今月のテーマ<循環器の特定内科診療>

 

 

「解離性大動脈瘤」

 

 

<症例報告>50代の男性。職場の検診の胸部レントゲンで異常陰影を指摘され来院。

 

自覚症状はない。

 

6か月前に背部痛のため整形外科を受診し、鎮痛剤を処方されたが改善せず。

 

 

聴診:第4肋間胸骨左縁に3/6度の拡張期雑音

 

 

胸部レントゲン写真読影:胸部大動脈瘤

 

 

高血圧のため降圧療法を開始しました。

 

手術目的で某大学の心臓血管外科に紹介しましたが、ご本人は手術を拒否されました。

 

その代り、ご本人は禁煙をはじめ減塩につとめ「水氣道」に参加して減量にも成功されました。

 

半年に1回ほど継続して通院し、やっと手術を受ける覚悟ができましたが、担当の外科医から、

 

手術しないで経過で行けそうだと保証されて、

 

喜んでおられました。その後、米国に移住されました。

今月のテーマ<循環器の特定内科診療>

 

 

「急性心不全」

 

 

高血圧は放置しておくと心不全を招くことがあります。以前から高血圧を指摘され、

 

しかも「心臓が大きくなっている(心拡大)」と注意を受けたとすれば、

 

それは確実に心不全へ向かっています。

 

 

多忙を誇る頑固な喫煙者のケアはなかなか骨が折れます。

 

 

心不全には左心不全と右心不全とがありますが、両者が合併すると両心不全をきたします。

 

 

多様な症状のために、心臓が原因であることに気づかず、

 

また喫煙の悪影響を認めようとしない方がいらっしゃいます。

 

禁煙に言及しない各科を受診した挙句、改善を見込めないため、医療不信となり

 

不機嫌な面持ちで高円寺南診療所を受診される方は少なくありません。

 

 

 

<症例報告>60代男性。「息切れと下肢のむくみが気になって来院。

 

 

問診:2年前、耳鼻咽喉科で蓄膿症の手術を受けたときに血圧190/120mmHgと

 

心拡大を指摘されたが、多忙を理由に未治療であった。

 

1か月前から下肢の浮腫みがひどくなってきた。

 

 

問診票より:たばこ40本/日を40年間、現在も喫煙中。禁煙に関心なし。

 

睡眠時間は1日5時間、週末は寝だめ。

 

身長165㎝、体重78㎏。体温36.0℃、呼吸数20/分、脈不整なし。

 

血圧190/130mmHg、意識は清明。

 

 

視診:大腿から足背にかけての顕著なむくみ、触診:肝腫大

 

 

聴診:両側頚動脈に血管雑音、胸背下部に粗い水泡音、腹部血管雑音

 

 

検査:尿たんぱく2+、胸部レントゲン(心拡大、肺うっ血)

 

 

心電図(高血圧による左心房や左心室への負担、左心室の壁が厚くなっていることを示す所見)

 

 

診断:高血圧症+両心不全⇒急性心不全

 

<息切れや、肺の水泡音は左心不全の徴候です。>   

 

<下肢の浮腫や肝臓の腫れは右心不全の徴候です。> 

 

 

転機:入院を頑なに拒むため、禁煙を絶対条件として、外来診療をはじめました。

 

1ヶ月後に完全禁煙を達成し、毎日最低6時間半の睡眠を確保、

 

その後、半年間をかけて血圧も徐々に正常化しはじめ浮腫みも目立たなくなりました。

 

しかし、データの改善を喜んだ翌日から喫煙を再開し、薬の内服を中断し、

 

自宅の備え付け自転車で運動最中に死亡された模様です。

 

死後数時間を経て家族に発見されたそうです。

今月のテーマ<循環器の特定内科診療> 

 

 

「急性心筋梗塞」Vol.3

 

 

残念ながら救命できなかった症例を2例ご紹介いたします。

 

 

症例3)76歳男性

 

「今朝、急に呼吸困難が出現した。呼吸困難を主訴に家族に連れられて来院した。

 

4日前に強い前胸部圧迫感が数時間持続した。」

 

最終診断:左室乳頭筋断裂による心原性ショック

 

 

症例4)55歳男性、患者の妻よりの報告

 

「登坂時の突然の胸痛を主訴に3日前に某病院に緊急入院しました。

 

集中治療室に収容され、内科的治療により胸痛は消失した。

 

しかし、今朝、診察中に突然意識が消失しました。」

 

 

担当医の見立て:心筋梗塞およびその後の心破裂

 

 

ドクトル飯嶋の記録:肥満でヘビースモーカー、

 

初診時の血圧160/110㎜Hgであるため、妻に伴われて来院されました。

 

ただちに禁煙を勧めたところ再診を拒否されました。

 

およそ一か月後、救急入院先の病院から奥様の電話をいただきました。

 

残念ながら、翌日お亡くなりになりました。

前回まで、病的な水である四飲、

 

つまり4種類の(広義の)痰飲(たんいん)について説明してきました。

 

今回は、四飲以外の水毒について紹介します。

 

 

 

水毒は四飲の他に、留飲(りゅういん)伏飲(ふくいん)があります。

 

 

<留飲>は、水毒(痰飲病)の一つで、

 

飲邪が長期にわたり消退せず留滞する病証です。

 

中焦脾胃の運化機能(胃腸の消化吸収機能)が失われて水飲が長く体内に停滞し、

 

胸も腹もすっきりせず、ひっかかったり詰まったりするに至った状態です。

 

 

日常的なストレスによる不平不満が解消すると気分が落ち着き、

 

胸がすいて気持ちがよくなることを「溜飲が下がる」といいます。

 

このときの溜飲は、この留飲に相当します。

 

 

留滞する部位によって症状は異なるが、

 

疼痛・腫脹・機能障害・冷えなどがみられます。

 

 

水氣道では、全体の基本稽古に加えて「調血航法」、「活水航法」さらに、

 

「経絡航法」によって改善を図ることができます。

 

 

 

<伏飲>身体の奥深くに潜伏した痰飲のことです。

 

痰飲とは病的な水分が長期に欝滞して粘ったものを指す中医学の概念で、

 

さまざまな病気に関係しています。

 

この痰飲が体内に潜伏し、

 

悪寒や咳嗽、腰痛などが発作的に生じるようにまで至ったものが伏飲です。

 

これが進行して悪化すると、難治性の慢性疼痛になります。

 

 

伏飲は漢方医学の喘息の病態に関しては、古くから文献に記載されています。

 

喘息では痰飲が肺の奥深くの膈(横隔膜)の付近に潜伏しているので伏飲といいます。

 

ですから、非発作時には無症状で痰は出ませんが、

 

発作が起こると喘咳と一緒に痰となってこみ上がってくるのです。

 

発作を起こす引き金になるのはカゼ、寝不足、疲労、気候や気圧の変化、

 

ホコリ、タバコの煙や排気ガスなどですが、

 

実は病の根本要因はこの伏飲であり、伏飲が除かれない限り喘息は治らないわけです。

 

 

水氣道では、全体の基本稽古に加えて「理氣航法」、「活水航法」さらに、「経絡航法」

 

によって改善を図ることができます。

 

 

今回で「活水航法」の解説は締めくくります。

 

水氣道で直接「水」に係る「活水(カッスイ)航法」をです。

 

活水の方略は心身の「弾性」を育むことにあります。

 

弾性を育むための方術は、「流動性」と「柔軟性」です。

 

 

 

今回は、「経絡航法」という名称が登場しました。

 

次回よりこの「経絡航法」の解説が始まります。

 

 

心身を統合している3系統を東洋医学的に表現すると「氣」「血」「水」になります。

 

 

「経絡航法」はまず、「氣」「血」を統合的に調整して氣道を確保し、

 

さらに「水」と交わることによって、水氣道を完成させる道筋をなすものです。

 

 

「保健機能食品制度」は、

 

消費者の方が安心して食生活の状況に応じた食品の選択ができるよう

 

適切な情報提供をすることを目的として平成13年に制度化されました。

 

 

「保健機能食品」は、「栄養機能食品」と「特定保健用食品」の2つに分類されます。

 

 

 

今回は、栄養機能食品についてご紹介いたします。

 

 

栄養機能食品とは?

 

高齢化やライフスタイルの変化等により、

 

通常の食生活を行うことが難しく1日に必要な栄養成分を取れない場合に、

 

その補給・補完のために利用する食品です。

 

 

 1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、

 

国が定めた上・下限値の規格基準に適合している場合、

 

その栄養成分の機能の表示ができます。

 

ただし、国への許可申請や届出は必要ありません。

 

 

栄養機能食品として表示ができる栄養成分とは、

 

人間の生命活動に不可欠な栄養素で、

 

科学的根拠が医学的・栄養学的に広く認められ確立されたものです。

 

 

現在は、ミネラル5種類、ビタミン12種類について、規格基準が定められています。

 

 

現在、規格基準が定められている栄養成分を示します。

 

 

ミネラル類 :カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅

 

 

ビタミン類:(水溶性ビタミン類)ビタミンB1、ビタミンB2、

 

パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6、ビタミンB12、

 

葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンC、

 

(脂溶性ビタミン類)ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE

 

 

 

まとめ:

 

① 栄養機能食品の利用者の対象は、通常の食生活を行うことが難しい人、

 

とくに1日に必要な栄養成分を取れない人が対象です。

 

目的は、栄養成分の補給・補完です。

 

 

② 栄養機能食品の目的は、不足する栄養成分の補給・補完です。

 

栄養機能食品として表示ができる栄養成分は、ミネラル5種類、ビタミン12種類のみです。

今月のテーマ<循環器の特定内科診療>

 

「急性心筋梗塞」Vol.2

 

 

助かった症例を2例ご紹介いたします。

 

 

症例1)55歳男性

 

「今朝から激しい前胸部痛が出現し持続している。

 

一週間前から階段を登るときに前胸部痛を自覚したが

 

安静にて消失するため放置していた。」

 

 

ドクトル飯嶋の初期対応:

 

病歴より40歳から検診で高血圧、脂質異常症を指摘されるも放置してきたことを確認

 

バイタルサインのチェック

 

(意識清明だが苦悶様顔貌、体温36.8℃、呼吸数28/分、脈拍70/分、脈不整なし。血圧148/98㎜Hg)

 

 

視診(貧血・黄疸なし、皮膚湿潤・冷汗、腹部平坦、下腿のむくみ無し)、

 

聴診(心雑音・呼吸音の異常なし)

 

検査(尿検査異常なし、心電図異常あり、血液検査)

 

 

ドクトル飯嶋の見立て:急性心筋梗塞(下壁)

 

 

ドクトル飯嶋の指示:静脈路を確保して、緊急入院先に連絡。

 

酸素投与を受けながら救急搬送となりました。

 

 

紹介先病院からの報告:「救急外来到着後ただちに静脈から輸液・薬物投与ができたため、

 

一命をとりとめることができました。

 

翌日、心エコー検査中に意識が消失し、その原因は高度な房室ブロックが発症したためでした。

 

高円寺南診療所での心電図、血液検査データと比較できたので助かりました。』とのことでした。

 

 

最終診断:急性心筋梗塞(下壁)   

 

 

 

症例2)70歳男性

 

「持続する前胸部痛を主訴に来院した。

 

同症状は昨夜から出現し、冷や汗を伴うようになった。」

 

 

ドクトル飯嶋の初期対応:

 

バイタルサインのチェック(体温37.3℃、呼吸数26/分、脈拍108/分、脈不整なし。血圧84/54㎜Hg)、

 

胸部の聴診で水泡音。

 

 

ドクトル飯嶋の見立て:急性冠動脈症候群(急性心筋梗塞の疑)、心原性ショック

 

 

ドクトル飯嶋の指示:緊急入院検査(冠動脈造影検査など)の手配

 

 

紹介先病院からの報告:即日入院、

 

冠動脈造影検査にて左冠動脈主幹部の90%狭窄により、バイパス手術を施行。経過良好。

 

 

最終診断:急性冠動脈症候群⇒急性心筋梗塞⇒心原性ショック

「新着情報」は≼月間計画⋟と《週間計画》に基づき、

 

毎日更新しています。

 

 

≼月間計画⋟

 

医療-(臨床一般)については週間テーマに基づいて掲載します

 

「臨床一般」のテーマ一覧

 

第一週:呼吸器・感染症内科

 

第二週:循環器・腎臓・血液内科

 

第三週:消化器・代謝内分泌内科

 

第四週:神経・アレルギー・膠原病内科

 

第五週:プライマリケア・救急・心療内科

 

 

『聖楽』コラムについては週ごとの担当者が分担します

 

第一日曜日(ピアニスト齋藤文香)

 

第二日曜日(ピアニスト寺根佳那)

 

第三日曜日(ピアニスト佐々木理之)

 

第四日曜日(ピアニスト吉田奈津子)

 

第五日曜日(チェリスト藤岳音)

 

 

《週間計画》

 

月曜日…<事務局>担当:児玉亜里、野口将成、飯嶋園子

 

     臨床体験 <Mr.NoGucciの懺悔録>野口将成

 

     医療⁻(臨床一般①)飯嶋正広

 

 

火曜日…医療-(栄養)担当:管理栄養士・中田美砂恵、健康管理士・林亮博

 

    医療⁻(臨床一般②)飯嶋正広

 

 

水曜日…『水氣道』コラム担当:水氣道正会員

 

     医療⁻(臨床一般③)飯嶋正広

 

 

木曜日…医療-(臨床一般④)飯嶋正広

 

 

金曜日…医療-(心理)担当:臨床心理士・宮仕聖子、心理相談員・林亮博

 

 

     医療-(臨床一般⑤)飯嶋正広

 

 

土曜日…医療-(鍼灸)担当:鍼灸師・坂本光昭

 

 

日曜日…『聖楽』コラム担当:聖楽コンサート協力アーティスト

 

 

さらにさらにさらに、「わかっています…でも」Part6

 

 

辞書を引くと「反省」とは、また「内観(ないかん)」に同じ、とされます。

 

Mr. NoGucciは反省しても内省に欠けることを、目下、反省中、否、内省中です。

 

Mr. NoGucciはこうして「過去を内省」すれば内観することにもなるのでしょうか?

 

 

そこで、内観について調べてみました。

 

  1. 白隠禅師の内観法:白隠は江戸時代の禅僧で白隠慧鶴と号したそうです。

 

その著書『夜船閑話』(やせんかんな)に紹介される心身リラックス法が内観法。

 

白隠は修行時代に心身のバランスを崩して禅病(ノイローゼ状態)に陥りました。

 

そこで京都白川の山奥に住む「白幽子」という仙人に伝授された

 

「内観の法」により、健康を回復したといいます。

 

 

その方法は、仰向けに寝て、

 

丹田から両足にかけての範囲に意識を置くための4つの公案を静かに唱えるというものです。

 

自律訓練法に似ているとされます。

 

 

Mr. NoGucciは、高円寺南診療所で勤務する中で、自律訓練法を習得しましたが、

 

これにも、最初はかなりの心理的抵抗がありました。

 

このお話は、いずれまた・・・

 

 

2.「内観」という用語:

 

明治期の浄土真宗の思想家・清沢満之が「内観」という用語を用いました。

 

昭和期の実業家で僧侶の吉本伊信が

 

諦観庵(浄土真宗系の信仰集団)に伝わっていた自己反省法の「身調べ」から

 

秘密色、苦行色、宗教色を除き、「内観」と名づけ、万人向けのものとした修養法です。

 

 

浄土真宗だけでなく、

 

たとえば内村鑑三のようなキリスト教信者も「内観」という言葉を用いているそうです。

 

現在、医療に応用されて内観療法ともいわれます。

 

森田療法と並ぶ日本起源の心身医学療法として国際的に認められています。

 

今月のテーマ<循環器の特定内科診療>

 

「急性心筋梗塞」Vol.1

 

 

急性心筋梗塞は生命にかかわる病気なのですが、

 

多くの場合、すぐに受診してくれません。

 

医者の寿命も確実に縮まっています。

 

以下の症例は、平成元年以来、経験してきた症例で、

 

すべて中高年以上の男性です。

 

しかし、若い人や女性でも発症するのでご注意ください。

 

 

 

自覚症状の受け止め方が大切です。

 

ですから、5症例の自覚症状と最終診断をご紹介します。

 

とくに、安静でいても20分以上持続する激しい胸痛、

 

冷や汗、吐き気の他、呼吸困難が主体のこともあり、

 

心臓が原因であることに気づきにくいこともしばしばです。

 

特に糖尿病を合併している高齢者は自覚症状が表れにくいことがあります。

 

自宅入浴時に発症して亡くなった悲しい経験をしたことがあります。

第1日曜日『聖楽』コラム担当のピアニスト齋藤文香です。

 

 

いよいよ本格的な暑さになってまいりました。

 

そんな時の涼み方、エアコンのお友達になること以上に素敵な出会いがいろいろありそうです。

 

 

たとえば、水がテーマになっている涼しげな曲

 

(ラヴェルの「水の戯れ」やドビュッシーの「水の反映」など…) を聴きながら、

 

楽しくおしゃれでフレッシュなひと時を過ごす、というのはいかがでしょうか。

 

 

 

さて、御報告がございます。

 

皆様にご紹介させていただいた杉並区和泉の<ソノリウム>での7月30日のコンサート、

 

『真夏の夜の夢』は、満員のお客様の中大盛況にて終演することができました。

 

芸術的配慮の行き届いたとても素敵な小ホールでした。

 

 

共演者のフルーティストの一人、高橋詩織さんは

 

自ら作成した切り絵によるプロジェクションマッピングの才能をも十分に発揮されました。

 

 

本当に素晴らしく、お客様とともにファンタジックな世界へと誘われました。

 

 

まさに目で見て、耳で聴く、

 

そんな楽しみ方を共有できる画期的なコンサートのスタイルが完成しました。

 

 

同じ二人のフルーティストとの共演での次回コンサートのタイトルは、

 

『くるみ割り人形』です。

 

12月10日(土曜日)、宇都宮の栃木県総合文化センター・サブホールにて。

 

こちらも同じく切り絵によるプロジェクションマッピング付きのコンサートになっております。

 

お誘い合わせの上、宇都宮の魅力も味わっていただけたらと存じます。

 

 

また、8月3日に、第20回『聖楽』コンサートに出演いたしました。

 

ちょうど聖楽コンサートの第20回目の節目を迎え、祈念の特別企画でした。

 

 

私と同郷の栃木県出身で、新進気鋭のチェリスト、

 

芝崎紘生さんをゲストに迎え共演していただきました。

 

 

主宰であるテノール飯嶋正広さんの『詩人の恋』(シューマン作曲)に始まり、

 

チェロとピアノによるアンサンブルやそれぞれのソロを演奏致しました。

 

 

クラシック曲からはじまりポップスをも交えた90分の特別プログラムでしたが、

 

 

お客様の温かい拍手の中、最後まで楽しんで演奏することができました。

 

 

お客様と近い距離で演奏するという『音海』での演奏コンセプト。

 

 

奏者として、いつもとは違った刺激的な空間での体験です。

 

 

そこは多方面の気づきがいただける勉強の場でもあります。

 

 

いつもの環境での演奏とは量的にも質的に異なる緊張感も伴います。

 

 

しかし、それ以上に、聴衆と奏者が一体となった音楽が誕生する、

 

そうした素晴らしい触れ合いと芸術創造の喜びが、たしかに生み出されています。

 

 

『音海』でのコンサートは、

 

お客様が一緒になって本当に真剣に音楽を感じてくださっています。

 

それがひしひしと伝わってくる、とても貴重な素晴らしい空間だなと感じます。

 

次回、また『聖楽』コンサートにて演奏できるのを心待ちにしております。

 

 

齋藤文香