今月のテーマ「ウイルス性消化器疾患の最新医療」
<免疫抑制・化学療法によるB型肝炎ウイルスの再活性化問題②>
B型肝炎のマネメントは、まず最初に、HBs抗原を測定(スクリーニング検査)します。
HBs抗原陽性の場合:核酸アナログ(エンテカビルなど)による抗ウイルス療法を開始します。
HBs抗原陰性の場合:HBc抗体とHBs抗体を測定します。
いずれかが陽性の場合:HBV-DNAを測定します。
このHBV-DNAが陽性(≧2.1log copies/mL)なら、
肝酵素(AST/ALT)活性が基準値内であっても、直ちに核酸アナログ療法を開始します。
免疫抑制・化学療法中は定期的にHBV-DNA測定を行い、
陽性化したら直ちに核酸アナログを投与します。
免疫抑制・化学療法終了後も、B型肝炎ウイルスの再活性化が起こり得るので、
当面の期間、核酸アナログの投与を継続し、引き続きフォローアップが必要となります。
分子標的薬による治療中に再活性化することもあり、
特にリツキシマブを含む化学療法ではリスクが高いことが知られています。