金曜シリーズ < よくある問い合わせ ② >

 

 

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漢方薬で体質改善のための治療を希望していますが、喫煙は漢方薬の効果を妨げる可能性はあるでしょうか?

 



ChatGPT

❶漢方薬による治療に関しては、一般的には禁煙が健康に良い影響をもたらすことが期待されます。ただし、漢方薬の具体的な効果や相互作用については、使用される漢方薬や個々の体質によって異なる可能性があります。

 

❷漢方薬は複数の成分から成り立っており、その中には喫煙と相互作用する可能性がある成分も存在するかもしれません。


❸喫煙は免疫系や体内の状態に様々な影響を与えるため、体質改善を目指す漢方薬の効果にも影響を及ぼす可能性があります。

一般的には、健康な生活習慣として禁煙が推奨されることが多いです。

ただし、具体的な漢方薬の選択や使用に関する情報は、専門の医師や漢方医に相談することが必要です。

医師は患者の状態や健康歴を考慮し、適切な漢方薬を処方することができます。また、漢方薬と他の治療法との併用に関しても、医師の指示に従うべきです。

絶対的な答えは難しいですが、喫煙が健康に対して悪影響を及ぼすことは広く知られています。

 

❹漢方薬を含む治療法を受ける際には、医師に喫煙状況を正確に伝え、医師のアドバイスに従うことが重要です。

 


Dr.飯嶋のコメント

ムッシュGPTは、「体質改善」など概念が漠然としたテーマの質問に対して、このように、丁寧にわかりやすい一般論で答えてくれます。

 

ポイントは、上記の❶から❹までです。

 

これだけでも、喫煙が一般的な体質改善の妨げになることを十分に説明しています。
また、「体質改善」という言葉は❸の文のみに用いられています。

 

これに対して、私を含めて医師にありがちなのは、最初から質問者の「問い」に対して「問い返し」をしてしまいがちだということです。


その理由は、目の前の患者さんからの質問に対して、医師は、なるべく質問の内容を個別具体的に特定して明確にしてから回答すべきである、というのが科学的態度だからです。

 

一人前の医師になるためには、医学教育や、医療現場での実習を通して、そのような思考や行動がとれるように徹底的に叩き込まれます。また「医療は、医学の社会的適応である」というフレーズを何度も耳にしてきました。

 

しかし、日頃の実感は、「日本の医療は、医療政策の国民的強制である」ということです。そして、「医学研究も、医療による収益によって支配されている」ということです。

 

こうした疑念はさておき、ムッシュGPTは、テレビなどのメディアで人気のある医療解説をする<有名医>の話術に似ています。どんなに正確な回答であっても、質問者の関心や興味を惹くもの出ない限り、伝わりにくいものです。ですから、私の様な現場の臨床医も、ときには、最初から問い返しをせずに、一般論としてお答えする、というスタンスを有効に使うことを、もっと活かしていくべきなのかもしれません。

 

ただし、忘れてはいけないことは、一般論のあとに、必ず、相談者個人の問題として相互に吟味をするための対話です。一般論や抽象論ではなく、目の前の相談者に特化した個別的で具体的な解決策に至るためのやりとりが必要になってきます。

 

ですから、「一般的には・・・とされています。ただし、あなたにとっては・・・という特殊な背景がありますから・・・ということが特に大切なポイントです。そのためには・・・から始めてみてはいかがでしょうか?」などといった2段階以上の説明が必要になってきます。

 

次回は、「体質改善」についての具体的な例を挙げて考えてみたいと思います。