ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギーの病気についてQ&A 

 

アトピー性皮膚炎①

 

Q

スキンケアはどのように行えばいいのですか?

 

A

皮膚を清潔に保つために、毎日の入浴、シャワーに心がけましょう。 以下に要点を列記します。

 

•汗や汚れは速やかに洗いおとしましょう。でも、強くこすらないようにしましょう。

 

•洗浄力の強い石けん・シャンプーを使用するのは避けましょう。

 

•石けん・シャンプーはよく泡立て、素手でしわを伸ばして丁寧に洗いましょう。

 

•石けん・シャンプーが残らないように十分すすぎましょう。

 

•痒みを生じるほどの高い温度の湯は避けましょう。

 

•入浴中・後にほてりを感じさせる沐浴剤・入浴剤は避けましょう。

 

•できれば1日2~3回の入浴・ シャワーで表皮表面の細菌の繁殖を防ぎましょう。

 

•風呂から上がる前に水をかぶると、体表温度が下がり痒みも押さまることがあります。

 

•入浴後には、必要に応じて適切な外用剤を塗布しましょう。

 

•入浴・シャワー後は速やかに保湿剤を塗付しましょう。入浴後の乾燥防止に有用です。

 

•保湿剤は市販のものでも構いません。使用感のよい保湿剤を選択してください。

 

•軽い皮膚炎は保湿剤のみで改善することがあります。

 

爪を短く切り、なるべく掻かないようにしましょう。手袋をはめたり、患部を包帯で保護したりして、ひっかき傷を作らないようにしましょう。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

アトピーに悩む皆さん。水氣道をはじめましょう。

 

プールの水は塩素消毒されていますので、アトピー肌には刺激的であることもありますが、これまで悪化した例はありません。

 

塩素による殺菌効果もあり、伝染性膿痂疹(とびひ)なども少なくなります。

 

ただし、水氣道の稽古の後には念入りにシャワーを浴び、帰宅後には入浴してください。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者の遺伝、妊娠・出産について②

 

Q

現在、関節リウマチの治療を受けています。症状は強くありません。

 

子供が欲しいのですが、妊娠や出産で病状が悪くなることはありますか?

 

関節リウマチの患者さんが妊娠・出産をすることに大きな問題はありませんが、いくつかの注意点があります。主治医にかならず相談しましょう。

 

一般に関節リウマチの患者さんは、妊娠中に症状が良くなり、出産後に症状が悪くなります。

 

しかし、そのために関節リウマチの病気そのものが、妊娠・出産することに大きく問題になるわけではありません。

 

ただし、治療薬の中には、妊娠中や授乳中に飲んではいけない薬も少なくありません。

 

妊娠を希望する場合は、まずは必ず主治医に相談してください。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

これと同様な質問は、これまでも多数受けてきました。

 

系統的に説明することが必要な相談内容だと思います。

 

そこで川合先生の解説を捕捉してみます。

 

妊娠すると関節リウマチ患者のおおよそ4人のうち3人が改善し、とくに妊娠初期ほど改善を認めます。

 

しかし、残念ながら、多くの症例では出産後数か月以内に再び活動性が上昇し、治療の再開もしくは強化が必要になってきます。

 

そこで関節リウマチに限ったことではありませんが、薬剤が妊娠に与える影響を理解することが大切です。

 

薬物投与による胎児への影響は、妊娠週数で考えていくと良いでしょう。

 

 

○妊娠3週まで:

妊娠反応は通常、受精後約2週間で陽性となるため、生理予定日の頃に妊娠反応を行い、陽性であれば薬の服用を中止をする、という方法で、その薬剤への暴露は最小限に抑えることができます。

 

ですから、計画妊娠のためには、自分で妊娠反応をチェックする習慣が有用です。

 

 

○妊娠4~15週:

この期間は胎児の期間形成期に相当し、重要臓器は絶対過敏期といって、奇形に関しては最も敏感になる時期です。これが催奇形性の問題です。

 

妊娠8週以降は、薬剤に対する過敏性は低下しますが、外性器の分化や口蓋の閉鎖が起こる時期なので、催奇形性のため薬剤投与にはまだ注意が必要です。

 

 

○妊娠16週~分娩まで:

この時期になると、薬剤による奇形の心配はなくなります。

 

しかし、胎盤を介して胎児に移行した薬剤が胎児に有害な影響をあたえることがあります。これが胎児毒性の問題です。

 

ただし、催奇形性とは異なり、形の異常として捉えることができないので発見が難しいという問題があります。

 

 

以上をもとに、簡単なアドバイスを加えます。

 

1)関節リウマチの活動性が落ち着いている状態で妊娠を考えましょう。

 

2)代表的な抗リウマチ薬ではありますが、メトトレキサートを中止してから妊娠計画をはじめてください。

 

3)非ステロイド系鎮痛薬(NSAIDs)の使用は、不妊症例では極力は避けましょう。また、妊娠後期においてこれを使用することは禁忌です。

 

4)疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の中には授乳が可能な製剤もあります。

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

それは日本心療内科学会のHPです

 

心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。

 

ここでのQ&Aは、想定した事例です。

 

Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。

 

※「質問」をクリックするとが表示されます。

 

と書かれています。

 

 

高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。

 

そこで、「質問」「答え」の後に、<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。

 

 

「質問6」

48歳の男性です。

手のひらや足の裏が熱くなり、夜も眠れないときがありますが、人間ドックの結果では異常がないとのことです。

 

何が原因でしょうか? 

 

治療法や改善方法があったら教えてほしいと訴えています。

 

「答え」

男性更年期障害もしくはFSSと考えられます。

 

女性の更年期 (menopausal transition) は生殖期から非生殖期への移行時期であり、年齢では45歳~55歳ごろに該当します1。

 

この時期には発汗やほてり、性機能障害、抑うつ気分、睡眠障害などの身体的・心理的な症状が出現することが知られています。

 

女性ホルモンの補充療法はほてりを中心とした血管運動神経性の症状に有効であることが報告されています。

 

一方、男性ではテストステロンの分泌低下が起こり女性の更年期に該当する時期(andropause)があると言われていますが、性機能障害や認知機能低下などの症状は老化に伴うものと鑑別が難しく、現時点で男性更年期を独立した疾患概念とするのは未だ少数意見と考えられています2。

 

また、近年は機能性身体症候群 (functional somatic syndromes:FSS) と呼ばれる疾患概念が提唱されていて、FSSは“適切な診察や検査を行っても一般的な医学的疾患によって説明できない症状”と定義されています3。

 

他覚的な異常を伴わない機能性疾患では心理社会的因子の影響を受けることも多いため、身体疾患と精神疾患の境界が不明瞭ですが、FSSは心因よりも身体愁訴を基にした概念といえます。

 

FSSでは不安や抑うつとの関連が指摘されています。

 

FSSの症状によるQOLの低下や、長期にわたる症状の継続で医師-患者、家族-患者間の軋轢が生じることなどを通し、不安や抑うつを生じやすくなります。

 

一方で不安や抑うつの存在は、疼痛などの身体症状を増幅して感じさせます。

 

ご質問の方のように身体医学からのアプローチが難しいケースでも、心療内科では全身倦怠感などの身体症状、抑うつ・不安などの精神症状を手掛かりにして患者を評価していくことができます。

 

睡眠障害には睡眠導入薬、自律神経失調症状には抗不安薬、随伴する抑うつ症状には抗うつ薬の投与が行われますが、男性更年期症状=自律神経失調症(身体表現性障害)=不定愁訴症候群もしくはFSS=セルフコントロールが可能なストレス病ととらえ、あまり症状にこだわりすぎないようにすることが重要です。

 

(前川 道隆、芦原 睦)

 

<参考文献>

1.更年期障害.婦人科疾患の診断・治療・管理.日産婦誌 2009; 61: 283-242.

 

2.N Samaras, E Frangos, A Foster, PO Lang, D Samaras. Andropause: A review of the definition and treatment. European Geriatric Medicine 2012; 3:368-73.

 

3.神原 憲治、福永 幹彦.FSSの病態.日本臨床2009; 67(9): 1669-1675.

 

4.宮岡 等 編、「身体表現性障害」、こころの科学.日本評論社、2013年.

 

5.芦原 睦.心療内科がわかる本.PHP研究所、2010年.

 

 

<高円寺南診療所の見解> 

身体症状症、内臓型冷え性

 

「手のひらや足うらが火照って眠れない」のは内臓型冷え性を疑います。

 

この症例は、ひょっとすると名古屋在住のさる知的専門職に従事されている方かもしれません。

 

東京新聞のコラムで高円寺南診療所を受診され、通院の都合上、名古屋の中部労災病院の芦原睦先生に紹介させていただいたケースが想起されました。

 

その方は、精力的に仕事をこなす方でしたが、<冷え性>の存在を認めるには至らなかったことを思い出します。

 

身体を冷やすライフスタイルであるにもかかわらず、ほてりのためにますます冷やしたがるので対応に苦慮した記憶があります。

 

 

内臓型冷え性の症状の特徴:

 

1)手足の先が火照りやすいこと

 

2)おなかが冷えていることが多いが自覚がないこと

 

そのため3)冷え性であること自体に気が付かないこと。

 

お腹が本格的に冷えてくると、下痢や便秘になりやすいです。腸管は人体で最大の免疫機関でもあるので、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなります。

 

その他、疲れが抜けず、顔色も赤黒いことが多いですが、青白くはないので、周囲の人々も体調不良に気づきにくいことがあります。

 

睡眠の質が低下し、その不眠ストレスを飲食によって解決しようとする傾向があります。

 

習慣的飲酒者や過食発作を伴うこともあります。その結果、肥満を伴うか、外見では目立たなくても『隠れ肥満』といって内臓脂肪が蓄積していきます。

 

つまり、冷え性に気が付かない間は、痩せにくいのが問題です。

 

 

内臓型冷え性のセルフチェック法:

冷えの自覚症状がない方の自覚を促すことは簡単です。

 

まずはご自分の掌(てのひら)でおなかを触れてみましょう。

 

すると、お腹の肌が驚くほど冷たいことに気づくことがあります。

 

また、お臍(へそ)の周囲はそれほど冷えていなくても、両脇腹が極端に冷えていると、温度差に気づくことができます。

 

それでも冷えを感じない方は、御自分の掌が暖かく感じられるかを確認してみましょう。

 

掌に触れたお腹が、しっかり暖かく感じられるようでしたら、内臓型冷え性か、もしくはその予備軍である可能性があります。

 

 

内臓型冷え性の原因:

1)クーラーや冷たいものを摂ることにより、腸など内臓を冷やすこと。そのため夏に起こりやすいです。最近では、秋口になって気温低下に気づかずに発症する例も増えています。

 

2)持続的なストレスが原因となり、また、朝寝坊や二度寝の習慣があると、交感神経の働きが疲弊して次第に弱まってくるために、手足の血管を収縮力が弱く、むしろ拡張傾向にあるため血液が鬱滞(うったい)します。

 

3)朝食抜きの生活習慣があると内臓の副交感神経の働きも不調となるために血液を身体の中央(腹部)に集められなくなります。

 

その結果、血液がますます足にたまり、滞るため、熱を帯び(血熱)て手足が火照るという結果をもたらします。

 

 

内臓型冷え性の対策:

身体の内側と外側の両方から温めましょう。

 

内蔵型冷え性の方に多いライフスタイルは、朝食抜きのシャワー党です。

 

浴槽(湯船)に浸かりながら、温かいお茶などの飲み物を飲むと、発汗しやすくなります。発汗するということは、収縮していた体表の血管が拡張することを意味します。

 

ついでに、そこで軽くストレッチ体操を加えると、内臓の冷えは解消し易くなります。

 

朝食ではしっかりと蛋白質を摂取すると、熱を産生し易くなります。食事により熱の産生を促す方法は、全身のバランスの良い体温分布を維持し易くします。

 

こうした方には、定期的に水氣道®に参加することをお勧めいたします。

 

生活リズムや食生活の見直しによる養生をはじめることが急務ですが、適度な鍛錬も必要です。

 

水氣道はおよそ30℃の水中で行う有酸素運動なので、冷えに気づかない熱がりの方でも快適に運動を続けることができます。

 

また、水圧を受けて行う運動なので下半身から腹部への血液の環流を促進します。

 

しっかりとした姿勢で、きちんとした呼吸法とともに水氣道の形にしたがって行えば、体表ばかりでなく、内臓マッサージにもなるので、胃腸の調子が良くなり、夜も良く眠れるようになるので根本的な解決になることが強みです。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

今回は「攅竹(さんちく)」です。

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場所は眉頭で指で押すと凹みがあるところに取ります。

 

 

「近視」「視力減退」「頭痛」「三叉神経痛」「顔面神経麻痺」等に効果があります。

 

 

目が疲れたら指で押圧してみてください。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

漢方治療一般に関しては

 

一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみてください。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

これに対して、慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&Aは比較的上手にまとめられていると思います。

 

ただし、その記載は概ね一般的ではありますが、慶應義塾大学医学部漢方医学センター受診者を想定して書かれているようです。

 

そこで、高円寺南診療所の立場から、<高円寺南診療所からのメッセージ>を加えてご紹介を試みることにしました。

 

 

 Q

煎じ薬を続けるのは大変ですか?

 

A

本来の漢方薬は煎じて飲むものが多く、確かに手間はかかります。

 

しかし、現在普及している多くの漢方薬はエキス剤と呼ばれる粉薬の形態です。

 

中には錠剤、カプセル剤もあります。

 

これらの剤型であれば皆様が飲み慣れている普通の薬とほぼ同じような手間で服用ができます。

 

エキス剤はいわばインスタントコーヒーやスープのような物で大体の病気には対応できますが、細かい調節を必要とする場合には煎じ薬の方が好ましい場合もあります。

 

煎じ薬は、確かに手間はかかりますので、お忙しい方では挫折してしまうこともあります。

 

しかし、毎日煎じることも健康意識を高め、治療の一つと考えております。あなたに合った飲み方で是非続けてみてください。

 

 

<高円寺南診療所からのメッセージ> 

治療に要する手間というのは、必ずしも悪いことばかりではありません。

 

慶應の先生方も<毎日煎じることも健康意識を高め、治療の一つと考えております。>とのことですが、ご尤もだと思います。

 

自分の健康管理の重要性を深く認識し、それなりに必用な時間や経費や手間をかけ、感謝の心で毎日煎じることができたら、それはまるで茶道の御点前のように思えます。

 

多忙で極端にまで便利になれてしまった大多数の現代人にとって、一日に二度、三度、お点前を実行し継続する環境を整えることは並大抵ではないかもしれません。

 

それが、もし可能だとすれば、その方は自らがマインドフルネスな養生法を実践していることになるのではないでしょうか。

 

生薬を煎じる過程で、五官が総動員されます。生薬には独特の香味成分がありますから、いわば生薬アロマセラピーでもあります。

 

多くの揮発成分は煎じ薬でないと摂取することはできません。

 

ですから漢方治療をつきつめていくと、自分で煎じることが最高ということになるでしょう。

 

 

ところが<現在普及している多くの漢方薬はエキス剤と呼ばれる粉薬の形態です。>そして<細かい調節を必要とする場合には煎じ薬の方が好ましい場合もあります。>その通りです。

 

それにもかかわらず高円寺南診療所も漢方はエキス剤のみを処方しています。

 

その積極的理由は、煎じ薬の場合は、朝、昼、夕のすべてを概ね同じ薬で済まさなければならないからです。

 

時間薬理学的処方を実践する高円寺南診療所では、煎じ薬は極めて不便で不都合です。

 

次に、消極的理由としては<細かい調節を必要とする場合>であっても、複数のエキス剤を組み合わせるなどの工夫を凝らすことによって、煎じ薬には及ばないもののかなり細かい調整が可能だからです。

 

何よりも大切なのは、服薬アドヒアランスといって、患者さんが無理なく処方指示通りにきちんと服用することができるかどうか、ということです。

 

高円寺南診療所の時間薬理学的漢方処方による患者さんの服薬アドヒアランスは満足できる成績を維持しています。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギー性鼻炎②

 

Q3

アレルギーがあると副鼻腔炎になりやすいと聞きましたが本当でしょうか?

 

A

副鼻腔炎は顔の骨の中にある副鼻腔におこる病気です。

 

鼻腔と副鼻腔は中鼻道でつながっています。現在の副鼻腔炎の40%はアレルギーに関係していると考えられており、アレルギー性鼻炎は副鼻腔炎を悪化させる原因です。

 

小児ではアレルギー性鼻炎のある場合約1/2で副鼻腔炎を合併しているとされています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

たしかにアレルギー性の副鼻腔炎は増えているような気がします。

 

アレルギー性鼻炎の患者さんには頭痛持ちの方が少なくありませんが、その場合は副鼻腔炎の有無をチェックします。

 

また鼻炎や副鼻腔(びくう)炎など鼻の病気でこの仕組みがうまく働かなくなると、鼻水が増えて鼻の奥にたまったり、粘っこい鼻水が喉に落ちたり、という症状が現れます。

 

これが「後鼻漏」です。後鼻漏には慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿=ちくのう=症)が関係していると思います。

 

エックス線検査で副鼻腔に炎症があれば副鼻腔炎と診断し、抗生物質や鼻水を出しやすくする薬で治療します。

 

大抵はこの治療で鼻炎の症状に加えて頭痛や後鼻漏などの症状も軽くなります。

 

 

Q4

妊娠中に鼻症状が強くなりますが薬は飲まないほうがよいでしょうか?

 

A

飲み薬に関しては、妊娠の時期、症状の強さを考える必要があります。

 

点鼻薬は血管収縮薬以外は比較的安全に使用する事ができます。

 

国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」で妊娠、授乳中のお薬に関して相談することができます。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

高円寺南診療所では、そもそも点鼻薬の血管収縮薬を処方することはありません。

 

ですから、点鼻薬に関しては比較的安全に処方できていると思います。

 

問題は内服薬です。妊娠、授乳中のお薬に関しては極力制限すべきだと思います。

 

国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」の活用も良いことだと思います。

 

 

Q5

アレルギー性鼻炎の治療について教えてください

 

A

アレルギー性鼻炎は自然治癒のすくない病気です。

 

原因をさける環境整備に加えて、症状が日常生活にさしさわらない程度まで治療を行います。

 

治療の中心は抗ヒスタミン薬と点鼻薬で、小青竜湯などの漢方薬が効く場合もあります。

 

手術には鼻閉を改善する手術、鼻汁を減らす手術、レーザーを用いてアレルギー反応の場を減らす手術があります。

 

また最近では免疫療法も根本的な治療法として注目されています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

<漢方薬が効く場合もあります。>と解説する方は、少なくとも漢方専門医ではなさそうです。

 

私は小青竜湯の他に越婢加朮湯を頻用しています。

 

小青竜湯はくしゃみや鼻汁に効き覚醒水準を高めますが、越婢加朮湯は鼻閉によく効き鎮静効果があります。

 

そのため、朝食前に小青竜湯、就寝前に越婢加朮湯を服用することによって、日中と夜間の自律神経のバランスが回復し、睡眠の質が向上し、日中の生産性が高まることが期待できます。

 

くしゃみや鼻汁が軽快すると苓甘姜味辛夏仁湯に変更するとより胃腸にも優しく作用してくれます。

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。

 

関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

 

HPで確認することができます。

 

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。

 

関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。

 

現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

 

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

 

 

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。

 

ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

 

 

関節リウマチ患者の遺伝、妊娠・出産について①

 

Q

現在関節リウマチの治療をしていますが、リウマチは遺伝しますか?

 

私の子供や孫も、いずれは関節リウマチになるのでしょうか?

 

関節リウマチのなりやすさに遺伝は関わりますが、心配し過ぎる必要はありません。

 

関節リウマチのなりやすさに、遺伝が関わることは分かっていますが、関節リウマチはある遺伝子を持っていると、決まった確率で発病する遺伝病ではありません。

 

例えば、全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児で、ひとりが関節リウマチになった場合、もうひとりも関節リウマチを発病する確率は15%程度だと言われています。

 

関節リウマチの患者さんの子供や孫が、同じように発病することを心配し過ぎる必要はありません。

 

 

【高円寺南診療所からのコメント】

関節リウマチの発病の機序として、自己免疫が関与しており、増殖した滑膜細胞が産生する炎症性サイトカイン、蛋白分解酵素が炎症の増幅に重要であることが知られています。

 

関節リウマチの原因には、遺伝的要因と環境的要因が関与すると考えられています。

 

関節リウマチの患者さんには、たしかにHLA-DRB1という抗原が多いとはされますが決定的なものではありません。

 

関節リウマチの明らかな原因となる抗原は依然として不明です。

 

 

HLAを知ることのメリットは、どのような病気に、どの程度かかりやすいかがわかることがあります。

 

ただし、マーカーとなるHLAをもつ人が必ず発症するわけではありません。

 

これに対して、喫煙、歯周病などの環境因子は、リウマチの診断に有力な手掛かりとなるシトルリン化蛋白(抗CCP抗体)の産生に関与する可能性が指摘されています。

 

 

自分のHLAを自覚することによって、日頃から体調に気を配り検診回数を増やすなどの自己管理で病気の早期発見に役立てることができます。

 

また予防することができるのは環境因子です。予防は誰にでも実践できる究極の医療です。

 

 

註:HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は1954年、白血球の血液型として発見され、頭文字をとってこう呼ばれてきました。

 

しかし、発見から半世紀以上を経て、HLAは白血球だけにあるのではなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いていることが明らかになりました。

水氣道のサポートシステムと最新の研究報告について

 

高円寺南診療所には患者会組織はありません。

 

しかし、水氣道の会員は、自然発生的に患者会のような機能を持ち始めています。

 

こうした自然発生的なコミュニティの存在意義は大きく、将来が不安で孤独になりがちな患者さんの多くを力づけ、治療効果ばかりではなく、再発防止にも役立つケースを多数経験してきました。

 

そこから、水氣道には対番制度(1対1のお世話係)から発展し、水氣道の各技法のファシリテーター、トレーナー、インストラクター制度が整い、将来的には水氣道の組織運営を担うスーパーバイザーを育成していく方向で展開しています。

 

 

今回、以下にご紹介する論文は、日本とは医療制度の異なる英米での研究で、しかも精神疾患を対象とするものですが、とても興味深い内容です。

 

水氣道会員の皆様はもちろん、会員ではない皆様にとっても貴重な情報ではないかと思います。

 

 

英国や米国では精神障害の経験者が患者の回復を支援するプログラムが導入されています。

 

精神疾患の急性期治療を終えた患者が、それらの疾患の経験者による支援によって再受診率低下に寄与することが示されました。

 

この結果は、英・University College LondonのSonia Johnson氏らが実施したランダム化比較試験(RCT)で初めて明らかにされLancet(2018; 392: 409-418)に発表されました。

 

 

精神疾患の急性期治療を終えた患者に対する

 

疾患経験者による支援

 

ARTICLES| VOLUME 392, ISSUE 10145, P409-418, AUGUST 04, 2018

 

Peer-supported self-management for people discharged from a mental health crisis team: a randomised controlled trial

 

精神疾患の急性期治療を終えた患者が、それらの疾患の経験者による支援によって再受診率低下に寄与する。

 

この結果は、英・University College LondonのSonia Johnson氏らが実施したランダム化比較試験(RCT)で初めて示された。Lancet(2018; 392: 409-418)に発表された。

 

対象:英国の6つの危機解決チーム(地域で精神疾患患者の危機介入を行うチーム)によるケアを受けた精神障害を有する441例(統合失調症、双極性気分障害、うつ病、不安障害など)

 

目的:対象者の疾患の経験者(以下、経験者)による介入効果を検証する

 

解析技法:RCT

 

方法:自己管理による回復を促すワークブックを配布する群(対照群)に220例、経験者による支援を行い、ワークブックを併用する群(経験者支援群)に221例ランダムに割り付けられた。なお、両群とも試験期間中も通常の治療を継続した。

 

 

両群で使用したワークブックは、

 

① 回復へ至るための目標設定

 

②地域および支援ネットワークでの居場所づくり

 

③早期に再発の徴候に気付くための情報

 

④再発を予防したり遅らせたりするための行動計画の作成

 

⑤良好な状態を維持するための対策

 

といった内容で構成されていた。

 

 

対照群ではワークブックを郵送しただけであったが、

 

経験者支援群では経験者がセッション時に記入の支援を行った。

 

経験者支援群におけるセッションは1時間を週に1回、計10回実施した。

 

 

セッションの内容

① 経験者はワークブックの記入の支援

 

② 患者が抱える問題について話を聞き、自身の回復過程で身に付けたスキルや対処法の伝授。

 

 

なお、経験者はRCTが開始される前に傾聴のスキルや文化的意識、自己開示、守秘義務について指導を受けた他、ワークブックの使用法についても学んだ。

 

 

主要評価項目

 

1年以内の急性期ケアサービス(急性期入院病棟、危機解決チーム、危機ハウス、急性期デイケアサービス)の再受診率とした。

 

結果

① 1年後の急性期ケアの再受診率は、対照群の38%に対して経験者支援群では29%と有意に低かった(オッズ比0.66、95%CI 0.43~0.99、P=0.0438、ロジスティック回帰分析)。

 

②経験者支援群では患者の72%がセッションに3回以上参加し、ほぼ3分の1が10回全てのセッションに参加した。

 

③ワークブックを読んだ患者の割合は対照群で84%、経験者支援群で88%と同程度だった。

 

④ワークブックに計画を記入し活用している患者の割合は対照群の28~44%に対し、経験者支援群では58~64%と高かった。

 

⑤ 重度の有害事象は71件(経験者支援群29件、対照群42件)発生したが、試験に関連していると考えられるものはなかった。

 

 

考察:Johnson氏の見解

①「経験者は、自身の経験を生かして患者に温かく、親身になって支援が行えるのではないか。また、患者にとって回復へのロールモデルにもなりうる」

 

②「この介入法は患者に許容可能なものであり、症状の再発を避けたいと考える経験者支援サービスの管理者やその利用者が実行できる内容であることが示された」として、「今回の結果は重要な意味を持つのではないか」

 

なお、英国では精神科で急性期治療を受けた患者の半数以上が1年以内に再受診しているのが実態。しかし、現時点でエビデンスに裏付けられた再受診率を低下させる方法はない。

 

③「今回の研究は、精神障害の経験者が患者の回復を支援するプログラムによる支援の有効性を示した初のRCTといえる」としている。

 

④ただし、「介入のどの要素が再受診率の低下に寄与したかは不明である」

 

⑤「ワークブックを受け取っただけの対照群でも再受診率は英国の全国平均を下回っていたため、ワークブックが一定の効果を果たしている可能性がある」

 

 

 

高円寺南診療所からのコメント:

皆様、いかがでしたでしょうか。米英でのこうした試みは、わが国の保険診療制度のもとで実現することには、まだ長い道のりを要することが予測されます。

 

そもそも病気を経験するということは、一般的にはマイナスの価値と受け止められがちですが、決してそうばかりではありません。病気を克服した経験は、むしろその人の本来の潜在能力を引き出す貴重な体験であるばかりか、他者にとっても有益な資源になるのだという着眼点は、とても大切だと思います。病気を克服した先輩患者は、必ずしも理想的なサポーターであるとは限りません。

 

しかも、先輩患者自身が再発する可能性もあります。ただし、後輩患者にとっても先輩患者にとっても、患者同士でなければ分かち合うことが難しい領域もあります。

 

それが可能であれば、助け手さえもが相手から助けてもらっている、ということも可能です。

 

たとえ医療の専門家であっても、自らが直接その病気を経験下のではない限り、共感や理解にも限界はあるのではないかと思います。

 

無資格の経験者が治療に関与することと、専門家による治療というのは、互いに拮抗するものではなく、互いに補い合う関係で発展していけるものではないかと思います。

 

水氣道は、現実の身近な場で、それを実践し続けています。