漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられているので独自のコメントを付して紹介して参りました。

 

これに引き続き、富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&Aをご紹介いたします。

 

 

そこでも、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

Q

リウマチに漢方は効きますか?

 

A

関節リウマチは関節滑膜の異常な増殖を主体とした慢性の炎症性疾患です。

 

その原因は不明ですが、免疫学的な異常が背景にあることは間違いなく、炎症が持続して関節が破壊されていきます。

 

治療としては、現代医学的には、免疫抑制剤を含めた疾患修飾性抗リウマチ薬や、非ステロイド性抗炎症薬が中心となっておりますが、全身症状として全身倦怠感や食欲不振、貧血、浮腫などが持続したり、前述の薬を駆使しても良くならなかったり、副作用のために使える薬が限られてしまったり、合併症があるために通常の治療が受けられないなどといったことがよく起こります。

 

こういったことで、漢方を希望して受診される方も多いのですが、このような場合に限らず、漢方薬はすべてのリウマチ患者さんに幅広く使っていただいてよいのではないかと思っています。

 

というのは、約3~4割の患者さんは漢方薬のみで治療可能で、副作用の多い薬剤を併用しなくて済むからです。

 

残りの6~7割の方は病気の勢いが強いために、何らかの現代医学的な薬を併用せざるを得ませんが、炎症を抑えきれなくても風邪をひきにくくなる、だるさが改善するなど、全身症状に対する波及効果が期待できます

 

また余談ですが、八味地黄丸に含まれる山薬は、山芋の根なので山芋アレルギーの方に、猪苓湯に含まれる阿膠はゼラチンアレルギーの方に、禁忌となっています。そのため、食物アレルギーにも十分に注意を払うようにしてください。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

『リウマチに漢方が効きますか?』と患者さんから尋ねられて、上記のような答えを述べても、最後まで聞いてくださる方ばかりではありません。

 

もちろん、話し言葉ではなく、書き言葉での回答なのである程度はやむを得ない点もあることでしょう。

 

しかし、まずYesかNoかの問いかけに対しては、YesかNoかで答えるのが親切というものでしょう。

 

そこで、再掲します。

 

Q『リウマチに漢方が効きますか?』

 

A『はい、効きます。ただし、全員に効くとは限らないのは現代薬と同じです。』

 

<漢方薬はすべてのリウマチ患者さんに幅広く使っていただいてよいのではないか>というのは少し言い過ぎです。漢方薬が嫌いな方に対して、説得してまで処方する必要はないと思います。そのようなケースでなければ、ほとんどの方に処方することが可能です。

 

また、<約3~4割の患者さんは漢方薬のみで治療可能>という根拠があいまいです。

 

特に関節リウマチの初期に関節変形が進行するので、一見、症状が軽快しているかのように見えて不可逆的な関節変性を見落さないように標準的治療をするのが、リウマチ専門医の常識です。

 

実際、漢方薬を併用した関節リウマチの標準治療が進展した結果、長期的には<約6~7割の患者さんが漢方薬のみでコントロール可能>というのが、高円寺南診療所の実績です。

 

漢方薬は、関節リウマチに対する抗炎症効果のみならず、<全身症状に対する波及効果が期待>できるということ、つまり、体全身のコンディションを整え、体調ならびに気分が安定し、家事や仕事などの生産性を向上させてくれる効果は確かに認められています。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アナフィラキシー②

 

Q

エピペン®に関して教えてください。

 

A

エピペン®とはアナフィラキシーの補助治療薬としてアドレナリンの自己注射を患者さん本人や保護者の方が病院に行く前にできるように開発されたペン型の薬剤です。大腿外側部に注射します。

 

Q

エピペン®を使うタイミングを教えてください。

 

A

エピペンはハチ毒、薬物、食物によるアレルギー反応により声がれ、呼吸困難、喘鳴(ゼーゼー)などの呼吸器症状が出現してきたときに使うと効果的です。症状が軽減しても使用した際には必ず医療機関を受診して診療を受けてください。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

エピペンに関する説明を補充します。

 

エピペン®が使用できるようになる以前は、食物や薬物によるアナフィラキシーに対して、以前は、患者が自身の身を守るには医療機関に駆け込むしかありませんでした。

 

それが、わが国では2005年4月から、食物や薬物によるアナフィラキシーに対してアドレナリン自己注射器(エピペン®)が聖人と小児に対して承認されました。

 

これで患者や保護者がショック時に緊急避難的に用いることのできる防衛手段をやっと手に入れることができました。

 

保育所、学校のいずれのガイドラインにおいても緊急時には保育士や教師が患者・保護者のかわりに用いることを推奨しています。

 

2009年からは救命救急士が業務として使用することも可能となりました。

 

2011年からは保険適応になり、食物によるアナフィラキシーなどに対する社会的な対応の整備が進んでいます。

 

 

食物アレルギーの救急対応、とくに救命のための薬物としてはアドレナリンが用いられますアドレナリンの救命効果はα作用に基づく血管収縮作用によるものです。

 

これによって、粘膜浮腫に起因する上気道閉塞を防ぎ、ショックを防止します。

 

 

エピペンを使用するタイミングについて、より具体的な説明をします。

 

生命予後のためには、アドレナリンは症状出現30分以内にすることが重要です。

 

そこで、誤食あるいは負荷試験においてアナフィラキシーの既往が2回以上ある場合や、重篤なアナフィラキシー反応の既往がある場合には、アドレナリン自己注射器の携帯が望ましいです。これがエピペン®なのです。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

 

最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

 

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

Q

80歳の人の骨折が治ったという話しを聞きましたが、高齢者でも骨量は回復するのでしょうか

 

A

骨折の場合、折れた部分に新しい骨がつくられることで治ります。

 

80歳になってもその働きは変わりませんが、高齢の方は、古い骨を壊す作用(破骨吸収)が、新しい骨をつくる作用(造骨)を上回ってしまうため、骨粗鬆症になってしまうことが多いのです。

 

しかし、骨吸収を抑える薬や、骨の形成を促進する薬を使えば骨量は増えますし、カルシウムを充分にとり、適度な運動をすることも重要です。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

質問に対するまっすぐな回答は、高齢者でも条件次第で骨量を増やすことができる、ということです。

 

それに対して、回答者は、

<骨折の場合、折れた部分に新しい骨がつくられることで治ります。>というコメントから始めることによって、人は生涯にわたって、骨折治癒能力を持つことを示唆しています。

 

それは80歳の高齢者でも骨折は治癒することは例外的な現象ではないということです。

 

そして、回答者は、まず骨折治癒のメカニズムから説明することによって、骨量増加との関係性に言及しています。

 

つまり、<骨折の場合、折れた部分に新しい骨がつくられることで治ります。>と解説しているように、骨折の治癒は新しい骨を作ること(造骨)によって行われるというメカニズムを説明し、そのうえで、高齢者特有の問題点を指摘しています。

 

<高齢の方は、古い骨を壊す作用(破骨吸収)が、新しい骨をつくる作用(造骨)を上回ってしまう>ということです。

 

こうした高齢者の骨代謝の生理的メカニズムを知ることによって、具体的な対策のための2つの根拠が得られます。

 

それは

①骨吸収を抑えること、

②骨の形成を促進すること、

です。

 

<骨吸収を抑える薬や、骨の形成を促進する薬を使えば骨量は増えます>

ここで、一点気になることは、回答者の治療戦略の優先順位です。

 

まず、薬ありき、つまり、薬物療法を主体におく価値観です。

 

<カルシウムを充分にとり、適度な運動をすることも・・・>という表現には、食事療法や運動療法が補助的あるいは副次的な位置づけであることが伺われます。

 

たしかに高齢者、特に高齢女性は、加齢に伴う骨量現象が男性より顕著です。しかし、男性高齢者を含めて、薬物を使用する必要があるかどうかは、個人差があるため、一般論として薬物療法を最初に置くことには疑問を感じます。

 

このような価値観を、多くの医師が持っているため、薬物療法至上主義、という正規の医学教育による洗脳を受けがちであることは、残念なことです。

 

<カルシウムを充分にとり、適度な運動をすることも重要です。>

一番大切なことは、生活のリズムを整えることです。

 

高齢者の多くは、早寝早起き型になる傾向がありますが、これは骨代謝のためには望ましいことです。

 

しかし、実際には、高齢になっても現役で生産的な活動に従事している人が増えてきたという望ましい傾向がある反面、夜型で夜更かしや朝寝坊のため運動不足の方が増えていることが問題になります。

 

望ましい生活のリズムに近づけていくことなしには、薬物療法はおろか、食事療法や運動療法も十分には奏功しません。

 

また、<カルシウムを充分にとり、適度な運動をする>ことの具体的な指導は、生活リズムの是正に次いで需要な事項です。

 

しかし、この大切な事項に対して、わが国の専門医や一般の保険医のほとんどが、主食や主菜はおろか、副菜ですらない、付け合わせのような記載に終始してしまうことは、非常に残念なことです。

 

あたかも食事は栄養士任せ、運動は理学療法士任せ、医師の主たる業務の埒外である、という雰囲気が医療界に漂っていることは紛れもない現実で、とても残念なことです。

 

高円寺南診療所で、なぜ水氣道が誕生し、現在も発展を続けている理由がここにあります。

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです

 

 心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

※「質問」をクリックするとが表示されます。

と書かれています。

 

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。そこで、「質問」「答え」の後に、

<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

 

「質問15」

心療内科での女性受診者の訴えにはどのようものがありますか?

 

「答え」

女性特有の身体症状と言えば、やはり月経関連の症状となります。

 

無月経(摂食障害など)や更年期障害、月経前緊張症(月経前に様々な心身の不調をきたし月経が始まると症状が軽減)などです。

 

あとの身体症状については特に男女差はないと思われますので、ここではその背景にある女性患者の悩みで、多いものを紹介いたします。

 

既婚女性ではまずパートナーさんとの夫婦関係の悩みがあげられます。

 

「亭主関白の夫に長年連れ添ってきたが、自分も年をとってきて家事も負担になるし、もうこれ以上はがまんできない」と積年の思いを訴える方や、最近ではパートナーさんに発達障害があり「コミュケーションがうまくとれない」という方も増えてきております。

 

お姑さんとの関係での悩みも多く見られますが、どれだけパートナーさんが協力してくれるかが重要なポイントです。

 

子育ての悩みもよく聞かれます。子どもさんが不登校であったり、何らかの疾患や障害を持たれているような場合もよくあります。

 

さらに不妊に関する悩みや、出産後の育児ストレスなども女性特有の悩みと言えるでしょう。

 

未婚女性では、20代では進学や就職などの環境の変化により周囲に適応できないケース、30代~40代では独身でいることの先行きの不安や、キャリアウーマンでは職場でのセクハラやパワハラなどによるストレスの訴えが聞かれます。

 

既婚・未婚問わず、「親の介護ストレス」も女性受診者の大きな問題と言えます。

 

未婚者の場合は親との関係性が密接で愛着も強く、親が亡くなった後の悲嘆も強い傾向にあります。

 

既婚者の場合は自身の親だけでなく、夫の親の介護ものしかかってくることになり、「自分の親なのに夫が全然協力してくれず私にすべて任せてくる」などの不満も聞かれます。

 

昔に比べると、女性の社会進出も進み、女性差別も減ってはきているようですが、まだまだ「女性ならではの悩み」というのは数多くありそうです。

 

(村上典子)

 

 

<高円寺南診療所の見解>

回答者の村上典子先生は、神戸赤十字病院心療内科部長を務める心療内科専門医です。専門分野は災害におけるメンタルケア、グリーフケアとのことですが、「女性ならではの悩み」の相談に対して女性の心療内科専門医は、とても貴重な存在だと思います。

 

村上先生が挙げられた例はとても具体的でわかり易いので、話の都合上、以下のように分類してみました。

 

タイプⅠ:女性特有の身体症状

 

タイプⅡ:夫や姑など家族関係に関する悩み

 

タイプⅢ:不妊、出産、育児など子供に関する悩み

 

タイプⅣ:学校・職場などの社会的ストレス

 

タイプⅤ:親の介護ストレス

 

この分類をもとに高円寺南診療所の現場をふり返ってみました。

 

 

タイプⅠ:

月経関連の症状のみならず、その延長としての閉経後の骨粗鬆症や関節リウマチ、変形性関節症、線維筋痛症をはじめとする慢性疼痛の相談が多いです。

 

これらの病気については、リウマチ専門医でもある心療内科専門医・指導医としてチーム医療を率いており、さらに水氣道などの独創的で時代の先端を行くアプローチで良好な成果を築きあげています。

 

 

タイプⅡ:

家族関係の悩みばかりでなく、ご家族が自分の病気のことを理解してくれない、あるいは誤解している、という悩みを多くお聴きしています。

 

さらには、有名ブランド病因志向の高いご家族がいらして、高円寺南診療所を信頼してくださらず、そのため診療継続に必要なご家族の協力が得られにくいという患者の皆様が、少なからずいらっしゃいます。これは、とても残念なことです。

 

しかし、そのような現実は、当然ながら患者の皆様の責任ではなく、私共の至らなさが原因です。ご家族からの信頼を得ることも治療効果を挙げるうえで無視できない重要因子です。

 

開院以来30年近くの間、様々な努力を続けて参りましたが、世間様に対するアピール力がまだまだ不足しているという現実を謙虚に受け止め、反省し、工夫と改善を続けるだけでなく、思い切った刷新をはからなくてはならない時期が近づいていることを認識し始めているところです。

 

 

タイプⅢ:

子供の不登校ばかりでなく、成績不振に悩む親御さんも増えて参りました。

    

お子様本人は、何ら困っていないのにもかかわらず、親御さんが一方的に子供の将来を憂いているケースを経験しています。多くの場合、お子様より、親御さんのサポートやケアが必要なのですが、それを認めたがらないのが、

     

こうしたケースの親御さんの特徴です。

 

特に、受験や進学など、大切なイベントが目前に迫っていることが多く、切羽詰まった段階で駆け込んでこられる方もありますが、自分の意に添わぬ子供を病人にしたてて無料で、手っ取り速く解決させたいとの本音が透けて見えることもあります。

 

こうした考え方や行動は、甚だしく筋違いで危険なものであることに早く気づいていただきたいものです。

 

 

タイプⅣ:

学校・職場などの社会的ストレスは、単なる悩みだけ終わらず、身体症状化したり、行動異常が生じたりすることがあります。

 

高円寺南診療所では毎日のように、このタイプの相談に応じています。

 

学校や職場へ提出する診断書や意見書の作成頻度も増えてきました。職場の産業医との連携がますます必要になってきているのを感じます。

 

さて高円寺南診療所は、高円寺南労働衛生コンサルタント事務所の所在地でもあります。国家資格である労働衛生コンサルタント資格をもつ医師は、終生の産業医であることが認められていますが、労働衛生問題の多くが事故やけがによる労災よりも過労死やストレス管理が中心になってきているため、労働衛生コンサルタント資格をもつ心療内科専門医は、重要な役割を発揮できる立場にあります。

 

高円寺南診療所が杉並国際クリニックと改称した後も、『高円寺南労働衛生コンサルタント事務所』はそのまま継続する予定です。

 

 

タイプⅤ:

親の介護中は気が張っているせいか、ご自分の体調や気分を忘れがちです。

    

親御さんの介護が一段落してから、病状が一気に増悪して心身共にボロボロになっている自分を発見する、というようなケースが増えているので、要注意です。

 

介護は、一旦はじめてしまうと思いのほか長く続くものです。中には予め、長期戦を想定して、支え手であるご自分自身の心身のメンテナンスの重要性に気づき、必要なサポートを取り付けることができる賢明な方もいらっしゃいます。

 

<支えられる側より支える側の健康管理がより重要>

 

<人を支える人を支えることこそが全体を支えること>

 

<人を支えている人や団体の邪魔しない行政の在り方を望むこと>

 

以上の3件は、高円寺南診療所から杉並国際クリニックに相続させるべき財産であると考えています。

 

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられているので独自のコメントを付して紹介して参りました。

 

これに引き続き、富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&Aをご紹介いたします。

 

 

そこでも、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

Q

漢方薬に副作用はありますか?

 

A

漢方薬は天然資源を材料に作られており、何千年も前より使用されてきたものが多く、化学薬品に比べてはるかに安全性は高いのですが、薬である以上、不適切な使用やアレルギ-反応によって副作用は起こり得ます。

 

また、漢方薬には「瞑眩(めんげん)」という、効き目が現れる前に一時的に症状が悪化する場合があります。

 

したがって、漢方薬はその使用に詳しい専門家(医師、薬剤師)に相談して体質に合わせ使用すること、また内服していてなにか異常を感じたらすぐに専門家に相談することが大切です。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ>

「漢方薬に副作用がありますか?」と質問されることは、高円寺南診療所でも、ときどきあります。

 

こんなとき、イエス・キリストのような医師であったら、「あなたは、なぜ副作用を恐れるのか?」とか、「あなたが問う副作用とは何を意味するのですか?」と尋ね返すかもしれません。

 

広辞苑によると、副作用とは、『胃薬の一定の作用を利用して治療しようとする時、それに伴って、治療の目的にそわないとか、または生体に不都合な作用が起こること。また、その作用。』とあります。

 

そして、胃薬とは、同様に広辞苑によると『治療・予防に用いる薬品』とあります。

 

 

漢方薬を構成する生薬の多くは食材や薬味など食品とも共通しています。

 

そうすると、副作用とは『食品の一定の作用を利用して治療しようとする時、それに伴って、治療の目的にそわないとか、または生体に不都合な作用が起こること。また、その作用。』と置き換えることも可能かもしれません。

 

実際に、その通りなのです。なぜならば、食物には食物アレルギーや、甚だしい場合には、食物によるアナフィラキシーショックによって死亡する場合もあるからです。

 

そこで、「漢方薬に副作用がありますか?」という質問に対しては、次のように答えることも可能でしょう。

 

すなわち「漢方薬は食品と同様に、副作用があります。なぜなら、食品には食物アレルギーがあることなどから、漢方薬で副作用がもたらされることがあります。」ということです。

 

また、「口にはいるものは人を汚すことはない。かえって、口から出るものが人を汚すのである。」(マタイ15章11節)そして「口にはいってくるものは、みな腹の中にはいり、そして、外に出て行くことを知らないのか。」(マタイ15章17節) 「だから、言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな」(ルカ第12章22~34節)とイエス・キリストは語られました。もちろん、これらは聖書の引用の仕方としては正しくありません。

 

ただ言えることは、「漢方薬に副作用がありますか?」と尋ねてくる患者さんは、「副作用の無い漢方薬を処方してくれますか?」と尋ねているのではないかということです。

 

ですから、次のようにこたえるべきかもしれません。「漢方薬にも副作用がありますが、必ず副作用が起こるわけではありません。必ず起こるとしたら、それは薬ではなく毒ということになります。

 

あなたにとって毒としてではなく、薬になるように、さらには食べ物のように体の助けになるように、専門的に判断して処方することを心掛けています。」と。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A

 

アナフィラキシー①

 

Q
アナフィラキシーの原因にはどのようなものがありますか?

 

A

ハチ毒、薬物、食物によるアレルギー反応が代表的ですが、最近はラテックス(天然ゴム)によるものも認められます。

 

造影剤や輸血などアレルギー反応によらないアナフィラキシー様反応、運動による運動誘発アナフィラキシー、原因の分からない特発性アナフィラキシーなどもあります。

 

 

Q

アナフィラキシーの症状を教えてください。

 

A 

アナフィラキシーでよくみられる症状として、じんましん、急に皮膚が赤くなったり、皮膚がむくんだり、かゆくなったりする皮膚の症状、

咳が止まらなくなったり、ゼーゼーしたり、息をするのが苦しくなったりする呼吸器の症状、

腹痛、気持ち悪くなったり、吐いたり、下痢が止まらなくなったりする消化器の症状、および血圧低下を伴うショック等があげられます。

 

また視野が急に暗くなったり、しびれる感覚、脱力感、のどが締め付けられ詰まる感じなどもアナフィラキシーの自覚症状としてみられます。これらの症状は、体調やアレルゲンの量などによっても異なります。

 

 

Q

アナフィラキシーを起こした時にはどのように対応すればよいですか?

 

A 

アナフィラキシーは、症状の発現を速やかに察知し、一刻も早く治療をしなければなりません。

 

エピペン®を持っている場合は、速やかに使用してください。

 

エピペン®を持っていない場合は、すぐに救急車を呼んでください。

 

最寄りの医療機関あるいは救急施設に最善の方法で急行しましょう。医療機関では症状を緩和する目的で救急用として、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などに加えて、アドレナリンという薬が使われます。

 

特にアナフィラキシーショックの時には、アドレナリンの筋肉注射が最初に行われます。

 

アドレナリンは、気管支を広げる効果や血管を収縮させて呼吸困難や血圧低下等のアナフィラキシー症状を劇的に改善させます。

 

アナフィラキシーがある方は、主治医と相談してください。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

アナフィラキシーの原因・症状・対応法が簡単に解説されています。

 

ここでは、要点のみを述べます。アナフィラキシーとは、アレルゲンに暴露されることにより引き起こされるアレルギー反応のうちで、とくに生命に危険を与え得る過敏反応をいいます。

 

さらに、このアナフィラキシー反応のうちで、血圧低下や意識障害を伴う場合を、アナフィラキシー・ショックと呼びます。

 

アナフィラキシーの病態は急速に進行するので、発症現場に医師が居合わせて診断することができる可能性が少ないうえに特異的な検査法がない、という問題点があります。

 

そこで、この病態は、医師の判断を待たずして、自己対応(エピペン®の自己注射)できることが必要になってきます。

 

欧州および米国アレルギー学会は、急速に発症することに加えて、以下の3項目のうち、いずれかに該当する場合は、アナフィラキシーの可能性が高いとしています。

 

①皮膚・粘膜症状に加えて、呼吸器・循環器症状を伴う

 

②アレルゲン暴露後2つ以上の臓器症状を伴う

 

③アレルゲン暴露後の血圧低下を認める。

 

 

アナフィラキシーの重症度は5つのグレードに分類されています。

 

グレード1:

皮膚・消化器・呼吸器症状のみで、循環器・神経症状を伴わない

 

グレード2:

皮膚・消化器・呼吸器症状+神経症状(活動性の低下)を伴う

 

グレード3:

皮膚・消化器・呼吸器症状

+神経症状(不安感)+循環器症状(頻脈:15回/分以上の増加)を伴う

 

グレード4:

皮膚・消化器・呼吸器症状

+神経症状(不穏、死の恐怖感)+循環器(不整脈+血圧低下)

 

グレード5:

皮膚・消化器・呼吸器症状(呼吸停止)

+神経症状(意識消失)+循環器(重篤な徐脈、血圧低下著明、心停止)

 

早期発見による早期対応が生命を救います。

 

 

高円寺南診療所では、診察前に必ず血圧と脈拍を測定していただいておりますが、このようなバイタルサインをチェックする習慣を身につけておくことによって、自分の基準データが得られます。

 

たとえば、ふだん血圧130/80mmHg、脈拍数70回/分の人が、ショック反応をおこしたときに、素早くバイタルをチェックし血圧120/70mmHg以下、もしくは脈拍数85回/分以上であればアナフィラキシーショックの可能性に早期に気づき、エピペン®の準備など早めの準備をするなどが可能になります。

 

ただし、このようにグレード3以上ともなると治療に反応しても遅発反応の出現を考慮して入院管理が必要になります。

 

 

水氣道では、稽古の前後に一通りのバイタルサイン(血圧、脈拍数、体温はじめ動脈血酸素分圧濃度、ボルグ指数など)を測定して記録しています。

 

それによって、各自が自分のベースラインを知り、その都度の変化に対して自身を振り返ってみる、という習慣が身に着けておくことは、いざというときに適切な判断と行動をとるうえでとても役に立つのではないでしょうか。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。

多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。

しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。

骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。

そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

 

それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

Q

思春期を過ぎてしまったらもう骨量は増やせないのでしょうか

 

A

骨は固いので、一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。

身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。

これを骨代謝といいます。

 

ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。

 

こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。 人が生きている限り、骨も生きているのです。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

<思春期を過ぎてしまったらもう骨量は増やせないのでしょうか>という質問に対して、随分と回りくどく、かつ文学的な日本人的説明になっています。

 

この質問を欧米風に答えるならば、<思春期を過ぎても、条件次第では骨量を増やすことは可能です>というセンテンスからはじめることになるでしょう。

 

その上で、質問者の質問の意図を十分にくみ取ってお答えすることができれば、なお望ましいのではないかと思います。

 

 

高円寺南診療所の実績では、思春期過ぎどころか後期高齢者でも骨量を増やしている方がいらっしゃいます。

 

しかし、すべての方が骨量を増やせているわけではありません。

 

なぜならば、骨量を減らす要因を放置している限り、骨量を増やすことは難しいからです。原発性骨粗鬆症の骨量減少の主な要因は2つあります。

 

①最大骨量(障害のうちで20歳代までに獲得して最大となる骨量)が低値な場合

 

②成人後、おもに閉経後に骨の形成と骨の吸収(骨が破骨細胞によって削られること)のバランスが崩れて、骨の吸収が進むことにより、骨量減少が進行する場合

 

特に、この質問の趣旨である<思春期を過ぎて>成人した後の骨形成と骨吸収(骨モデリング)にインバランス(バランス不全)を生じる原因は、おもに閉経、加齢、運動不足です。閉経や加齢は骨密度だけでなく骨質の劣化を来たし、骨脆弱化を加速します。

 

ですから、<思春期を過ぎてしまったら骨量を増やす>ために、コントロールできるのは、閉経、加齢、運動不足の中では、運動不足の解消をはかることが最も重要です。

 

運動習慣の乏しい後期高齢者の方が、水氣道を始めて半年後にすでに骨量が増え始めるということは珍しいことではありません。とくに、関節リウマチや線維筋痛症など慢性的な痛みのために運動が制限されていた方が、治療により痛みが軽くなると水中での運動を始めることができるので効果は絶大です。

 

次に「加齢」ですが、年齢は増える一方で減らすことはできませんが、生物学的な年齢は減らすことは可能です。たとえば、身体年齢、肺年齢、運動年齢、性別・年齢相当の有酸素運動能力(持久力)などがあります。水氣道では、これらの生物学的年齢の若返りを図ることができますが、それに伴って骨年齢の若返りがもたらされることが少なくありません。

 

最後に、「閉経」。加齢と同様に、女性にとって閉経も自然な経過で到来します。しかし、女性ホルモンが極端に低下して、病的な水準にまで落ち込んでいる女性では、早期に骨量の低下がはじまります。その場合は、禁忌がなければ女性ホルモンの補充療法等が検討されます。女性ホルモンには骨量を増やす働きがあります。

 

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです。

 

心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。※「質問」をクリックするとが表示されます。

と書かれています。

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。そこで、「質問」「答え」の後に、

<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

Q

心療内科で心の病気を診ていただけるのはどのような場合でしょうか。

 

また、心療内科でしていただける心理療法には、どのようなものがありますか?

 

 

A

心身症とは、病気の発症や経過にストレス等の心理社会的な因子が密接に関係し、器質的な障害(例:潰瘍のような、組織の病変)や機能的障害(例:血圧コントロールのような、身体機能の調節の障害)が認められる身体の病気を指しています

(日本心身医学会教育研修委員会、1991)。

 

つまり、ストレスや人間関係といった心理社会的な要因が身体の病気の変化に大きな影響を及ぼしており、その治療にあたっても心理社会的要因を考慮しなければならない病気です。

 

ですから、心療内科は「心の病気」を診るというよりも、「心が影響している身体の病気」、つまり、心身症を専門的に見る医療機関だと言えるでしょう。

 

一方、うつ病などの精神疾患の患者さんもさまざまな身体の症状を訴えますが、精神疾患に伴う身体の症状は心身症とは考えません。

 

「心の病気」と呼ばれる状態が、精神疾患を指しているとすると、それらの治療は精神科が専門に行うことになります。

 

ただし、「精神科」と「心療内科」の両方を同時に看板に掲げている場合には、精神疾患だけではなく、心身症の治療も行っているところがあると思われます。

 

身体の病気に影響しているストレスや人間関係等の心理社会的要因を明らかにして、それらに働きかけていこうとする治療法は「心身医学療法」と呼ばれていますが、自律訓練法、行動療法・認知行動療法、交流分析という3つの治療法は、心身症治療の基本的な専門的治療法と呼ばれています。

 

また、心理社会的要因の改善を図るためには、治療者と患者さんの良好な治療関係が前提となりますが、心療内科の専門家(医師、心理士他)は、患者さんの訴えをじっくりと聞くことのできる態度や環境への配慮といったカウンセリングの基本を身につけています。

 

この他、森田療法、バイオフィードバック療法、絶食療法といったより専門的な心身医学療法もあります。どのような場合に適用されるかは、心療内科でご確認ください。

 

(坂野雄二)

 

<参考文献>

日本心身医学会教育研修委員会(編)「心身医学の新しい診療指針」1991

 

 

<高円寺南診療所の見解>

この質問と全く同じ質問を受けることは、実際にはほとんどありません。

 

しかし、類似した内容の質問は数多く受けます。むしろこうした質問をためらい疑問を募らせながら心療内科を受診している方が多いのではないかと思います。

 

回答者の坂野 雄二(さかの ゆうじ、1951年 - )先生は、教育学博士(筑波大学)であり、認知行動療法を専門とする臨床心理士です。

 

すでに退官されたようですが、北海道医療大学教授を勤めておられました。そうした心のケアの専門家の立場からの回答には私自身も大いに興味があり、参考になります。

 

坂野先生の説明の通り、心療内科は「心の病気」を診るというよりも、「心が影響している身体の病気」、つまり、心身症を専門的に見る医療機関です。

 

また、坂野先生の説明には一工夫がなされています。

 

<「精神科」と「心療内科」の両方を同時に看板に掲げている場合には、精神疾患だけではなく、心身症の治療も行っているところがあると思われます。>

逆に言えば「精神科」と「心療内科」の両方を同時に看板に掲げている場合には、もっぱら精神疾患しか診ず、心身症の治療を行っていないにもかかわらず「心療内科」の看板を掲げているところがある、ということ暗示しています。

 

実際には、「心療内科」を同時に標榜していない生粋の「精神科」はとても少ないのが現状です。

 

心身症に対して「心身医学療法」を駆使して診療に当たるのが心療内科専門医です。

 

そして心身医学療法の専門家とは、心療内科専門医や心身医学療法に習熟した臨床心理士等を指し、たしかに<患者さんの訴えをじっくりと聞くこと>のできる態度や環境への配慮といったカウンセリングの基本を身につけています。

 

しかし、心療内科専門医はカウンセラーではないので、患者さんの訴えを<じっくりと聞くこと>とは、時間的な長さの問題ではなく、質的な深さを意味するものとご理解いただいた方が現実的でしょう。

 

時間をかけた本格的なカウンセリングは、専門の臨床心理士等が担当するのが妥当だと思います。逆に、

 

 

臨床心理士とは、たとえ心身医学療法の専門科であって、心療内科専門医をリーダーとする心療内科チームに属している場合であっても、心療内科の専門家を称するべきではありません。

 

なぜならば、心療内科も医学の中核である内科の一部門だからです。また心療内科専門医が不在で心理士のみのチームであればなおのことです。この点に関しては、残念ながら坂野先生のご説明不足のように思われます。

 

心身医学療法には、心身症の治療のために確立した多くの手法がありますが、さらなる工夫と研究開発が望まれます。

 

そのため高円寺南診療所もオリジナルの心身医学療法を開発し、実践を重ね、実績を挙げているのが、水氣道と聖楽療法です。

 

この二つは、単なる心身医学療法を超えて『全人療法』に向かって発展を続けている『全人的療法』です。これらの全人的療法は狭い意味での心身症のみならず、ストレスの影響を強く受ける多くの一般的な病気である生活習慣病や心のメンテナンスにも威力を発揮し、難病視されている線維筋痛症などにも顕著な効果をみせています。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

食物アレルギー④

 

Q

食物アレルギーは治ることがあるのでしょうか?

 

A 

乳幼児期に発症した食物アレルギーは年齢とともにその症状は軽快することが多いのですが、いつ治るかは個人差がありますし、原因食品によっても異なります。

 

一方、年齢が大きくなってから発症した場合やソバ、ピーナッツ、エビ、カニに対してアレルギー症状をおこした場合は、軽快することは少なく、長期間にわたって原因食品を除去します。

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

このようなご質問に対して、私は食物アレルギー自体は、ほとんど治っていきますが、「アレルギー」体質はなかなか克服できないことを、「アレルギーマーチ」という概念を使って説明しています。

 

さて今から50年前には日本では「アレルギー」は、ほとんどありませんでした。しかし、現在では国民の3人に1人、あるいは2人に1人が何らかのアレルギーを持っているとさえいわれるようになってきています。

 

アレルギーはすでに国民病なので、アレルギーの専門医が、総合アレルギー専門医として、地域の第一線で役割を果たさなければならない時代になりました。わが国のみならず欧米などの先進国でも「アレルギー」は非常に大きな問題となっており、工業化・文明化と「アレルギー」は密接に関係があるようです。

 

アレルギーは年齢により症状が異なるかたちで現れることが多く、そのような現象は「アレルギーマーチ」と いわれています。

 

食物アレルギーは、アレルギーマーチのうち最初に認められ、アトピー性皮膚炎を伴った形で発症してくるケースがほとんどです。わが国では食物アレルギーは以前からありましたが、最近15年ぐらいの間に急増しています。

 

食物アレルギーは1才未満の乳児で最も多く発症しますが、厚生労働省の調査によると小児から成人まで幅広く認められています。最近では様々な食品にアレルギーが認められようになってきたのも特徴で、以前ではみられなかった 果物・野菜・芋類などによる食物アレルギーの報告もされています。

 

私は、総合アレルギー専門医として、アレルギー体質の改善のためにも水氣道を推奨しています。また、聖楽院で実践している聖楽療法も、喘息やアトピー性皮膚炎の患者さんや、食物アレルギー歴のある胃腸虚弱者の方にも効果が得られていることを確認しています。

 

 

Q 

両親あるいは兄弟のアレルギーの病気があります。赤ちゃんの離乳食はどのように進めればよいでしょうか?

 

A 

赤ちゃんにもアレルギー疾患が出やすい体質がうけつがれているかもしれませんが、離乳食を開始する時期は、普通の赤ちゃんと同じで構いません。

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

離乳食を開始する時期や食物の内容については、標準的な時期、内容で始めましょう。基本的には予防的な食物の除去は必要ありません。

 

最近の研究ではむしろ発症予防のために、早期から原因食物を食べさせていったほうが良いとする成果も出ています。それでも、ご家族に強いアレルギー病歴があるなど、特に心配で気がかりな場合は、小児科のアレルギー専門医に相談することをお勧めします。

ここで掲載する内容は、公益財団法人 骨粗鬆症財団のホームページから引用したものです。骨粗鬆症についてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。

 

最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。

 

多くは腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかります。

 

しかし、骨粗鬆症になってから治すのはたいへんです。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。

 

骨粗鬆症を予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながります。

 

そのために、高円寺南診療所では女性では、45歳以上、男性でも50歳以上の皆様に骨量計測を推奨し、骨年齢を算出し、骨粗鬆症の早期発見、早期対応に力を注いでいます。

 

それでは、骨粗鬆症についてもっと詳しく勉強していきましょう。

 

それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

Q

思春期や成人期の若い人でも骨粗鬆症にかかるのでしょうか

 

A

小児から思春期にかけて骨密度は急激に増加します。

 

5歳時を100%とすると、18歳時には195%と、約2倍に増加します。したがって、この時期に十分骨密度を増加させないと、その人の最大骨量(ピ-ク骨量)は低いものになります。

 

一方、20~40歳になっても、適度の運動、十分なカルシウムの摂取などで骨密度の維持や増加が期待できますが、

 

増加率は2~3%程度です。このため、20歳以降は骨密度の維持や、減少を抑えることが主眼となります。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

< 20~40歳になっても、適度の運動、十分なカルシウムの摂取などで骨密度の維持や増加が期待できますが、増加率は2~3%程度です。>

 

というのが医学界の常識です。当然のことですが、何も対策を立てなければ骨年齢は毎年低下していきます。

 

しかし、水氣道の継続活動会員は、この常識を覆すケースが少なくありません。半年に1回ごとの骨量計測で、連続して骨量が増加している70代以上の女性の例もあります。

 

当然のことですが、骨年齢は低下していきます。つまり、骨の若返りが、骨粗鬆症の予防や治療効果の目安になるのです。

 

 

さて、高円寺南診療所は、内科が主体で、小児科での受診は限られているため、Qのような質問は、骨粗鬆症の親御さんをもつ患者さんや、骨粗鬆症の患者さんで娘さんをお持ちの方からも尋ねられることがあります。

 

それは、患者さんが骨粗鬆症の遺伝性や体質について心配されることが多いからです。

そして、私が、骨粗鬆症の予防の重要性を強調し水氣道を始めることを勧めるからでもあることでしょう。

 

たしかに骨量が減りやすい体質はあるので家族歴は大切です。

 

たとえば、やせ形の女性で、閉経の時期が早い方は骨粗鬆症になり易いです。婦人病になり易い家系で、卵巣などの手術で人工的に閉経になっても同じです。

 

これは女性は男性に比べて生まれつき骨が細いうえに、閉経によって骨をつくるもとになる女性ホルモンの分泌が減ることがあげられます。

 

しかし、年を重ねることにより、どんな人でも骨の量は減ってきます。

 

これらの中には避けられないものもありますが、同様の体質でも、生活のしかたが関係していますので、みんなが同じように減っていくのではありません。

 

できるだけ危険因子を減らしていくように心がけるだけでなく、年だからと諦めずに、水氣道で積極的に骨の若返りをはかりましょう。

 

 

骨粗鬆症の危険因子をまとめみます。

(1)遺伝に関係するもの

閉経の時期、痩せ型、家族歴

 

(2)生活のしかたに関係するもの

偏食、運動不足、アルコール・ コーヒーの多飲、喫煙、日光照射不足

 

(3)病気に関係するもの

胃切除、糖尿病、甲状腺機能亢進症、高カルシウム尿症、

ステロイド剤(グルココルチコイド剤)投与、原発性副甲状腺機能亢進症、腎不全

 

 

骨粗鬆症で大切なのは、やはり、なるべく若いうちから日常生活の中で骨量を増やす努力をすることです。

 

何年もかかって減ってきた骨ですから、いっぺんに増やすことは困難です。

 

文字通りこつこつとした努力の積み重ねとなります。

 

予防の三原則として「食事(カルシウムの摂取)」「運動」「日光浴」は、予防の段階でも治療の段階でも重要です。

 

初期の骨量減少でしたら、この3つのことを心がけることで骨量が増えてきます。

 

このなかで単に「運動」といわれていますが、常識的には骨密度の増加率は2~3%程度に過ぎません。ですから、水氣道は、常識外れで、型破りな「運動」だということができます。

 

骨粗鬆症の病気が進むと薬物療法を始めますが、その場合でも上記の三原則をないがしろにしていたのでは薬の効果があがりません。

 

どんな薬を選んで、いつから薬物療法を始めるかは、患者さんの年齢や症状の進み具合により医師が判断します。

 

腰背痛があるときは、飲み薬や注射によって痛みを軽くしますが、週2回以上参加している水氣道の会員は、腰背痛があっても徐々に軽快していきます。

 

注射を必要であった方も不要になり、飲み薬も減らしやすくなっています。