高円寺南診療所のオフィシャル・ページ「English」には、

 

現在、『英語版』の他に『ドイツ語版』を掲載しています。

 

 

さて、このたび、『フランス語』版が完成しました。

 

 

本日と明日の2回に分けて、

 

診療所HP『外国語版』の目的などについて<事務局>からご紹介いたします。

 

 

8月中には追加掲載の予定です。

 

 

そこで、「English」のボタンを「Foreign Languages」

 

に変更することも併せて検討中です。

 

 

さて、高円寺南診療所を来院される外国人の患者の皆様の特徴は、

 

概して、日本語の日常会話は可能な方がほとんどです。

 

 

ですから、受付や待合室での型通りの会話には不自由しません。

 

 

しかし、ひとたび診察室にお入りになると、状況は一変します。

 

 

言葉がなかなか出てこないのです。

 

 

これは、私たち日本人が外国で病院を受診する状況を想像していただければ、

 

容易にご理解いただけると思います。

 

 

そのような場合には、まず、平易な日本語での医療会話を試みることにしています。

 

 

しかし、彼らが伝えたいことを

 

適切な日本語にすることは容易ではないことが少なくありません。

 

 

そこで会話を英語に切り替えます。

 

 

すると、堰を切ったように早口の英語が返ってくることが多いです。

 

 

背景とする文化や言語の違いを超えて、

 

「自分が受け入れられた、十分に理解された」

 

そう実感すると、患者の皆様の表情はとても明るくなります。

 

 

安心して、診察室を後にしていただけると、

 

受付の職員と流暢な日本語でコミュニケーションされているのが、

 

いつも不思議に思えてきます。

今回から5回にわたって私自身の実際の経験を報告、

 

そして、解説をさせていただくことにします。

 

 

 

テーマは 「疲労度分類」

 

反復性疲労から疲労困憊までのプロセスについてです。

 

 

 

さて私は以前、とある接骨院に勤めていました。

 

そもそもの事の発端は、突然に言い渡された解雇通告でした。

 

その接骨院の経営者の柔道整復師から1ヶ月後に解雇されました。

 

 

仕事が無いこと。定職に就けないこと。

 

自尊心が根底から傷つけられてしまうと、

 

たとえ資格や技能や経験があっても、

 

それをまったく活かせないとなると、

 

かえって孤独と絶望感にさい悩まされるものです。

 

 

つまり、失業状態は、底知れぬ不安、

 

尽きることのない苦しみの元凶となりました。

 

 

 気力が根こそぎ奪われている状態での不安には、焦燥感が付きまといます。

 

その不安は、様々な耐え難い身体症状を、次々と引き起こしました。

 

 

次回は、そのプロセスについて、振り返ってみたいと思います。

 

 

≪ドクトル飯嶋からのコメント≫

 

やあ、坂本先生。

 

随分思い切った記事を書きましたね。

 

こうした手記を公表するということは、

 

想像以上に、心身に負荷が掛るものですよ。

 

 

もっとも、坂本先生ご自身が、避けて通れない作業とお考えである以上、

 

私は敢えて反対せず、見守ることにします。

 

 

ただし、治療者として配慮しなくてはならないことは、

 

読者の皆様の魂への配慮です。

 

 

Mr.NoGucciの懺悔録でもコメントしましたが、

 

シリアス過ぎるのはあまり良くありません。

 

 

自他の魂を癒す目的のために、

 

心身栄養学的に説明するならば、

 

心のカロリーの他に

 

魂のビタミンやミネラルが不足してはなりません。

 

それは、エスプリとユーモア。

 

つまり、芸術性と人間性なのだと思います。

 

 

楽しくてためになるシリーズになるよう祈っております。

今回は自律神経と呼吸の関係について見ていきましょう。

 

 

自律神経の働きの表を見ながら読んでください。

 

自律神経表

 

 

 以前、自律神経のはたらきで「自律神経の要素は無意識にコントロールされているが、

 

意識的にコントロールできる要素もある」と書きました。

 

 

 

それは何でしょうか?

 

 

 

答えは「呼吸数」と「呼吸の深さ」になります。

 

 

 

緊張すると教えられたわけでもないのに、深呼吸しますよね。

 

 

それは深く大きく呼吸することにより、

 

自動的に呼吸数が減り、副交感神経が働きやすくなるのです。

 

 

これを意識的に訓練して、十分に利用することができるようになれば、

 

 

深呼吸によるリラクゼーションを導くことができるようになります

 

 

交感神経を過剰に働かせている現在、ヨガ、瞑想等の言葉が世間を賑わせています。

 

そのどれもが、深く大きく呼吸をすることを重要視しています。

 

 

皆、本能的に「副交感神経を働かせないとまずいな」と感じているのかもしれません。

 

 

 

ちなみに<水氣道>は水圧によって、無意識に呼吸が深くなり

 

過剰な交感神経の働きを、自然に抑えることができるのでおすすめします。

 

 

 

次回、私は幸か不幸か疲労度分類の「反復性過労」から

 

「疲労困憊」まで体験しましたので、

 

そのことを書きたいと思います。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

交感神経が過剰に働き続けることによる弊害について

 

 

引き続き理解を深めていきましょう。

 

 

 

今回は、その第四段階である「疲労困憊」(ひろうこんぱい)です。

 

 

疲労度分類のオレンジ色の部分と自律神経の働きの表

 

 

を照らし合わせながらお読みください。

PastedGraphic3自律神経表

 

 

 

 

 

 

  疲労困憊の自律神経状態をグラフでイメージすると

 

 

4疲労困憊

 

 

 

 

 

 ようになります。

 

副交感神経の機能が低下した後、

 

 

交感神経もついに力尽き機能が低下した状態に移行します。

 

 

こうなると脳が完全に余裕を無くし、多くの情報(感覚・判断、運動・行動)、

 

 

を処理できなくなります。

 

 

その結果、疲労回復のために必要な身体の反応が働きにくくなり、

 

 

精神の働きも鈍くなり、あるいは誤った反応に向かいやすくなります。

 

 

具体的には、味覚鈍麻、痛覚鈍麻、疲労感覚鈍麻、

 

 

抑うつ気分、引きこもり行動等が起こります。

 

 

これは、新たな情報を遮断して脳を休ませて守るための緊急避難

 

 

であると思われます。

 

 

 

次回は自律神経と呼吸の関係をご説明させていただきたいと思います。

今回は交感神経が働き続けることによる弊害の

 

第三段階である「蓄積疲労」を見ていきましょう。

 

 

疲労度分類のオレンジ色の部分と自律神経の働きの表を見ながら読んでください。

 

(表をクリックで拡大、はっきりと表示されます、ブラウザの戻るボタンで戻ってください) 

Pasted Graphic

 

Pasted Graphic 1

 

蓄積疲労の自律神経状態をグラフでイメージすると

 3蓄積疲労

ようになります。

 

 

自律神経は共に疲弊しますが、

 

副交感神経の方がより顕著に疲労して働きにくくなります。

 

その結果、交感神経が相対的に優位な状態になります。

 

 

 

脳に余裕がなくなるため新たな情報を処理することが困難になります。

 

その結果、根気・興味欠如等がおきます。

 

 

 

また、喫煙の増加や酒量の増加等、身体に悪いこととは気づいていても、

 

制御できず、悪癖を繰り返すことがあります。

 

脳の疲労で新しい行動をとることができなくなり、

 

慣れ親しんだ行動をとりたくなるからです。

 

 

交感神経の働きが優位になるので、消化器の働きが抑制されます。

 

それにより食欲不振になります。

 

 

 

次回は、疲労困憊について解説していきます。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

診療所についてドイツ語でのご案内を追加しました

 

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ホームページにつて、

 

皆様のご意見、ご感想をお待ちしております。

今回は交感神経が働き続けることによる弊害の第二段階である「持続性疲労」を見ていきましょう。

 

疲労度分類のオレンジ色の部分と自律神経の働きの表を見ながら読んでください。

(表をクリックで拡大、はっきりと表示されます、ブラウザの戻るボタンで戻ってください)

疲労度分類2

自律神経のはたらき

自律神経表

交感神経が働くと倦怠感、痛み、痒みの感覚が抑制されます。

 

(表をクリックで拡大、はっきりと表示されます、ブラウザの戻るボタンで戻ってください)

 

 

持続性疲労の自律神経状態をグラフでイメージすると

 

2持続性疲労

ようになります。

(表をクリックで拡大、はっきりと表示されます、ブラウザの戻るボタンで戻ってください)

 

交感神経の緊張が緩和しないため、その交感神経の緊張に対抗しようとして副交感神経の緊張を高めることによって自律神経系全体のバランスを取り戻そうとします。

 

交感神経をアクセル、副交感神経をブレーキだとすると両方同時に踏み込んだ状態であるといえます。

 

この状態では、脳の過活動により熟眠できません。

 

イライラや不安を感じやすくなり、過食をしやすくなります。

 

それは消化器の働きを活発にすることにより、副交感神経の機能を上げてほっとしたいからです。

 

このような経験をしてしまうと、 脳の情報処理の原則である「快・不快(痛み)の原則」によりなかなか止めることができなくなります。

 

他にほっとできるものを見つけ出すことが大切になります。

 

次回は、蓄積疲労について解説していきます。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

「院長からのメッセージです」

 

私は6月19日の父の日に、亡き父を偲びつつ、

 

老母を囲み妻と二人の娘とともに郷里の水戸で過ごしました。

 

 

そこで、妻は、東京都医師会雑誌を私に渡し、

 

スティーブ・ジョブズの最後の言葉にまつわるエッセイを読むように勧めました。

 

 

一読後、妻が、なぜ私にこれを見せてくれたのかよくわかりました。

 

 

そこで高円寺南診療所の「新着情報」に掲載し、

 

閲覧者の皆様に紹介させていただくことにしました。

 

 

 

  • スティーブ・ジョブズとは

 

Steven Paul "Steve" Jobs(1955年2月24日 - 2011年10月5日

 

アップル社共同設立者の一人

 

米国実業家資産家作家教育者

 

アメリカ国家技術賞受賞。

 

 

  • 病気との闘い

 

2003年、膵臓癌と診断された。

 

(高円寺南診療所の現在の超音波診断装置は、

 

膵臓を診ることが容易になってきましたが、

 

以前の旧式の装置では大変苦労しました!)

 

 

家族を始め、周囲はジョブズにすぐに手術をうけるように忠告したが、

 

東洋文化を尊重していたジョブズは、

 

西洋的な医術を頑なに拒否した。

 

高円寺南診療所は統合医学的アプローチを採用しています。

 

西洋医学の優れた点は大切に活用すべきだと

 

患者さんに説明しています。

 

 

絶対菜食、ハリ治療、ハーブ療法、光療法などを、インターネットで探し、

 

民間療法などを用いて完治を図ろうとしていたといわれる。

 

スティーブ・ジョブズはインターネット業界の天才です。

 

しかし、インターネットを利用しての科学的情報収集と医学的分析

 

さらには行動決定のプロセスに関しては素人に過ぎません。

 

そのことに、もっと早く気づいて貰えれば、と残念です。

 

癌に関しては東洋医学が無効なのではなく、

 

西洋医学とどのように補い合うか、

 

つまり、統合的なアプローチこそが望まれます。

 

 

医学的治療は遅れ、

 

そのことから9か月後の検査で癌が大きくなっていることがわかり

 

同年の8月に摘出手術を受け療養後復帰した。

 

 

 

2005年6月12日、スタンフォード大学卒業式に招かれ、

 

「Stay hungry, stay foolish」で締めくくられたそのピーチは、

 

多くの共感を持って迎えられた。

 

 

 

2008年に肝臓への癌の転移が判明していて容態は深刻な状況であった。

 

 

 

2009年3月に肝臓の移植手術を受けた。

 

 

 

2011年10月5日、膵臓癌の転移による呼吸停止により自宅で死去した。

 

 

56歳没。(奇しくも、私、ドクトル飯嶋も56歳です!)

 

 

最後の言葉の引用とDr.Iijimaのコメント

 

「仕事以外には、幸せに恵まれない人生だった。

 

人生の終わりには、富など、

 

私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない」

 

 

「私がずっとプライドを持っていたこと、

 

世界中から認められることや富は、

 

迫る死を目前として色あせていき、

 

何の意味もなさなくなっている。」

 

 

「今、やっとわかった。

 

十分暮らしていけるだけの富を確保した後は、

 

富とは無関係なことをはじめるべきだった。

 

それは、人間関係や、芸術や、まだ若い頃からの夢かもしれない

 

 

(Mr.NoGucciのコメントにもあるように、

 

Dr.Iijimaは経済的には決してRichではありませんが、

 

富とは無関係な水氣道と聖楽をライフワークとしてはじめていることは、

 

とても恵まれたことです!)

 

 

「私が勝ち得たものは、あの世には持っていけない。

 

私が持っていけるのは、愛情にあふれた思い出だけだ。

 

これこそが本物の豊かさであり、

 

あなたとずっといてくれるもの、

 

あなたの道を照らしてくれるものだ

 

 

「あなたのために、運転手を雇うことはできる。

 

お金を工面してもらうこともできる。

 

だけど、あなたの代わりに病気になってくれる人は

 

みつからない」

 

 

「物はなくなっても、また見つけられる。

 

しかし、一度失くしたら二度と見つからないもの。

 

それが一つだけある。

 

人生。それは命だよ。

 

 

(閲覧者の皆様。

 

養生と鍛錬、そして優れた芸術に親しみ、

 

素晴らしい仲間づくりをして、

 

愛情あふれた思い出に包まれる人生を、

 

共に歩んで参りましょう!)

今回は交感神経が働き続けることによる弊害の第一段階である

 

「反復性過労」を見ていきましょう。

 

疲労度分類のオレンジ色の部分と自律神経の働きの表を見ながら読んでください。

 

 

(表をクリックで拡大、はっきりと表示されます、ブラウザの戻るボタンで戻ってください)

疲労度分類1 

 

自律神経表

 

交感神経が働くと倦怠感、痛み、痒みの感覚が抑制されます。

 

 

 

反復性過労の自律神経状態をグラフでイメージすると下の図のようになります。

 

1反復性疲労

(表をクリックで拡大、ブラウザの戻るボタンで戻ってください)

 

 

副交感神経が働くべき時にも交感神経が優位に働きます。

 

 

交感神経が働くと倦怠感、痛み、痒みの感覚が抑制されるので、

 

疲労に気付きにくく、睡眠時間が短くても活発に活動できます。

 

 

心も充実し、爽快感があったりします。

 

 

一見良いことのように思われるかもしれません。

 

 

しかし、副交感神経のはたらきが弱く身体が休まらないので、

 

少しつ疲労が蓄積していきます。

 

 

この状態が続くと「持続性疲労」へと身体の状態が進んでいきます。

 

 

次回は「持続性疲労」の解説をしていきます。

  

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

6月13日から、週末(土・日)を除く毎日、

 

内科の全領域を週替わりのトピックスで取り上げ、

 

読者の皆様とご一緒に勉強させていただくことにしました。

 

プランは以下の通りです。

 

 

 

6月13日からの初回は、

 

第三週ですので:「消化器・代謝内分泌内科」です。

 

 

第一週 呼吸器・感染症内科

 

第二週 循環器・腎臓・血液内科

 

第三週 消化器・代謝内分泌内科

 

第四週 神経・アレルギー・膠原病内科

 

第五週 プライマリケア・救急・心療内科