一開業医が頭痛専門医資格取得するまでのプロセス

 

 

高円寺南診療所は、三つの「み」(痛、痒、悩)の相談には経験豊富です。

 

痛みに関しては、リウマチ専門医でもあることから、関節リウマチ、骨粗しょう症、

 

変形性関節症、線維筋痛症に至るまで広範な領域について対応しています。

 

 

そうした痛みの患者さんの中には慢性的な頭痛に悩まされている方がいらっしゃいました。

 

ほとんどが脳神経外科などで行うCTスキャンやMRI、あるいは脳血管造影などの大掛かりな画像検査では異常が見つからない一次性頭痛です。

 

つまり、筋緊張性頭痛片頭痛などが多いのですが、頻度の多い日常的な慢性頭痛を問題視していないせいなのか、

 

市販の鎮痛剤でしのいでいるうちに薬物乱用頭痛に陥っている方が少なくありませんでした。

 

 

これらの頭痛に共通している原因はライフスタイルの乱れ、不良姿勢、心理社会的なストレッサー、慢性疲労などです。

 

こうしたタイプの患者さんを専門的にチーム医療で診療し、

 

実績を積み上げてきた高円寺南診療所が、慢性頭痛で悩む多くの皆様に対して適切なサポートをする場としての体制を築き上げることは

 

大いに意味のあることだという認識を持つに至った次第です。

 

 

そこで、専門的な頭痛外来を実施していくための準備を始めました。

 

さっそく日本頭痛学会へ入会しました。

 

すると、最近になって専門医制度が導入されるようになりました。

 

頭痛医療を専門とする優れた医師としての見識を深め、頭痛診療に関する客観的な質を表示することは、とても大切なことだと考えました。

 

それが頭痛専門医資格の取得です。

 

もちろん、この資格を持たずとも立派な診療を続けている医師は少なくありませんが、

 

日進月歩の頭痛医療をあらためてきちんと研鑽しておくことが望ましいのではないかと考えました。

 

 

 

<参考>一般社団法人日本頭痛学会専門医制度に関する規則

 

第 1 条【目的】 日本頭痛学会専門医制度(以下「専門医制度」という.)は,

 

頭痛医療を専門とする優れた医師を養成し,

 

頭痛医療の進歩発展とその水準の向上をはかり,

 

国民の健康, 福祉に貢献することを目的とする.

 

 

 

そこで、さっそく専門医資格を取得するための準備にとりかかったのですが、

 

これがなかなか容易ではないことを知りました。

 

専門医資格認定試験を受験するための資格がとても厳格だからです。

 

ただし、努力すれば決して不可能ではなく、それなりの道筋が与えられていることも知りました。

 

 

これまでに通過してきた道筋と、今後の進むべき道程を紹介させていただきます。

 

 

 

1.頭痛専門医受験資格取得までのプロセス

 

 

受験資格

 

1)日本頭痛学会正会員資格(取得済み)

 

2)基本領域における頭痛関連学会の専門医の資格(取得済み;内科学会認定医

 

3)頭痛関連学会の専門医認定研修期間中2年以上の頭痛診療の研修を受けている

 

4)<頭痛関連学会(基本診療領域などの学会専門医取得研修期間中に頭痛診療の研修を受けている場合は、2年相当の頭痛診療研修歴と認める>

 

(研修済み:国家公務員共済組合等連合会虎の門病院)

 

5)日本頭痛学会認定研修教育施設で3 年以上の研修歴(非該当)

 

⇒上記研修期間の合計が3 年に満たない場合は不足分を HMSJ と教育セミナーの受

 

講により教育施設等での研修歴に代替できる。 (準備中)

 

 

〇 HMSJ(Headach Master School Japan)と日本頭痛学術総会時の教育セミナー受講により

 

頭痛専門医の受験資格である教育認定病院での診療歴として下記のとおり認められます。

 

なおHMSJはプログラム全日程に出席するとともに、ポストテストに合格する必要があります。

 

〇認定教育施設による研修期間の合計が3年に満たない場合は不足分をHMSJと教育セミナーの受講により教育施設等での研修歴に代替できます。

 

ア) HMSJ受講+PostExam合格 1回 + 頭痛学会総会教育セミナー 1回 で研修歴1年と認める

 

イ) HMSJ受講+PostExam合格 2回 + 頭痛学会総会教育セミナー 1回以上 で研修歴2年と認める

 

ウ)HMSJ受講+PostExam合格 3回 (合格済)

 

かつ、頭痛学会総会教育セミナー 1回以上

 

 

第45回日本頭痛学会参加および教育セミナー受講予定(2017年11月10日・11日:大阪国際交流センター)で研修歴3年と認められます。

 

なお実際に頭痛診療を実践している旨を記載した頭痛学会代議員の推薦書を添付することが必要とされます。

 

 

幸いなことに、講習会受講後の3回に及ぶ筆記試験にはすべてストレートに合格できたので、

 

残りは、教育セミナーの受講を果たせば、ようやく頭痛専門医受験資格を得ることができるところまでこぎつけることができました。

 

残るのは次の2つのステップです。

 

 

2.日本頭痛学会専門医認定試験合格

 

第11回日本頭痛学会専門医試験2018年8月受験予定

 

 

3.頭痛専門医登録

 

高円寺南診療所はすでに頭痛外来で実績を挙げていることを自負していますが、

 

何とか最終ゴールまで到達して、診療の質を客観的にお示しすることができるよう努めて参りたいと思います。

 

HMSJ

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「委中(いちゅう)」です。

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場所は膝を曲げるとできる膝裏の横紋の中央です。

 

 

 

「腰背痛」「坐骨神経痛」「膝痛」「腓腹筋の痙攣」「急性胃腸炎」「腹痛」「排尿障害」等に効果があります。

 

 

ぎっくり腰によく使われます。

 

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

 

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

テーマ:医療のためのヒント

 

診察室だけでは治せない病気(その3)

 

< 各種の医学体操と水氣道® >

 

 

現代人の生活習慣病の原因の一つが「うつむき姿勢」です。

 

これは若い方にも激増していて、ご本人たちは全く気付いていないことが少なくありません。

 

実は高円寺南診療所の鍼灸師の坂本光昭氏も例外ではありません。

 

もっとも彼の場合は生活習慣病というよりは、職業病とみるべきでしょう。

 

鍼灸治療が「うつむき姿勢」によってもたらされる心身のアンバランスの調整に有効であることは、豊富な症例を通じて実証済みです。

 

しかし、受け身の治療ではなく、積極的なセルフ・ケアと併用することが望ましいと考えます。

 

 

水氣道®や、聖楽院で発声練習や歌唱トレーニングに参加を継続されている皆様は、

 

次第に首の筋肉の異常に気付くようになるようです。

 

この気づきが自然治癒力を促進することに役立ちます。

 

 

「うつむき姿勢」による首の筋肉の異常は、頸椎の中心にある副交感神経(主に、10番目の脳神経である迷走神経)の異常を招きます。

 

副交感神経は、内臓や血管、呼吸器などをコントロールする、もっとも重要な神経のひとつです。

 

そのため、「首こり」が心身の不調をもたらしてしまうのです。これを「首こり病」と名づけた医師がいます。

 

東京脳神経センターの松井孝嘉博士です。

 

学術的な場では、頸性神経筋症候群と表現されているようです。

 

松井博士は、「首こり病」がもたらす17疾患を紹介しています。

 

これらはすべて心身症(心療内科専門医が担当する領域)です。

 

実際に、高円寺南診療所で毎日診療している疾患群のオンパレードです。

 

 

首こりが原因で起こる17の疾患(松井孝嘉による)

 

緊張型頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ、パニック障害、ムチウチ、更年期障害、慢性疲労症候群、ドライアイ、多汗症、不眠症、機能性胃腸症、過敏性腸症候群、機能性食道嚥下障害、血圧不安定症、VDT症候群、ドライマウス

 

 

不定愁訴の根本的な治療は、まず「首こり」から

 

不定愁訴は、耳鼻科、眼科、消化器内科などさまざまな診療科目の症状が出るのが特徴。

 

各専門医の元を訪れても、病院の検査では、異常は見つかりません。

 

結局は痛み止めなど、“その場しのぎ”の治療をされているのが現状です。

 

全身の不調は薬では解決しません。

 

薬をやめればすぐに再発するどころか、症状は一向に改善されず、むしろ徐々に悪化していきます。

 

 

なぜならば、副交感神経の異常をもたらす「首こり」の治療が行われていないからです。

 

首こりが原因と診断されないまま的外れな治療を続けると、症状はさらに悪化し、最終的にはうつ状態になってしまいます。

 

これは、首こりが原因で起こるうつで、「精神うつ」(精神科領域)と区別するために、「頚筋性うつ」(心身症:心療内科領域)と呼ぶ専門家がいます。

 

しかし、今や「頚筋性うつ」は、うつ状態全体の90%を超えています。

 

ですから、精神科に行って抗うつ剤を処方してもらっても根本的な治療にはなりません。

 

心身ともにダメになる前に、まずは首こり病の可能性を疑って、高円寺南診療所のスタッフに相談してください。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「大敦(だいとん)」です。

 

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場所は、足の親指の爪の根元の外側で爪の角から2ミリのところにあります。

 

 

「膀胱炎」「前立腺炎」「睾丸炎」「機能性子宮出血」「月経不順」「便秘」等に効果があります。

 

 

このツボの刺激により大腸の動きが活発になるそうです。

 

 

<参考文献>

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その4)

 

朝起きが辛い方へ、1ヶ月でセルフ・リポーターA.Oさんからのメッセージをどうぞ!

 

 

現代人は多忙な毎日を過ごしています。そこで、自分自身の身体の大切さを忘れがちになったり、

 

健康の大切さはわかっていても行動が伴っていなかったり、というパターンに陥りがちです。

 

 

特に出産可能年齢の女性では、心身の不調が月経異常として現れることが多いことも特徴の一つだと思います。

 

心身不調の早期発見という観点からすれば、女性のデリケートな身体反応は、健康維持のためには必ずしもマイナスな点ばかりではないと考えています。

 

 

そうしたA.Oさんが取った最初の賢明な行動は、専門家の支援をとりつけたこと、つまり、受診したことです。

 

初診カードには、むくみ(ひざ下)と書かれていました。

 

喫煙者であり1日10本を5年間続けてきたが、直ちに禁煙しようと考えている、というところにクリックされていました。

 

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問診により、月経前症候群PMS:Pre⁻Menstrual Syndrome)があること、

 

体がだるくて起床困難であることがわかりました。

 

尿検査では浮腫(むくみ)の原因の一つである蛋白尿は認めず、わずかですが血尿を認めたため、鉄欠乏状態の疑いと見立てました。

 

基本的な信頼関係は直ちに構築できたため、ただちに血液検査を実施することができました。

 

 

血液検査の結果:

血中ヘモグロビン濃度13.5g/dl(≧12g/dlのため貧血ではありません)

 

血清鉄 94㎍/dl

 

総鉄結合能 428㎍/dl(>360㎍/dlのため鉄欠乏状態ではありません)

 

血清フェリチン6ng/ml(<12 ng/mlなので貯蔵鉄欠乏状態です)

 

 

区民検診など一般的な健康診断では、ヘモグロビン濃度検査は行いますが、

 

血清鉄、総鉄結合能、フェリチンなどの項目は測定しません。

 

つまり、貧血は検出できても、その前段階の未病である鉄欠乏状態や貯蔵鉄欠乏状態は見落とされている、ということになります。

 

早期発見・早期治療のためには未病段階での発見が大切ですが、一般検診には限界があることを知っておいてください。

 

 

原因:

#1月経前症候群(PMS)および月経困難症,

 

#2前潜在性鉄欠乏性貧血,

 

#3ニコチン依存症

 

 

治療:

#1健康意識の改善,

 

#2禁煙,

 

#3食事療法,

 

#4ミネラル・ビタミン・漢方薬

 

 

処方:

#1.カルシウム・ビタミンC・パントテン酸(シナール配合®【200mg】錠)

 

#2.ビタミンB1(ノイビタ®【25mg】錠)

#1.2は3食後に内服

 

#3.加味逍遥散エキス顆粒2.5g 朝食前

 

#4.当帰芍薬散エキス顆粒2.5g 昼食前・夕食前

 

 

経過:

#1.月経前症候群:月経血量の減少(過多月経の改善)、月経困難:月経痛の軽減

 

#2.前潜在性鉄欠乏性貧血:過多月経の改善により、貯蔵鉄の回復可能性が高い

 

#3.ニコチン依存症:禁煙に成功し、夫と共に禁煙を維持する段階

 

 

 

<まとめ>

 受診前の問診票への記入は、それ自体が行動療法です。

 

正しい健康意識を刺激することによって行動の変容を促すという意味では認知行動療法にもつながります。

 

初診時問診票への記入の段階で、喫煙の有害性を認識して、直ちに禁煙の決意をされる方がいらっしゃいます。

 

A.Oさんもその一人です。また、A.Oさんは

 

<薬ばかりに頼るのではなく、これを機に生活を見直し、これまで怠っていた身体のメンテナンスをしなくてはと思い>と書かれています。

 

きちんとした医学的に根拠のある養生を心掛けたうえで、必要なお薬を使う方は、お薬ばかりに頼っている方とは区別して、お薬を上手に活用している方であると思います。

 

それにしても、共に禁煙に踏み切ったというA.Oさんの御主人も素敵な方ですね。

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「湧泉(ゆうせん)」です。

 

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場所は足の指を足底の方に曲げへこんだ土踏まずのところです。

 

 

「下肢の冷え」「食欲不振」「便秘」「せき」「のぼせ」「浮腫」等に効果があります。お灸やマッサージをしてみてください。

 

 

<参考文献>

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

医療のためのヒント:診察室では治せない病気

 

(その2)< 従来の医学体操の限界にチャレンジする医学運動 >

 

 

従来の医学体操で治せる病気は、いわゆる運動器系疾患といって、

 

専ら整形外科的疾患に限って紹介されている傾向があるようです。

 

その可能性の実現のためには、まず従来の医学体操ではなく

 

医学運動への転換が不可欠であるということに気づきました。

 

 

そこで医学体操では十分に発揮できなかった、

 

新たな視点からのパラダイム・シフトが必要であると考えました。

 

 

新たな視点からのパラダイム・シフトのポイントは5つありま。

 

〇従来の医学体操を陸上から水中へ、

 

〇個人から団体へ、

 

〇身体的アプローチから全人的アプローチへ、

 

〇部分的アプローチから相対的アプローチへ、

 

〇治療的アプローチから健康増進・予防・治療・リハビリテーションまでを包括する統合的アプローチへ

 

 

以上の様な、画期的な新たな視点による理論に基づいて、

 

親試実験による試行錯誤を重ねて体系化することができたのが、水氣道®なのです。

 

 

水氣道への計画的参加により、効果を認めることができた諸疾患は、

 

肥満症およびメタボリック症候群(高血圧・脂質異常・糖尿)や

 

フレイル・ロコモティブ症候群などの他に、以下のような疾患を挙げることができます。

 

〇冷え性 〇婦人病(月経困難症、月経前緊張症、無月経、過多月経)

 

〇不妊症 〇無力症体質(胃下垂、遊走腎など)〇甲状腺疾患

 

〇アレルギー体質(気管支喘息、アレルギー性結膜炎・鼻炎、蕁麻疹)

 

〇線維筋痛症 〇関節リウマチ 〇脳卒中後遺症 〇パーキンソン病

 

〇不眠症 〇不安障害(社交不安障害、広場恐怖、パニック障害、強迫性障害)

 

〇気分障害(うつ病、躁うつ病、ニコチン依存症、アルコール依存症) 

 

 

いかがでしょうか、水氣道会員の方であれば、

 

複数の項目について心当たりや思い当りがあるのではないかと思います。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「風市(ふうし)」見ていきましょう。

 

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場所は太腿の外側で気をつけをした時の中指の先になります。

 

 

「下肢の麻痺」「膝関節炎」「脳血管障害後遺症」「頭痛」「めまい」「坐骨神経痛」「蕁麻疹」「耳鳴り」等に効果があります。

 

 

<参考文献>

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

医療のためのヒント:診察室では治せない病気

 

(その1)< 医学体操で治せる病気とその限界 >

 

 

人生いろいろ、病気もいろいろ、したがって、治療法もいろいろあるはずです。

 

 

診察室で治せる病気もいろいろありますが、

 

果たして多くの病気は診察室に居る間に治るのでしょうか。

 

確かに、診察室に居る間に、病気が治るヒントを得ていただいたり、

 

治るきっかけを工夫して差し上げたりすることはできます。

 

しかし、癒されていくプロセスは、ほとんどが診察室の外なのではないでしょうか。

 

 

 診察室外とは、日常の生活の場や職場であったり、あるいは脱日常といって、

 

保養地に出かけたり、温泉療養をしたりする場です。

 

それは自然に身を委ねることによって無理なく癒されていくプロセスであって、

 

こうした囚われのない心での癒しのプロセスが

 

自然治癒に繋がっていくのではないかと思うのです。

 

囚われのない心の状態は、心の健康にとって望ましいだけでなく、

 

体の健康にとっても望ましい作用をもたらします。

 

 

 しかしながら、病気による様々な苦痛に悩んでいる人々に、

 

囚われのない心の状態を説いても、聞き入れていただけることはほとんどありません。

 

むしろ、反感や怒り、場合によっては怒りを招いてしまい、

 

散々な結果をもたらしかねません。

 

 

 

 <どのような状態で毎日を過ごせば良いのか>という心の状態から体の状態へ向けてアプローチ

 

(心身医学的アプローチ)が有効でない場合に、

 

<どのような活動をして毎日を過ごせば良いか>という体の動き(運動生理)によって

 

心の動き(心理)を引き起こすアプローチ(身心医療的アプローチ)に切り替えてみると、

 

興味をもっていただけることがあります。

 

 

 今回のテーマである<医学体操>は、体操という体の動きによって、

 

病気の治療や予防をはかるための具体的なアプローチです。

 

 

 それでは、標準的な医学体操で改善が見込めるとされる代表的な病気を列記してみます。

 

〇肩こり、四十肩、五十肩 〇腰痛、腰背痛 

 

〇側弯症 〇股関節症 〇膝関節症

 

〇骨粗しょう症 〇痴呆予防

 

 

しかし、医学体操の効果は以上にとどまらないはずです。

 

来週は、そのことについてお話いたします。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「崑崙(こんろん)」です。

 

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場所は外踝とアキレス腱の中間です。

 

 

「かかとの痛み」「足首の捻挫」「肩背のこわばり」「坐骨神経痛」「腰痛」「頭痛」「めまい」等に効果があります。

 

 

お灸、マッサージが良いでしょう。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭