①起:杉十温水プール改修成果に関する所感
杉十温水プールの工事のため2月からの始動となりました。
シャワーが新調され温度調節ができるようになりました。
水量、水圧は、一定に保たれていました。
また、水滴の穴は以前より大きくなっていました。
プールの室内装備や環境は以前と変わりがないように思われました。
プールの水質は去年と同じような状態でした。
皆様は稽古場環境をどのように観察され、気づき、あるいは感じましたか。
②承:水氣道全体稽古の心掛け
入水して最初の親水航法から始まる各航法の流れに身を委ねましょう。
その時必要な稽古課題は、その直前に与えられるので集団にも委ねましょう。
もっとも、慣れるにつれて、その日の稽古の流れをある程度予測できるようになり、少しずつ余裕も生まれてくることでしょう。
委ねることで心身が揺れることがあります。
しかし、体が揺れても心まで揺れることが無い状態を目指していきましょう。
揺りかごは赤ちゃんを成長させるように、揺れを受け入れ、楽しむことで私たちの心身調整能力は育くまれます。
まずは自分自身が、上手に支援を受けられるように委ねる準備を整え、次いで、いろいろな誘惑に負けず継続できるように自分自身を支援し、やがて他者をも支援できるように成長していく。
稽古を続けていけば、誰でもそれらを実際に体験できるのが水氣道です。
自分自身の心身の具合を丁寧に確かめながら、次の航法に滑らかに移行していきます。
もし何らかの心身の違和感を覚えたら無理せず、また遠慮せずに一旦休止しましょう。
そして、最寄りの組長(黄帽子:支援員)か班長(朱帽子:修錬生)に伝えてください。
体験生の方であれば、周囲のどなたにでも気楽に伝えるようにしましょう。
ポイントは、一つ一つ動作の意味を確認して次の航法を行うことです。
水の自然な性質に逆らっても無駄です。水と仲間に委ねることです。
<水とお友達になってください>といつも会員の皆様のために念じています。
③転:水氣道分級稽古の心得
後半の各航法は前半の基礎からの応用です。
前半が上手に出来たとしても後半がそのまま巧く行き楽しめるとは限りません。
それは、前半より、主体的な参加姿勢、つまり、目的意識が求められるからです。
ただし、完璧を期したり、過剰な期待を持って臨んだりすることはかえって禁物です。
ある程度の満足感が得ることができ、方向性がつかめるように心がけていきましょう。
つまり、足りるを知ることは水氣道で習得していく徳目の一つです。
そうした心構えがもてるようになれば確実に上達でき水氣道を楽しめている証拠です。
また水氣道の稽古では団体行動をするからといって、周りに無理に合わせようとする必要はありません。
水氣道は団体エクササイズですが、それでも基本は個にあるからです。
水氣道は、集団の中で調和しエネルギーを受け取りつつ、自分のペースを保てるように訓練し、修錬を重ねていくものなのです。
そうすれば、集団の中の流れに身を置きつつも、けっしてぶれない自分を確立することができるようになることでしょう。
④ 結:まとめ
稽古場など環境観察の必要性、全体稽古での心掛け、分級稽古での心得を述べました。
<足るを知り、足らざるを補う、過不足なき中庸を旨とする。>
<一人では気づけない、得られないことを集団の中にあって獲得する。>
<委ね、委ねられること、助けられ、助けること、信じ、信じられること。>
そして、水氣道の稽古場には、いつでも仲間が自分を待っていてくれるのだという実感。
私はそれが大切な心掛けだと思っています。
ドクターが言われるように水氣道は生涯エクササイズです。
無理せずに、楽しく水気道を皆様と一緒にしましょう。
水氣道 従弐段下 上席支援員
水氣道 活水航法 直伝 林 亮博
<追記>
改修工事で新たに防音材が使われたそうです。
声の響きが変わったように感じました。