6月17日(水)

 

No2はこちら


Kneipp-Kur
クナイプ治療


Die Kneippkur ist eine medizinische Maßnahme, die in der Regel über eine Zeitdauer von drei bis vier Wochen an einem anerkannten Kneippkurort durchgeführt wird. Sie beinhaltet die Elemente der nach Sebastian Kneipp benannten Kneipp-Medizin, vertreten durch den Kneippärztebund, und wird zur Vorbeugung oder Behandlung bestehender Erkrankungen eingesetzt. Indikationen sind Herz-Kreislauf-Erkrankungen, orthopädische Erkrankungen, Abwehrschwäche und vegetative Störungen.

クナイプ療法とは、通常3~4週間かけてクナイプ・スパで行われる医療処置のことです。クナイップ医師会に代表されるセバスチャン・クナイプにちなんで名付けられたクナイプ医学の要素が含まれており、既存の病気の予防や治療に用いられます。適応症は、心血管疾患、整形外科疾患、免疫不全、植物性疾患などです。

 

Einige elementare Bestandteile einer Kneippkur können auch außerhalb eines Kuraufenthalts selbständig durchgeführt werden, wie zum Beispiel das Barfußlaufen im seichten Wasser (Wassertreten), auf taufrischen Wiesen (Tautreten) oder im Schnee (Schneegehen).

クナイプ療法のいくつかの基本的な構成要素は、浅い水の中を裸足で歩いたり(水踏み歩き)、露のついた草原を歩いたり(露草歩き)、雪の中を歩いたり(雪歩き)といったように、保養逗留地の外でも単独で行うことができます。

 

Siehe auch

さらに見る

 

Liste öffentlicher Kneipp-Anlagen in Deutschland

ドイツの「クナイプ」公共施設一覧

 

 

Literatur

文献

 

Robert Bachmann, German Schleinkofer: Natürlich gesund mit Kneipp. 5., überarb. Auflage. Verlag Trias, 2013, ISBN 978-3-8304-6571-3.

ロバート・バッハマン(ドイツ・シュラインコファー):クナイプで自然と健康に。第5版、改訂版。出版社 トリアス、2013年、

ISBN 978-3-8304-6571-3。

 

• Sebastian Kneipp: Meine Wasser-Kur, durch mehr als 35 Jahre erprobt und geschrieben zur Heilung der Krankheiten und Erhaltung der Gesundheit. Kempten/Bayern 1886.

• - セバスチャン・クナイプ:私の水の治療法、病気を治して健康を維持するために35年以上の検証による記述。ケンプテン/ババリア1886。

 

• Sebastian Kneipp: Wasserkur und Pflanzenatlas. Kösel, Kempten 1894 und 1892. (Reprint: Holzminden 2004, ISBN 3-8262-1111-1)
• - セバスチャン・クナイプ:水の治療と植物のアトラス。ケーゼル、ケンプテン 1894年、1892年 (復刻:ホルツミンデン 2004年、ISBN 3-8262-1111-1

 

• Albert Schalle: Die Kneippkur: die Kur der Erfolge. 11. Aufl. München 1948.

• - アルベルト・シャール:クナイプの治療法:成功の治療法 第11版 ミュンヘン1948年

 

• Bernhard Uehleke, Hans-Dieter Hentschel: Gesund leben mit Kneipp. Verlag Ehrenwirth, München 1999, ISBN 3-431-03525-6.

- ベルンハルト・ウエレケ、ハンス=ディーター・ヘンツェル:クナイプとの健康的な生活。出版社 Ehrenwirth, Munich 1999, ISBN 3-431-03525-6.

 

• Mathäus Fehrenbach: Kneipp von A bis Z. Ludwig Auer Verlag, Donauwörth 2006.

- マテウス・フェーレンバッハ:クナイプのAからZまで。ルートヴィヒ・アウアー出版社、ドナウヴェルト2006年。

 

Weblinks
ウェッブリンク

 

Deutscher Kneippbund
ドイツクナイプ連盟

 

• S. Kneipp: Meine Wasserkur. 49. Auflage. 1894. (Volltext)
S・クナイプ:私の水療法。49版。1894(全文)

6月17日(水)

わかりやすい臨床栄養学(第6版)190頁参照

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わが国における大腸がんの予測罹患数(2018年「がんの統計’18」)は15万2,100人(男:8万7,200人、女:6万4,900人で、ともに第2位)で、全癌腫の中で第1位です。予測死亡数は5万3,500人で肺癌に次ぐ第2位です。

欧米では大腸がんは消化器癌の中で最も多い癌腫ですが、わが国でも食生活の欧米化などに伴い、罹患率・死亡率はともに増加傾向にあります。わが国では、「大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版」が刊行されています。

 

大腸がん全体の5年生存率(大腸癌研究会全国登録「2000~2004年症例」)は72.1%でした。部位別、ステージ別でみると以下のような結果でした。

 

<結腸がん>  <直腸がん>
ステージⅠ:92.3%  90.6%
ステージⅡ:85.4%  83.1%
ステージⅢa:80.4%  73.0%
ステージⅢb:63.8%  53.5%
ステージⅣ:19.9%  14.8%

 

再発率が高いことも特徴であり、術後3年以内に85%以上、術後5年以内に95%以上が出現しました。

 

再発の傾向として、肝転移に比較して肺再発の出現時期は遅く、腹膜転移再発は結腸がんに多く、局所再発と肺再発は直腸がんに多いという結果でした。

 

予防策は

がんの1次予防とは、がんにならないよう日常生活に注意すること、2次予防とは定期的に検診を受けて、早期発見・早期治療して完治させることを言います。

1次予防の柱は食生活の改善と禁煙です。動物性脂肪を減らし食物繊維の多い野菜などをたっぷり摂ることです。赤肉(牛、豚、羊など)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取、飲酒、喫煙により大腸がんの発生する危険性が高まります。

 

ヨーグルトなどの乳酸菌は胆汁酸を酸化させる腸内細菌を減らすし、カリウムはニ次胆汁酸と結合して排出させる作用があり、ともに大腸がん予防効果が期待されます。

また、肥満の男性に大腸がんが多いことから、運動による体重コントロールも重要です。体脂肪の過多、腹部の肥満、高身長といった身体的特徴をもつ人で、大腸がんを発生する危険性が高いといわれています。

 

大腸がんはゆっくり進行するので、早期発見できれば100%完治させることが可能です。発症には遺伝的要因もかかわるため、家族の病歴との関わりもあるとされています。

祖父母・両親・兄弟にがん患者いる人や、特に家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の家系では、近親者に大腸がんの発生が多くみられます。40代以上の人は必ず検診を受けましょう。

 

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。大腸がんを予防するには、食物繊維を含む食品の摂取が効果的であることがわかっています。

結腸がんの予防には、運動も効果的です。大腸がんの発生は、生活習慣と関わりがあるとされています。

 

大腸がん予防のキーワードは、「禁煙・食事・運動・検診」です。

 

6月17日(水)
水氣道

前回はこちら


水氣道の定例稽古会場の再開および再建計画

 

「水氣道とは何ですか?」と質問されて、回答に困った経験はありませんか?
実は、創始者である私自身、創始期から現在に至る20年間にたびたび質問を受けて歯切れの良い(相手がイメージしやすい)言葉で説明できた試しはありません。「一緒に始めてみればわかります。」というのが最も正直な答えなのだと思いますが、そうした言葉がけだけで参加してくださった方は皆無です。
説明というものは本質をいっぺんに伝えたいという思いが強すぎると、かえって相手には通じにくいものです。


「水氣道とは何ですか?」と尋ねられたときに、質問者自身がどのようなコミュニケーションのチャンネルを持っているのか、事前に知ることが出来ない限り、この困難は永久に続くことになってしまうでしょう。そこで、せっかく質問をしてくださった方に対して、たった一言ですべてを説明することを放棄してしまうのも一つの方法であることを私は学びました。それは、相手方にインタビューアーになっていただき、次々と質問をぶつけてきてもらえるようにすることです。そのためには、相手の興味が次第に広がっていくような回答の仕方を工夫してみることです。その際、インタビューを受ける側として、困り果ててしまっては話が続きません、インタビューを受けることが、いくつもの質問を受けること自体が楽しみになるくらいにしたいものです。

 

質問者を名インタビューアーに仕立て、インタビューを受ける私たちが人気のエキスパートの一人に生まれ変わったつもりで楽しいやり取りを続けていくことができれば、私たちは素晴らしい仲間を一人ずつ増やしていくことができ、素晴らしい財産を共有しつつ、拡大再生産を続けていくことも容易になることでしょう。
そのための第一歩は、イメージしやすく、同時に広がりのあるキーワードを用いることです。

 

そこで、再び、ここで「水氣道とは何ですか?」と質問されたとしましょう。皆様は、まず「水氣道はアクアエクササイズです。」とだけ答えてみたらいかがでしょう。すると相手は「アクアエクササイズって何ですか?」とか、「水氣道は、どんなアクアエクササイズ何ですか?」とか、更に質問してくださることでしょう。最初のような質問をされる方には、少し丁寧にアクアエクササイズの説明をしてみましょう。後者のように質問される方はすでにその人なりのアクアエクササイズのイメージをお持ちの方なので、一般的なアクアエクササイズとの共通点をいくつか例を挙げて簡潔に説明した上で、水氣道に特有な要素を説明できれば、聴き手としては積極的な興味を持っていただける可能性があります。

 

まず、アクアエクササイズの説明はルーツからはじめてみましょう。
アクアエクササイズのルーツは古代ローマ時代からヨーロッパで行われてきたリウマチ患者などへの水中理学運動療法(ハイドロセラピー)です。

 

しかし、現代的なアクアは1960年代からアメリカでスタートしたものが世界的なトレンドになっています。水氣道は、ヨーロッパの中でも19世紀に発祥したドイツのクナイプ水治療法の発想と、米国のアクアリハビリテーションの両者のコンセプトを採り入れながらも、独自の形(かた)を発展させて組織だった集団でダイナミックに展開するアクアエクササイズです。

 

今後の水氣道はアクア・ソシオダイナミックス研究所(仮称)を設立し、世界に通じるアクア指導者団体の拠点となり、各種公認資格取得を目的とした各水準の認定養成コース(修錬生育成課程、支援員養成課程および幹部指導員課程)を実施する準備を始めています。

 

 

6月16日(火)

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。


5月1日、3日取材横浜放送局 寺島光海

 

神奈川県に住む30代の会社員の女性は新型コロナウイルスに感染しましたが軽症のため自宅療養となりました。健康観察期間は終了したものの陰性を確認する検査はなし。「私は本当に外に出ていいのか…」 不安は現実となりました。

 


症例10(その2)

第2節:とにかく体が痛い!

4月6日、会社に出勤する前にいつものように体温を測ると、平熱より少し高い36度8分(註:毎日、玉弊風散を服用して予防している方の微熱発生は少なかったです。もし、第1陣の玉弊風散を内服していても微熱や熱感が生じたら、第2陣の金羚感冒散か藿香正気散かのいずれか、場合によっては両方を追加で内服していただければよろしいです)。しかし症状は1日で一気に悪化した

 


お昼ごろに、のどに少しひっかかるような違和感(註:第2陣の金羚感冒散の出番です)が出始めて、のど飴なめて様子をみていたんですけど、昼すぎからほてってきた感じ(註:第3陣の地竜の出番です)がするなと思っていたんです。

帰りの電車あたりから息が少し苦しい、荒くなって(註:肺炎のはじまりです)、駅に着いた時点でふらふらでおかしい(註:呼吸不全が進行して意識障害をもたらしかねない状態です)なと。

それで家に着いて熱を測って、38度8分まで上がってて。そのときは寒いんです、とにかく。寒くて寒くて(註:この段階に至ったとしても、第3陣の柴葛解肌湯の服用は助けになります)。なのに体は熱い。

なんか変な感じ。あと、節々の痛みがすごくありまして、インフルエンザよりもっとひどい感じ。


夜中も眠れなくって、目の奥が熱い。体の骨の間が全部痛い。節々、折れたんじゃないかなって明け方は思いました。本当にそれぐらい痛くて、歩くのも痛くって、起き上がっても痛くって、どんな体勢でも痛くって、体がとにかく痛かったです。


それで次の日に朝、体温測ったら39度まで上がってて、これはまずいと思って、かかりつけ医に電話したら診てもらえるとのことだったので予約して受診したんですけど、「(発熱して)2日目なので様子みてください」と言われた。薬をもらったんですけど、薬を飲んだら、次の日、平熱に戻ってしまったんですね。なので、その日1日は様子をみていて、次の日も平熱には下がっていたんですけど保健所にとりあえず電話しよう、熱あったことを報告しようと思って一報入れたんですけど、やはり「様子をみてください」と言われました。


それで10日の日に、夕方ですね、柔軟剤の匂いとかがしなくなっている(註:Covid19に比較的典型的な嗅覚障害です)なと感じ始めた。香水をつけてもにおいが全くしなかったので、保健所にすぐ連絡しました。

そしたら「かかりつけ医に電話して判断をこちらに連絡してくれ」と言われたので、かかりつけ医に行ったらすぐに保健所に連絡してくれて、保健所からもすぐに連絡がきて、「PCR検査を受けられる病院に行ってくれ」と言われた(註:保健所の対応も一様ではありませんでした。この女性が棲んでいる神奈川県の保健所の対応は、中野区・練馬区・都下管轄の保健所等よりずっとましな対応をしてくれたようです。)んです。

「公共交通機関を使わず行ってくれ」と言われました。

 

<明日へ続く>

6月16日(火)


«Внутрисосудистое свертывание крови при COVID-19 определяет весь ход болезни»

 

"COVID-19での血管内凝固が疾患の全経過を決定する"

 


5 Июня 2020

2020年6月5日

 

Беседа с академиком А.Д. Макацария, крупнейшим специалистом в области клинической гемостазиологии

 

臨床止血学の最高峰の専門家であるアカデミアA.D.マカッツァリア氏にインタビュー

 

 

Сегодня известно, что при COVID-19, в первую очередь, страдает свертывающая система крови. Вот почему у всех умерших от осложнений новой коронавирусной инфекции находят большое количество тромбов. Как это объяснить? Почему это заметили не сразу? Каким образом и почему это происходит? Можно ли предотвратить развитие такого осложнения? Об этом – наш разговор с А.Д. Макацария, академиком РАН, одним из крупнейших в мире специалистов по изучению нарушений свертываемости крови, создателем Школы клинической гемостазиологии, заведующим кафедрой Сеченовского университета. Александр Давидович и его ученики активно сотрудничают с университетом Сорбонны, Венским, Римским, Миланским и Тель-Авивским университетами, Технион в Хайфе. Под его руководителем защищено 150 кандидатских и докторских диссертаций. Автор более 1200 научных трудов, в том числе 40 монографий.

 

今日では、COVID-19ではまず血液凝固で苦しむことが知られている。だから、新しいコロナウイルス感染症の合併症による死亡者はすべて血栓が多いことが判明している。どのように説明するのか?なぜすぐに気づかなかったのか?どのようにして、なぜそうなっているのか?このような合併症を防ぐことは可能なのか?これについて - A.D. マカッツァリア、ロシア科学アカデミーの学者、血液凝固障害の研究における世界最高の専門家の一人と私たちの会話、臨床止血学の創始者でSechenov 大学(註1)の学部長アレクサンダー・ダヴィドヴィッチとその学生は、ソルボンヌ大学、ウィーン、ローマ、ミラノ、テルアビブ大学、ハイファのテクニオン大学と積極的に協力している。彼の指導の下、150本の博士論文・博士論文が査読批評に耐えてきた。40冊のモノグラフを含む1200冊以上の科学作品の著者である。

 

(註1)

Sechenov 大学 モスクワ国立第一医科大学(I.M. Sechenov First Moscow State Medical University (Sechenov University))のこと。1758年設立の同大は,工学・技術・IT系分野との連携・融合を含めた学際的・先端的医学研究を推進しており,ロシア国内トップレベルの医科大学として知られている。

新潟大学医学部において,四半世紀にわたる日露医学交流の実績を有しており,特に近年は文部科学省「大学の世界展開力強化事業」等の支援を受け,連携事業を強化している。このたびの両大学の協定締結により、学生の相互交流や研究交流の発展が期待されている。

 

 

– Александр Давидович, в последнее время во всем мире появляется всё больше сообщений о том, что при COVID-19 страдает свертывающая система крови. Так ли это, и если да, то чем вы объясняете этот феномен?

 

- アレクサンダー・ダヴィドヴィッチ:最近は世界中でCOVID-19が血液凝固系に苦しんでいるという報告が増えています。これは本当なのか、もし本当ならば、この現象をどのように説明するのですか?

 

 

– Безусловно, это так. Более того, хочу сказать, что практически нет такой инфекции (вирусной или, тем более, бактериальной), которая бы не влияла на свертывание крови. Доказательство тому – учение о сепсисе и септическом шоке как универсальной модели ДВС-синдрома – синдрома диссеминированного внутрисосудистого свертывания крови. Степень тяжести тромботических нарушений зависит от особенностей возбудителя и организма-хозяина (иммунная система, система гемостаза, наличие сопутствующих заболеваний и т.д.).

 

- 間違いなくその通りです。 また、血液凝固に影響を与えない感染症(ウイルス性、あるいはむしろ細菌性)は実質的には存在しないと言いたいところです。その証拠に、DIC症候群(播種性血管内血液凝固症候群)(註2)の普遍的なモデルとしての敗血症(註3)・敗血症性ショック(註4)理論があります。血栓性疾患の重症度は、病原体と宿主生物の特性(免疫系、止血系、併存疾患の有無など)に依存します。

(註2)

DIC症候群(播種性血管内血液凝固症候群)/ここで播種(はしゅ)とは、元来は畑に種をまくことを意味する。この場合、種に相当するのが血栓です。DICは、血管内に無数の血栓がばらまかれた、凝固の反応が非常に高ぶった状態の病気を指す。「汎発性(はんぱつせい)血管内凝固症候群」と呼ばれることもある。
DICは元々、がん、白血病、感染症(この3種類の疾患がDICの約3/4を占める)などの病気(基礎疾患)にかかっている患者に生じる。このような基礎疾患が昂じてくると、がん細胞や白血病細胞の表面に凝固反応を開始させる組織因子が現れて、通常の止血時と同様の現象が起きて、全身に血栓が生じる。感染症の場合では、感染が全身の血管や組織に広がった時、「敗血症」と呼ばれるが、細菌感染症によってこのような状態に至った場合は、細菌の出すエンドトキシン(発熱物質)などが白血球の一種、単球やマクロファージの表面に組織因子を生じさせて凝固反応が始まり、血管内皮細胞の抗血栓性も低下し血栓が生じる。DICでは、このように基礎疾患が悪化して、全身の血管に小さな血液のかたまり(微小血栓)が無数に生じる病態である。細い血管が詰まるため、血流が妨げられて、酸素や栄養などが組織に届かなくなり、腎臓や肺などの臓器障害を起こし、生命に重大な危険をもたらす。

DICの病態は、さらに血栓が全身に継続して起こり、凝固反応を抑えようとして凝固制御因子のアンチトロンビンがトロンビンに結合し、中和する。また、できた血栓を溶かそうとしてプラスミンが活発に働くようになる。これらの反応が同時に、そして無秩序に全身の血管や組織で進行する。

この結果として、(1)血栓の元になる血小板や凝固因子が体内で大量に消費されるため、それらが量的に著しく減少して、非常に出血しやすくなる。(2)アンチトロンビンも大量に使われるので欠乏してしまう。その結果は凝固反応がさらに進み、血栓ができるのを止める機能が低下し、血栓を作り出す傾向が高まる。(3)プラスミンは血栓を溶かそうとして活発に働き始めるため、本来出血を止めるためにできた血栓をも溶かしてしまい、出血傾向が強まる。

DICは、このように血液を固める凝固作用と固まった血液を溶かす作用(線溶)が同時に無秩序に起こるため、極めて治療の難しい病態の一つである。臨床的には、多くの臓器に微小血栓が無数に生じることやショックのため、組織に血液が行き渡らず虚血性の壊死を起こし、多臓器の循環障害による機能不全を生じる。これに出血症状が加わり、その結果として、致死的影響を体に生じることになる。治療としては、血栓傾向を改善すること、出血傾向を改善することの2種類の相反した対応が必要となる。DICは予後の悪い死亡率の高い疾患であるため、早期診断、早期治療が救命のために重要です。

以上のことは、COVID-19対策において極めて重要なカギになることが次第に明かになってきています。

 

(註3)

敗血症 / 1990年代初めまでは,敗血症は血液中に細菌または細菌毒素が存在する重症感染症ととらえられていた。しかし、今日では,血液中に病原体が同定されるか否にかかわらず,感染症によって引き起こされた全身性炎症反応症候群<systemic inflammatory response syndrome:SIRS>の状態を敗血症と定義する。

以前は細菌感染が主でしたが、COVID-19のようなウイルス感染においいぇも敗血症や全身性炎症反応症候群(SIRS)の発生を未然に食い止めることができるか否かが、生命予後の鍵を握っていることが明らかになってきました。

 

(註4)

敗血症性ショック/ 敗血症のうちでも臓器障害,臓器灌流低下, 低血圧を伴う場合を重症敗血症という。この状態からさらに適切な輸液を行っても低血圧が持続する場合を敗血症性ショックとする概念が広く受け入れられている.SIRSは各種炎症性サイトカインによる高サイトカイン血症をその本態とする敗血症性ショックは血液分配性ショックに分類され,体血管抵抗の低下を主体とし,心機能低下,血管 透過性亢進などが関与している。             

この敗血症性ショックをもたらすほどの高サイトカイン血症を、最近ではサイトカイン・ストーム(サイトカインの嵐)と呼ばれるようになってきました。

 

6月16日(火)


日本では1年間に約13万5,000人(2016年、厚労省癌登録)が胃がんと診断されています。そのうち約70%が65歳以上での発症です。若年者では減少傾向にあります。

わが国で作成された癌診療ガイドラインとしては「胃癌治療ガイドライン(第5版)」(2018、日本胃癌学会)、内視鏡的治療については日本消化器内視鏡学会、日本医癌学会が合同で作成した「胃癌に対するESD/EMRガイドライン」があります。欧米では胃癌の罹患数が少ないため、日本のガイドラインが世界をリードしています。

 

早期胃がんの多くは検診によって診断され、その場合には無症状である場合が多いです。進行すると腹痛、出血、狭窄に伴う経口摂取量の低下、体重減少などの症状が現れてきます。

 

胃癌全体の治療成績は改善していますが、これは検診などによる早期診断の普及による成果の影響が大きいからであると考えられています。そして、延命治療が主体となるステージⅣ胃癌の予後は依然として不良です。

 

ステージⅠでは積極的に内視鏡的治療が導入されQOLが維持されています。しかし、残胃の新たな発癌には注意が必要であり、1)内視鏡検査によるフォローアップやヘリコバクター・ピロリの除菌など、さまざまな配慮が必要です。

 

ステージⅡ/Ⅲに対する手術療法においては切除・郭清範囲の拡大ではなく、合併症発生率の低減が求められており、補助化学療法の進歩に伴い治療成績の改善が期待されます。

 

ステージⅣでも、今後は薬物治療の発展に伴い明らかに切除不能な症例において転移巣における完全寛解などを契機として、外科的切除に踏み切るケースが増える可能性があります。また、外科医的に切除可能な遠隔転移については積極的に切除する可能性も考慮されるようになってきました。

 

 

予防と検診

1)予防
日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。

 

胃がんのリスクを下げる一次予防としては、「塩分を抑えた食生活」と「ピロリ菌※1の除菌」の二つがあります。塩分の摂り過ぎ、特に塩辛い食品の食べ過ぎは胃がんリスクを向上させます。とりわけ和食の味噌汁や漬物、塩辛などは塩分濃度が高いので注意が必要です。一日当たりの塩分は6g以下を目安に摂りすぎに注意しましょう。

また、胃がんの発症に深く関わるといわれているのが「ピロリ菌」です。検査でピロリ菌感染が判明した場合は、胃がんの罹患リスクが高まる可能性があるため、除去治療を行うことで発症リスクをある程度下げる可能性があります。ただし、ピロリ菌を除菌したからといって、リスクがゼロになるわけではありません。除去後3年ほど経過すると、がんの発見率が再び増えるというデータもありますので、ピロリ菌を除去した後も定期的に胃がん検診を受診することが大切です。

 

特に下記のような方はピロリ菌感染が疑われる可能性がありますので、一度ピロリ菌検査を受けることをおすすめします。

 

胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍と診断された方

胃MALT(マルト)リンパ腫※2と診断された方

特発性血小板減少性紫斑病※3と診断された方

早期胃がんに対し内視鏡での治療を行った方

内視鏡検査で慢性萎縮性胃炎と診断された方

 

※1正式名はヘリコバクター・ピロリ。胃や小腸に炎症および潰瘍を起こす細菌で、胃がんや悪性リンパ腫の一部の発生に関連していると考えられています。

※2 悪性リンパ腫の一つで、血液細胞の中で細菌やウイルスに対処する白血球の一種・Bリンパ球の一部が増殖したものです。

※3 血小板減少の原因となる疾患・薬物などが認められずに血小板の減少をきたす出血性の疾患で、指定難病となっています。

 

 

2)検診
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。

胃がんの検診方法として「効果がある」とされているのは「問診」に加え、「胃部X線検査」または「胃内視鏡検査」のいずれかです。男女ともに、50歳以上の方が対象となっています。検診の間隔は2年に1度※ですが、気になる症状があるときには、検診を待たずに医療機関を受診しましょう。

 

※当分の間、胃部X線検査は40歳以上、1年に1度の実施も可です
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わったあとの診療としての検査は、ここでいう検診とは異なります。

 

 

1.胃がんについて
胃がんは、50歳代以降に罹患する人が多く、わが国のがんによる死亡原因の多くを占めるがんです。早期の胃がんは自覚症状がないことが多いですが、胃の痛み、不快感、食欲不振、食事がつかえるなどの症状がある場合には検診を受診せず、すぐに医療機関を受診する必要があります。

 

2.科学的根拠に基づく胃がん検診

1)胃がん検診の方法
胃がんの死亡率を減少させることが科学的に認められ、胃がん検診として推奨できる検診方法は「胃部X線検査」または「胃内視鏡検査」です。「ペプシノゲン検査」や「ヘリコバクターピロリ抗体検査」あるいはその併用検査等は、死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現時点では不十分であるため、対策型検診(住民検診)として実施することは勧められていません。

 

(1)胃部X線検査
発泡剤(胃をふくらませる薬)とバリウム(造影剤)を飲み、胃の中の粘膜を観察する検査です。
バリウムを飲むことにより、便秘やバリウムが腸内で詰まって腸閉塞を起こすことがまれにあります。
過去にこの検査で問題があった方や、水分制限を受けている方は、検査を受ける前に医師にご相談ください。
検査当日は朝食が食べられません。
放射線被ばくによる健康被害はほとんどありません。

 

(2)胃内視鏡検査

 


2)胃がん検診の対象年齢
胃がん検診が推奨される年齢は50歳以上の健常者です。

 

 

3)胃がん検診の検診間隔

2年に1度定期的に受診することが推奨されています。

 

 

4)胃がん検診の精密検査
検診で「異常あり」という結果を受け取った場合は、必ず精密検査を受けてください。胃がん検診における一般的な精密検査は胃内視鏡検査です。

 

わかりやすい臨床栄養学(第6版)189頁参照

dav

 

 

 

参加者:

指導監督者1名、支援員2名、修練生2名、訓練生3名

 

2班に分けて行いました。

A班

スタートが今日、初めてのメンバーのグループ。

B班

鷺ノ宮のプールでスタートしたメンバーのグループ
林支援員が担当


A班
前半は飯嶋指導員が指導

下半身のストレッチと下半身の強化(航法)の組み合わせ

5分間休憩
プールサイドを3周位歩きました。


後半は中川支援員が担当

動(航法)と静(太極航法)を組み合わせて行いました。

 

B班

頭部、四肢の可動域を確認しながら歩行、

サイドウォーク(肩幅、倍幅、最大幅)

スカーリング(前、後ろ、上下、横、手首、肘など)

最後の10分活水航法で終了。

 

 

終了後の感想。

A班

2ヶ月ぶりのため水の抵抗を感じました。

メンバーの一人は「身体がサビていたなぁ」の声

プールサイドは 滑らないように歩くのでかなり緊張しました。



太極航法。
説明が上手く伝えることが出来ませんでした。

 

 

B班

 

 

プール室内の殆どの扉が開いていたので涼しく感じた。以前とは全く違った雰囲気であった。稽古に入れば以前とは変わらなくできた。

 

今週は自主練を含み5回プールに行きくたびれたこともあったが無事にできたことに感謝したい。

 

 

B班

日本水気道協会

中野支部長 林 亮博

 



注意
施設の利用について
施設側の指示に従いながら、行動をすることになりました。

皆さん、よろしくお願い致します。

6月15日(月)

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ5症例の研究

 

症例が増え10症例目に入ります。

 

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。


5月1日、3日取材横浜放送局 寺島光海

神奈川県に住む30代の会社員の女性は新型コロナウイルスに感染しましたが軽症のため自宅療養となりました。健康観察期間は終了したものの陰性を確認する検査はなし。「私は本当に外に出ていいのか…」 不安は現実となりました。

 

第1節:感染対策はとっていたが

女性が発症したのは4月上旬。感染対策は意識していたが、それがかえって感染の原因になったかもしれないと今は考えている

 

発症したときはまだ緊急事態宣言が出されていない時期で、連日、安倍さんや小池都知事が「3密(註:3密というより、<集・近・閉(しゅうきんぺい)と覚えておくと便利です)を避けてください」と言ったり、週末の(外出)自粛を呼びかけていたので緊張感はかなり高まっていたと思います。

手洗い、うがい、帰ってきたらすぐにお風呂に入ってウイルスを落とそうとしたり、空間除菌だったりとかで対策は十分にとっていた(註:標準防衛策に心掛けていても感染してしまうため、皆様には玉弊風散その他のホームレメディを推奨しているのです)とっていてもと思っています。


その中で、除菌用品とかがかなり品薄だったので買わないとという思いがあって、発症する10日ぐらい前から除菌用品を探し回っていました。

除菌用品を売っているところは人が集まっていたので、ドラッグストアとか。それを何軒も探し回っていたので、混雑しているところに自分から行っていたのではないかなと思っています。買い物する中で感染したかもしれないです。

 

コメント:

この女性と同様に勤勉に感染予防・蔓延防止に努めようとするあまり、かえってリスクを高めかねなかった方が、杉並国際クリニックの患者の皆様の中にも少なくありませんでした。

とくに日頃から勤勉で誠実で正義感が強く、しかも潔癖症、完全主義で不安感が強いタイプの方が少なくない方の行動を心配していました。

こうしたタイプの皆さまは、自分が納得できて安心できるまで、積極的に防衛資源を探し求めるのですが、いくら努力しても安心が得られず、きりが無くなってしまうくらいです。実際に、そのような兆しや報告を受けることによって、私はある決定をしました。

その一つは、より正しく助けになる情報をHPだけでなく、紙媒体でも一人一人に説明を加えて手渡し、もしくは郵送しました。これは、不正確で無責任な情報に振り回されないようにするためです。

二つ目は、情報だけを提供するのではなく、具体的なマテリアル(現物)を窓口に準備することにしました。対コロナ秘策第一弾(五点セットの常備生薬)は、私が推薦した材料を探し求めるために、あちこち探し回らなくても済むようにするためです。

三つめは、個人単位でなく家庭単位で共通の認識と行動をとることの重要性を理解していただくことです。感染症の場合、同居の家族は、必然的に互いにとっての濃厚接触者となるため、家族を守ることは自分を守るうえで不可欠の前提になるからです。対コロナ秘策第一弾(五点セットの常備生薬)に加えて対コロナ秘策第二弾(生薬マスク)をご家族ぐるみでご活用いただいていることの意義は少なくないことでしょう。

私自身は、4月、5月の2か月間は、直接の患者さんの相談だけでなく、ご家族のための相談にも応じてきました。そのような活動は薬剤師である事務長が、随分以前から行っていて、しばしば私もアドバイスしてきました。

名前と家族構成は知っているが私の患者さんではない方のアドバイスを彼女は今でも続けており、多くの方々に感謝され尊敬を受けていることを最近になって再認識しました。彼女のそうした地味なボランティア活動の継続によって得られた経験や知恵の蓄積が、今回の当クリニックで展開しているコロナ対策において大きく貢献していることは皆様方のご評価がよく証明してくれているものと思われます。

 

<明日へ続く>

6月15日(月)



ポストコロナの時代は、政治・外交・経済・文化のみならず医学の領域においても、日台の関係が親密になるものと思われます。そこに米国が積極的な支援を強化することになるでしょう。私自身も、今回のコロナパンデミックを経験しなければ、最も身近な親日的隣国の存在を忘れたままでいた可能性があります。台湾からは学ぶべきことがたくさんあることに気が付きました。

 


台湾の伝統医療ガイドライン


台湾は,3月10日に台湾国家中医薬研究所(註1)・蘇奕彰(註2)所長の作成したガイドラインがあります。
蘇奕彰教授の自然志向の医療をめざす姿勢には共感できることをたくさん見出すことができました。


(註1)

国家中医薬研究所(通称、中医所)とは、中華民国(台湾)国立の伝統中国医学の研究所。1963年に設立され、現在は衛生福利部配下にある。台湾最大の中医学の研究所である。


(註2)

蘇奕彰 プロフィールを原文から紹介します。
蘇奕彰教授,本校1990年中醫學學系畢業,1995年取得中醫研究所醫學博士學位。研究生期間,中醫學師承馬光亞與黃維三等國際知名教授,西醫受教於藍忠亮教授。其後,專注在癌症、免疫風濕、肝膽及心腦血管疾病,及急重症之中西醫結合診療研究,臨床成效頗受推崇。
蘇奕彰教授は1990年に中医学科を卒業し、1995年に中医学研究所で医学博士号を取得しました。 中医学の大学院では、馬観雅、黄偉山など国際的に有名な教授に、西洋医学では蘭中良教授に師事しました。 臨床研究では、がん、免疫リウマチ、肝胆、循環器、脳血管疾患、急性・重症疾患における西洋医学の統合などを中心に研究し、かなりの尊敬を受けています。

 

 

    教育工作上,自1995年起陸續擔任過中醫基礎學科主任、中醫學系系主任、中醫藥展示館館長、中醫研究所所長、中醫系所主任,並參與國家中醫醫政、考試與立法事務。推動中醫現代教育課程與教學改革,召開多次全國中醫學系教育會議,整合以臨床問題為中心之教、考制度,建立整合中西醫學之中醫研究生教育與師資養成制度,推動中醫現代教考訓用一體,並成立台灣中醫醫學教育學會。


1995年より中医学基礎医学科長、中医学科長、中医学展示館館長などを歴任。 漢方医学の医学、政治、試験、立法にも携わっています。 中医学の現代教育カリキュラムと教育改革を推進し、中医学科の全国教育会議を数回開催し、臨床問題に基づいた教育を統合しています。また、中医学と西洋医学の大学院教育と教員養成の統合システムを確立し、現代中医学の教育、試験、訓練、応用の統合を推進し、中医学専門職の発展を推進しています。台湾中医薬教育協会を設立しました。

 

 

    學術上,蘇教授致力於中西醫整合之臨床研究與跨領域學術合作工作,如2004-2009年與台大兒科呂鴻基榮譽教授共同召開19場中西醫對話論壇,以及2005-2011年國際簡帛醫藥文獻研討會、2013年醫家與史家對話國際會議、2014年傳統與現代醫學整合國際論壇。最受國際推崇的學術成果是採用心理測量方法研究中醫體質學,並完成全球第一份中醫科學量表(Body Constitution Questionaire,BCQ),僅量表發展部分就有5篇國際論文發表。蘇教授以豐富之中醫體質量表發展經驗應用於中醫學系之招生選才工作,深獲教育部大學招生評鑑委員之讚賞。


学術的には、2004年から2009年まで台湾中医学教育協会(TCME)との共同研究など、中医学と西洋医学の融合に関する臨床研究や学際的な学術協力に力を入れています。 NTU小児科名誉教授の呂洪基博士は、19の中医学・西洋医学対話フォーラムと2005-2011年の国際単純化フォーラムを共同開催しました。医学文献会議、治療家と歴史家の対話国際会議2013、伝統医学と現代医学の融合国際フォーラム2014 最も国際的に評価されている学術的業績は、中医学生理学の研究に心理測定法を用い、世界初の科学的なTCM尺度(TCM Scale)を完成させたことです。 最も国際的に評価されている学術的業績は、中医学生理学の研究に心理測定法を用い、世界初の中医学科学的尺度(TCMスケール)を完成させたことです。 体質問診票(Body Constitution Questionaire:BCQ)(註3)、尺度開発だけでもこれまでに5本の国際論文を発表しています。蘇教授の中医学生理学的尺度の開発における豊富な経験は、中医学科の学生募集に生かされています。 台湾中医学会、中医振興財団の会員でもあります。

 

(註3)

体質問診票(Body Constitution Questionaire:BCQ)
この問診票は、杉並国際クリニックにて個別の漢方処方の相談に応じる際に参考になりそうですので、機会を改めてご紹介したいと思います。

 

 


2012;19(5):234-41.
doi: 10.1159/000343580. Epub 2012 Oct 18.
BCQ-: A Body Constitution Questionnaire to Assess Yin-Xu. Part I: Establishment of a Provisional Version Through a Delphi Process
Jun-Dai Lin  1 , Li-Li Chen, Jui-Shan Lin, Chih-Hung Chang, Yi-Chia Huang, Yi-Chang Su

   蘇教授目前擔任國家中醫藥研究所合聘研究員、台灣中醫醫學教育學會理事長、中華醫藥促進基金會董事長、台灣中醫醫史文獻學會理事長。近期投身健康農業,以中醫崇尚自然之觀念推展健康農漁產業,藉由以自然方法強化植株體質,停止農藥與化學肥料之使用,讓人體減少有害物質之進入,達到以預防替代治療的健康目標。
現在、国立中医学研究所共同研究員、台湾中医薬教育学会理事長、中医薬振興基金会

 

理事長、中医協理事長。 中国医師会会長、台湾中医学史文学協会理事。 最近では、自然を標榜する漢方をコンセプトに、植物の体格を自然な方法で強化する健康農法を提唱し、健康農水産業の振興に力を注いでいます。 農薬や化学肥料の使用をやめて、人体に入る有害物質を減らし、治療ではなく予防をするという健康目標達成を目指しています。

 

 

中国,韓国のガイドラインに比し,台湾のガイドラインは予防の処方に関して具体的な薬方が記載されています。それによると,健康な人で地域感染がなければ,食事・運動など健康を維持する努力を続けるように書かれています。しかし,慢性疾患患者や免疫機能低下がある人,職場で不特定多数の人と接触しなければならない人は,疾病や個人の体質に合わせ体質調節の処方を作成する必要がある,とした上で,具体的な処方を挙げています。

 

桂枝加黄蓍湯から芍薬を去り,荊芥・桑葉が加わった処方で,ウイルス防禦のため体表を固める処方として例に出されています。桂枝加黄蓍湯(桂皮、生姜、芍薬、甘草、大棗+黄耆)の構成生薬のうちシナモン・スティック、しょうが、ナツメの4味は食材としても入手可能です。甘草は味噌や醤油その他甘味料にも使われています。

 

この中で『黄耆』という生薬は、強壮・疲労回復促進作用、利尿作用、インターフェロン誘起作用などを発揮してくれるので、高温多湿でマスク着用を強いられる今年の梅雨期には大きな助けになることでしょう。動いてもいないのに肌のしまりが悪くジメジメした汗が自然に出てくる状態(免疫抵抗力を著しく損ないます)を改善するので、大分過ごしやすくなります。当クリニック推奨のコロナ対策第一弾のベースとして『玉弊風散』(「黄耆」、白朮、防風)を毎日服用している方が、当クリニックでは大多数なので、概ね旬の季節に間に合ってよかったと思っています。

 

また、台湾のガイドラインでは、桂枝加黄蓍湯にない、「荊芥」・『桑葉』を加えていますが、これにも根拠があります。「荊芥」には鎮痛・解熱(体温降下)作用、抗炎症作用、また『桑葉』には鎮咳・去痰作用、鎮痛作用、抗炎症・抗アレルギー作用、インターフェロン誘起作用、血圧・血糖降下作用が証明されています。『桑葉』に関してはコロナ対策第二弾の<生薬マスク>の構成生薬の一つとして活用しています。

 

医療スタッフなどハイリスクの人向けの予防処方として,先ほどの処方に「薄荷」,「板藍根」,「魚醒草」を加えたものが推奨されています。台湾においては板藍根がよく用いられます。C型肝炎治療薬や風邪薬として幅広く用いられている生薬です。魚醒草はドクダミの全草で,わが国では「十薬」の名で知られています。これは清熱解毒の薬であり,台湾では多用されています。薄荷も発汗を促す作用があります。
台湾のガイドラインの特徴はエキス剤と生薬末の組み合わせも示されていることであります。

台湾は生薬末を組み合わせて処方を作製します。これは煎じ薬ほど服用に手間がかからず,急な治療対応が可能です。

そして,❶ ウイルス潜伏期,❷ 発病期(❷A:ウイルス増殖期,❷B:サイトカインストーム期),❸ 回復期に分けてそれぞれの処方およびエキス剤を示しています。西洋医学の医師でも理解できるように伝統医療の表現を少なめにして,予防の段階から記述してあるのも特徴です。

6月15日(月)


食道がんは高齢者に比較的多い疾患で、罹患年齢のピークは70歳代です。がん腫別では日本人男性で7番目位に多い疾患で、近年、罹患率は上昇傾向です。2017年の食道がんによる死亡は1万1,568人で、悪性新生物による死亡の3.1%を占め、人口10万対の年齢調整死亡率は男性7.4、女性1.2でした。

 

食道がんの発生部位は、日本食道学会の全国調査によると、胸部中部食道が約半数を占め、胸部下部食道がそれに次ぐ頻度です。組織型は、扁平上皮癌が約90%と圧倒的に多く、他に腺癌が4%程度とされます。わが国での日常診療では日本食道学会のガイドラインが用いられています。

 

がんを予防する方法を検証するために、がん予防の臨床試験が実施されています。
特定の種類のがんのリスクを低下させる方法を検証するために、がん予防の臨床試験が実施されています。

がん予防の臨床試験の中には、今はがんではないけれども、がんのリスクが高い健康な人を対象に実施されるものがあります。

その他の予防試験として、すでにがんになったことがあり、同じ種類のがん(異時性多発食道がん)の再発を予防しようとする人、あるいは新たな種類のがんが発生する可能性を減らそうとする人を対象に実施されるものがあります。

さらに、がんのリスク因子があるかどうか分からない健康な志願者を対象に実施される試験もあります。


一部のがん予防の臨床試験の目的は、何らかの行動によってがんを予防できるかどうかを検証することです。こうした行動には、果物や野菜が豊富な食事、運動、禁煙の他、特定の医薬品、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品の摂取などがあります。

 

厚生労働省研究班の調査(註1)から、野菜と果物を多く食べる人ほど、食道がん(日本人に多い扁平上皮がん)のリスクが低いことが分かってきました。 あまり野菜や果物を食べない人(1日170グラム以下)と比較すると、よく食べる人(1日540グラム以上)は、食道がんのリスクが約半分(52%)と大幅に低下します。また、野菜や果物を100グラム多く取るごとに、リスクが10%ずつ低下するという結果も出ています。


(註1)

厚生労働省研究班「多目的コホート研究」。日本各地の45歳~74歳の男性約39000人を対象とした追跡調査。2008年8月発表。野菜・果物の中でも、十字花科の野菜(キャベツ、大根、小松菜など)は、リスクを低減する効果が高いことも分かりました。これらの野菜に含まれるイソチオシアネートという成分に、制がん作用があるためと考えられています(註2)。ただし野菜だけ、あるいは果物だけを食べるよりも、野菜と果物の両方を多く食べるほうが、より効果的なので、バランスよく取るようにしましょう。


(註2)

イソチオシアネートは、大根の辛み成分としてもよく知られています。大根の繊維が壊れることで発生するので、細く切ったり、大根おろしにしたりすると増えます。ただし揮発性物質なので、時間がたつほど揮発および酸化によって成分は減少します。大根の千切りサラダや大根おろしは、食べる直前に調理しましょう。
 野菜・果物による効果は、飲酒や喫煙習慣のある人にもみられます。同調査によると、毎日2合以上のアルコールを飲み、タバコも吸う人は、リスクが7.67倍になります。しかし、野菜や果物を多く取ることで、リスクは2.86倍にまで低下します。ですから飲酒・喫煙習慣のある人でも、野菜・果物を多く取ることが大切だといえます。ただし、飲酒と喫煙習慣は、それ自体が食道がんのリスクを高める要因であることを忘れてはなりません。
参照:わかりやすい臨床栄養学(第6版)<三共出版>189頁

 

 

食道がんの危険因子は、食道扁平上皮癌に関しては飲酒と喫煙です。しかも、この両方に暴露されることで発癌リスクが上昇するとされています。したがって、飲酒歴もしくは喫煙歴を有する患者では、消化管スクリーニング時に食道の観察をより慎重に行うべきであるとする意見があります。

 


リスクを高める飲酒と喫煙


食道がんの最大のリスクは、過度の飲酒と喫煙です。
アルコールを飲むと、私たちの体内ではアセトアルデヒドという発がん性物質ができます。特にアルコールを飲んだときに顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドの影響を受けやすい体質なので、注意が必要です。


また、タバコを吸うと活性酸素が多く発生し、細胞のがん化を促進します。
では、飲酒や喫煙によって、食道がんのリスクがどれくらい高くなるのかについてはさまざまな調査があります。一例を挙げると「飲酒も喫煙もしない人のリスクを1」とした場合、「毎日1.5合以上のお酒を飲む人のリスクは約12倍」、「毎日20本以上タバコを吸う人のリスクは約5倍」になります。さらにその両方の習慣がある人のリスクは、実に33倍にも及びます(愛知県がんセンターのHP掲載データなど)。逆を考えれば、それだけに食道がんの予防には、まずアルコールの飲みすぎと喫煙の習慣をやめることが非常に大切だといえます。また、熱すぎる飲み物も、食道に炎症を起こす原因となり、食道がんのリスクの一因となります。日本茶にせよコーヒーや紅茶にせよ、熱々のままよりは、少し冷ましてから、慌てずに落ち着いて少しずつゆっくり飲むようにしましょう。

 

治療後の残存食道における異時性多発食道がんばかりでなく異時性重複がんにも細心の注意を払う必要があるとされます。食道がんのリスク因子である喫煙、飲酒は、同時に頭頚部がんのリスク因子です。したがって、術後フォローの上部消化管内視鏡検査においては、咽頭観察を十分に行い早期発見に努めることがとても重要です。

 

診断・治療成績の向上に伴い治療後の予後にも変化が見られます。内視鏡治療後の5年生存率は86.2%ですが、手術切除例全体では55.9%とされています。食道がんでは病期によって予後については著しく異なります。


cStage0…88.6%
cStageⅠ…76.8%
cStageⅡ…62.7%
cStageⅢ…41.2%
cStageⅣa…22.6%
cStageⅣb…20.0%

 

 

以下のリスク因子は、食道扁平上皮がんのリスクを増加させます
喫煙と飲酒: 数件の研究によると、多量の喫煙や飲酒を行っている人では食道扁平上皮がんのリスクが高くなります。

 

以下の防御因子は、食道扁平上皮がんのリスクを低下させる可能性があります
禁煙と禁酒:数件の研究によると、タバコを吸ったりアルコールを飲んだりしない人では食道扁平上皮がんのリスクが低くなります。


非ステロイド性抗炎症薬による化学予防 :とは、がんのリスクを低下させるために、薬物やビタミンなどの物質を使用することです。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)には、アスピリンなどの腫れや痛みを抑える薬剤があります。数件の研究によると、NSAIDを用いることで、 食道扁平上皮がんのリスクが低下する可能性があります。しかし、NSAIDの使用は、心臓発作、心不全、脳卒中、胃や腸における出血、腎臓障害などのリスクを高めます。


以下のリスク因子は、食道腺がんのリスクを増加させます
胃逆流:道腺がんは、胃食道逆流症(GERD)に強く関係していて、特にGERDが長期にわたって持続し、重い症状が毎日発生する場合に顕著です。GERDは、胃酸などの胃の内容物が食道下部に逆流してしまう病態です。

この刺激により食道内部が荒れ、徐々に食道下部の内側を覆う細胞に変化が生じる場合があります。細胞にこうした変化が起きた状態は、バレット食道と呼ばれます。後に、変化した細胞がさらに異常な細胞に置き換わり、食道腺がんに進行することがあります。GERDと肥満が重なると、食道腺がんのリスクがさらに高まる可能性があります。下部食道括約筋を弛緩させる薬剤の使用により、GERDが発生する可能性が高くなることがあります。下部食道括約筋が弛緩すると、胃酸が食道下部に逆流できるようになります。

手術などの治療法で胃内容物の逆流を防止することで、食道腺がんのリスクが低下するかどうかは不明です。手術や薬物治療によりバレット食道にならないようにできるか検証するために、臨床試験が実施されています。

 

食道のラジオ波焼灼術:道下部に異常な細胞が認められるバレット食道の患者さんは、ラジオ波焼灼術による治療を受けることがあります。

この手術では、ラジオ波を用いて、がんになる可能性がある異常な細胞を加熱し破壊します。ラジオ波焼灼術を使用するリスクには、食道の狭窄や、食道、胃、腸からの出血などがあります。1件の研究で、食道に異常な細胞が見られるバレット食道の患者さんを対象として、ラジオ波焼灼術を受けた患者さんとそうでない患者さんが比較されました。

ラジオ波焼灼術を受けた患者さんは、食道がんの診断を受けることがより少ないという結果が得られました。こうした病態の患者さんに対するラジオ波焼灼術が食道腺がんのリスクを低下させるかどうかを明らかにするには、さらなる研究が必要です。

 

<明日へ続く>