統合医学(東西医学、代替・補完医療)
<ヨーガ療法とは何か?>
高円寺南診療所で得意とし、かつ実績のある非薬物療法(薬以外の治療法)は、
生活指導、栄養指導(現在、管理栄養士募集中)、理学療法(独自の統合理学療法)、鍼灸療法、心身医学療法、水氣道®、音楽療法です。
このなかで水氣道が効果的だと思われる方に、水氣道をお勧めする際に、以前から気になっていたことがあります。
それは、定期的にジムに通っている、自宅でストレッチしている、ヨガ教室に通っている、これらはいずれも水氣道を警戒し、勧めを断る際に患者さんたちが口にされることの多い主な理由です。
その中でも、近年、ヨーガがブームのようで関心を持つ人が増えています。
そこでヨーガとは何かをお尋ねしてみると、イメージのみが先行していて、基本的な情報も入手していない方がほとんどでることに驚かされます。
そこでヨーガについての情報を統合医学的な立場から整理してみました。
ヨーガという場合と、ヨーガ療法という場合では区別して考えるべきかもしれませんが、統合医療の世界では伝統的なヨーガを医学や心理学方面に役立てるヨガ療法として世界中に広まったのは、第二次世界大戦後でした。
そもそもヨーガの発祥は諸説ありますが、3000年以上前からのようです。
一般には古代インド発祥の宗教的行法で、心身鍛錬によって「悟りを開く」ことを目的とするものと認識されているようです。
文献学的には古ウパニシャド聖典の中に見いだされ、私たちの人間存在を5つの鞘を動かす原動力たる生命原理(アートマン)をその中心に据えています。
現代のヨーガ療法もこの人間観に基づいて人間の諸病を考えています。
古代インドにおいて人間の健康はサンスクリット語のスヴァスタという言葉で表されるそうです。
これが英語のヘルスの語源になっているともいわれます。
サンスクリットにおいて真の健康の概念とは、「自己が根本的存在に留まる」ことです。
したがって、健康であれば、自己存在を自己本来の自己と同一視することができるはずです。
これに対して、不健康の始まりは、自己存在を自己本来の自己以外の人間関係などの社会的条件と同一視することであり、さらに、自己存在を肉体(食物鞘・生気鞘)や心理作用(意思鞘・理知鞘・歓喜鞘)と同一視することだとします。
インドの精神文化で言われていることは、私たちの人間存在の究極的健康実現は、5つの鞘の奥に内在する生命原理(アートマン)そのものを意識化し、悟り、同一の存在となることです。
そして、ヨーガとは、真の自己発見技法であり、それが真の健康実現法となるものです。
ヨーガ療法とは、このヨーガを現代社会に応用させたものといえます。
水氣道では、私たちに内在する生命原理を体感し、私たちを取り巻く生命環境との調和を図るという考え方に立ちます。
この立場は世界保健機関(WHO)が健康の概念の一要素としての採択を検討している「スピリチュアルな健康」に通じています。
ヨーガ療法の病因論
ヨーガの考え方では病気は無知(無智)が根本原因であるとしているようです。
○過去の記憶を貯蔵する領域(歓喜鞘)を自己と同一視する無知⇒歓喜鞘の不調
○自己の知性・感性・感情を働かせる領域(理知鞘・意思鞘)と自己とを同一視する無知⇒理知鞘・意思鞘の不調
これらの無知は私たち人間の知性と感性次元での不調和を生じさせ、
その不調和が呼吸作用を乱し(生気鞘の不調)、
さらには食物で支えられている肉体(食物鞘)に各種の疾患を生じさせる(食物鞘の不調)とします。
このような立場から、ヨーガでは様々な呼吸技法によって不調に陥っている呼吸作用を整調させようとしていることが理解できます。
これは、水氣道における理気航法に通じるものがあるようです。
ヨーガ療法による指導法
患者が最も自己を認識しやすい食物鞘、すなわち肉体次元から自己認識できるように指導し、次いで生気鞘次元、意思鞘次元、理知鞘・歓喜鞘次元の指導における各種の技法を総合的に使用します。
以上、ヨーガについての基本情報のまとめを試みましたが、ヨーガとの比較によって多少なりとも水氣道に興味を持たれた方は、躊躇することなくご参加されることをお勧めいたします。
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