6月13日(月) 消化器・代謝内分泌内科 Vol.1

今月のテーマ<消化管機能障害>

 

「慢性胃炎」

 

ほとんどの皆さんは<慢性胃炎>という病名に聞き覚えがあることでしょう。

 

しかし、診断の水準は少し複雑です。

 

 

Step1: みぞおちの辺りを中心として

 

胃もたれ、胃痛、胸焼けなどの症状があれば、

 

それだけで臨床的には<慢性胃炎>を疑います。

 

 

Step2: 胃内視鏡(胃カメラ)で観察した胃粘膜が粗く、

 

あるいは粘膜の血管が透けて見えれば、内視鏡的<慢性胃炎>です。

 

この場合の多くは、ヘリコバクター・ピロリ感染が原因になっています。

 

 

Step3: 組織の一部を取り出し検査で確認すれば、病理組織学的<慢性胃炎>です。

 

 

高円寺南診療所では、

 

「みぞおちの辺りを中心として胃もたれ、胃痛、胸焼けなどの症状」だけの患者さんに

 

直ちに胃内視鏡検査を勧めることはありません。

 

 

むしろ、他の病院で、胃の検査をして「胃には異常がない」とされ、

 

治療もすでに始めているが、少しも良くならない、

 

かえってひどくなってきている、あるいは、少し良くなっても再び悪化を繰り返す、

 

といったタイプの患者さんの相談を多数例経験しています。