呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

テーマ:肺癌(喫煙者には愛を、非喫煙者には更なる愛を!)

 

 

肺癌が発生率No1のがんです。喫煙は周囲の人にまで害を及ぼします。

 

 

タバコを吸わない人が、せきやたん、息切れなどが続くようになったり、

 

気管支喘息、慢性気管支炎になったりする原因の1つが受動喫煙です。

 

そのほかにも、糖尿病、メタボリックシンドローム、

 

精神疾患(うつ病・うつ状態)、認知症、化学物質過敏症なども、

 

受動喫煙が関与しているといわれています。

 

 

肺がんは、その組織型によって4種類のがん

 

(扁平上皮がん、腺がん、小細胞がん、大細胞がん)に分類されます。

 

予後の悪い順では、小細胞がん≫大細胞がん≻腺がん≧扁平上皮がん、です。

 

わが国で最も多いのは腺がんで、男性肺癌の40%、女性肺癌の80%以上を占めています。

 

 

たばこを吸わない女性の肺がんには腺がんが多いことが報告されています。

 

近年の研究(Int J Cancer. 2008 Feb 1;122(3):653-7)

 

の対象女性でも、肺がんの8割以上は腺がんでした。

 

そこで、腺がんに限って解析を行ったところ、

 

受動喫煙のあるグループの肺腺がんリスクは、

 

受動喫煙のないグループの約2倍高いことがわかりました。

 

 

肺癌の腫瘍マーカーは、組織型や腫瘍量を推定することはできます。

 

たとえば血清NSEは小細胞がんで上昇します。

 

しかし、これらは癌の進行度を反映しないため、

 

臨床病期の決定に用いることはできません。

 

 

肺癌根治手術の適応は、原則として臨床病期Ⅰ、Ⅱ、ⅢA期までです。

 

 

肺癌で手術不能のものは、

 

①遠隔転移、②癌性胸水、③全身状態不良、④N3リンパ節転移(対側縦隔、鎖骨上リンパ節)です。

 

 

FDG-PETは骨シンチグラフィ―に比べて、

 

肺がんで多く認められる溶骨性骨転移病変の検出力は同等以上です。

 

 

しかし、予後の悪い肺小細胞がんでは、

 

外科的切除が推奨されるのは臨床病期Ⅰ期までです。

 

 

肺癌の標準的根治手術は通常側方開胸なので側臥位で行います。

 

 

肺癌の根治術後の5年生存率は、Ⅰ期で70~80%、Ⅱ期で40~60%です。

 

 

上皮成長因子受容体(EGFR)変異の有無は、

 

進行非小細胞肺がんの薬物治療を選択するうえで決定的に重要な因子です。

 

 

ALK融合遺伝子陽性小細胞肺がんの切除不能な進行・再発の非小細胞がんに対して、

 

クリゾチニブが認可されています。

 

 

非小細胞がんに対する化学療法は、

 

プラチナ製剤と第3世代抗がん剤の2剤併用療法が標準的です。

 

また、継続維持療法で、最もエビデンスのある薬剤はペメトレキセドであり、

 

シスプラチンとの併用後の非増悪症例で有意に、増悪までの期間、

 

全生存期間を延長させることが示されています。

 

非小細胞がんのうちで、切除不能な再発・進行性で化学療法後に増悪したものには

 

エルロチニブ(タルセバ®)が適応になっています。

 

 

EGFR変異陽性かつPS3~4の非扁平上皮癌では

 

ゲフィチニブ(イレッサ®)単独投与を考慮しますが、

 

副作用としての間質性肺炎のため推奨グレードは低くC1です。

 

 

肺癌に対する分子標的治療薬でEGFRチロシナーゼ阻害薬である

 

ゲフィチニブの副作用として、日本人では間質性肺炎などの急性肺障害が多く、

 

他に下痢、肝障害、皮疹などがあります。

 

また、同じEGFRチロシナーゼ阻害薬であるエルロチニブも、

 

間質性肺炎の副作用は致死的であり注意を要します。

 

パクリキタセルは末梢神経障害を来します。

消化器系の病気

 

テーマ:胃がん検診(その2)

 

<胃がん検診の意義と目的>

 

 

胃がんの一次検診では:問診、胃X線検査、胃内視鏡検査が勧められています。

 

「ペプシノゲン検査」や「ヘリコバクターピロリ抗体検査」については

 

死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、

 

検診としての実施は勧められていません。

 

「検診」ではなく、「リスク評価」だとされています。

 

 

日本対がん協会が2015年度に全国の支部で行った胃がん検診の結果では、

 

胃がんが発見されたのは1万人中12人という割合になりました。

 

この数字をどのように判断するかは、個人の価値観によって異なるのではないかと思います。

 

ただし、高円寺南診療所のポリシーとしては、

 

1万人中9988人の方のメリットも同時に考慮するようにしています。

 

今回は、その観点を含めて、国の指針では進めていない

 

「ペプシノゲン検査」や「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」の

 

意義についても再検討してみたいと思います。

 

 

 

 

  1. 「ペプシノゲン検査」

 

胃がんの有無を直接検査する方法ではありません。

 

胃がんになる前に萎縮性(いしゅくせい)胃炎という病態が見られることがあります。

 

萎縮性胃炎になると、ペプシノゲンという物質が血液中から減少するため、

 

血液検査によってこの物質の濃度を計ることで萎縮性胃炎を見つけ、

 

胃がんに備えようという検査です。

 

陽性と判定された人は、定期的に検診を受診することで

 

早期がんに備えることができます。

 

血液検査のため、身体には大きな負担がかかりません。検査が比較的安価に行えます。

 

 

  1. 「ヘリコバクターピロリ抗体検査」

 

血液検査によって、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる検査で、

 

胃がんの有無を直接検査する方法ではありません。

 

胃がんになった日本人の多くからピロリ菌が発見され、

 

胃がんや胃潰瘍との関係が指摘されています。

 

ただし、ピロリ菌に感染した人のなかで胃がんになる人はごく一部です。

 

身体に大きな負担がかかりません。検査が比較的安価に行えます。

テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その2)

 

 

医療に必要不可欠なのは信頼関係であるといわれますが、まさにその通りだと思います。

 

その信頼関係を築くための要となるのがコミュニケーションです。

 

関係性も良好なコミュニケーションと同様に、一方通行のままでは実現不可能です。

 

双方向性であってこそ、コミュニケーションが促進され、

 

望ましい関係性、すなわち信頼関係が気づけることになります。

 

 

ここであらためて日常の診療を振り返ってみますと、

 

患者-医師関係は、最初から信頼関係が前提として存在していると考えてよいでしょうか。

 

皆様は、どのようにお考えでしょうか?

 

 

私自身は、近頃、とみに現実的になり、慎重になりつつあるせいか、

 

単純にYESとは言えなくなりつつあります。

 

 

初診の患者の皆様は、高円寺南診療所に、

 

きっと何か期待するところがあって来院されるはずではあるとは考えています。

 

 

ところで期待とは信頼でしょうか?

 

残念ながら期待の多くは一方向性のもののようであるようです。

 

たとえ一方向性の期待であっても、患者として当然の期待であれば、

 

それは、ごく当然に尊重されなければなりません。

 

 

期待があり、その期待を発信して表明する一方で、

 

その期待のもつ実質的な意味を十分に理解し、

 

それを再度、ご本人に向けて返信して確認する、

 

という双方向性のプロセスは、信頼関係の樹立にとって不可欠だと思います。

 

 

少数例ではありますが、中には理不尽で的外れな期待というものが混在しています。

 

第一の例は、

「家族のことで相談があります。本人は受診の意思がないので、代わりに来ました。

 

私はどうしたらよいでしょうか。」といって、家族の健康保険証を持参される方。

 

患者さんとは、自分の病気で困っている人です。

 

いくら困っていることがあるとはいっても、

 

自分ではなく他人の病気で困っている人は、来談者というお客様に過ぎません。

 

患者さんの代わりに診察するわけにもいきません。

 

また、病気に罹っていても、受診する意思のない方は

 

病人ではあっても患者ではないということになります。

 

受診する意思のない方の健康保険証を持参されても、保険医療は成立しません。

 

 

第二の例は、

「私はタバコの御蔭で何とか生きている。

 

だから、タバコを止めずに狭心症と喘息をすぐに治してほしい」というものです。

 

病気の原因である喫煙を放置して、症状のみを除去する治療をすることが、

 

どれだけ非効率的であり、危険を伴う考え方であるのかをきちんと理解していただく必要があります。

 

「患者のニーズに応えてこそ望ましい医療なのではないか」とすごまれても困惑せざるを得ません。

 

 

これらのケースではあっても、

 

双方向性であって生産的なコミュニケーションを育成していくことは絶対に不可能ということはありません。

 

 

第一のケースでは、健康管理士やカウンセラーに対応していただくことで、

 

問題点がより明確になることがあります。

 

家族の心配にかまけて、相談者自身の健康管理に様々な問題点が発見された、

 

などということも少なくありません。

 

悩める人は病める人、その病める人の悩みが、

 

自分以外の誰かに向けられていたとしても、

 

それを自分の問題として目をむけることができるようになると、

 

支援が容易になることがしばしばあります。

 

 

第二のケースでは、

 

そもそもなぜタバコが無ければ生きていけないと信じるに至ったかの歴史を知ること、

 

それが共感的で双方向的なコミュニケーション、

 

そして信頼関係の樹立に繋がるのではないか、

 

そう思えるような経験をしばしば繰り返しております。

 

齋藤亜矢子さんのメッセージが掲載できていなかったため、再掲いたします。

 

(青文字の部分)

 

》往く週《7月12日:第15回聖楽院週例コンサート

 

先任ピアニスト齋藤亜矢子(聖楽院ピアノ伴奏科主任)

 

<シューベルトの歌曲とピアノ演奏による60分>

 

第2週のコンサートとしては、これまでで最高の演奏会であったと思います。

 

ようやく、目指す方向性に、また一歩近づけました。

 

会場は満席。水氣道会員3名(うち聖楽院レッスン生2名)、

 

常連のお客様の他、初めてのお客様3名で会場が盛り上がりました。

 

常連のお客様は、回を重ねるたびに、熱心に耳を傾けてくださり、

 

何よりも楽しんでくださっておりました。

 

齋藤亜矢子さんのピアノ演奏は、常連に加えて新たなファンを獲得した模様です。

 

因みに、聖楽院コンサートの後のジャズ演奏では、

 

水氣道理気航法直伝の金澤克彦さんがピアノを演奏し、

 

また、聖楽院声楽科のレッスン生の一人がジャズ・ヴォーカルに初トライするなど、

 

聖楽院とジャズ演奏グループのコラボは新たな展開を示しつつあります。

 

 

聖楽院コンサート第2水曜日にピアノを担当しております、齋藤亜矢子です。

 

7月12日のコンサートには、暑い中、本当に沢山のお客様がいらして下さり、楽しいひと時を過ごせました。

 

また、音海のお店がちょうど4周年を迎えられたそうで、

 

ご一緒にお祝いすることができて嬉しく思いました。本当におめでとうございます。

 

皆さま、お時間がありましたら、ぜひまたコンサートに足をお運びください。

 

私も、演奏を通して色々な方とお会いできるのを楽しみにしております。

 

 

 

《 来る週 》7月19日:第16回聖楽院週例コンサート

 

先任ピアニスト佐々木理之(聖楽院ピアノ演奏科主幹)

 

<日本とフランスの歌曲とアリア、サックス、フルートの競演による90分>

 

ほぼ毎週90分プログラムをこなしている熱血ピアニスト。

 

最近、外部での演奏活動も精力的にこなしている模様。

 

根強い佐々木ファンからの一言<魂の修業の手段としてピアノを選んだような方>、

 

共演者からの声<佐々木さんは熱心な仲間を見捨てない>、

 

そんな佐々木理之は観客の期待を裏切らない凝縮したピアノを披露してくれることでしょう。

 

今回は、とりわけ、フルートの西巻有希子は、

 

音海水曜コンサート通算100回目記念特別プログラム(第30回聖楽院週例コンサート)にて、

 

イタリアから来日するアコーディオン奏者、

 

Ezio Ghibaudo氏との共演を予定している意欲的な演奏者、彼女の演奏も聴き逃せません。

 

血液・造血器の病気

 

テーマ:再生不良性貧血

 

   ( 悪性貧血より悪性な貧血 )

 

 

貧血の女性は多いです。大抵は、鉄欠乏性貧血ですが、

 

中には手ごわい貧血が紛れ込んでいることがあります。

 

 

一般に、貧血というと、赤血球の減少であると理解されていますが、

 

それにとどまらず、白血球や血小板も不足する貧血があります。

 

その代表は再生不良性貧血です。

 

 

白血球が減少すると易感染性といって感染症に罹り易くなります。

 

血小板が減少すると出血傾向を生じます。

 

 

そもそも、血液は骨髄で作られます。

 

骨髄には血液となる元となる細胞(造血幹細胞)があります。

 

再生不良性貧血は、この造血幹細胞が減少して、その結果、

 

末梢血の汎血球減少(赤血球、白血球、血小板のすべての減少)を来す病気です。

 

 

これには、先天性のものと、後天性のものに二大分されます。

 

先天性のものでは、常染色体劣性遺伝をするファンコーニ貧血があります。

 

これは、学童期の再生不良性貧血で、心・腎・骨格系の先天異常を伴います。

 

 

後天性は、さらに特発性、二次性、特殊型に細分類されます。

 

特発性のものは、免疫機序による造血抑制で発症するもので、

 

ふつう再生不良性貧血といえば、この特発性のものを指します。

 

 

二次性のものとして、クロラムフェニコールなどの薬剤、

 

ベンゼンなどの科学物質、放射線の他、妊娠が原因となることもあります。

 

 

特殊型として、肝炎後に発症するもの、夜間血色素尿症を合併するものなどがあります。

 

 

再生不良性貧血では、肝脾腫・リンパ節腫大が無いことが特徴なので、

 

これを確認することが重要になります。

 

これは、汎血球減少を来す他の疾患

 

(発作性夜間血色素尿症、急性白血病、骨髄異形成症)などの除外に役立つからです。

 

また骨髄低形成は特異的といわれています。

 

しかし、実際にはその因果関係の証明は難しいです。

 

エリスロポイエチンの上昇を認めますが、これは骨髄異形成症候群でも認められます。

 

その際、同時に、骨髄巨核球の減少や血漿トロンボプラスチンの高値が確認できれば、

 

骨髄異形成症候群はほぼ否定できます。

 

 

造血能低下による鉄の利用障害のため血清鉄は増加します。

 

炎症反応であるCRPは陰性ですが血沈が亢進します。

 

ただし、血沈の亢進は炎症のためではなく、貧血のためです。

 

 

一部は発作性夜間血色素尿症(PNH)に移行します。

 

また5%の症例でHLA-Aアレル欠失血球や

 

GPIアンカー膜蛋白欠失血球(PNH血球)が相対的に増加します。

 

これらが陽性の患者では免疫抑制療法の奏功率が高いです。

 

 

治療には、重症度の判定が不可欠です。

 

造血幹細胞移植が第一選択の標準治療です。

 

ただし、40歳未満の重症例(ステージ3~5)で、

 

HLA適合同朋ドナーがいる場合に限られます。

 

ステージ3(やや重症)とは、網状赤血球60,000 / μL未満、

 

好中球1,000/ μL未満、血小板50,000 / μL未満の3条件のうち、2項目以上を満たすものです。

 

 

40歳以上では、免疫抑制療法を優先し、

 

抗胸腺細胞グロブリン(ATG)やシクロスポリンによる治療を選択しますが、

 

無効の場合にはじめて造血幹細胞移植が検討されます。

 

 

輸血が必要な場合は、新鮮血などの全血輸血は行わず、必要な成分のみを輸血します。

 

高度な貧血の場合は、濃厚赤血球を用い、

 

出血傾向が顕著な場合は濃厚血小板を用います。

 

凝固因子は欠乏しないため、新鮮凍結血漿は不要です。

 

中毒・物理的原因による疾患、救急医学

 

テーマ:ニコチン中毒

 

   ( 喫煙者のメンタルに対する偏見)

 

 

偏見1.精神を病む者にとって、タバコ使用は自らを癒す行為として不可欠である

 

ニコチンは精神疾患の有無にかかわらず、強力な毒物です。

 

体に取り込まれると一時的に集中力と注意力を増加させます。

 

しかし、繰り返し使用することですぐに耐性ができます。

 

精神疾患(うつ病、統合失調症、注意欠陥性障害など)の治療に

 

タバコ使用を加えても、効果がないことが明らかになっています。

 

これは、精神疾患患者がタバコを使用しても、病気はよくならず、

 

かえってほとんどあらゆる病気の増悪を招くだけです。

 

 

禁煙を勧めない医療者は、適切な医療を放棄して、

 

病気を長引かせ、悪化させているということになります。

 

 

 

偏見2.精神を病む者は禁煙しようという気持ちがないということ

 

精神科の外来および入院患者さんの調査によると、

 

禁煙を希望する率は、一般住民と差がなかったようです。

 

さらに、精神疾患を持つ喫煙者の禁煙希望率と、

 

精神疾患の種類、重症度、他の薬物依存症の有無との

 

関係はなかったとされています。

 

 

禁煙を希望している喫煙者は、薬物依存症の治療を求めている患者さんである

 

という認識を、医療者は明確に持つべきだと思います。

 

 

 

偏見3.精神を病む者は禁煙をすることができない

 

喫煙者、すなわちニコチン依存症は、他の依存症と同様、

 

その治療は簡単ではないと考えられています。

 

 

しかし、タバコを吸う精神疾患患者を対象とした治療研究と

 

系統的レビューを見ると、禁煙は不可能ではありませんでした。

 

 

禁煙を希望するうつ病患者に合わせた段階的治療を施すと、

 

18ヶ月後に 25%が禁煙しており、その成功率は一般住民の禁煙成功率と同じでした。

 

 

喫煙者には理解を、愛を、そして希望を持って禁煙していただけるよう、

 

支援を惜しんではなりません。

 

 

 

偏見4.タバコをやめると、ストレス対処できなくなり、メンタルヘルスが悪化する

 

精神疾患の治療も同時に受けている喫煙者を対象とした

 

禁煙に関する無作為試験がいくつかあります。

 

 

それらによれば、禁煙に成功したことで、うつ病や PTSD が悪化したり、

 

精神科への入院率が増加したり、

 

アルコールや他の薬物乱用が増えるようなことはありませんでした。

 

 

タバコをやめるまでの意識形成、態度決定および行動変革という

 

一連のプロセスを経験することは、身体の健康回復のみならず、

 

その後の人生におけるストレス対処、メンタルへルスの安定に寄与します。

 

 

 

偏見5.急性の症状や精神的な悩みで苦しんでいる方にとり、禁煙は二の次でよい

 

喫煙者のほとんどが喫煙には病気や病死を増やす危険があることを知っています。

 

そして、専門家から禁煙の支援を受けたいとも思っています。

 

 

タバコ使用の問題を患者さんに提起した場合、

 

精神疾患のない方と同じように禁煙したいと思っており、また、実際に禁煙しても、

 

精神疾患の改善を妨げる心配はないことが次第に明らかになっています。

 

禁煙開始こそが、心身の病や苦悩を解決するための近道であり、

 

これを避けることは問題解決の先送りになります。

ミスを、繰り返してしまうこと

 

Nogucci はミスを繰り返しています。

 

それは、ポイントは何で、外してはいけないものは何か

 

が曖昧なままで、何となく気分で仕事をしているからです。

 

 

ミスをした後も何となく終わらせて、原因を突き詰めず、再発防止を講じない。

 

こんなことではミスの繰り返しが無くなるはずがありません。

 

 

まずは「確認」

 

曖昧なまま仕事をしたり、自分の早合点で動かない。

 

「ん?」と思ったことは確認を取って納得して動く。

 

 

次は「点検」

 

動いた後に必ず点検する。

 

単純なことですが、ものぐさなNogucciには中々の難易度です。

 

しかし、私は変わるんです。

 

1つ1つ工夫を重ねて変わっていきます。

 

 

 

 

》往く週《 7月12日:第15回聖楽院週例コンサート

 

先任ピアニスト齋藤亜矢子(聖楽院ピアノ伴奏科主任)

 

<シューベルトの歌曲とピアノ演奏による60分>

 

第2週のコンサートとしては、これまでで最高の演奏会であったと思います。

 

ようやく、目指す方向性に、また一歩近づけました。

 

会場は満席。水氣道会員3名(うち聖楽院レッスン生2名)、

 

常連のお客様の他、初めてのお客様3名で会場が盛り上がりました。

 

常連のお客様は、回を重ねるたびに、熱心に耳を傾けてくださり、

 

何よりも楽しんでくださっておりました。

 

齋藤亜矢子さんのピアノ演奏は、常連に加えて新たなファンを獲得した模様です。

 

因みに、聖楽院コンサートの後のジャズ演奏では、

 

水氣道理気航法直伝の金澤克彦さんがピアノを演奏し、

 

また、聖楽院声楽科のレッスン生の一人がジャズ・ヴォーカルに初トライするなど、

 

聖楽院とジャズ演奏グループのコラボは新たな展開を示しつつあります。

 

 

 

《 来る週 》7月19日:第16回聖楽院週例コンサート

 

先任ピアニスト佐々木理之(聖楽院ピアノ演奏科主幹)

 

<日本とフランスの歌曲とアリア、サックス、フルートの競演による90分>

 

ほぼ毎週90分プログラムをこなしている熱血ピアニスト。

 

最近、外部での演奏活動も精力的にこなしている模様。

 

根強い佐々木ファンからの一言<魂の修業の手段としてピアノを選んだような方>、

 

共演者からの声<佐々木さんは熱心な仲間を見捨てない>、

 

そんな佐々木理之は観客の期待を裏切らない

 

凝縮したピアノを披露してくれることでしょう。

 

今回は、とりわけ、フルートの西巻有希子は、

 

音海水曜コンサート通算100回目記念特別プログラム(第30回聖楽院週例コンサート)にて、

 

イタリアから来日するアコーディオン奏者、Ezio Ghibaudo氏との共演を

 

予定している意欲的な演奏者、彼女の演奏も聴き逃せません。

 

神経・精神・運動器

 

テーマ:臼蓋形成不全

   (意外な発見!慢性疼痛患者の股関節異常)

 

 

高円寺南診療所は、リウマチ専門医外来を柱の一つとしているので、

 

女性の整形外科疾患の診療経験は豊富です。

 

最近は高齢社会となったため、特に明らかな原因となる病気に罹ったことが無くても

 

年齢とともに股関節症を発症してくることがあります。

 

 

近頃、頻繁に聴くようになったのは

 

<立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。>という訴えです。

 

これは、まだ変形性股関節症の初期症状です。

 

これらは、もともと股関節の症状であると気づくことが大切です。

 

 

股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるのですが、

 

正確な位置を理解している患者さんは少ないです。

 

股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。

 

しかし、こうした初期症状を無視していた方の多くは、

 

<その痛みが次第に強くなってきました>、

 

<その痛みが持続痛(常に痛む)するので通院が困難です>とか、

 

<夜間痛(夜寝ていても痛む)のため不眠傾向です>といって悩むことになります。

 

 

問診や診察などのあとで、股関節の可動域制限やX線写真をみて診断します。

 

これだけで多くの場合は治療を開始できます。

 

もちろん、比較的まれではありますが手術が必要な場合は

 

CTとMRIなどの検査のため提携医療機関に紹介しております。

 

 

患者さんの多くは女性ですが、その場合原因は発育性股関節形成不全の後遺症や

 

股関節の形成不全といった子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なもので

 

股関節症全体の80%といわれています。

 

 

高円寺南診療所は、変形性関節症や関節リウマチの他に、

 

医学界では治療困難な難病とされる(高円寺南診療所では難病とは考えていません!)

 

線維筋痛症という全身性機能性慢性疼痛の患者さんを多数診療しています。

 

この病気は機能性、つまり、検査等で異常が見いだされないものと認識されていますが、

 

ほとんどがストレートネック(より重症のスワンネックも含む)で、

 

さらに股関節異常(とくに、臼蓋形成不全)を見出すことがあります。

 

 

写真

さて、変形性股関節症の病気の進行についてですが、

 

ごく初め(前期関節症)では関節がきゃしゃであったり変形していたりするだけです。

 

しかし、関節症がすすんで初期関節症になると、

 

関節の隙間が狭くなったり(軟骨の厚さが薄くなる)、軟骨下骨が硬くなったり(骨硬化)します。

 

さらに進行期関節症、末期関節症となると、

 

関節の中や周囲に骨棘とよばれる異常な骨組織が形成されたり、

 

骨嚢胞と呼ばれる骨の空洞ができたりします。

 

最終的には体重がかかる部分(荷重部)の関節軟骨は消失し、

 

その下にある軟骨下骨が露出します。

 

股関節

引用:公益社団法人日本整形外科学会公式HPより

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/hip_osteoarthritis.html

 

 

  以下は、日本整形外科学会のHPで推奨されている治療に関する記事の抜粋です。

 

<痛みがあるとどうしても歩かなくなり筋肉が衰えてしまいますので、

 

できれば水中歩行や水泳(平泳ぎを除く)を週2,3回行っていただくと理想的です。

 

運動療法はその他の方法もありますが、

 

運動療法はどうしても疼痛を誘発してしまう可能性がありますので、

 

慎重に始めて徐々に強度を高めていくことがポイントです。>

 

 

高円寺南診療所では、水氣道®を推奨しています。

 

これは水中歩行を中心とする、温水プールでの団体的有酸素運動です。

 

これは全身運動ですが、股関節機能回復に有効なプログラムを充実させていますので、

 

ご興味のある方は、いつでもお声を掛けてください。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「血海(けっかい)」です。

IMG_1874

場所は膝の内側から少し上で筋肉の隆起したところにあります。

 

 

 

「月経不順」「月経痛」「機能性不正出血」「子宮内膜炎」「湿疹」「蕁麻疹」「皮膚掻痒症」「膝痛」に効果があります。

 

 

 

月経に問題がある方はこのツボに強い痛みがあります。

 

 

 

マッサージしてみてください。

 

 

 

<参考文献>

 

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭