新年あけましておめでとうございます。
皆さまには健やかに新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
昨年は、ホームページを一新し、高円寺南診療所内外の
関連諸活動を一覧していただくことが可能となりました。
それによって現代および将来の医療にとってコアとなる心身医療の具体的実践の姿、
日本から全世界へと発信すべきその姿を可視化することを大胆に試みました。
3月にはドイツのポツダム大学、9月にはフランスのボルドー大学を訪れ、
医学交流を経験する機会を得ました。
診療活動の最新情報の提供はもちろんのこと、
『水氣道』が9月に商標登録(水氣道®)されました。
皆さまのお陰で、生活習慣病、冷え性やアレルギー・リウマチなどの
体質性疾患、ストレス関連病、さらには難治性疼痛性疾患とされてきた線維筋痛症に至るまで、
多くの慢性疾患の患者さんが順調に改善し、
生き甲斐を取り戻し、希望をもっていただいております。
また、遠方にお住いの方や、英語等外国語での診療を希望する
外国の方の受診が日常的になってきました。
このような実績によって、当診療所が国内外で、
広く必要とされ、高く評価されていることを認識でき、
職員一丸となって、さらに研鑽を重ねていく決意を抱くことができました。
さて、2020年開催予定のオリンピック・パラリンピック東京大会は、
<史上最もイノベーティブで、 世界にポジティブな改革をもたらす大会とする>
とうたわれています。
その目標を支える3つの基本コンセプトは
「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、
「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、
「そして、未来につなげよう(未来への継承)」です。
これは、そのまま高円寺南診療所が平成元年開設以来目指してきたことと、
ピッタリと一致しています。
ただし、一点、大きく異なるポイントがあります。
それは、高円寺南診療所は
<他者と競って勝利することを目標としない>ということです。
この精神は生涯エクササイズである『水氣道』にも生きています。
水氣道は競技ではありませんが、
オリンピック種目以上にオリンピックの精神が活かされている活動体だと自負しております。
高円寺南診療所の医療の本質としては、
基本理念である「生命と人権を尊重し、思いやりに満ちた医療を
良心と誠意をもってチームによる国際統合医療を実践する」
という医療機関を目指すことに変わりません。
そして、いつも相手の身になる『愛』という言葉を胸に、
職員一人一人が自分の役割を見直してより充実させていくことで、
働きがいのある職場となり、
さらには患者の皆様や家族、職員、国内および国際社会の
どなたからも愛される診療所となれることを願っております。
私事で恐縮ですが、再来年で還暦を迎えます。
日々の生活の中で物忘れや体の動きが鈍くなるなど、
心身の機能低下が他人事ではなくなることを覚悟しなくてはなりません。
とくに医療や社会保障上の国家的課題は山積し、
国益に叶うはずの医療の実践に努めるほどペナルティが課されるなど
医療制度の矛盾など様々な不自由さや理不尽な制約にいらだつとともに、
ためらいがちになり萎縮することも増えました。
国際情勢の急展開についても想定外のことで戸惑うことばかりですが、
まずは目の前の診療に真摯に取り組でいくことにいたします。
それと同時に、いつまでも、みずみずしさを失わないように、
氣が衰えないように、『水氣道®』や『聖楽院』と共に
一個人としての成長を続けていきたいと思います。
本年3月にはドイツのベルリン自由大学で開催される
ドイツ心身医学会の日独交流プログラムで臨床報告のプレゼンテーションをします。
また4月には毎週水曜開催の聖楽コンサートが母体として
クラシック音楽自主学習塾である<聖楽院>の
開校準備が順調であることも大きな心の支えになっております。
診療所では患者の皆様をはじめ関係するご家族、地域の方々と向き合う日々にあり、
国内外の遠方にお住まいの皆様とのご縁も大切にしつつ、
職員に助けられながら本当にたくさんのことを学ばせていただき感謝しております。
最後になりますが、皆さまにとりまして幸多い年となりますよう祈念しまして、
年頭のごあいさつといたします。
今年もあたたかいご支援とご助言をこころよりお願い申し上げます。
平成29年1月吉日 高円寺南診療所長 飯嶋正広