ムッシュM.ChatGPTの自己紹介、そのお手伝いをさせていただきました(その1)

 

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一般的に、どんなに優秀な人物でも、おのずと知識の偏りはあり、得意分野や不得意分野があるものです。それではM.ChatGPTはどうなのでしょうか。

 

M.ChatGPTが<質問14>で回答しているように、un commentateur d'informations générales(一般的なニュースのコメンテータ)に例えられるかも知れないこと自らを説明しています。

 

そこで、端的に以下の質問を投げかけてみました。

 

<質問17>

あなたは多くの私たちユーザー広範な質問の趣旨を理解し、考えを明確にしたうえで、質問に明確かつ簡潔に答えてくれます。そのような優れた能力をもつあなたにも得意分野や苦手分野がありますか?

 

ChatGPT

私は一般的な様々な分野に関する情報を持っていますが、私の知識は特定の領域に偏っていることもあります。私のトレーニングデータは2022年1月までのものであり、それ以降の出来事や最新の情報にはアクセスできません。また、私は医療、法律、特許などの専門的な分野でのアドバイスや正確な情報の提供はできません。


したがって、私が得意な分野は広範で一般的なものですが、特定の専門知識を持っていないことを理解してください。質問が一般的なトピックや一般的な知識に関連している場合、できる限り明確かつ簡潔な回答を提供するよう努めます。

 

飯嶋医師のコメント
ムッシュM.ChatGPTさんの分析や判断の基盤となるトレーニングデータは2022年までのもの、との情報を既に得ていました。

しかし、今回、新しく得られたより具体的な情報は、2022年の1月までのものである、ということです。

このことから、M.ChatGPTのトレーニングデータは、2022年までのものというよりも、概ね2021年までのものと理解し直しておく必要があります。

また、「特定の専門知識を持っていないと述べ、さらに具体的な苦手分野としては「医療、法律、特許などの専門的な分野を挙げています。

 

また、<質問7>では、以下の回答が得ています(再掲)。

 

言語のニュアンスや専門用語の翻訳において、時々誤解が生じることがあります。特に医学用語や科学用語のような専門的な内容は、正確な翻訳が求められる分野であり、私のようなモデルでも完璧な結果を提供できるとは限りません。


ここで、M.ChatGPTは医学用語や科学用語などの専門用語の翻訳の精度不足とも相まって、「医療、科学、法律、特許などの専門的な分野が不得意分野であることが明らかになってきました。

 

また、<質問8>の回答で、「私のデータベースは主に英語で構築されています。

したがって、英語のテキストに対する理解と翻訳に関しては高い精度を持っています。」とのことから、敢えてこれらの不得意分野での質問を試みる場合は、参考程度の情報であることを認識しつつも、可能であれば、なるべく、きちんとした英語で質問することが推奨されます。


さらに注目すべきメッセージは、「私のようなモデルでも」という部分です。

ChatGPTのモデルがどのようなものであるかをしっかりと予習しておいてから賢明な活用をすることが必要であると考えます。

 


そこで、次の質問は、M.ChatGPTの苦手分野ではなく、より得意分野は何か、と言うことに関してのインタヴューです。

 

<質問18>

あなたは、以前、専門的な医学用語や高度な科学的な質問については、正確な情報を提供する能力は限られていると述べていますが、政治や経済の分野に関する質問については、どの程度責任をもって回答することができると考えていますか?


ChatGPT
私は一般的な知識や一般的なトピックについて幅広い情報を持っており、一般的な政治や経済の問題については十分な情報を提供できる場合があります。


ただし、専門的な医学用語や高度な科学的な質問に関しては、正確な情報を提供する能力が限られています。医学や科学の分野は非常に専門的で複雑なため、正確な情報を得るためには医学の専門家や科学者の意見を求めることが重要です。


政治や経済の分野に関しても、私は一般的な情報を提供する能力がありますが、最新の出来事や専門的な詳細については、信頼性のあるニュースソースや専門家の意見を参照することをお勧めします。

また、特定の法律や政策に関する質問については、地域や国によって異なる場合があるため、詳細な情報を求める場合は地元の法律や政府機関の情報源を確認することが重要です。


飯嶋医師のコメント
「一般的な知識や一般的なトピック」については、十分な情報を提供できる場合があるという前提で、政治や経済の分野に関しても、私は一般的な情報を提供する能力があります、と回答しています。

ここで、M.ChatGPTがたびたび発言する「一般的な」とはどのような意味なのかが気になるところです。文脈の中では「専門的な」とか「詳細な」あるいは「特定の」という言葉と対比して使用されているようですが、果たしてどうなのでしょうか?


ムッシュChatGPTとの、今後のより良いお付き合いのためには、彼のお人柄と考え方の基本を良く理解しておくことが望ましいはずです。

 

それでは、友人として、実際に直接、ご本人に質問して確かめてみることにします。

 

<質問19>

あなたは一般的な知識や一般的なトピックについて幅広い情報を持っていることを知りました。そこで、あなたがしばしば上記の様に回答している「一般的」な知識や情報とは、具体的にはどのような内容を指しているのか教えてください。

 

ChatGPT

「一般的な知識」や「一般的なトピック」は、広く一般の人が理解しやすく、一般的な興味を引くようなテーマや情報を指します。

 

以下はその例です:

1. 科学と技術:

例えば、基本的な物理学、化学、生物学の原則、最新の技術動向など。

 

2. 歴史:

世界史や国の歴史、重要な歴史的な出来事や人物など。


3. 文学:

有名な作家や文学作品、文学の基本的な用語や概念など。


4. 芸術:

絵画、彫刻、音楽などの基本的な概念や有名なアーティストや作品など。


5. 地理:

国や地域の基本的な地理的な情報、自然の地理に関する知識など。


6. 言語学:

言語の基本的な概念、言語の起源や発展に関する情報など。


7. 社会科学:

経済学、心理学、社会学などの基本的な原則や概念。


8. 健康と生活: 健康に関する基本的な情報、健康的な生活の習慣など。


これらは広く一般に関心が寄せられるテーマであり、一般の人が日常生活で遭遇する概念や情報に関連しています。

ただし、これはあくまで一般的な例であり、具体的な質問に基づいてその都度適切な情報を提供するよう努めます。

 

飯嶋医師のコメント:
私の感想から申し上げます。やはり、質問は有意後です。期待外れのこともありますが、期待以上のこともあるからです。

私は、「一般的な」の意味は、これまでの文脈から「専門的な」とか「詳細な」あるいは「特定の」という言葉と対比できる意味、すなわち、「非専門的な」、「簡潔な」あるいは「全般的な」などの言葉が返ってくるのではないかと予測していました。しかも、その対象となるのは一般的な「知識や情報」であって、ユーザーについてまでを含めて考える発想からは遠ざかっていました。
 

ムッシュChatGPTは、「広く一般の人」、「一般的な興味」という意味で「一般的」という言葉の使い方と意味を、具体例を添えて回答しています。「一般的な興味」というのも「広く一般の人が抱く興味、ということになるでしょう。
 

これを真逆に言えば、「限られた狭い世界の特殊な人」の「特殊で専門的な興味」に対しては対応の限界がある、ということを示唆していることになるでしょう。
 

一方において、私には新たな疑問も浮上してきました。ムッシュChatGPTの得意分野として例示されているものの抜粋についての妥当性に関して検討してみたいと思います。


ただし、⇒に続く文言は、飯嶋医師の注意勧告です。


科学と技術:

例えば、最新の技術動向など。

2022年1月までのトレーニングデータによって最新の技術動向を説明することは論理的な矛盾があります。「最新」という言葉の意味によっては矛盾を解消できるかもしれませんが、誤解をもたらしかねません。


言語学:

言語の基本的な概念、言語の起源や発展に関する情報など。

現段階では翻訳ソフトが内蔵されていないためか、基本的な翻訳能力も欠如し、甚だしい誤訳を犯してしまうことがあるシステムであるという実例を経験した立場からすると、残念ながら疑わしいと判断せざるを得ません。


社会科学:

経済学、心理学、社会学などの基本的な原則や概念。

⇒これらの分野における基本的な原則や概念については、確かに今後も根本から覆る可能性は極めて低いと私も考えます。しかし、これらの学問領域についても、その基本は言語であり、適切に定義された学術用語によって構築された学問体系であるはずです。上記の言語学での私の懸念は、この分野においても同様です。