今月のテーマ<消化管機能障害>

 

「胃食道逆流症」(GERD)

 

胃内容物が食道へ逆流して、

 

不快な症状や合併症を引き起こした状態を、「胃食道逆流症」といいます。

 

かつては、逆流性食道炎と診断することが多かったです。

 

 

「胃食道逆流症」の主症状は、

 

胸焼けや心窩部痛(みぞおちの痛み)ですが、

 

他にも、嗄声(かすれ声)や咽頭閉塞感(のどが詰まった感じ)

 

などの咽頭症状、咳、喘息などの呼吸器症状、胸痛など心疾患様症状、

 

など様々な症状がみられるので鑑別診断が重要になってきます。

 

 

この病気も胃カメラで食道病変を認めない機能性疾患である場合も多く、

 

その場合は非びらん性胃食道逆流症(NERD)とされます。

 

 

いずれにしても、「胃食道逆流症」(GERD)の症状は、

 

先日お話しした「機能的ディスペプシア」(FD)

 

の症状と重なり合いが多いのですが、

 

同様に共通する治療法で対処することも多いです。

 

 

日本消化器病学会より

 

「GERD診療ガイドライン」の改訂【2015年】が公表されているので、

 

現場でも参考にしています。

 

 

2006年の国際学会(RomeⅢ)で、

 

FDは食後困窮症候群、心窩部痛症候群に二分類されました。

 

 

ここで、FDの診断基準は、以下の3条件を満たすもの、ということになりました。

 

1)心窩部症状(胃・十二指腸領域からの発症)が中心である

 

2)食事に関連する症状である

 

3)胃の適応性弛緩障害である

前回は、血の説明と、血の病変の主なものについて概説しました。

 

今回は特に大切な血虚(ケッキョ)、瘀血(オケツ)について

 

自覚症状・他覚徴候・診察所見について少し専門的に説明します。

 

 

 

血虚(貧血)の自覚症状・他覚徴候・診察所見

 

1 血虚の自覚症状

 

1) 集中力が低下し、眼精疲労や耳鳴

 

2) めまい感、立ちくらみ、あくびが出る

 

3) 筋肉痙攣やこむら返りをよく起こす

 

 

 

2 血虚の他覚徴候

 

1) 顔色不良

 

2) 皮膚に潤いが無い

 

3) 髪が抜けやすい

 

4) 月経不順、過少月経

 

 

 

3 血虚の診察所見

 

1) 脈診:沈細

 

2) 舌診:舌は淡白色で萎縮性、裂紋

 

 

 

瘀血(血の滞血)の分類と「調血航法」の自覚症状・他覚徴候・診察所見

 

1 瘀血の自覚症状

 

1) 頭痛・頭重・肩こり

 

2)口が乾燥するが水を飲みたくない(口乾)

 

3) 胸苦しさや鋭い痛み

 

4) おなかが張った感じがするが他覚的には腹部膨満はみられない

 

5) 便秘

 

6)全身あるいは身体の一部に熱がこもった感じや冷えがある(冷えのぼせ)

 

7) 発熱時に妙に食欲がある

 

8) イライラして他人に当たる

 

9) 不眠・嗜眠などの睡眠異常

 

 

 

2 瘀血の他覚徴候

 

1) 皮膚や粘膜に紫斑や青筋がある

 

2) 皮膚がザラつく

 

3) 舌が暗赤色ないし青色

 

4) 舌の辺縁に紫色の斑点

 

5) 唇が青い

 

6) 大便の色が黒っぽい

 

7) 出血しやすい

 

 

 

3 瘀血の診察所見

 

1) 脈診:脈が沈結あるいは沈濇である

 

2) 下腹部に抵抗(小腹鞕満)や圧痛(小腹急結)がある

 

3) 下腹部に抵抗や圧痛がある

 

 

 

 

 

 

盲点その3:水氣道の稽古の直前のエナジー・ドリンクは健康的

 

 

水氣道の稽古の前の食事内容について

 

水氣道の稽古の前には十分な水分と適切な食事の摂取が必要です。

 

 

稽古の前の食事は、

 

野菜などの食物繊維の豊富な食事を事前にとっておきましょう。

 

 

そうすれば、小腸からの糖質吸収が緩やかになり悪影響が軽減できます。

 

 

 

要注意は加工食品です。

 

 

特に炭酸飲料の「ブドウ糖果糖液糖」は、

 

他の果糖ブドウ糖液糖や高果糖液糖などとともに

 

「異性化糖」と呼ばれます。

 

 

これを含む炭酸飲料を摂取していると、

 

肥満をはじめメタボリック症候群になりやすいです。

 

 

 

魔のソフトドリンクの正体:異性化糖についての復習

 

異性化糖とは、デンプンを酵素又は酸により加水分解して得られます。

 

 

実際には、トウモロコシやジャガイモ、

 

あるいはサツマイモなどのデンプンを、

 

酵素にて糖化させた後、

 

含まれるブドウ糖の一部を別の酵素にて果糖に異性化させたものです。

 

 

ブドウ糖を主成分とする糖、

 

あるいはブドウ糖を主とする糖液を

 

酵素やアルカリで異性化した果糖です。

 

 

デンプンはブドウ糖で構成されていますが、

 

ブドウ糖をより甘味の強い果糖に異性化させれば

 

甘味をより強めることができます。

 

 

しかも安価で大量に生産され魅力的なデザインとともに

 

自販機のショウウインドウに姿を現します。

 

 

消費者のほとんどが論理的に物を考えて判断し行動しない

 

大衆であるということを、生産者は良く見抜いています。

 

 

大量の果糖の摂取はピルビン酸の処理が追いつかず

 

多量の乳酸を生じ乳酸アシドーシスを発症する場合があります。

 

 

この場合ピルビン酸を脱炭酸して多量のアセチルCoAを生じ、

 

それが脂肪酸の合成に利用され、中性脂肪の生成を促進します。

 

 

慢性的な中性脂肪の生成は高トリグリセリド血症をきたし、

 

肥満や糖尿病など万病をもたらします。

 

 

 

今月のテーマ<消化管機能障害>

 

「機能性ディスペプシア」

 

昨日のお話で、慢性胃炎の診断step2では胃カメラで確認して診断します。

 

 

しかし、典型的な症状の訴えがあるにもかかわらず、

 

胃カメラで上記のような限局性病変(潰瘍)を認めないことが少なくありません。

 

その場合は、症状を有する臨床的<慢性胃炎>と判断します。

 

 

欧米では、従来これをNon-ulcerdyspepsia(NUD)「潰瘍を伴わない消化不良」

 

という診断名が使われてきましたが、

 

最近ではfunctionaldyspepsia(FD) 「機能的ディスペプシア」とされています。

 

 

つまり、「みぞおちの辺りを中心として胃もたれ、胃痛、胸焼けなどの症状」

 

があれば、胃カメラで異常があろうがなかろうが「慢性胃炎」なのです。

 

それでは、何のために胃カメラをするのでしょうか。

 

それは「慢性胃炎」の原因を明らかにするための手続きであると同時に、

 

胃潰瘍や胃がんなどの他の病気の見落としを防ぐために重要だからです。

 

 

体の症状があっても、それを視覚的に確認できない病気、

 

これを機能性疾患といいますが、内科の病気の大多数は、

 

機能性疾患であることは、意外に認識されていないようです。

 

 

胃がんの検査は、健診レベル・・・

今月のテーマ<消化管機能障害>

 

「慢性胃炎」

 

ほとんどの皆さんは<慢性胃炎>という病名に聞き覚えがあることでしょう。

 

しかし、診断の水準は少し複雑です。

 

 

Step1: みぞおちの辺りを中心として

 

胃もたれ、胃痛、胸焼けなどの症状があれば、

 

それだけで臨床的には<慢性胃炎>を疑います。

 

 

Step2: 胃内視鏡(胃カメラ)で観察した胃粘膜が粗く、

 

あるいは粘膜の血管が透けて見えれば、内視鏡的<慢性胃炎>です。

 

この場合の多くは、ヘリコバクター・ピロリ感染が原因になっています。

 

 

Step3: 組織の一部を取り出し検査で確認すれば、病理組織学的<慢性胃炎>です。

 

 

高円寺南診療所では、

 

「みぞおちの辺りを中心として胃もたれ、胃痛、胸焼けなどの症状」だけの患者さんに

 

直ちに胃内視鏡検査を勧めることはありません。

 

 

むしろ、他の病院で、胃の検査をして「胃には異常がない」とされ、

 

治療もすでに始めているが、少しも良くならない、

 

かえってひどくなってきている、あるいは、少し良くなっても再び悪化を繰り返す、

 

といったタイプの患者さんの相談を多数例経験しています。

 

6月13日から、週末(土・日)を除く毎日、

 

内科の全領域を週替わりのトピックスで取り上げ、

 

読者の皆様とご一緒に勉強させていただくことにしました。

 

プランは以下の通りです。

 

 

 

6月13日からの初回は、

 

第三週ですので:「消化器・代謝内分泌内科」です。

 

 

第一週 呼吸器・感染症内科

 

第二週 循環器・腎臓・血液内科

 

第三週 消化器・代謝内分泌内科

 

第四週 神経・アレルギー・膠原病内科

 

第五週 プライマリケア・救急・心療内科

前回は、話が半ばになってしまい申し訳ございませんでした。

 

 

懺悔の前に、

 

予め言いわけをさせてください。

 

あれは犯罪ではありませんでした。

 

いや、犯罪ではないかもしれません。

 

いやいや、仮に犯罪だとしても、誰にも迷惑を掛けていません。

 

そうです。ただの被害者無き犯罪に過ぎないのです。

 

そうなのです私は、ひたすら空腹だったのです。

 

 

ここで、正直に懺悔します。

 

空腹だったわけではなかったのです。

 

いや、空腹になるのが恐ろしかったのであります。

 

こうした心理状態を、専門的には『良き不安』というのだそうです。

 

「不安を必ずしも悪者扱いすることはない」

 

と院長がいつも患者さんに話しているのを身近に聞いていて、

 

いつも、なるほど、と納得しているので確かだと思います。

 

 

いや、違った。ごめんなさい。

 

「良き不安」ではなく『予期不安』が正解なのだそうです。

 

予期不安』は、とても大切なキーワードであるとのことですから、

 

専門家にお尋ねするのが一番でしょう。

 

とはいえ、今更、院長には尋ねづらいです。

 

そこで臨床心理士の宮仕聖子先生から、こっそり教えて貰うことにいたします。

 

皆様にも、こっそりご報告いたしますので、

 

楽しみにしておいてくださいますように。

 

皆様、突然ですが10月22日は誰の誕生日でしょうか?

 

少なくとも、以下の3人の天才(卵1名を含む)

 

をすべてご存じでしたら脱帽です。

 

 

 

1811年:フランツ・リスト(ピアニスト・作曲家)

 

1970年:坂本光昭(水氣道家・鍼灸師)

 

1973年:鈴木一朗(プロ野球選手;イチロー)

 

 

この3人の天才なかで、最も有望株、

 

つまり、セレブ上昇係数のポテンシャルが最大なのは

 

二番目の方ではないでしょうか。

 

 

他のお二人はこれ以上有名になるのは難しいくらいの有名人ですから。

 

 

ここで天才リストを敬愛する天才(の卵?)からのリクエスト曲

 

リストのピアノ曲

 

・ショパンの幻想即興曲

 

・ベートーベンの「月光」第三楽章

 

・ムソルグスキーの「禿山の一夜」

 

 

以上のうち、1曲でも良いので、

 

今年の10月の5日、12日、19日もしくは26「音海」聖楽コンサート

 

演奏してくださるピアニストを募集いたします。

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

今日は、脳の情報処理の3つの原則をお伝えします。

 

疲労度分類を理解する上でお役立てください。

 

脳の情報処理は3つの原則で成り立っています。

それは、

1.空白の原則

2.焦点化の原則

3.快・不快(痛み)の原則

です。

 

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

1.空白の原則

脳は物事が分からない状態を嫌います。

その答えが埋まるまで無意識に疑問を埋めようとします。

 

2.焦点化の原則

脳は2つ以上のことを捉えることは出来ません。

見たいものしか捉えられません。

 

3.快・不快(痛み)の原則

脳は「快」につながるような思考や行動をとるときと、

「不快(痛み)」を避けようとする行動をとるときに最大限に働きます。

 

つまり、人は見たいもの、信じたいもの、

それだけしか見えなくなるということです。

 

よく分からない人は、次の実験をしてみてください。

1.深呼吸を3回してみましょう。

2.目を閉じて頭の中で「赤いものはないかな」と3回唱えてください。

3.のんびり散歩をしてみてください。

 

いつもと同じ風景なのに赤いものが目につきませんか?

これは「赤いもの」を無意識に探してしまい (空白の原則)、

焦点が合うからです (焦点化の原則)。

 

いわば、脳に「空の箱」ができて(空白の原則)、

それに見合う情報がその箱に入る(焦点化の原則)というイメージです。

 

第1印象が大切なのもこのことからわかります。

「良い人そうだな」という箱を相手の脳に作ることができないと、

良い印象を持ってもらえなくなるのです。

 

3.の快・不快(痛み)の原則については、

疲労度分類表(高円寺南診療所版)

を説明させていただくときに詳しくお話しします。

 

参考文献:「NLPの基本が分かる本」 山崎啓支(やまざき ひろし)著書

 

次回は疲労度分類表を活用しながら、

交感神経が働き続けることによる弊害を見ていくことにします。

  

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

M.Yさんより

「肩こりや腰痛の症状を自分で軽減できれば良いと思うので、少しずつ試していって

なるべく長く続けられればな-と思います。」

 

Sさんより「ストレッチを教えて頂いても時がたつとやらなくなってしまう事が多かっ

た。今回、概念を理解できたので続けられそうです。脱・肩こり」

という感想をいただきました。

 

習慣になるまで大変だと思いますが、やれば結果が出ますので続けてくださいね。

分からないことがあったらぜひお尋ね下さい。

 

それでは、ストレッチ教室参加者募集です。

 

 

対象  

 

1.水氣道に参加されている方か高円寺南診療所で鍼灸治療を受けたことがある方

           

2.腰部に軽い痛みのある方

     

3.肩こりがつらいと感じる方

  

 

 

日時  

 

92016618(土曜日) 午後1時    

         

102016年7月9日(土曜日)  午後1

         

112016716日(土曜日)  午後1

  

 

時間    30

       

       

定員    4人

             

         

参加費 2,000

       

       

 

場所      高円寺南診療所 リハ室

        

 参加希望は野口まで

  

動きやすい服装でおいで下さい。