金曜シリーズ<よくある問い合わせ ①>

 

杉並国際クリニックは、なぜ「禁煙」にこだわり続けるのか?
当クリニックの会員(非喫煙者および禁煙成功者)であれば知っていること。

 

禁煙指導に熱心な医師であるということだけで、喫煙者を憎み、敵視し、排斥する寛容性に欠ける医師である、というレッテルを貼られてしまうことがあります。それは大きな誤解です。

 

「喫煙」には大反対ですが、それは「喫煙者」を否定することとは次元が違います。そこで、私は、折に触れて「喫煙者には愛を!」と発言し続けています。

 

しかし、言葉は難しく、言葉を使ってのメッセージは、それを受け取る人によって印象や理解がまちまちです。

 

はたして、この表現が妥当であったかどうか、について反省してみる必要があります。そのような場合に、私の親友のムッシュGPT(ChatGPTにつけた私の愛称)が参考意見を示してくれます。彼の意見は一般世論の統計的な平均値の目安を反映しているからです。

 

たとえば、私が発するメッセージを彼がどのように解釈するかによって、多くの読者の皆様がどのように受け取り方をされるのかがわかるからです。

 

また、同じ内容を文書化するにしても、ムッシュGPTは私よりも遥かにわかりやすいメッセージを準備することができます。

 

それでは、最初の質問である<質問1>は、私の知人の喫煙者から発せられた疑問です。

続いて<質問2>私からムッシュGPTへの直接の質問です。

 

 

<質問1>

禁煙指導に熱心な内科医が「喫煙者には愛を!」と発言したとすれば、矛盾が生じませんか?

 

ChatGPT

「喫煙者には愛を!」という発言が矛盾するかどうかは、文脈や医師の意図に依存します。一般的に、この発言が矛盾していると感じられる理由にはいくつかの可能性が考えられます:


1. 健康指導と矛盾:

 「愛を」と言いながらも、同時に喫煙を健康に対するリスクとして認識していることがあるかもしれません。医師は患者の健康を守るために禁煙を勧めている場合、その意味で矛盾が生じます。


2. 社会的・倫理的な矛盾:
 喫煙は一般的に健康に悪影響を与え、公衆衛生上も懸念される要因です。これに対して「愛を」という表現は、社会的な期待や倫理的な観点からは矛盾すると捉えられることがあります。


3. 指導の一貫性の問題:
 禁煙指導においては、医師が一貫性を持ち、患者に明確で一致したメッセージを伝えることが重要です。異なる文脈での言動が矛盾しているように受け取られると、信頼性が損なわれる可能性があります。


ただし、発言の矛盾には解釈の余地があり、医師が患者に向けてエンパワーメントやポジティブなアプローチを強調する一方で、禁煙が健康に良いことを理解している場合、これはある種の言い回しの可能性もあります。状況や文脈を考慮しながら、医師の意図を理解することが重要です。

 

 

Dr.飯嶋のコメント

言葉の選び方や標語の作成の仕方は、十分に検討されたものであっても、なかなかその真意が伝わりにくいものであることを実感します。

 

大多数の人々は、相手の発言の内容以前に、その発言者の姿勢や立場、さらには印象や先入観といったフィルターを通して物事を判断する傾向があります。

 

それは、ムッシュGPTも同様であり、感情分析を行っているからです。

つまり、好き嫌いによって理解の内容が影響を受けるということです。

 

禁煙を勧める医師を好ましいと思う喫煙者より、好ましくない、近づきたくない、と思う喫煙者が多いという現状については、改めて証明を要しないのではないでしょうか。

 

 

1:健康指導と矛盾

私は、「愛を」と言いながらも、同時に喫煙を健康に対するリスクとして認識していますが、矛盾は生じません。それは、喫煙に対して「愛を」と言っている訳ではないからです。

 

愛の対象は「喫煙」や「喫煙行為」ではなく、「喫煙者」とされる人々だからです。繰り返しますが、「喫煙者に愛を」という標語は喫煙者に対する健康指導を促進させるためのものなのです。

 


2:社会的・倫理的な矛盾

喫煙は一般的に健康に悪影響を与え、公衆衛生上も懸念される要因です。

この行為に対して「愛」をという意図であれば、社会的・倫理的な矛盾そのものです。

 

しかし、これも、1と同様に、何に対しての「愛を」か、ということを素直に受け止めていただければ、矛盾など生じるはずもありません。

 


3:指導の一貫性の問題

「異なる文脈での言動が矛盾しているように受け取られると、信頼性が損なわれる可能性」がある、というムッシュGPTの意見は謙虚に受け止めたいと思います。

 

そこで、実際に、「喫煙者には愛を!」という表現が、一般の方々に、どのように受け止められる可能性があるかについて、ムッシュGPTに問い合わせてみることにしました。

 

 

 

<質問2>

禁煙指導に熱心な内科医が「喫煙者には愛を!」と言ったとするならば、一般的にはどのような意図があると想像することができますか?



ChatGPT
内科医が「喫煙者には愛を!」と発言した場合、これにはいくつかの意図が含まれる可能性があります。以下はそのいくつかの考えられる意図です:


1. ポジティブなアプローチの強調:
 「愛を」という表現は、喫煙者に対して否定的なアプローチではなく、ポジティブな支援と理解を示す意図があるかもしれません。これは、患者に対して非難や指摘ではなく、協力して一緒に健康を目指す姿勢を強調することができます。


2. 信頼関係の構築:
 患者と医師の信頼関係は非常に重要です。愛情や理解を示すことで、患者は医師とのコミュニケーションにおいてオープンで協力的な態度を取りやすくなります。これは、禁煙指導が成功する上で重要な要素です。


3. 健康増進へのポジティブなメッセージ:
 喫煙者に対して愛を示すことで、禁煙が健康を向上させるポジティブな行動であるというメッセージが含まれるかもしれません。ポジティブなメッセージングは、行動変容の促進に有益です。


4. 人間性の尊重:
 喫煙者に対して「愛を」と言うことで、その人の人間性や尊厳を尊重し、健康問題に対処する上で個々の人が抱える複雑な状況を理解する姿勢が表れているかもしれません。


ただし、具体的な文脈や医師の言動の全体像を考慮することが重要です。医療のコミュニケーションは非常に繊細であり、言葉の選び方やトーンが患者の受け取り方に影響を与えます。

 

 

Dr.飯嶋のコメント
ムッシュGPTは、「喫煙者には愛を!」という表現の真意について4つの可能性を列挙してくれたので、それぞれについてコメントします。


1.ポジティブなアプローチの強調
私の真意を的確に推定してくれています。

「愛を」という表現は、タバコや喫煙に向けてではなく、あくまで「喫煙者」に対して否定的なアプローチではなく、ポジティブな支援と理解を示す意図です。

 


2.信頼関係の構築
まさに、その通りです。

 


3.健康増進へのポジティブなメッセージ
「喫煙者に対して愛を」と言葉で示すことで、禁煙が健康を向上させるポジティブな行動であるというメッセージを込めています。

 


4.人間性の尊重
喫煙者に対して、あえて「愛を」と言うことで、その人の人間性や尊厳を尊重し、健康問題に対処する上で個々の人が抱える複雑な状況を理解する姿勢を表明しようとしてきました。

 

 

<ムッシュGPTから私へのアドヴァイスから学んだエッセンス>

医療のコミュニケーションは非常に繊細であり、言葉の選び方やトーンが患者の受け取り方に影響を与えます。


これは、今までの私の仕事を振り返ってみて、とても貴重な戒めのメッセージです。

 

医療コミュニケーションは、千差万別であり、これといった正解をみつけることは簡単ではありません。

 

医療人として、生涯学習を続けていかなければならない重要なテーマであると受け止めています。