2) 脂質異常症の管理目標値決定のためのリスク・カテゴリー
脂質異常症とは、血液中の脂質濃度が異常値を示す疾患であり、わが国における脂質異常症の頻度は、男性約23%、女性約18%といわれています。その診断・治療の目的は動脈硬化性疾患および急性膵炎の予防です。
とりわけ、脂質異常症の治療の最大の目的は、将来起こりうる動脈硬化性疾患の予防にあります。
脂質異常症は、冠動脈疾患などの動脈硬化性疾患を起こす主要リスクの一つです。
わが国でも総コレステロール(TC)、LDLコレステロールが高値の場合に、冠動脈疾患の発症率、死亡率を増加させることが示されています。
同様に、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド(TG)血症も冠動脈疾患や非心源性脳梗塞を増加させることが示されています。
また高度の高TG血症は急性膵炎を起こす可能性があり、その診断・治療は重要です。
日本動脈硬化学会では、脂質異常症を中心とする治療指針を改定し、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」を発表しました。
改訂のポイントは、
① 吹田研究に基づく10年間の冠動脈疾患の発症をエンドポイントとして行い、絶対リスクの算出を行なったこと、
② 高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群をリスクとして考慮すべき状態として取り上げたこと
③ 家族性高コレステロール血症(FH)の診断・治療に関する記載を充実させたこと、
④ FHや急性冠症候群など、二次予防までの高リスク病態において、LDLコレステロール100㎎/dL未満より、さらに厳格な脂質管理目標を提言したこと、
<明日に続く>
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