第一部では、聖楽療法の理論の背景としての心身医学について概説し、そのうえで新しい心身医学の考え方を明確にします。

 

第二部は、聖楽院とは何かについて、その起源を述べ、いくつかの心身医学的アプローチをどのように応用して発展してきたかを省察します。

 

第三部は、心身医学の理論に根ざした聖楽院の哲学的な基礎概念を示し、心身医学療法の領域において水氣道の考えが心身医学療法の一般的な理論となりうるかを論じます。

 

第四部では、聖楽療法理論の一般的理論としての側面について、その概略を述べます。

 

 

本稿全体の焦点は、現在の臨床実践の概念的枠組みおよび聖楽療法の理論を考えていくために、新しい心身医学療法の一般的な理論的枠組みを提供することです。

 

そのため聖楽療法の実践例を十分に示しながら、聖楽療法とはどのようなものかを描写します。

 

 

新しい心身医学療法の理論的概念の骨組みを通して、統合的視野を持って参加者のニーズを満たすような実践を行う姿勢を示すことで、聖楽療法実践者にとって常に望ましい臨床的姿勢とは何か、ということについての説明を試みます。

 

 

聖楽院への参加やレッスンプログラムの作成や指導活動から得られる喜びのすべてが、聖楽療法のプロセスの本質です。

 

この本質は、多様な臨床場面に応用でき、効果的な療法の基礎を形成するものです。レッスン生が意味のある体験を創造するために、こうした観点が重要な役割を果たしてきました。

 

できるだけ多くの心身医学療法の実践領域に伝えていくことを目的としたいと思います。

 

本書は、聖楽院の考えを心身医学療法理論の基礎と考える、という議論を通してその目的を果たそうとするものです。

 

<はじめに>

 

 

前回は「歯の痛み」に効果のある「合谷(ごうこく)」ツボを紹介しました。

 

 

「合谷」は親指と人差し指の間にあります。

 

 

今回は「喉の痛み、咳、痰」に効果のあるツボを紹介します。

 

 

 

<喉の痛み、咳、痰に効果のあるツボ>

 

2020-02-04 15-40

 

 

今回は「天突(てんとつ)」「天鼎(てんてい)」「尺沢(しゃくたく)」を紹介します。

 

 

「天突」は左右の鎖骨を結んだ中央の窪みにあります

 

 

「天鼎」は下顎角の直下で胸鎖乳突筋中の1寸下方胸鎖乳突筋の後縁にあります。

 

 

「尺沢」は肘前面のしわの上にあり、肘を曲げることで出てくるの腱のすぐ外側にあ

 

ります。

 

 

特に尺沢にお灸をすると良いでしょう。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

新型コロナウイルス感染症蔓延の状況刻々と状況が変化し続けています。

医療機関としての最重要情報は、確立した診断基準です。

突発的な新規の感染症は、治療法がありません。

そのため予防対策の確定が最優先課題です。

予防法と密接に関連するのは早期発見です。

こうしたなかで、厚生労働省は「臨床的特徴」や「感染が疑われる患者の要件」について、適時アップデートしています。

 

 

“濃厚接触”とは?・・・初めての具体的定義
 

厚生労働省は、2月4日付の感染症法に基づく届出基準の一部改正について都道府県宛通知1)しました。

そこで同感染症の「臨床的特徴」および「感染が疑われる患者の要件」を下記のように定義しています。

 

通知1)感染症の予防及び感染症の患者に関する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について(一部改正)(2020年2月4日掲載)

 

 

<臨床的特徴(2020年2月2日時点)>
臨床的な特徴:潜伏期間は2~10日であり、その後、発熱、咳、全身倦怠感等の感冒様症状が出現する、としています。

一部では、主に5~14日間で呼吸困難等の症状を呈し、胸部 X 線写真、胸部 CT などで肺炎像が明らかとなります。

とくに高齢者及び基礎疾患を持つものにおいては重症化するリスクが一定程度あると考えられています。

 

<感染が疑われる患者の要件>
患者が次のア、イ、ウ又はエに該当し、かつ、他の感染症又は他の病因によることが明らかでなく、新型コロナウイルス感染症を疑う場合、これを鑑別診断に入れます。
ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではありません。

 

ア)発熱または呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、
新型コロナウイルス感染症であることが確定したものと濃厚接触歴があるもの

 

イ)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内にWHOの公表内容から新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域に渡航又は居住していたもの

 

ウ)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内にWHOの公表内容から
新型コロナウイルス感染症の流行が確認されている地域に渡航又は居住していたものと濃厚接触歴があるもの

 

エ)発熱、呼吸器症状その他感染症を疑わせるような症状のうち、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断し
(法第14条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症に相当)、
新型コロナウイルス感染症の鑑別を要したもの

 

 

※濃厚接触とは、次の範囲に該当するものです。

 

・ 新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居
あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があったもの

 

・ 適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を
診察、看護若しくは介護していたもの

 

・ 新型コロナウイルス感染症が疑われるものの
気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高いもの

 

 

 

杉並国際クリニックの見解:
新型コロナウイルス感染を疑う上で、臨床症状は参考程度にしかならないということを肝に銘じておくべきでしょう。

発熱その他の症状が現れていなくても、流行地の渡航歴や居住歴、あるいは流行地から来訪した人々との接点がある場合は、感染の可能性を完全に否定できないということになります。

令和2年2月7日(金)9:00am~11:00am


稽古施設:大宮前体育館 温水プール(第1レーン)

参加者総数7名

監督指導者:水氣道正七段 飯嶋正広

修練生インストラクター:水気道1級 加藤博文(報告記録担当)

受付当番:水氣道准3級 木村英一

 

 

【稽古内容】

1) 親水航法

 

2) 準備体操(いきいき体操):一列縦隊行進方式
監督指導者・修練生・特別体験生4名、訓練生・特別体験生3名の2班に分かれて
おこなった。

<いきいき体操新項目披露>修錬性2名、特別訓練生1名に対し、監督指導者から体操新項目の披露があった。

 

3) 基本五航法:一列縦隊行進方式

監督指導者・修練生・特別訓練生4名、訓練生・特別体験生3名の2班に分かれて
おこなった。

 

〇 訓練生・特別体験生は、起・承・転・結・縁の全ての形を実施した。

 

〇 監督指導者・修練生・特別訓練生は、基本の起のみを実施し、動作の確認が
必要な第2航法(棒歩き)、第3航法(前蹴り歩き)、第5航法(前後蹴り歩き)については、その後の形もおこなった。

 

4) 各種航法:名宣り稽古方式
  理氣航法、調血航法、舞踊航法、水拳航法の4航法

 

5)整理体操(のびのび体操):

担当修錬生リーダーが3名のサブリーダーを指名して順次行った。

 

 

解説:

固定の参加者が全員参加できた。

参加メンバーは1月に全員昇級したため、体験生が不在となっている。

新たな体験生が参加できるような環境を整えていかねばならない。

また、支援員も不在であった。金曜日はこの状態が続いている。

稽古内容は、水氣道寒稽古の基本順序でおこなわれた。

朱帽子(修練生・特別訓練生)に対し、基本五航法の動作確認およびいきいき体操新項目の周知ができた。

各種航法では、1巡目特別体験生による名宣り、2巡目訓練生による名宣りの稽古ができた。

それぞれ、声を出すことによるメリット(「体に血が巡ってくるのを感じた」2名、「名宣りの方法が判ってきた」1名)をみいだせていた。

 

 

予定:

〇 次回の稽古で、准3級以上の者は「改良されたイキイキ体操および基本五航法」の理解を確かなものとする。

 

〇 今月中に、准3級以上の者は「改良されたイキイキ体操および基本五航法」の技を訓練生に対して個別対番方式で伝授できることを目標とする。

杉並区公式ホームページより(2年1月21日、2月7日更新)

中華人民共和国の武漢市を含む湖北省において、元年12月以降、新型コロナウイルスによると思われる肺炎の発生が複数報告されています。

他の感染症と同様、ご家庭や学校・職場などでも対策に努めていただくようお願いいたします。
 

具体的には、流水と石鹸による手洗いを頻回に行いましょう。

特に、外出後、咳をした後、口や鼻や目を触る前には、手洗いを徹底しましょう。

また、周りの人への感染を予防するために、咳エチケット(マスクをつける、袖で口・鼻を覆う、ティッシュやハンカチで口・鼻を覆う)を守り、人が多く集まる場所は避けましょう。

栄養バランスの良い食事や規則正しい生活を心がけ体力を維持することも大切です。

 

 

杉並区の相談窓口

現在杉並区におり、次の 1・2 を満たす方は、帰国者・接触者電話相談センターにご相談ください。

 

条件を満たさない方は、「新型コロナウイルス感染症についての一般的な電話相談」にご相談ください。

 

1. 発熱(37.5度以上)かつ呼吸器症状を有している。

 

2. 発症から2週間以内に、以下の(ア)、(イ)のばく露歴のいずれかを満たす。

(ア) 武漢市を含む湖北省への渡航歴がある。

(イ)「武漢市を含む湖北省への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴がある。

 

 

杉並区帰国者・接触者電話相談センター 

電話:03-3391-1299 

受付時間:午前9時から午後5時まで(土曜日・日曜日・祝日を除く)

 

上記以外の時間は、以下に相談してください。

都・特別区・八王子市・町田市合同電話相談センター 

電話:03-5320-4592
 

受付時間

平日:午後5時から翌日午前9時まで 

土曜日・日曜日・祝日:終日(24時間)

 

 

新型コロナウイルス感染症についての一般的な電話相談 

杉並保健所保健予防課 電話:03-3391-1025

荻窪保健センター 電話:03-3391-0015

高井戸保健センター 電話:03-3334-4304

高円寺保健センター 電話:03-3311-0116

上井草保健センター 電話:03-3394-1212

和泉保健センター 電話:03-3313-9331

 

受付時間:午前8時30分から午後5時まで(土曜日・日曜日・祝日を除く)

東京都 新型肺炎感染疑い早期発見へ 相談センターを新設


2020年2月3日 20時49分新型肺炎

 

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京都は感染の疑いのある人を早期に把握して医療機関の受診につなげるため、「帰国者・接触者電話相談センター」を新たに開設するなど感染拡大の防止に向けた取り組みを強化することになりました。

 

対象は、感染の疑いがある人を早期に把握して医療機関の受診につなげるため、都は37度5分以上の発熱や武漢への渡航歴がある人などです。

相談センターは都と23区のほか、八王子市と町田市の保健所に設置され、感染の可能性が高いと判断された人には「帰国者・接触者外来」を設ける都内のおよそ80の医療機関を紹介するということです。

また、3日の会議では都が国に対し、患者への濃厚接触者で症状のない人のウイルス検査に関する統一的な指針の提示や、ウイルスの有無を迅速に調べることができる診断キットやワクチンの早期開発を要請することなどを決めました。

 

このほか、小池知事はチャーター便で帰国した人でほかの人に感染させるおそれがなくなった場合、住まいが必要な人には都として住宅を用意して支援するよう職員に指示しました。

 

 

予告関連記事:

号外2月8日 

新型コロナウイルス感染症、“疑い例”の定義について/厚生労働省

 

号外2月9日 

新型コロナウイルス感染症/厚生労働省発表に対する日本医師会の見

 

Lancet誌オンライン版2020年1月30日号より。
 

2月を迎えてから、連日コロナウイルスの話題でもちきりです。

新着情報を毎日確認していないとついていけなくなってしまう程です。

 

今週は、新型コロナウイルスの話題を毎日発信していきましたが、掲載時には、すでに古い情報になっているような有様です。

そこで、追加情報のまとめとして、この号外を発信することにしました。

 

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病原体として同定された新型コロナウイルス(2019-nCoV)について、中国疾病予防管理センターのRoujian Lu氏らがゲノム配列を調べました。
 

 

著者らは、入院患者9例(うち8例は海鮮卸売市場を訪れた症例)の気管支肺胞洗浄液サンプルと培養分離株の次世代シークエンシングを行ないました。

これらの症例から全体および部分的な2019-nCoVゲノムシークエンスを取得し、2019-nCoVゲノムとほかのコロナウイルスの系統解析を用いてウイルスの進化について同定し、可能性のある起源を推定したものです。
 

 

主な解析結果:

❶ 9例から得られた新型コロナウイルス(2019-nCoV )の10のゲノム配列は非常に類似し、同一性は99.98%以上だった。

 

❷ 2018年に中国東部の舟山で収集された2匹のコウモリ由来の重症急性呼吸器症候群(SARS)様コロナウイルス(bat-SL-CoVZC45、bat-SL-CoVZXC21)は、新型コロナウイルス(2019-nCoV) と88%の同一性であった。

 

以上の結果より、
2019-nCoVは系統解析では、コウモリがこのウイルスの最初の宿主(第1宿主)である可能性が示唆されました。

ヒトに感染する新たなβコロナウイルスと考えられ、βコロナウイルス属サルべコウイルス亜属に分類されます。

 

さらに武漢市の海鮮卸売市場で販売されている生け捕りのままの動物はヒトでのウイルス出現を促進する中間宿主(第2宿主)である可能性が示されました。

 

ホモロジーモデリングから、新型コロナウイルス(2019-nCoV)は受容体結合ドメイン構造がSARS-CoVと似ていることがわかりましたが、SARS-CoVとは異なるタイプです。

最も近縁のbat-SL-CoVZC45およびbat-SL-CoVZXC21より比較的長い分岐長を有し、SARS-CoVとは遺伝的に異なることが認められました。

 

さらに構造解析から、新型コロナウイルス(2019-nCoV)がヒトのアンジオテンシン変換酵素(ACE)2受容体に結合できる可能性が示唆されました。

 

 

杉並国際クリニック院長からのコメント:

私は、今回の新型コロナウイルス流行については、1月5日付けの産経新聞「中国 原因不明の肺炎 武漢で44人発症 11人重症」という見出しの記事を家内から見せられた段階で、おおよその予測がついていました。

政府の対応が遅いことも家内とともに心配していましたが、ついに1月末には、日本の対応の杜撰さを抗議する英国人の友人からメールを受け取るにいたりました。

とりあえずの返信をしましたが、それ以降の反応はありません。

初動は遅かったのは否めませんが、それ以降の政府は概ね適切な対応となりつつあるように見られます。

危険なコロナウイルスがもう一つあります。それはMERS-CoV(中東呼吸器症候群)です。MERS-CoVは12年9月にサウジアラビアのジェッダで1例目が発見されました。

このコロナウイルスも最初は野生のコウモリからヒトに感染したと考えられています。

その後ヒトコブラクダに感染が広がり、今では多くの症例がラクダからヒトへの感染によるものと考えられています。
 

MERS-CoVに関しては15年の韓国での大流行が記憶に新しいところです。

韓国では中東地域から仕事で帰ってきた1人の会社員の男性からこの流行が始まり、同年5月から7月にかけて大流行となりました。

この時の流行では多くの患者さんが病院などの医療機関で感染したことが明らかになり、院内感染対策の重要性が改めて強調されました。
 

東京オリンピックの開催国である日本は、中国以上に、テロ対策ばかりでなく、このような感染症の国内発生や輸出入などに対する防衛管理が求められることになるでしょう。
 

私が最も恐れているのは、自然災害と人災の区別があいまい化し、複合的になりつつある昨今の災害状況についてです。

最悪な結果をもたらすのは、病原体がテロ兵器として用いられることです。テロ対策と感染症予防は別々に実施するのではなく、並行して対策を講じる必要があるのではないかと考えています。

 

<完>

B組定例稽古

 

2020年2月6日(木)

時間帯:10:00~11:30am

レッスン場所:東高円寺<音海>会場

進行:聖楽院主宰 飯嶋正広

ファシリテーター:松田要

ピアノ伴奏:A組担任・B組協力ピアニスト中村達郎

参加者:レッスン生2名(ファシリテーター1名、体験生1名)

 

 

プログラム

 

1) 体慣らし

水氣道体操前編(第1節:首体操、第2節:肩体操、第3節:体幹体操)

ファシリテーターにより提示。

 

2) 声慣らし

聖楽院式発声練習:スケールエクササイズ(ハミング+実声)

音高上昇に伴い段階的に共鳴焦点を移動させる聖楽院式共鳴増強法:<迎香穴>を共鳴の焦点とする歌唱レッスン

 

3)コンコーネ50番で歌う小倉百人一首No1(中声用)

初回参加者の声域点検

五線譜の中のドからオクターブ上のドまで、次いでオクターブ上のドからレ・ミまで上昇し、最後に順次に下降するスケールとしてコンコーネ50番のNo1を用いた。

 

Step1:「ア」による母音唱法

 

Step2:階名唱法

 

Step3:小倉百人一首の歌詞による唱法

 

  
レッスン生の気づきのコメント

〇 ファシリテーターを務めることによって、譜面上のすべての音を無理なく発生することができた。


〇体験生はファルセット様発声を常とするために、ファシリテーターより1オクターブ高い声での発声であったが、協調してレッスンすることができた。

 

〇体験生は、高いドから始まり、1オクターブ低いドまで発声することができた。

ファルセットの高音部分のみならず低音の発声の際にも、喉頭周辺部位に激しい痛みを感じた。

 

 

主宰によるまとめ:
  

体験生は、五線譜内の中間音の発声を苦手としている。

またファルセットのときだけでなく、低音を発生するときにも必要とされる声帯の伸張に伴って局所の疼痛が生じるパターンを観察することができた。

松本力(つとむ)さんは、令和2年1月30日に79歳でお亡くなりになりました。

 

松本さんは、水氣道創設以前からの第1号会員として20年以上の永くにわたって、水氣道と共に歩み続けてきました。

 

当初から、進行した糖尿病で、糖尿病特有の合併症(腎症、神経障害など)の他、左下肢の糖尿病性壊疽を来しかかった状態で、それまでの主治医から左足切断、腎透析を言い渡されていました。

そのうえ持病の気管支喘息の発作にもたびたび苦しめられていました。

 

薬物療法のみでは限界があり、針通電療法その他の物理療法を併用することによって、壊疽による足切断は免れました。

運動療法を推奨しましたが、糖尿病性神経障害に伴う感覚鈍麻と神経痛、そして筋力低下のため陸上での歩行にも支障をきたし始めていたため、温水プールでの水中歩行をはじめていただくことになりました。

 

運動嫌いの松本さんでしたが、次第に稽古を楽しみにしてくれるようになるにつれて、陸上歩行も可能になりました。腎透析の導入もそれから10年程先延ばしにすることもできました。

 

その後も、糖尿病による動脈硬化を主因とする狭心症・心筋梗塞や一過性脳虚血発作・脳梗塞など、たびたび生命の危機に曝されましたが、そのつど業病を乗り越え、水氣道の稽古に復活されました。

誰とはなく「不死身の松本さん」と御声掛けするようになりました。

 

しかし、水氣道を杖として歩んでこられた長きにわたる闘病生活も最後の入院の時を迎えました。1月26日(日)にお見舞いに伺うと、「2月(の水氣道の稽古に)は行けん」と寂しそうに語る松本さんの姿を見たのが最後になりました。

 

松本さんとともに歩んだ水氣道の20年で確かに学んできたことがあります。

それは、他の方法では決して得ることができない固有の癒しの力を水氣道が確かに持っているということです。

そして、多くの皆様が水氣道を楽しく取り組んでいただくことにより、水氣道が、そうした皆様の生涯にわたって良き伴侶のように寄り添い続けてくれるであろうということです。

 

松本さんは、10年以上もの間、水氣道2級(中等修錬生)として地道な稽古を続けてこられました。

そうした松本さんの業績を顕彰するために、昇級審査委員会の総意に基づき、本年の元旦付けで水氣道名誉1級(特別高等修錬生)を贈呈させていただきました。

 

松本力さんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。

 

日本水氣道協会 

創始者 飯嶋正広

 

松本1級

コロナウイルスの仲間は、今回発見されたウイルスを含めて7種が同定されています。

 

そのうちの4つ、229E、OC43、NL63、HKU1は、ごく普通の風邪でみられる、いわゆる「風邪の原因ウイルス」です。

しかし、前4者とは明らかに臨床像が異なるコロナウイルスがこれまでにも知られていました。

 

2002年と12年にSARS-CoVとMERS-CoVが感染症を起こしています。

この2つは下気道感染を起こすコロナウイルスです。

ですからSARSやMERSなど重症の呼吸器疾患を起こすウイルス種まで実に広範であることを忘れてはなりません。

コロナウイルスは、さまざまな野生動物からヒトに感染するリスクがあると考えられています。

 

重症の呼吸器疾患を起こす既存のコロナウイルス感染症として注意すべきなのが、上記のSARS-コロナウイルス(SARS-CoV)とMERS(中東呼吸器症候群)-コロナウイルス(MERS-CoV)です。

そして今回の新型コロナウイルス2019-nCoVです。
 

 

SARS-CoVは02年11月に中国の広東省で1例目が発見され、03年の3月までに世界中に広がりました。

SARS-CoVは重症の肺炎を起こし、65歳以上の高齢者では死亡率が50%以上になる危険な感染症でした。

その後、患者の早期発見と厳重な隔離によって、流行は終息しました。
 

このSARS-CoVはジャコウネコやハクビシンといった野生動物からヒトに感染したものではないかと考えられています。
 

 

中国では野生動物を食べる習慣があり、そのための市場も籠に入れた動物を売買するなど非衛生的であり、『動物は病原体のパッケージである(“Each animal is a package of pathogens,”)』というメッセージ表現は意味深長というよりもショッキングですらあります。

 

<明日に続く>