、稽古計画を調整する必要があります。

自分のペースを取り戻すために時間をかけましょう。

もし何ヶ月も、あるいは何年も休んでいるのであれば、自分は初心者(体験生)だと思ってください。

そのような場合でも、安心してください。あなたは筋肉の記憶を持っているからです。

あなたの体は、ほとんどの場合、真の初心者よりも少し速く反応します。しかし、あなたは過去のルーチンの水準にいきなりジャンプすることを期待してはいけません。

そのときのあなたの体は、あなたの意識ほどには準備ができていませんし、慎重さを見失うと、あなた自身が怪我や障害を来すように設定されているからです。


トレーニングは個々の身体能力より軽い負荷を用いて行っても効果は薄いですし、逆に高すぎると傷害などのリスクを高めてしまうので、両者の兼ね合いが大切です。

ですから、負荷を高くする場合、一度に一気に上げるのではなく、長期的に考え、ゆっくりと高めることがポイントです。

急激な負荷の増大は怪我や障害のリスクを高めたり、トレーニング効果を減少させたりしてしまう恐れがあるからです。

先を急いで伸び悩むよりも、ゆっくりと始めて、少しずつ、より安全に楽しめるような挑戦的なものにルーティンを組み立てていくことの方がずっと簡単です。

怪我や障害の話をしましたが、最初から気が狂うような運動マニアのように始めないように、「漸進性」の原則に従うためのモチベーションを少しあげてみましょう。

「漸進性の原則」によって<生涯エクササイズ>としての水氣道の基礎は確かなものになる


水氣道は、このような考えの上に立って怪我や障害のリスクの低減をはかり、安全性の高いトレーニングを目指すことによって稽古内容が体系化されてきました。

ですから、水氣道はあらゆる武道やスポーツの中でもとりわけ安全性が高い活動であることが特徴であり、大切な本質でもあります。

なぜこれが大切かというと、水氣道は競技ではなく、障害エクササイズを目的としているからです。

ですから、安全に、そして一生運動できるようになりたいものです。これが大事なことです。

小さなこと、易しいことが一生涯続けられることです。ですから、先を急がず、ゆっくりと始めてください。

<はじめに>

 

 

前回は「合谷(ごうこく)」を紹介しました。

 

 

  合谷は親指と人差指の間にあり、

 

 

頭痛、歯痛、胃痛、喉の痛み、便秘、肩こり、耳鳴り、眼精疲労、ニキビ、アトピーなどに効果があるというお話でした。

 

 

今回は「労宮(ろうきゅう)」紹介しましょう。

 

 

<労宮>

2020-11-10 14-02

 

労宮は拳を握って、中指、薬指の先が当たるところにあります(てのひらの中心部分)。

 

 

自律神経のバランスを整えるツボで、気分の落ち込み、イライラ、憂鬱、不眠、精神の疲労に効果があります。

 

 

手のひらの中心部分を指圧してみてください。不思議と気分が落ち着いてきますよ。

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

前回はこちら

 



水氣道稽古の12の原則(4)環境創造の原則

 

水氣道においては、稽古の環境が果たす役割は大きいです。

それは水氣道という呼称が示す通り、稽古実践が陸上や床上ではなく水場という環境の中で行うことには固有の意義があるからです。

 

水氣道の稽古の場、すなわち、道場は水場に他なりません。


水氣道における環境とは、まずは身体の「外部」とみることから理解できます。

 

実際に20世紀の環境学は「環境」を人間社会の「外部」と見立てて、人類はその環境に自らを含む人類社会を委ねる背景あるいは前提と考えてきたようです。

たしかに、人間の諸活動は環境によって支えられもすれば制限を受けることもあります。

そのような環境は太古においては母なる自然であり、神そのものであったといえるかもしれません。

 

しかし、「神は細部に宿る」という言葉がありますが、自然や神は私たちの身体の内部にも宿っています。私たちの体内の器官や臓器、組織や細胞もそれぞれのレベルにおいて環境の中に存在しているからです。それから、私たちの感覚や心の働きは単純に私たちの身体の内部に収納されているのではありません。

 

これらは絶えず私たちの外部環境と内部環境とを橋渡ししています。そして、身体にせよ精神にせよ、私たちが全人的に健康であるというためには、私たちの内部環境が良好に維持されていなければなりません。そして、外なる環境も内なる環境も、現象面では変化するものであり、揺らぎのあるものであります。しかし、その本質は保持されていて不変であり、また、不規則のようでいて、何らかの法則によって秩序が維持されています。

 

環境によって育まれた生物は、環境によって絶えず影響を受けている一方で、生物自体も環境に影響を及ぼしています。

つまり、環境と生物とは相互に影響を及ぼし合って変化し続けていくのです。その最たる生物が人類です。そして、人間自身の諸活動が環境に大きな変化をもたらし、大いに環境を破壊し、不可逆的な変化をもたらしかねなくなってきている一方で、環境を修復し創り出そうともしている21世紀は、「環境の21世紀」とも呼ばれます。

 

そのように人間自身が環境を創造することで新たな社会経済システムが誕生しています。

したがって、人類の社会的営みである環境創造活動においては人類社会が進むべき道筋を見出していかなければならなくなってきました。

 

その指針となるモデルが「持続可能な循環型」環境の保全に向けての具体的実践です。そのような意味において、人間は「環境を創造する動物」であるということができます。

 

 

水氣道はとりもなおさず身体活動です。

ですから、水氣道の道場は一つの「人間環境」ということができます。

そして、水氣道は同志が集まって行う活動であることから共同体が形成されていくことになります。

 

これは新しい形での市民社会を形成する精神的文化的営みでもあり、さらに言えば芸術的な営みでもあります。

そして水氣道は同時に人間環境創造の進路を具体的に指し示す社会活動として成長を続けている道程の上にあります。

水氣道は、水場という環境が与えられていることが不可欠であるということです。

そして、後で述べますが、水氣道は道場である環境に委ねて稽古を実践することに留まらず、道場を含めて環境全体を創造していく活動であることを水氣道の沿革を振り返りつつ明言しておきたいと思います。

 

 

水氣道の揺籃期(水氣道という名称もなく、その基本骨格も形成途上にあった2000年までの数年間)は、個人的な稽古形式でした。

それは道場としての杉十温水プールにおいては、登録団体参加者ではない個人利用者としての指導行為が禁じられていたためでした。

初期の参加者には無言のまま模倣していただく他に稽古の方法がありませんでした。

稽古活動を規定する環境とは自然環境や施設設備などの物的環境ばかりではなく、施設管理者が設計する規則など社会的な環境が含まれます。

 

さて、基本的なルールを順守していても災難に巻き込まれることがあります。

あらゆる社会的存在には名称と意義と目的を明確にすることが求められるのが人間社会の現実です。

当時私は、プールでの他の利用者に十分配慮しながら、控えめな稽古を続けていました。

しかし、私たちの目新しい動作に対しては、どうしても冷ややかで批判的な視線が浴びせかけられます。

ときとして、残念なことではありますが、施設利用者は理不尽にも他の利用者の個人攻撃をすることがあります。

また、施設職員に対して不合理な密告や虚偽の申し立てをする方もいました。

そのたびに、施設職員から注意や勧告を受け、ときには施設長が私の自宅を訪れ事情聴取されたことがありました。

 

どうやら私を新興宗教の指導者、とりわけ当時の日本全体を騒がせていたオウム真理教との繋がりを疑われていたようでした。

しかし、それが契機となって、勧めに従い、2000年(平成12年)12月、奇しくも20世紀末に私たちの小集団を杉並区の登録団体にすることにしたのです。

その際に、はじめて「水氣道」を団体名としました。

 

「継続は力なり」、「禍は転じて福、ピンチはチャンス」、「硬直した努力より、柔軟な工夫」という3つの教訓は、水氣道の歴史において、その後も度々繰り返されることになりました。
 

その後、水氣道は水曜日の午前9時からの2時間を定例稽古として少しずつ参加者が増え、後に月曜日の午後3時からの2時間の稽古を増設し、20年後の令和2年の新型コロナの感染拡大を受けて施設が閉鎖(およそ2カ月以上に及ぶ活動中止は水氣道20年の中で最大の危機でした)されるまでの間、水氣道の中心的道場の役割を果たしてきました。

 

しかし、施設の団体利用のためには相応のコストが掛かります。それでも参加者が徐々に増えていく過程で、ようやくバランスが取れたかに見えた頃に、およそ2年間で数次にわたる料金の引き上げが行われ、利用料金が倍額となってしまいました。

慢性的な赤字状態に転落し、私自身が毎月補填することによって運営を続けざるを得ない時期が長く続きました。

それに加えて、長期継続者と新規参加者、年長者と若年者、体格や体力の優劣など、多様な参加者を束ねていくことの困難に直面することもありました。

また、稽古日や時間帯、夏季の団体使用不能など、稽古の継続を困難とする諸条件も水氣道の発展を阻害していました。

 

しかし、この困難も、参加者や施設の特性に応じた柔軟な稽古プログラムの編成、水氣道の技法の整理・体系化ならびに早期から導入していた「段級制」の弾力的な運用、新たな道場の開拓(新宿ハイジア会場:土曜日稽古開始/三鷹スバル会場:日曜日稽古開始/中野鷺宮会場:火曜日夜間稽古開始)によって、近年ようやく克服しつつあります。

 

このようなことから、水氣道における環境とは、水場(標準的な屋内プール施設に限らず、温泉水プール、湖水などの自然水も含みます)の物的環境だけではなく、人的環境や社会環境、あるいは経済的な環境など多様性に富む多次元の要素から成り立っていることがご理解いただけるのではないかと思います。

しかし、この環境の中にあって環境に適合しつつ、環境を変えていくこと、発展的に創造していくことが水氣道の発展にとって不可欠の要素であったということが言えます。

 

翻って、現代社会では、領域を越えた感性、知識、表現技術を活用できるしなやかでしたたかな生き方と、それを可能とする鋭敏で優れた時代感覚とがますます求められています。

 

水氣道では、テクノロジーや社会環境の変化に柔軟に対応し、領域横断的な発想を具現化できる能力を養うべく、理論と実践の両面から稽古に取り組んでいます。

そのために「健康志向キャリア」、「連携・協働に支えられたリーダーシップ」、「グローバル化に支配されない自己実現」という3つのマインドを涵養して、現在と未来を主体的に生き抜く力を養成する自己超越実現支援プログラムを提供するのが水氣道であるといえます。

 

以上より、水氣道における環境とは、まずは人間活動の環境を意味しますが、これは同時に共生の環境であり、また健全で持続可能なエネルギー・資源循環を支える環境をも意味します。

 

水氣道は共同体の活動を通して社会との関係に関する感性と技術を磨き、身体運動のみならず精神活動芸術やそれを取り巻く環境を総合的に学習することを基本としています。

そして、水氣道の実践者には21世紀の新しい生活・文化・芸術創造や水氣道の組織運営の現場はもとより、人類全体の環境の発展と創造を具体的に実践するために社会全般でのさまざまな分野で活躍することが期待されます。
 

こうした新たな時代の中で、水氣道の稽古実践と技法研究とを通して自らの全人的な健康と同時に、世界環境をより健康的・文化的・芸術的なものに発展させ創造させることに資する人材育成を皆と目指していきたいと願っています。 

<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

 

(図1)

スクリーンショット 2020-11-04 13.37.28

 

 

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 図2)

スクリーンショット 2020-11-04 13.36.51

 

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

<今回の考察>

 

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)0.001%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 11名の平均で   33.1点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効3名(27.3%)、有効5名(45.5%)、無効3名(27.3%)でした。(図2)

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<はじめに>

 

今まで多くのツボを紹介してきました。

 

 

今回からしばらく、それらの中から特に効果が高く重要なツボを紹介していきましょう。

 

 

今回は「合谷(ごうこく)」を紹介します。

 

 

<合谷>

2019-06-06 00-15

 

 

合谷は親指と人差指の間にあります。

 

 

頭痛、歯痛、胃痛、喉の痛み、便秘、肩こり、耳鳴り、眼精疲労、ニキビ、アトピーなど多くの症状に効果があるツボです。

 

 

ツボの場所もわかりやすく効果も高いツボで、多少乱暴に刺激しても大丈夫な使い勝手の良いツボなので、指圧やお灸など好きな方法で刺激してみてください。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

令和2年12月に各稽古会場にて水氣道<中審査><小審査>
ならびに<予備審査>を実施します。

 

受検希望者は11月末日までに所定の登録を済ませてください。

 

なお、合格者の発表は年末までとし、認定証は令和3年元旦付けとし、
それぞれ年明け1月の最初の稽古日に交付します。


1月中の稽古に参加できなかった場合は、次回の認定日まで認定を延期するものとします。

 

<中審査> 

対象:修錬生 

昇級資格:稽古参加(原則)週2回以上

 

気・血・水の各航法から2種目
およびその他の応用航法から1種目を選択して審査を受けてください


細谷さん 2級    准1級    火曜日・金曜日・土曜日

 

坂本さん 2級    准1級    火曜日・土曜日

 

 

気・血・水航法の各航法から1種目

およびその他の応用航法から1種目を選択して審査を受けてください

 

中西さん 3級     2級     月曜日・木曜日

 

高橋さん 3級    准2級     月曜日*長期継続者特例
気・血・水の各航法から1種目を選択して審査を受けてください

 

田辺さん 准3級(GF) 3級     月曜日・木曜日

 

西田さん 准3級(GF) 3級     土曜日*長期継続者特例

 

 

<小審査> 

対象:訓練生 

昇級資格:稽古参加(原則)週1回以上

 

水氣道整理体操(のびのび体操)の審査を受けてください

 

濵屋さん    4級(F3) 4級(F4) 火曜日・土曜日

 

鈴木さん    4級(F3) 4級(F4) 金曜日 

 

 

水氣道五航法の審査を受けてください

 

足立さん    4級(F2) 4級(F3) 土曜日・(日曜日)

 

阿部さん    4級(F2) 4級(F3) 月曜日

 

 

 

水氣道準備体操(イキイキ体操)の審査を受けてください

 

野口さん    5級(F2)4級(F2) 月曜日・火曜日・金曜日・土曜日・日曜日

 

植田さん    5級(F2)4級(F2) 火曜日・土曜日

 

林(知)さん  5級(F1)5級(F2) 火曜日

 

大場さん    5級(F1)5級(F2) 土曜日

 

 

水氣道親整理体操(のびのび体操)の指導を受けてください。

松田さん    6級   5級     火曜日・土曜日・日曜日

 

大野(道)さん  6級  5級     土曜日

 

福丸さん 6級   5級     火曜日・土曜日・日曜日

 

西川さん 6級   5級     土曜日もしくは日曜日

 

 

水氣道準備体操(イキイキ体操)の指導を受けてください

 

高見さん 7級  6級     土曜日 *長期継続在籍者特例

 

三上さん 7級  6級     土曜日

 

漆(弘)さん 7級  6級     土曜日

 

石山さん 7級  6級     土曜日

 

 

<予備審査> 

対象:体験生 

昇級資格:稽古参加(原則)月2回以上

 

 

水氣道親水航法の指導を受けてください。

 

漆(正)さん 級外  7級     土曜日

 

佐々木さん 級外  7級     土曜日

 

近藤さん 級外  7級     日曜日

 

北岸さん 級外  7級     日曜日

 

 

 

 


<次回(平成3年3月)審査受検候補者>

小池さん 6級
高橋(清)さん 7級
小美濃さん 級外
和田さん 級外

水氣道稽古の12の原則(2)心・技・体の原則

 

前回はこちら

 

前回、心身統合の原則について説明しました。本来一体であるはずの心身がかみ合わなくなった状態で精神と身体を直接再統合させることは簡単ではありません。そこで、両者を繋ぎ一体化させる媒体が必要になってきます。その媒体こそが技なのです。心と体の間に技を置けば、心・技・体になります。逆に、心と体を統合するために役立つことはすべて技である、ということができると思います。水氣道の技とは、そのようなものすべてを指しています。したがって、心身医学療法は水氣道の技に含まれると考えてくださって結構です。


そもそも心・技・体(しんぎたい)とは、心(こころ)技(ぎじゅつ)体(からだ)全てバランスが整ったとき、最大限の力が発揮できるという教訓のこと。

英語でいうとメンタル、テクニカル、フィジカルで、スポーツや武道の世界でよく使われる言葉です。

 

スポーツや武道の世界では、いくら体力と技術力が優っていても、気持ちで負けているスポーツ選手は勝てません。 また、気持ちだけで勝とうとしても、体力や技術力が劣っていてはなかなか上手くはいきません。 つまり、「心・技・体」は、最大のパフォーマンスを発揮するためにとても優れた枠組みであって、そのために必要な3要素というわけです。

 

しかし、水氣道での心技体は、他者との勝負で勝つことを目的とするものではない点で、一般のスポーツや武道とは大きく異なります。

 

 

 

「心・技・体」の正しい解釈のための前提条件

 

「心・技・体」という言葉は、もともと明治時代の柔道家の言葉が語源だといいます。 だから今でも武道の世界では好んで使われていますし、他のスポーツでも広く使われるようになりました。 

 

しかし、実際にその使われ方となると、本質から離れて歪曲されていると感じることがあります。 「心・技・体」と言っている人に限って、その実は根性論による「強いられた努力」による鍛錬法をとるということが多いようです。日本のスポーツ界でも精神的にも肉体的にも厳しく追い込み、それに耐えることで力をつけていこうという「根性を叩きこむ」というやスパルタ主義でのしごきが長年もてはやされてきました。猛烈なしごきと絶対的な上下関係で運営されているチームは、いまだに少なくなさそうです。

 

日本で「精神論」や「根性論」が暴走し始めたのは、無謀で不利な戦いに突入することが回避できなくなり、さらに勝ち目のない戦を終わらせることができない空気の中で起こりました。絶対的に不足している物資や情報(インテリジェンス)を前提とする作戦計画の遂行のために、体(体格)にも技(武器)にも劣った日本人が唯一自負できる心(武士道や大和魂)を軸として最大限に鍛え上げる精神論を奨励する気運が国民の美徳としてもてはやされました。その結果、純粋で従順な精神を持つ、大勢の有為な若者の貴重な命が犠牲になってしまいました。

 

日本は戦争に敗れても、その敗因を理論的に徹底分析することなく、工夫や改良を加える余裕も見いだせないまま戦後75年を経てきました。したがって、敗戦と共に吟味されるべきかつての精神論のままの形で激変した戦後社会を必死で生き抜いてきました。

 

命がけの精神状態と硬く結びついた精神論は目覚ましい経済復興を遂げる原動力として生き残ってきました。国民全体の栄養状態は改善して体格も向上(体)し、学問や科学技術も大いに進歩(技)したため、国民の精神論については一向に進歩しないまま、一時は世界の経済戦争にまで優勝したかに見えました。こうした成功体験を通して確信的に認識されることになった「精神論」は、日本においては、精神文化の一端として色濃く残っています。

 

「24時間戦えますか?」という、かつての某栄養ドリンクのキャッチに象徴されるような根性論を背景とする報道や光景は、いまだにスポーツ界だけでなくビジネスの世界などでも見受けられます。スポーツばかりでなく、勝負を偏重する多くの武道までもがビジネス化してしまったことも、この傾向に拍車をかけてきたのではないでしょうか。

 

水氣道は団体で実践する活動であり、護身術や集団防災訓練に通じるものでもあるため、「軍隊式」も「気合」も「根性」は、これらを単純に否定するのではなく、いつでもいきいきと工夫を凝らし、どこでものびのびと改良に心がけ、水氣道の体系の中に採り入れています。そして団体稽古の推奨と同時に競技性の否定という水氣道固有の稽古方針に基く実践によって、正しい「心技体」の理解に基づく指導方法が前提としての正当性や妥当性が担保されることになります。

 

 

心技体の公式「パフォーマンス=心×技×体」

 

心技体を正しくバランスよく整えるということは、アスリートのみならず普通に暮らす我々にとっても大事な考え方だと言えます。

 

仕事も勉強も、ひいては人生でも、本来の自分の力を発揮できていないのは、この心技体が上手く整っていないからだと考えることができます。 バランスが大きく崩れたり、どれか一つでも大きく損なわれたりすると、私たちは本来持っている能力を十分に発揮できなくなってしまいます。

 

体調を崩したり、悩み事があったり、スキルが足りなければ、どうしてもそこに引っ張られてしまいます。 そこから公式を導き出すなら次のようになるでしょう。

 

【パフォーマンス】=「心」×「技」×「体」

 

「心+技+体」ではなく「心×技×体」。 これら3つは「足し算」ではなく「かけ算」です。 どれか一つでも「0」になれば全てがゼロになってしまうからです。
心技体が整った状態とは?

 

それでは心技体が整った状態とはどんな状態でしょうか?

 

これまでの人生を振り返ってみれば、良かった時期は「心・技・体」が全て整っていたのではないでしょうか。感覚としては、特段の無理をしてないのに全てうまくいく感じではなかったでしょうか。そのような場合は、世俗の雑念が打ち払われ、研ぎ澄まされ突き抜けたような爽快な解放感を伴っていたかもしれません。

 

感覚は人それぞれだと思いますが、共通しているのは「3つの歯車」が噛み合っている状態だということです。「3つの歯車」が噛み合うようになると、エネルギーが損なわれることなく効率よくパフォーマンスに反映されるようになります。そのような状態をしばしば感得できるようになると、日常の生活の中にもそのような状態が生かせるようになります。

 

何か上手くいかない時、どうも自分の持っている実力を発揮できていないと感じるとき、この「心・技・体」のバランスをチェックしてみましょう。

 

3つの歯車は気持ちよく回っているか?無駄な力が入っていたり、いつもと違った違和感を覚えたりということがないかどうか確認してみましょう。これをボディ・スキャンといいます。

 

このような習慣が自然に身についてくる頃には、今の自分に足りないもの、やるべきことの課題がしっかりと見えてくるはずです。

 

このような課題を大切にしながら稽古を続けていくうちに、あらゆる状況において、最大のパフォーマンスを発揮することができるようになっていくことでしょう。

 

 

 

スランプに陥るのは心技体の乱れ

 

スランプに陥ったり、本来の実力を発揮できていなかったりするときは、トップ・アスリートでさえ、「心・技・体」、その3要素のどれかに欠陥があるか、あるいはそれぞれの間でのバランスやハーモニーが崩れるか、などによって負のスパイラルが生まれているようです。 

 

私たちはコミュニケーションや仕事が上手くいかない時、「歯車が噛み合わない」という言葉を使うことがありますが、その噛み合わない歯車とは「心・技・体」の3つのことだとも言えます。 その3つが噛み合っていないから歯車が上手く回らない。だから上手くいかないのです。