2月7日 新型コロナウイルスについて(No5)

危険なコロナウイルスがもう一つあります。それはMERS-CoV(中東呼吸器症候群)です。MERS-CoVは12年9月にサウジアラビアのジェッダで1例目が発見されました。

このコロナウイルスも最初は野生のコウモリからヒトに感染したと考えられています。

その後ヒトコブラクダに感染が広がり、今では多くの症例がラクダからヒトへの感染によるものと考えられています。
 

MERS-CoVに関しては15年の韓国での大流行が記憶に新しいところです。

韓国では中東地域から仕事で帰ってきた1人の会社員の男性からこの流行が始まり、同年5月から7月にかけて大流行となりました。

この時の流行では多くの患者さんが病院などの医療機関で感染したことが明らかになり、院内感染対策の重要性が改めて強調されました。
 

東京オリンピックの開催国である日本は、中国以上に、テロ対策ばかりでなく、このような感染症の国内発生や輸出入などに対する防衛管理が求められることになるでしょう。
 

私が最も恐れているのは、自然災害と人災の区別があいまい化し、複合的になりつつある昨今の災害状況についてです。

最悪な結果をもたらすのは、病原体がテロ兵器として用いられることです。テロ対策と感染症予防は別々に実施するのではなく、並行して対策を講じる必要があるのではないかと考えています。

 

<完>