ロシアによるCOVID-19ワクチン、今年の10月以降に実用化の期待と恐怖!

 

昨日は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)を模した中国疾病預防控制中心(CCDC)について紹介する過程で、世界各国の国家公衆衛生機関リスト(List of national public health agencies)の存在を知り、日本の機関として国立感染症研究所( National Institute of Infectious Diseases :NIID)がこのリストの中にあることに触れました。

 

そこで、このリストを頼りにロシアの研究機関を検索してみたところ、国立ウイルス学および生物工学≪ヴェクター)研究センターにたどり着きました。

 

正式名称:

Государственный научный центр вирусологии и биотехнологии „Вектор“

 

英訳:

State Research Center of Virology and Biotechnology VECTOR

 

この機関は単にVECTOR研究所と呼ばれるようです。

 

私は、このVECTORという単語を目にして、一瞬背筋が冷たくなりました。

 

Vectorというのは、遺伝子工学の用語で、クローニング・ベクターともいいます。

 

これは、プラスミド(細胞内にあり、核や染色体とは独立して存在する遺伝子、とくに細菌などに由来するもの)やウイルスなどから人工的に作られた因子で、特定の遺伝子を組み込んで宿主細胞に入り自己増殖するものです。

 

あくまでも仮に、の話ですが、もし中国とロシアが結託して、先行して新型コロナウイルスのワクチンの製造に成功したとしたら、どのような結果を招くでしょうか。

 

最悪の事態は、すでにワクチンが開発された後で、その新型ウイルスによるパンデミックが引き起こされるというシナリオです。

COVID-19のワクチンについては世界各国で開発中であるということですが、ロシアは日米や欧州諸国に先駆けて研究に着手していたのではないか、との見方は完全には否定できません。

 

すでにロシアではCOVID-19のワクチン製造の最終段階に入っており、今年の第4四半期には使用可能になる可能性があることを発表しています。

したがって、今年の10~12月までに日本でのワクチン開発を急がなくてはなりません。国防と国民の生命の安全のためには、ウイルス学やバイオテクノロジーの研究促進のための国家的プロジェクトの設立と同時に、疫病の長期化に備えて、国民も引き籠ってばかりでなく、水氣道による心身の備えによって免疫抵抗力を高める全国的キャンペーンを推進していく必要があります。

 

 

Научный центр Роспотребнадзора начал испытания вакцины против нового коронавируса
Rospotrebnadzor Research Center begins testing vaccines against new coronavirus

 

ラスポトレブナザル研究センターは新型コロナウイルスに対するワクチンの試験を開始します。

 

 

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20.03.2020

 

В России для профилактики и контроля эпидемии COVID-19 в ГНЦ ВБ «Вектор» Роспотребнадзора в самые сжатые сроки разработаны прототипы вакцин, основанные на шести различных технологических платформах.

 

In Russia, for the prevention and control of the COVID-19 epidemic at the State Research Center of the World Bank "Vector" of Rospotrebnadzor, vaccine prototypes based on six different technological platforms were developed in the shortest possible time.

 

ロシアでは、ラスポトレブナザル国立世界≪ヴェクター≫集積研究センターでCOVID-19感染拡大に対する予防と制御のために、6種類の異なる技術段階を基礎とするワクチンの原型を可能な限りの短時間で展開させた。

 

Исследователям удалось создать вакцины как на основе широко применяемых рекомбинантных вирусных векторов гриппа, кори и везикулярного стоматита, так и на основе многообещающих технологий синтетических вакцин: мРНК-вакцины, пептидные вакцины и субъединичные вакцины. Для дизайна вакцин использовали современные биоинформационные системы, а конструирование и доведение до готовых прототипов проводили с помощью передовых наработок, в том числе, в области обратной генетики.

 

Researchers were able to create vaccines based on the widely used recombinant viral vectors of influenza, measles and vesicular stomatitis, as well as on the basis of promising synthetic vaccine technologies: mRNA vaccines, peptide vaccines and subunit vaccines. For the design of vaccines, modern bioinformation systems were used, and the construction and upgrading to finished prototypes was carried out using advanced developments, including in the field of reverse genetics.

 

研究者たちは、インフルエンザ、はしか、疱疹口内炎のウイルスベクターの広範な組み換え技術や、同様に有望な合成ワクチン技術(メッセンジャーRNAワクチン、ペプチドワクチン、サブユニットワクチン)によってワクチンを製造することができました。ワクチンのデザインには、現代の生物情報システムが用いられ、組み立てや改良をして原型を仕上げることには逆転遺伝学の分野を含む高度に進歩した技術によって達成されました。

 

 

При разработке новых вакцин в современной биологии необходимо провести исследования в системе in vivo – на чувствительных лабораторных животных. Чаще всего для таких исследований используются лабораторные мыши и крысы, также используются хорьки, низшие приматы и другие специальные линии лабораторных животных.

 

When developing new vaccines in modern biology, it is necessary to conduct in vivo studies on sensitive laboratory animals. Most often, laboratory mice and rats are used for such studies, ferrets, lower primates and other special lines of laboratory animals are also used.

 

現代生物学で新しいワクチンを製造するには、感受性のある実験動物での生体内試験を実施する必要があります。もっともしばしば、実験室のネズミやラットがこうした研究に使用され、下位霊長類その他の特殊な系統の実験動物も使用します。

 

 

Этап является обязательным, поскольку нужно убедиться в безвредности и эффективности нового препарата, а исследования на культурах клеток, к сожалению, не могут дать ответы на все вопросы, ведь живые организмы устроены намного сложнее, чем клеточные культуры. Кроме того, многие эффекты в системе in vitro моделировать невозможно или чрезвычайно сложно – в частности, индукцию иммунного ответа при создании новых вакцин. Для ответа на вопрос об эффективности вакцины необходимо испытать ее способность индуцировать иммунный ответ, способный защитить чувствительных животных от заражения смертоносным вирусом. При этом перед исследователями встает множество важных вопросов – необходимо определить наиболее эффективную дозу и кратность введения вакцины, способ и схему вакцинации, и без помощи лабораторных животных ученым не обойтись.

 

This step is mandatory, because you need to make sure the safety and effectiveness of the new drug, and studies on cell cultures, unfortunately, cannot answer all the questions, because living organisms are much more complicated than cell cultures. In addition, it is impossible or extremely difficult to model many effects in the in vitro system — in particular, the induction of the immune response when creating new vaccines. To answer the question about the effectiveness of a vaccine, it is necessary to test its ability to induce an immune response that can protect sensitive animals from being infected by a deadly virus. At the same time, researchers face many important questions - it is necessary to determine the most effective dose and frequency of vaccine administration, the method and scheme of vaccination, and scientists cannot do without the help of laboratory animals.

 

この実験段階は必須のものであり、その理由は新薬の安全性と効果を確認するために必要だからであり、細胞培養による研究では、残念ながらすべての疑問に答えられるとは限らず、なぜならば生命体は培養細胞よりも遥かに込み入ったものだからです。加えて、インヴィトロの実験系での数多くの効果、特に新しいワクチンを製造するには免疫応答の誘導のモデルとすることは不可能であるかもしくは極めて困難です。

 

 

По состоянию на 16 марта ученые ГНЦ ВБ «Вектор» Роспотребнадзора начали исследования иммуногенности на чувствительных лабораторных животных, включая низших приматов всех разработанных прототипов вакцин. В рамках исследований будут определены наиболее перспективные и безопасные прототипы обеспечивающие формирование как клеточного, так и гуморального иммунного ответа. Будут определены состав, доза, способ введения будущей вакцины. Ученые рассчитывают, что внедрение вакцины будет возможно уже в четвертом квартале 2020 года.

 

As of March 16, scientists of the State Scientific Center of the World Bank “Vector” of the Federal Service for Supervision of Consumer Rights Protection and Human Welfare began immunogenicity studies of all developed vaccine prototypes in sensitive laboratory animals, including the lower primates. Within the framework of the studies, the most promising and safe prototypes will be determined that provide the formation of both a cellular and a humoral immune response. The composition, dose, route of administration of the future vaccine will be determined. Scientists expect that the introduction of the vaccine will be possible in the fourth quarter of 2020.

 

3月16日の、消費者権利保護および人類福祉監督のための連邦事業局である国立世界≪ヴェクター≫集積研究センターの科学者たちは、下位霊長類を含む感受性のある実験動物を用いて開発したすべてのワクチンの原型となる免疫遺伝学的研究を始めました。
この研究の枠組みの中で、最も有望で安全な原型は細胞性および体液性免疫反応の両面で形成されることによって決定されることになるでしょう。将来のワクチンの組成、容量、投与経路が決定されるでしょう。科学者たちはワクチンの導入が2020年の第4四半期には可能になるだろうという期待を持っています。

 

 

 

Использована информация с сайта Федеральной службы по надзору в сфере защиты прав потребителей и благополучия человека.

 

The information was used from the website of the Federal Service for Supervision of Consumer Rights Protection and Human Well-Being.

 

当該情報は消費者権利保護および人類福祉監督のための連邦事業局のウェブサイトから引用しました。

関節破壊評価と身体機能評価

 

関節リウマチ(RA)においては、治療目標の設定が長らく行われてこなかったという歴史があります。

それが2009年から、治療目標を臨床的寛解とし、もしくは少なくとも低疾患活動性とし、これに向けて治療を6カ月おきに見直していくという治療戦略がまとまりました。

これは「目標達成に向けた治療:Treat to Target」として世界的に認知されるようになりました。

 

関節リウマチ(RA)の治療目標は、疾患活動性制御に基づく関節破壊進行の阻止、および、機能的予後の改善、さらに生命予後の改善にあります。

 

これらの治療目標は、メトトレキサートMTX(リウマトレックス®)と生物学的製剤による治療学の進歩により実現可能となっており、これは目標に向けての治療である「Treat to Target(T2T)戦略」で明文化されています。

 

このなかで、関節破壊の進行度を評価する方法として旧来より種々の評価法が考案されてきました。近年では、関節エコー法や核磁気共鳴法(MRI)など、新たな機器を用いた評価法の発展が著しいです。

しかし、簡便性、経済性、反復評価などの点で、単純X線による評価こそがスタンダードであることに変わりはありません。

 

単純X線による関節破壊の評価法にも、これまでSteinbrockerのStage分類、Larsenのkey filmに基づくgrading scaleなど、さまざまな方法が提唱されてきました。

しかし、現在のRA研究においては、van der Heijdeによって提唱されたSharp Score変法、すなわちmodified Total Sharp Score(mTSS)ないしSharp-van der Heijde Score(SHS)が、関節破壊の評価ツールとして最も頻用される方法となっています。

このvdH-mTSS法がRAのアウトカム評価、特に自然歴を変え得る抗リウマチ薬の薬効評価の最も重要な指標となりました。

図1

 

 

杉並国際クリニックの見解
当クリニックでは、関節破壊の進行度を評価する方法として、簡便性、経済性、反復評価などの点で、現在においても最もスタンダードで評価の高い単純X線による評価に加えて、関節エコー法など、新たな機器を用いた評価を加えています。

 

そして、経時的観察による評価方法としては点数化できる指標で、しかも信頼性と妥当性の高いツールを求めてきました。手や指の観察は、概ね6カ月ごとの骨量測定検査(DIP法:中指骨で測定)で用いる手のエックス線フィルムで同時に評価していました。

 

関節リウマチのQOL予後の改善のためにも、骨粗鬆症の進行を抑制するためのケアは必須なので、この方法は理に適っていると考えています。

 

そこで今年度から、関節リウマチ(RA)の患者さんに対しては、従来の骨量測定の際には足指関節も単純X線撮影を実施することによってvdH-mTSS法による評価を行い、これまでより診療の精度を高めていくことにしました。

令和二年度の日本医学会所属各分科会および海外の医学会の開催中止・延期の動きから見えてきたこと

 

4月1日から「東京都受動禁煙防止条例」・「改正健康増進法」が全面施行され、決められた場所以外では、喫煙できなくなりました。

 

4月と5月の学会出席はすべて開催側からキャンセル(延期決定のため)となりました。

 

休診とせず、すべて通常通りの診療となります。

 

さて、私が関与する医学の各学会の開催の延期の連絡が続いているため、今後の学会出張に伴う休診日の変更の見通しをつけることは難しいことを御報告いたしたばかりです。

 

3月はとっくの昔に過ぎ去って、いまは4月の花盛り、の感です。さて例年3月中旬にはベルリンで開催されるドイツ心身医学会に出席していましたが、私の予算不足のため今年は参加を見送ったまま、学会の消息を忘れていました。改めて公式サイトを調べてみたところ、中止されたことを確認しました。とても丁寧な経過説明がなされているので、日本語に翻訳してご紹介いたします。

 

また、前回は、無期延期(期日を定めずに延期すること)を決定した医学会があらわれたことを報告しました。今回は、国内で開催される医学会ではなく、海外で開催される国際医学会での中止、2年延期の情報が入ってきました。

 

このアジア医学会は、日本、韓国、中国、ロシアその他のアジア諸国の関連学会が参加します。ただし、これは中国やロシアも含めて再来年の8月にはCOVID-19問題が解決するであろうと予測していることを意味してはいません。

 

むしろ来年7月の東京オリンピック開催の可能性に対しては否定的であり、また、オリンピックが中止されれば、それを受けて、この学会の開催も更なる延期が見込まれるのではないかと思われます。

 

政府がコロナ終結を宣言している中国でさえも、専門家の間では、慎重な立場に立っている、とみることが大切ではないかと思います。

 

ただし、ドイツの学会とは違い、新型コロナウイルスについて延期のプロセスの説明が乏しいことは気になるところです。両者を比較して読んでいただければと思います。

 

 

 

UPDATE – CORONAVIRUS

 

アップデート - コロナウイルス

 

 

Liebe Kolleginnen und Kollegen,
liebe angemeldete Teilnehmerinnen und Teilnehmer des Deutschen Kongress für Psychosomatische Medizin und Psychotherapie 2020,

 

ドイツ心身医学・心理療法会議2020の登録参加者各位

 

 

mit großem Bedauern müssen wir Ihnen mitteilen, dass der Deutsche Kongress für Psychosomatische Medizin und Psychotherapie 2020 nicht stattfinden kann. Uns hat heute von den zuständigen Berliner Behörden die Mitteilung erreicht, dass uns die Durchführung des Kongresses – wie allen größeren Veranstaltungen – wegen der Ausbreitung des Coronavirus untersagt wurde.

 

It is with great regret that we have to inform you that the German Congress for Psychosomatic Medicine and Psychotherapy 2020 cannot take place. Today, the relevant Berlin authorities have informed us that we have been banned from holding the congress – as well as all major events – because of the spread of the coronavirus.

 

ドイツ心身医学・心理療法会議2020が開催できないことをお知らせしなければならないことは非常に残念です。本日、ベルリン市当局筋からの通達により、コロナウイルス蔓延のため、すべての主要なイベントを開催することを禁止する条例案が議会を通過しました。

 

 

Wir hatten in den vergangenen Tagen im engen Kontakt zwischen Organisationsbüro, Programmkomitee, veranstaltenden Fachgesellschaften sowie dem Gesundheitsamt Schöneberg, Berlin verschiedene Szenarien durchgespielt in der Hoffnung, einen Weg zu finden, wie wir unter Beachtung der einschlägigen Auflagen des RKI und unter Wahrung unserer Verantwortung, den Kongress stattfinden lassen können.

 

この数日間、当方は、RKI関連要件の注意事項および当方の責任の確保のもとで、組織事務局、プログラム委員会、組織協会、ベルリンのシェーネベルク保健所との間で密接な協議をしつつ、様々なシナリオを通し、会議を開催するという希望が見出せる方法を検討してきました。

 

 

Nun ist eine Entscheidung gefallen; dem Argument, dass größere Veranstaltungen besonders auch im Gesundheitsbereich abzusagen sind, um die Ausbreitung des Virus zu bremsen und einer Überlastung des Gesundheitssystems entgegenzuwirken, können wir uns nicht verschließen.

 

そこで次のように決定することになりました。すなわち、大規模な催しの中でも特に保健領域にあっては、ウイルスの拡散を抑制し、保健システムの負担過剰を防ぐためには、これの開催を取り止めるべきとする論拠を否定することはできません。

 

 

Uns ist bewusst, dass diese Entscheidung bei vielen von Ihnen wie bei uns Enttäuschung und Betroffenheit auslösen wird und dass sie erhebliche organisatorische und finanzielle Folgen hat. Diese treffen uns gemeinsam. Das Kongressteam hat in den vergangenen Monaten ungeheuer viel Arbeit in die Vorbereitungen investiert.

 

この決定が私共と同様に多くの皆様にとって失望と懸念を引き起こし、それが組織的および財政的にも重大な影響を及ぼすことを認識しています。私共はこの認識で一致しています。学会大会チームはここ数ヶ月の間、膨大な量の準備作業に身を投じてきました。

 

 

Wir bitten sie um Verständnis, dass wir finanzielle Rückerstattungen der Teilnahmegebühren nur unter Abzug der bereits entstandenen Kosten leisten können. Da der Kongress aufgrund höherer Gewalt nicht durchgeführt werden kann, entspricht dieses den Teilnahmebedingungen. Wir werden versuchen, mit unseren Vertragspartnern individuelle Vereinbarungen zu finden, damit wir ihnen zumindest anteilig eine Rückerstattung anbieten können. Bitte haben Sie Verständnis, dass dies einige Zeit in Anspruch nehmen wird. Sie werden von uns oder/und Ihrer Fachgesellschaft dazu informiert.

 

参加費の金銭的な払い戻しは、既に発生した費用を控除することのみできることをご理解ください。学会大会は不可抗力により開催不能となったものであるため、これは参加条件に対応するものです。当方は、各請負業者との個別の合意を取り付けるべく努めることによって、少なくとも応分の払い戻しを提供することは可能です。それには時間がかかることをご了承ください。皆様には当方または/および皆様が所属されている各学術団体によって通知されます。

 

 

Bitte regeln Sie die Stornierung Ihrer Reise und Unterkunft selbst. Hier haben wir leider keinen Einfluss. Bei Ticketbuchungen über die Deutsche Bahn zeigt sich diese jedoch sehr kulant. Bitte kontaktieren Sie für weitere Informationen die Hotline der Deutschen Bahn auf deren Webseite. Bei Hotelbuchungen über das Kongresssekretariat K.I.T. Group ist leider keine Rückerstattung mehr möglich, die Kosten bleiben hier bestehen.

 

旅行や宿泊のキャンセルは各自で手配してください。残念ながら、当方がお役に立つことは叶いません。ただし、ドイツ鉄道の取り扱いでチケットを予約された場合は非常に有利な扱いとなっています。詳細については、ドイツ鉄道のウェブサイトのホットラインにお問い合わせください。残念ながら、本学会事務局のK.I.T.グループを通じて行われたホテルの予約に対する払い戻しはできません。
プログラム委員会の場合:

 

 

Die Planungen für den Kongress 2021 werden wir wie üblich bekanntgeben.

 

2021年の学会会議の計画に関しましては、通常通り発表の予定です。

 

 

Liebe Kolleginnen und Kollegen, auch wir bedauern zutiefst, dass diese Entscheidung so getroffen werden musste. Ebenso möchten wir uns an dieser Stelle bei Ihnen bedanken für Ihre Geduld hinsichtlich der Fragen zum Stattfinden des Kongresses.

 

私共は、諸先生方にこのような決定を下さなければならなかったことを心底より残念に思っております。また、この場を利用して、学会の運営に関する疑義に対して辛抱強くご理解くださったことに感謝申し上げます。

 

 

Wir würden uns sehr freuen, Sie im Jahr 2021 in Berlin zum Deutschen Kongress für Psychosomatische Medizin und Psychotherapie begrüßen zu dürfen. Bleiben Sie uns trotz der aktuellen misslichen Lage gewogen.

 

2021年にベルリンで開かれたドイツ心身医学・心理療法会議に皆様をお迎えできるであろうことを大変嬉しく思います。現在は苦境の中にありますが、引き続きよろしくお願いいたします。

 

Mit freundlichen Grüßen

草々

 

2020年3月12日


Für das Programmkomitee:
Prof. Volker Köllner (Kongresspräsident)
Für die Vorstände der Fachgesellschaften DGPM und DKPM:
Prof. Johannes Kruse und Prof. Christoph Herrmann-Lingen
Für das Organisationsbüro
Katrin Seidler und Laura Hope Gratkowski

 

Save the Date:
Deutscher Kongress für Psychosomatische Medizin und Psychotherapie 2021
17. bis 19. März 2021
Stand: 12.03.2020

 

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The 19th Congress of the Asian College of Psychosomatic Medicine
25.08.2020 - 26.08.2020 Irkutsk, Russia

 

第19回アジア心身医学会:2020年8月25日~2020年8月26日(イルクーツク、ロシア)

 

 

The 19th Congress of the Asian College of Psychosomatic Medicine is postponed to 2022 in connection with the COVID-19 pandemic. Thank you, hope your understanding

 

それが何と、ロシアのイルクーツクで開催される予定であったアジア心身医学会の決定です。第19回アジア心身医学科がCOVID-19のパンデミックとの関連で2022年まで延期となりました。ご理解の程、お願いいたします。

 

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そして、本日、国内の学会事務局から関連の通知がありました。

 

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日本心療内科学会 

 

会員 各位

春風の候会員各位にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
毎々学会活動へのご支援を賜り厚く御礼を申し上げます。
日本心療内科学会事務局でございます。

 

さて、学会ホームページ並びに一斉メールにてご通知しておりましたアジア心身医学会,https://www.acpm2020.com/ですが、第19回ACPM会長のSobennikov教授より、久保千春理事長へ世界各国での新型コロナウイルス(COVID-19 )パンデミックにより
2年延期との連絡がございましたので、お知らせ申し上げます。発表やツアー等ご予約をいただきました各先生方へは、関係部門より個別のご連絡がございますので、ご確認をお願い致します。ご予定をいただきました各位には、大変残念なお知らせとなりますが

2年後(8月末頃)2022年のアジア心身医学会開催・ご参加へ向けて、引き続きご支援のほど宜しくお願い申し上げます。会員各位におかれましては昨今の状況で医療関係者としてご多忙の毎日と存じます。

 

末筆となりますが各位のご健勝を祈念致します。

 

今後も引続き、学会諸活動にご高配を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 


特定非営利活動法人 日本心療内科学会
事務局 桜井 美保
事務局開室日:月・水・金
〒272-0827千葉県市川市国府台3-2-20 エルカーサ103
TEL:047-374-8301 FAX:047-374-8302
URL:http://www.jspim.org/

関節リウマチ診療の激変と分類基準

 

関節リウマチ(RA)の診療は2010年から直近の10年間は、診断から目標達成に向けた治療-臨床的寛解-アウトカム改善という一連の流れが見直された結果、この間に起こった変化は、これまでのRAの歴史のなかでも最も劇的であったとされます。

 

関節リウマチ(RA)の早期診断のための分類基準の改訂
RAの予後を規定する関節破壊は発症2~3年で急速に進行することがあきらかになりました。しかし、1987年の分類基準での診断率は、発症6カ月のRAの50%に過ぎないことが指摘され、早期診断に適した分類基準の改定が必要となりました。

 

それを受けて作成されたのが米国リウマチ学会(ACR)と欧州リウマチ学会(EULAR)共同提案の2010年改訂リウマチ(RA)分類基準です。この新分類基準(ACR/EULARによる2010年RA分類基準)は、関節予後を規定する項目を抽出し、それに重み付けを行なって完成したものです。

 

これによって、早期診断はより感度高く行えるようになり、寛解・治癒(関節破壊進行阻止)を目的とした適切な抗リウマチ薬使用を図ることを目的としています。

 

 

杉並国際クリニックの見解
当クリニックでは、2ページにまとめた「関節リウマチ早期診断・治療管理基準」を整備し、この基準をベースにして、関節リウマチの日常診療をStep1からStep5という流れで実施しています。

 

週間<外国語>旅行

 

現在アメリカで新型コロナ対策の司令塔となっているのは、アメリカ疾病予防管理センター(以下米CDC)です。

アメリカは建国以来伝染病に悩まされ続けてきましたが、その苦い歴史を経験して設立された機関です。

アメリカは移民大国であったために、世界中の伝染病が移民と共に来訪し、建国以降その対策に頭を悩まされて続けていた伝染病の先進国としての経緯があります。

 

実は、中国にも中国疾病預防控制中心(CCDC)という同様の機関があります。そこで今月は、中国の疾病対策予防センター(CCDC)の公式ホームページを旅行することにしました。

 

中国発信の情報を無防備に信じてしまうことは危険ではありますが、さりとて一定の信頼と尊重に値する情報もあります。

いずれにしても、鵜呑みにせず、よく吟味して批判的にな立場に立ちつつも、学ぶべきものはしっかり学びとる、という姿勢が対札だと思います。

 

中国疾病預防控制中心(中国語略称:中国疾控中心、英語略称:CCDC)は、中華人民共和国北京にある国立感染症対策センター。2002年に創設されました。

 

「控制」の原義は、捕まえて離さないこと、ですが、日本では一般に中国疾病予防管理センターとか中国疾病対策予防センターと意訳されることが多いです。

私は中国疾病予防管理センターという訳語を採用することにします。

 

中国は米CDCの制度の有効性を認め、これを参考にCCDCを設立しました。

中国のCCDCは、そのモデルとなった米CDCと同じく、伝染病の発生を早期警戒し、発生した検体をいち早く分析し、症状情報を集めて各地の保健機関、病院、医師らにその症状、特性、対策方法、封じ込め策等を開示伝達し、患者及び感染していない国民への予防策を知らしめることが主な任務です。

 

類似した機関としてウイルス研究所が存在するが、CDCの場合は非常時に一刻一秒を急いでウイルスの封じ込めを指揮し、死者と感染者の数を1人でも減らすことが主任務ですが、平時は予防や教育も行います。

 

CCDCの上位機関は中華人民共和国国家衛生健康委員会。

また、中国のCCDCは、各国の国家公衆衛生機関リスト(List of national public health agencies)にもあげられています。ちなみに、このリストの中には日本の機関として National Institute of Infectious Diseases (NIID)がありますが、これは国立感染症研究所のことです。

 

中国のCCDCの本部は北京にあり、地方にも参加部局を持ち、武漢にも武漢市疾病予防控制中心があります。

また、傘下に感染症予防管理所を持ち、新型コロナウイルスの完全ゲノム配列解析は、このCCDC傘下管理署を含む7団体共同で行われました。

(共同解析 上海公共衛生臨床センター、武漢中心医院、華中科技大学、武漢市疾病予防控制中心、中国疾病予防控制中心感染症予防管理所、中国疾病管理予防センター、シドニー大学)

 

CCDCは、新型コロナウイルス発生時も取り組み、2020年1月30日には、李克強首相が視察したことは大々的に報道されました。

 

以下は、中国疾病预防控制中心(CDC Chinese Center for Disease Control and Prevention)のトップページのコロナ関連記事です。

 

翻訳の方法として私は2つの方法を採っています。

 

一つは中国語原文(中文)⇒英訳⇒日本語訳という手順によるもの。

 

もう一つは中国語原文(簡字体)⇒中文(繁字体)変換⇒中文(現代日本語漢字表記)⇒現代日本語という多段階の手順によるものです。

 

今回は、中国語原文(中文)⇒英訳⇒日本語訳という手順で翻訳しました。

 

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中国疾病预防控制中心

中国疾病予防管理センター

新型冠状病毒肺炎

新型コロナウィルス肺炎

 

 

冠状病毒是一大类病毒,已知会引起疾病,患者表现从普通感冒到重症肺部感染不同,例如中东呼吸综合症(MERS)和传染性非典型肺炎(SARS)。

 

Coronaviruses are a large group of viruses that are known to cause disease. Patients behave differently from the common cold to severe lung infections, such as Middle East Respiratory Syndrome (MERS) and Infectious Atypical Pneumonia (SARS).

 

コロナウイルスは疾病を引き起こすことが知られているウイルスの一群です。患者の症状は普通の風邪から重症の肺感染、例えば中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)のように多様です。

 

 

新型冠状病毒(nCoV)是一种先前尚未在人类中发现的新型冠状病毒,如此次武汉的新型冠状病毒2019-nCov。

 

The new coronavirus (nCoV) is a new coronavirus that has not been previously found in humans, and this time the new coronavirus 2019-nCov in Wuhan.

 

新型コロナウイルス(nCoV)とは、人類史上で今まで発見されていない新型コロナウイルスであり、今回の武漢の新型コロナウイルスの2019‐nCovはこれに相当するものです。

 

 

目前正处于冬春季呼吸道传染病高发季节,个人要做好卫生防护,注意保持室内环境卫生和空气流通,尽量减少到空气不流通或人流密集的公众场合活动,如有发热、呼吸道感染症状,请及时到医疗机构就诊。

 

It is currently in the season of high incidence of respiratory infectious diseases in winter and spring. Individuals must take good care of their health, pay attention to maintaining indoor sanitation and air circulation, and try to minimize public activities where there is no air circulation or crowded people. If you have fever or respiratory infection symptoms, please Visit a medical institution in time.

 

目下のところは呼吸器感染症の発生率が高い冬から春にかけての季節にあります。各人が健康管理をしっかり行い、室内の環境衛生と空気循環の維持に注意し、換気が不十分あるいは人ごみのある公的な活動を極力控えなくてはなりません。発熱や呼吸器感染症の症状があらわれたら、直ちに医療機関を受診してください。
  

 

 

コメント:

中国の公式見解では、発熱や呼吸器感染症の症状で直ちに医療機関を受診するよう指示していることになります。

ここで特定の医療機関であるという記述がない以上、一般の医療機関と考えるべきだと思います。

もし、それが事実だとすれば、中国で新型コロナウイルス感染症の終結宣言は極めて疑わしいメッセージだと思われます。

新型コロナ対策:世界最強の鍼灸マニュアル(回復期患者用)
現論文タイトル:中国针灸学会 新型冠状病毒肺炎针灸干预的指导意见 (第二版)

 

The China Association of Acupuncture and Moxibustion issued Acupuncture Treatment Guidelines for COVID-19

 

 

日本語翻訳・解説:杉並国際クリニック 飯嶋正広

 

二、针灸干预的方法

二.鍼灸治療介入の方法

 

ガイドラインでは治療法を予防期(診断が未確定な疑い症例)、治療期(診断が確定し症状出現した症例)、回復期の三つに分けています。

 

中国の研究ではコロナウイルスの悪化予防、治療に対して漢方や鍼治療が有効であるとしています。そして、本文中には脈の状態や、舌の状態によって使用するツボを選択する方法が掲載されていますが、鍼灸師が新型コロナウイルス患者の舌診を行うことは感染のリスクを高め極めて危険であるため省略しました。杉並国際クリニックでは、<予防期>と<回復期>のみを治療の対象とします。<治療期>は、入院の上、厳格な感染防御対策を講じることが可能な場合に限って実施すべきであると考えます。

 

 

(三)恢复期的针灸干预

(三)回復期の鍼灸ケア

 

目的:清除余毒,恢复元气,促进脏器修复,恢复肺脾功能。

 

目的:回復期には体に残存している病原体を排除し、活力を回復させ、肺、脾などの臓器の機能を修復する。

 

 

主穴:

内关、足三里、中脘、天枢、气海。

 

主穴:

内関(P6)、足三里(ST36)、中脘( CV12)、天枢(ST25)、気海(CV6)

 

 

1.肺脾气虚:

症见气短,倦怠乏力,纳差呕恶,痞满,大
便无力,便溏不爽,舌淡胖,苔白腻。胸闷、气短等肺系症状
明显者,配膻中、肺俞、中府;纳呆、腹泻等脾胃症状明显者,
配上脘、阴陵泉。
痰不利配丰隆、定喘。

 

1.肺・脾虚<息切れ、疲労感、食思不振、嘔吐、胃部膨満、排便力の低下、軟便/

 

舌候:

若干厚い白苔>

 

追加穴:
・肺系統の顕著な症状(胸の圧迫感、息切れ等):
膻中(CV17)、肺兪(BL13)、中府(LU1)
・胃・脾の顕著な症状(食欲不振、下痢):
上脘(CV13)、陰陵泉(SP9)

 

 

2.气阴两虚:

症见乏力,口干,口渴,心悸,汗多,纳差,
低热或不热,干咳少痰,舌干少津,脉细或虚无力。
乏力、气短明显者,配膻中、神阙;
口干、口渴明显者,配太溪、阳池;
心悸明显者,配心俞、厥阴俞;
汗多者,配合谷、复溜、足三里;
失眠者,配神门、印堂、安眠、涌泉。

 

2.気陰両虚(気虚+陰虚)<倦怠感、口や喉の渇き、動悸、発汗過多、食思不振、体温低下または無熱、痰の少ない乾性咳嗽/ 唾液減少を伴う乾舌、脈候は細または虚弱の場合>

(追加穴)

疲労感、顕著な息切れ :膻中(CV17)、神闕(CV8)
顕著な口渇、喉の渇き:太谿(KI3)、陽池(TE4)
心悸亢進:心兪(BL15)、厥陰兪(BL14)
発汗過多:合谷(LI4)、復溜(KI7)、足三里(ST36)
不眠:神門(HT7)、印堂(EX-HN3)、安眠(註:奇穴)、湧泉(KI1)

 

 

3.肺脾不足、痰瘀阻络:症见胸闷、气短懒言、疲乏无力、动则汗出、
咳嗽有痰、咳痰不利、肌肤加错、精神倦怠、食欲不振等,
配肺俞、脾俞、心俞、膈俞、肾俞、中府、膻中;咳

 

3.肺・脾の虚、隔を塞ぐ痰飲の滞り<胸部圧感、息切れ、発語の億劫、疲労、
労作時発汗、湿性咳嗽、痰からみ、落屑性乾燥肌、精神疲労、食欲不振その他>

 

追加穴:肺兪(BL13)、脾兪(BL20)、心兪(BL15)、隔兪(BL17)、腎兪(BL23)、中府(LU1)、膻中(CV17)

 

痰のからむ咳:豊隆(ST40)、定喘(EXB1)

 

 

刺灸方法:

根据实施的环境和管理要求,酌情选择。
以上各期,建议根据病情宜针则针,宜灸则灸,或针灸合用,
或配合穴位贴敷、耳针、穴位注射、刮痧、小儿推拿、穴位按摩等。
针刺平补平泻,每穴留针20~30分钟;
艾灸,每穴灸10~15分钟。
每天治疗一次。

 

刺鍼・施灸の方法:

施術環境と管理の必要性に基づいて、適切に選択してください。
以上(に挙げた臨床)の各期で、刺鍼のみとするか、施灸のみとするか、鍼灸を併用するか、あるいは(施術する)経穴耳針、経穴注射、擦過、小児マッサージ、経穴按摩等を病状に応じて組み合わせてください。

 

・鍼治療は補法と瀉法を組み合わせて施術すべきです。
経穴ごとに20~30分の置鍼を行います。

 

・灸を行う場合は10〜15分程温めます。
・治療は1日1回行います。

 

 

具体操作请参照国家标准“针
灸技术操作规范”以及临床经验实施

 

具体的な治療操作は、国家標準「鍼灸操作規準」を参照し、
臨床経験に基づいて実施してください。

 

 

 

杉並国際クリニックでの鍼灸活用法
翻訳に最後になって、貴重な情報を得ることができました。

それは、中国の鍼灸治療の国家認定のテキストの存在です。

“针灸技术操作规范”というタイトルの教科書です。

この教科書には世界標準の価値ある実際的・実践的な内容が盛り込まれているのではないかと推測することができます。今後の研究課題の一つとして楽しみです。

 

新型コロナウイルス感染症の回復期の鍼灸治療レシピの内容を、漢方専門医としての視点のみならず、心療内科指導医の立場から分析してみても、日常診療において極めて多様で広範なケースに応用できそうです。

聖楽療法の体系構成

第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にしました。
今は、いよいよ「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」に入ります。

 

第二部は、聖楽療法の拠点としての聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。
それでは、「第二部 聖楽療法 理論と実践の性質」のアジェンダを示します。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

第4章 臨床聖楽法における芸術音楽の価値

第5章 臨床聖楽法の理論的根拠、実践、意味

第6章 音楽療法モデルにおける臨床聖楽法の考え

第7章 現代の音楽療法の枠組みにおける臨床音楽法の考え

 

 

それでは本題に入ります。

 

第3章 臨床聖楽法の起源と基礎

 

音楽療法はどのように発展してきたのか?
そして臨床聖楽法は音楽療法の中でどのような立場と役割をもつのか?

 

「療法における音楽」と「療法としての音楽」

 

本章での最初の議論は、「療法における音楽」と「療法としての音楽」という概念の区別です。「療法としての音楽(music as therapy)」は、ポール・ノードフとクライン・ロビンズが初めて使った表現です。彼らの研究の中で「療法としての音楽の技法(The art of Music as Therapy)」という表現があり、これは「療法は音楽の中で起こる」というスタンスを強調した音楽中心性というアプローチが彼らの哲学的基礎であることを明らかにしています。また、ヘレン・ボニーも、「音楽という療法(music- as- therapy)」という表現を用いています。

 

ところで、ケネス・ブルシアは即興的音楽療法モデルの研究の中で、「音楽中心」という言葉を用いています。ただし、これはその後、即興的アプローチに限って用いられる用語ではなく、既成の音楽を使用するGIM(音楽によるイメージ誘導法)のようなアプローチの実践者の間でも用いられています。ブルシアは「療法としての音楽」というアプローチと「療法における音楽」というアプローチの違いを比較検討しています。

 

ブルシアは、それぞれのアプローチの違いを、どのような臨床的立場に立ったものかによって区別しています。その区別を決定する基準は、クライエントのニーズの違いであるとします。

 

「療法としての音楽」では、クライエントが音楽と直接的に係ることが強調され、その際に音楽はクライエントの療法的な変化を引き出す主要な刺激もしくは反応を引き出す媒体としての役割を果たします。

これに対して、「療法における音楽」では、音楽は主要な唯一の要因ではなく、むしろ対人関係や他の治療方法を通じた療法的変化を促進するために使われます。

 

臨床聖楽法は、音楽を最も主要な要因としますが、これを唯一の要因とするものではありません。しかも、セラピーセッションの中では、対人関係や他の治療方法の要因をも有効に活用することによって療法的変化を促進するために使用します。

そのため臨床聖楽法は全体としては「療法における音楽」に分類されることになりますが、クライエントが音楽と直接的に係ることを可能な限り尊重する立場としては、その中核には「療法としての音楽」が据えられています。

 

臨床聖楽法は、「療法における音楽」と「療法としての音楽」とを明確に区別して分類する立場ではなく、むしろ、両者を連続的かつ包括的に体系化して実践することによって目的を果たすことができるとする立場です。

週間<外国語>旅行

日曜日はブラジル語旅行なのですが、ブラジル語とは、いわばポルトガル語のブラジル方言であり、しかも、現在のポルトガル語より、かつてのポルトガル語を、より今にとどめているということを聞いたことがあります。今回は、ポルトガル本国のニュースを仕入れて、翻訳を試みました。

 

新型コロナウイルス感染症拡大で非常事態宣言(ポルトガル)
マドリード発 2020年03月26日

 

ポルトガルのマルセロ・ソウザ大統領は3月18日、国内での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非常事態宣言(大統領令nº 14-A/2020)を発表しました。

 

以下が、大統領令の非常事態宣言のポルトガル語原文と日本語私訳です。

 

ポルトガル語には不慣れなため、一文ごとに訳出しました。

Diário da República, 1.ª série

PRESIDÊNCIA DA REPÚBLICA

Decreto do Presidente da República n.º 14-A/2020
de 18 de março

 

共和国大統領府

共和国大統領令第14-A号(2020年3月18日)

 

 

Sumário: Declara o estado de emergência, com fundamento na verificação de uma situação de calamidade pública.

 

Summary: Declares a state of emergency, based on the verification of a situation of public calamity.

 

要約:公共災害状況の検証に基づく非常事態宣言

 

 

A Organização Mundial de Saúde qualificou, no passado dia 11 de março de 2020, a emergência de saúde pública ocasionada pela doença COVID -19 como uma pandemia internacional, constituindo uma calamidade pública.

 

2020年3月11日に、世界保健機関(WHO)はCOVID-19によって引き起こされた公衆健康危機を非常事態と定め世界的パンデミックであると表明しました。

 

 

A situação tem evoluído muito rapidamente em todo o mundo em geral, e, em particular, na União Europeia.

 

この事態は極めて急速な広がりを見せ、世界中に及び、欧州連合(EU)では顕著です。

 

 

Em face do que antecede, têm sido adotadas medidas de forte restrição de direitos e liberdades, em especial no que respeita aos direitos de circulação e às liberdades económicas, procurando assim prevenir a transmissão do vírus.

 

これまでの経過を振り返ると、人権や自由の制限を採択する対策が取られてきました。とりわけ移動や経済的自由に関しては特になのですが、このようにしてウイルスの伝搬を食い止めようとしています。

 

 

Portugal não se encontra imune a esta realidade.

 

ポルトガルはこの現実を免れていません。

 

 

Bem pelo contrário, são crescentes os novos casos de infetados no nosso País.

 

それどころか、わが国での新たな感染者数が増えています。

 

 

O conhecimento hoje adquirido e a experiência de outros países aconselham a que idênticas medidas sejam adotadas em Portugal, como forma de conter a expansão da doença, sempre em estreita articulação com as autoridades europeias.

 

今日得られている理解や、ポルトガルでも同様の対策法を採択すべきであるという諸国からの意見を経験して、この疾患の拡がりを抑え込む方法について、常に欧州当局と密接に協調してあたっています。

 

 

Em Portugal, foram já adotadas diversas medidas importantes de contenção, as quais foram, de imediato, promulgadas pelo Presidente da República, e declarado o estado de alerta, ao abrigo do disposto na Lei de Bases da Proteção Civil.

 

ポルトガルでは、すでに数種の重要な封じ込め対策を採択してきており、それらは共和国大統領によって直ちに公布され、市民防禦基本法規定に基づき非常事態を宣言しました。

 

 

Contudo, à semelhança do que está a ocorrer noutros países europeus, torna -se necessário reforçar a cobertura constitucional a medidas mais abrangentes, que se revele necessário adotar para combater esta calamidade pública, razão pela qual o Presidente da República entende ser indispensável a declaração do estado de emergência.

 

しかしながら、他の欧州諸国で起きているように、より包括的な対策をとるための憲法上の適応範囲を拡張する必要があり、その措置を取ることは、この公共的災害と戦うために必要であり、共和国大統領が非常事態宣言を不可欠であると考えるところです。

 

 

Nos termos constitucionais e legais, a declaração limita -se ao estritamente necessário para a adoção das referidas medidas e os seus efeitos terminarão logo que a normalidade seja retomada.

 

憲法および法律の用語では、宣言はこのような対策を採択するためには厳密な必要性があるものに限定され、それらの効力も正常さが回復するやいなや終了するものとします。

 

 

Entretanto, confere às medidas que se traduzam em limitações de direitos, liberdades e garantias o respaldo Constitucional que só o estado de emergência pode dar, reforçando a segurança e certeza jurídicas e a solidariedade institucional.

 

しかしながら、人権、自由および憲法上の保証を制限しようとする対策は、法律の安全性や確実性および制度の安定性を強化しながら、非常時に限り適応できるものです。

 

 

Foram consideradas, em articulação com o Governo, as posições da Autoridade de Saúde Nacional.

 

政府と合同して、国家の保健当局(ポルトガル保健省?)の位置づけを検討しました。

 

 

Foi ouvido o Conselho de Estado.

 

国会で公聴会が開かれました。

 

 

 

Nestes termos, o Presidente da República decreta, nos termos dos artigos 19.º, 134.º, alínea d), e 138.º da Constituição e da Lei n.º 44/86, de 30 de setembro, alterada pela Lei Orgânica n.º 1/2011, de 30 de novembro, e pela Lei Orgânica n.º 1/2012, de 11 de maio, ouvido o Governo e obtida a necessária autorização da Assembleia da República, através da Resolução da Assembleia da República n.º 15-A/2020, de 18 de março, o seguinte:

 

最後は英訳で掲載しました。

 

Accordingly, the President of the Republic decrees, pursuant to Articles 19, 134(d), and 138 of Constitution and Law No. 44/86, of September 30, as amended by Organic Law No. 1/2011 of November 30, and Organic Law No. 1/2012 of May 11, after hearing the Government and obtaining the necessary authorization of the Assembly of the Republic, through the Resolution of the Assembly of the Republic No. 15-A/2020 of March 18, the following:

 

この後も、具体的な条項が続くのですが省略します。
その代わりに解説を加えることにします。

 

3月19日から4月2日まで15日間にわたり、食料品以外の小売店や飲食店、商業施設の閉鎖を命じるとともに、国民の移動を制限。生活必需品の購入、優先度の高い仕事、医療機関訪問、介護、単独での運動、ペットの散歩、その他やむを得ない事情を除き、原則的に外出禁止となりました。ポルトガルでは3月13日にWHOのパンデミック宣言を受けた警戒事態宣言を発令し、大人数のイベント開催禁止措置や医療サービスの即応体制の構築を開始するとともに、レイオフの支援や16日からの一斉休校を発表していたが、今回はそれを非常事態に格上げした形。

ポルトガル保健省の25日付発表によると、同日午後8時時点では国内で確認された感染者数は 2,995人(うち死者は43人)だが、その他感染の疑いがある人が2万1,155人と過去10日間で急増しており、感染拡大による医療機関の麻痺を未然に防止することが急務とされています。

 

企業に資金繰り支援や納税猶予

 

ポルトガル政府は3月18日、2020年第2四半期の経済対策における、感染拡大で打撃をうける企業や労働者を対象とした経済救済措置を発表しました。主な内容は以下のとおり。

 

• 企業の資金繰り支援:飲食・観光、一部製造業(繊維・アパレル、鉱業、木材)向けに合計30億ユーロの信用保証枠。うち10億4,500万ユーロは中小企業向け。

 

• 税制:付加価値税や所得税源泉徴収、法人税に納付猶予。

 

• 社会保険料:従業員50人未満の企業に対し3~5月の社会保険料企業負担分を3分の1に減額。250人未満の企業についても条件を満たせば適用対象になる。

 

• 決済システム:公衆衛生上の理由から現金払いを控えるためコンタクトレス(身体接触がないタイプの)カードの利用上限額を20ユーロから30ユーロに引き上げ。
最後に。欧州各国の大統領の権限は強大ですが、自国民に対して権利や自由の一時的制限について根気強く丁寧に、極めてきめの細かい配慮と共に手当てしていることが良くうかがわれました。