今月のテーマ<内分泌の特定内科診療>
高浸透圧高血糖症候群を合併した 「糖尿病性ケトアシドーシス」 Vol.1
血糖値が著しく高くなると高浸透圧をきたし、
また高度な脱水状態に陥ることから、多彩な精神神経症状を呈します。
特に意識障害が進行する糖尿病性昏睡は、一旦発症すると、
適切で速やかな処置がなされないと、
生命にとって、とても危険な状態になります。
これが高浸透圧高血糖症候群です。
また、高度のインスリン作用不足により、高血糖と著しいケトン体の蓄積により、
脱水と意識障害(糖尿病性昏睡)をきたす病態が、糖尿病性ケトアシドーシスです。
症例を提示します。
50代男性。
意識障害を主訴に妻に伴われて来院。
現病歴:今朝、意識がもうろうとしているところを家族が気づきました。
2日前に食欲がなく、吐き気もあって食事がとれないためインスリン自己注射を中止したそうです。
1週間前から38℃台の発熱と頭痛とのどの痛みが続いたとのことでした。
インスリン治療は5年前に現在通院中の病院で1型糖尿病と診断されて以来、続けてきたとのことです。
家族歴:糖尿病等はありません。
この男性の診察所見は、次回ご紹介いたします。