最新の臨床医学 8月31日(金)アレルギーの病気についてQ&A

ここで掲載する内容は、

一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

気管支喘息(小児)②

 

Q3

吸入ステロイドなどの喘息のお薬は長期に使用しても安全ですか。

 

A

喘息のお子さんの気管支には、好酸球という白血球を中心とした慢性の気道炎症がおこっていて、それは喘息発作がないときでも、治っていません。

 

喘息発作のない日常生活を送るためには、この慢性気道炎症を治療すること(これを長期管理といいます)が、最も重要です。

 

長期管理薬は、吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬を中心に使用します。

 

お子さんの喘息の症状の重さと、頻度で病型を診断して、それに合わせて治療します(小児気管支喘息治療・管理ガイドライン)。 吸入ステロイド薬は、ステロイドホルモンですが、吸入で使用するので、全身への影響は少なく、安全性は確立しています。

 

しかし、一部の論文で、長期の吸入ステロイド薬使用で、身長の増加がわずかに停滞することも報告されています。

 

必要最小限の吸入ステロイド薬で治療するには、環境整備や正しい手技で上手に吸入することも大切です。

 

環境整備の方法や吸入手技の確認は、専門医と相談してください。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】 

小児科から内科へのスムーズな連携がなければ、長期管理は難しいと思われます。

 

なお、長期の吸入ステロイド薬使用をなるべく避けることができるような、非薬物療法に関して、最近では熱心な指導者が少なくなっていることも残念です。

 

高円寺南診療所では水泳や水氣道、呼吸体操やヴォイストレーニングを組み入れた音楽療法などが吸入ステロイド減量・離脱に有効だと考えています。