診察室から 8月8日<診察室では治せない病気①>

医療のためのヒント:診察室では治せない病気

 

(その1)< 医学体操で治せる病気とその限界 >

 

 

人生いろいろ、病気もいろいろ、したがって、治療法もいろいろあるはずです。

 

 

診察室で治せる病気もいろいろありますが、

 

果たして多くの病気は診察室に居る間に治るのでしょうか。

 

確かに、診察室に居る間に、病気が治るヒントを得ていただいたり、

 

治るきっかけを工夫して差し上げたりすることはできます。

 

しかし、癒されていくプロセスは、ほとんどが診察室の外なのではないでしょうか。

 

 

 診察室外とは、日常の生活の場や職場であったり、あるいは脱日常といって、

 

保養地に出かけたり、温泉療養をしたりする場です。

 

それは自然に身を委ねることによって無理なく癒されていくプロセスであって、

 

こうした囚われのない心での癒しのプロセスが

 

自然治癒に繋がっていくのではないかと思うのです。

 

囚われのない心の状態は、心の健康にとって望ましいだけでなく、

 

体の健康にとっても望ましい作用をもたらします。

 

 

 しかしながら、病気による様々な苦痛に悩んでいる人々に、

 

囚われのない心の状態を説いても、聞き入れていただけることはほとんどありません。

 

むしろ、反感や怒り、場合によっては怒りを招いてしまい、

 

散々な結果をもたらしかねません。

 

 

 

 <どのような状態で毎日を過ごせば良いのか>という心の状態から体の状態へ向けてアプローチ

 

(心身医学的アプローチ)が有効でない場合に、

 

<どのような活動をして毎日を過ごせば良いか>という体の動き(運動生理)によって

 

心の動き(心理)を引き起こすアプローチ(身心医療的アプローチ)に切り替えてみると、

 

興味をもっていただけることがあります。

 

 

 今回のテーマである<医学体操>は、体操という体の動きによって、

 

病気の治療や予防をはかるための具体的なアプローチです。

 

 

 それでは、標準的な医学体操で改善が見込めるとされる代表的な病気を列記してみます。

 

〇肩こり、四十肩、五十肩 〇腰痛、腰背痛 

 

〇側弯症 〇股関節症 〇膝関節症

 

〇骨粗しょう症 〇痴呆予防

 

 

しかし、医学体操の効果は以上にとどまらないはずです。

 

来週は、そのことについてお話いたします。