また昨年12月21日に、「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)に対する抗PD-1抗体ペムブロリズマブの単剤療法」が薬事承認されました。
膵がんにおけるMSI-Highの頻度は1~2%と低いものの、ペムブロリズマブの高い奏効率が期待できることから、同ガイドラインでも切除不能膵がんに対する二次化学療法の選択肢として「MSI-Highであればペムブロリズマブ単剤療法を提案」が加わりました。
さらに化学療法の継続期間については、局所進行例および遠隔転移例とも「投与継続困難な有害事象の発現または病態が明らかに進行するまで」の投与が"提案"されました(LC3、MC3)。
次回のガイドライン改訂に向けた課題として、がん遺伝子検査の適切な方法とタイミング、その結果に基づいた治療選択の明記が挙げられ、「切除不能膵がんの予後は、今なお不良のままです。
関連学会と連携し、理解を深め、ゲノム医療という新しい枠組みの中で診断~治療を定義することが重要である」ことが強調されています。
ただし、これらの臨床試験における治療成績は、全身状態の良好な限られた患者が対象となるため、実臨床での成績より良好な傾向があります。個々の患者の全身状態や合併症などにより、予後は大きく変わることを考えておく必要があります。
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