最新の臨床医学 8月30日(木)

 

木曜日のテーマ:関節リウマチについてQ&A

ここで掲載する内容は、アステラス製薬提供の患者さん・ご家族の皆さまなるほど病気ガイドから引用したものです。関節リウマチについてわかりやすい解説をしています。

以下のHPで確認することができます。

https://www.astellas.com/jp/health/sys/questions/index/ra

関節リウマチは、免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気です。関節リウマチを治療することで、炎症や痛みを最小限に抑え、毎日の生活を快適にすることができます。現在と将来の生活の質を保っていくためにも、病院・診療所を受診し、きちんと治療を受けましょう。

監修医:東邦大学医学部医学科 内科学講座膠原病学分野 川合 眞一 先生

解り易い解説であること、日本リウマチ学会では一般患者向けQ&Aが掲載されていないため、これを採り上げました。ただし、記述内容が古いままで改訂されていないため、それぞれのQ&Aのあとに【高円寺南診療所からのコメント】を加えました。

関節リウマチ患者の運動、生活での注意点①

関節リウマチの治療中ですが、痛みは軽く日常生活に支障はありません。少し運動をしたいのですが、やっても大丈夫でしょうか?

どのような運動がよいですか?

 

 

関節に大きな負荷がかからないようにして筋力をつけ、関節の動く範囲を広げるような運動をしましょう。水中歩行がお勧めです。

関節リウマチの患者さんが、関節を動かさずにいると、関節の動く範囲が狭くなり、腱や筋肉も弱まり、症状が悪くなることにつながります。症状がひどくない時は、リハビリテーションに取り組みましょう。

 

リハビリテーションを行う時には、ひとつの関節や筋肉に過大な負荷がかかることを避けて下さい。浮力により関節にかかる負担が軽くなる水中歩行が勧められます。

【高円寺南診療所からのコメント】関節リウマチの運動療法として、水中歩行をはじめとする水中での運動療法が有効だということを否定するリウマチ専門医はいません。むしろ積極的に勧めるのが普通です。しかし、リウマチ専門医みずからが直接指導しているという話は全く耳に入ってきません。関節リウマチに役立つ運動療法の要素は1)ROM(関節可動域)訓練、2)筋力増強訓練(最大筋力、筋パワー、筋持久力)、3)全身調整訓練、4)巧緻性、協調性訓練、5)姿勢保持、バランス訓練、6)歩行訓練、などです。

水氣道®は、これらの運動療法の要素のすべてを包含した集団的水中運動です。

水療法という自然療法を元に体系化した非薬物療法ですが、薬物療法との併用は可能であり、手術前の体力強化や手術後のリハビリテーションとしても優れた効能を発揮しています。長期的には投与薬物の漸減も可能としています。

 

関節リウマチ患者の運動、生活での注意点②

関節リウマチ患者が旅行に行く時に何か気を付けることはありますか?飛行機や電車に長時間乗っても問題ありませんか?

 

 

飛行機や電車に乗ることはとくに問題ありません。無理のない範囲で旅行を楽しみましょう。

関節リウマチの患者さんでも、飛行機や電車に乗ることはとくに問題ありません。

旅行を楽しむことは、ストレスの解消にもよいでしょう。

 

ただし、乗り物などで、長時間同じ姿勢でいると、そのあと立ち上がったり動いたりするのに時間がかかってしまうこともあります。

同じ姿勢を続けることは避け、その場で可能な適度な運動を取り入れることを心がけておきましょう。

【高円寺南診療所からのコメント】リウマチ患者の皆様には、心配せずに旅行を楽しんでいただけるように相談に乗っています。お勧めは、保養地で過ごすことです。夏であれば海浜(海水浴、海洋療法:タラソセラピー)、年間を通してであればリウマチの治療に適した温泉地が国内にはたくさんあります。最近のリウマチ専門医の間では生物学的製剤による治療にばかり関心が高まり、温泉療法の効果が忘れられようとしているのが残念でなりません。

そうした自然と触れ合うことができる旅行を成功させるためにも、日頃から水氣道®で鍛錬しておくことをお勧めします。