医師の目からみた内科医の群像 その1

 

 

「最近の医者どもは週末になると患者そっちのけで遊びまわっている」

 

とご不満の方に一言。

 

 

私自身は、幸いそのような場面にまだ遭遇していませんが、

 

『あら、素晴らしい一流のお声をお持ちですこと、

 

本業(=医業)の方もご精進なさってくださいませ』

 

というお言葉を、

 

国際コンクールの入賞者記念コンサートの会場で賜ったことがございます。

 

 

その言葉の主との交流はそれまでなく、

 

他の出演者(音大声楽科出身のソプラノ)の方のお母上でした。

 

 

私は政治家ではありませんが、

 

『ご声援ご支援ありがとうございます。引き続き精進させていただきます。』

 

と答えたことを思い出します。

 

 

平均的な内科医は空き時間に相当な勉強を

 

地道に続けているものです。

 

 

『内科医は何でも知っているが何もできない、

 

外科医は何も知らないが何でもやってしまう、

 

病理医は何でも知っていて何でもやれる、

 

ただし、すべて遅すぎた』

 

などという冗談があります。

 

 

とくに守備範囲の広い内科医にとって

 

知識の維持は生涯をかけて継続しなければならない

 

大事業であることは間違いないでしょう。

 

 

内科医にとっての生涯学習は、

 

八百屋さんや魚屋さんが市場や河岸に足繁く通うのと同じ、

 

もしくは、それ以上に大切なことだからです。

 

 

 

わたしも、普通の内科医の一人として、

 

このところ週末の日曜日といえば、

 

内科などのお勉強に出向いていました。

 

 

 

平成28年度 日本内科学会生涯教育講演会

 

Aセッション

(消化器、内分泌・代謝、神経、アレルギー・膠原病、内科一般)

 

5月22日は東京国際フォーラム

 

 

B セッション

(循環器、腎臓、呼吸器、血液、感染症、プライマリ・ケア)

 

5月29日は大阪国際会議場

 

いずれも9:25より15:35まで

 

 

大会場であるにもかかわらず、全員は座り切れず、

 

立ち見で頑張っている方もおいででした。

 

 

若手からかなりのご高齢の先生まで、

 

皆さん、実に熱心に聴講され、

 

かつ活発な質疑応答がなされます。

 

 

新幹線のお蔭で、大阪までは日帰りが可能なので助かりました。

 

 

次回は、そこで見たこと、気づいたこと、

 

観察して考えたことをご報告します。

 

玉置淳教授の会長挨拶

 

 

医学会も多種多様な学会があります。

 

 

最近、楽しみにしているのは大会のタイトルと大会長の挨拶文です。

 

 

とても素晴らしいものがありましたのでご報告いたします。

 

 

 

 

第65回アレルギー学会学術大会 

 

 

会期:2016年(平成28年)6月17~19日

 

 

会場:東京国際フォーラム

 

 

テーマ:『ワクワク ドキドキを伝えよう 研究の興奮を!臨床の感動を!』

 

    Getting across the fun! – excitement in research and clinical activities

 

 

 

会長の玉置淳先生は東京女子医科大学内科学第一講座の教授です。

 

 

【前略】

 

わが国では60歳前にして実験を止めてしまう学者の例に事欠かない現状です。

 

 

しかし、欧米ではいかに大学者であっても、

 

管理職に格上げされたのを理由に研究を断念することなどありえません。

 

学者は役者同様、命のある限り舞台に立つのを本望としなければならないと思っております。

 

【中略】

 

皆様にとって「よい」よりも「すごい」、「good」よりも

 

「awesome」と感じていただけるような機会をご提供できることを念願しております。

 

 

そして、皆様の心に残る意義ある学術大会となることを祈念して

 

ご挨拶とさせていただきます。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

皆様にとっては如何でしたでしょうか。

 

 

私はこの学会に参加する予定です。

 

 

玉置先生の挨拶はすでに私の心に残る意義あるメッセージだということができます。

 

 

私もこの学会が認定してくれた専門医の一人であることを嬉しく感じています。

今回の学会での最大の収穫は、

 

フランスでの温泉療法のエッセンスに最短期間でアクセスできる情報を得たことです。

 

 

高円寺南診療所の診療コンセプトならびに

 

水氣道が目指しているものと重なり合う部分がとても大きいため、

 

今年の9月4日から9日までの間在日フランス大使館科学技術部が後援する、

 

フランス温泉療法視察を検討することにしました。

 

 

 

 

<フランス温泉療法>

 

海外の温泉療法はドイツ・イタリアの他にフランスが注目されています。

 

 

フランスは温泉療法の科学的研究が最も進んでいることを誇りにしています。

 

 

メタボリック・シンドロームなどの生活習慣病への応用をはじめ、

 

変形性膝関節症など加齢に伴うロコモティブ・シンドロームへの応用、

 

また線維筋痛症などの研究結果に基づく温泉療法を、

 

実際に温泉地で実践しています。

 

 

 

さらに、うつ病などをはじめ、乳がん全摘術後の心身のケアを行っています。

 

 

 

 

<フランス温泉療法視察>

 

フランスの温泉療法の実際・研究成果と今後の方向性・経済効果など

 

フランスの温泉療法に関して事前に質問を受け付けているとのことですので、

 

質問項目の具体的検討を始めようと思います。

 

 

視察に先立ち、

 

パリでDr.クリスチャン・ロックをはじめ

 

フランスを代表とする温泉療法機関

 

CNETh(フランス温泉療法施設開発評議会)/ AFRETH(フランス温泉療法研究会)

 

の会長や代表者を訪問します。

 

 

 

 

視察先:

1) ソージョン

 

ソージョン・テルメ

(うつ病・不安障害の温泉療法研究の中心地)

 

代表Dr.オリヴィエ・デュボア

(温泉療法医、精神科医、フランス温泉療法医学会2015年大会長)

 

“エコール・テルマル・ド・ストレス”プログラム

(温泉療法と認知行動療法等を組み合わせた独自の治療体系)

 

 

代表的な抗うつ薬パロキセチン(パキシルⓇ)による治療と

 

温泉療法との効果比較研究など

 

 

 

2)ダックス

 

フランス国立温泉療法研究所

(温泉療法・海洋療法、水治療の共同研究やセラピスト育成機関)

 

 

 

3)カンボレバン

 

カンボレバン・テルメ

(リウマチ・呼吸器系温泉療法)

 

 

 

4)ピアリッツ

 

ピアリッツ・タラソ・センター

(海洋療法)

 

産後の母親向けの禁煙セラピーなども実施している

日本温泉気候物理医学会について

 

この学会の歴史は古く、昭和10年に東大医学部内科物理療法学教室、

日本温泉協会学術部を母体として創立とともに日本医学会に加入し分科会として活動。

 

現在、温泉・気候・物理医学およびその他の理学療法に関する学術的研究

ならびに医学的応用を推進することを目的とした学術的活動を行っています。

 

 

 

高円寺南診療所が薬物療法や心理療法ばかりに終始せず自然志向の医療を大切にし、

その結果、『水氣道』を世界にアピールすることができるまでに至ったのは、

伝統あるこの学会で勉強したことに負うところが多いです。

 

温泉や気候などの天然の治癒剤や鍼灸などの物理療法を積極的に活用し、

私たちに既に備わっている自然治癒力を最大限に引き出す工夫は医療の原点ともいえるでしょう。

 

 

 

 

東大内科物理療法学教室について

 

東大の物理療法内科は「物療内科」という呼称でしたが、

昭和63にアレルギー・リウマチ内科に改編されて現在に至っています。

 

そして、物理療法や温泉療法による治療が盛んだったのがアレルギー・リウマチ領域でした。

 

 

高円寺南診療所が特にアレルギー・リウマチを標榜し、専門としている背景でもあります。

 

 

 

 

私と日本温泉気候物理医学会との係り

 

平成4年に入会、温泉療法医資格、温泉専門医資格を得て、

学会の評議員また倫理・COI委員会の委員としての仕事をしています。

 

学会初日の委員会では、大会長の田村遵一先生(群大医学部病院長)と同じテーブルに就きました。

 

これまで永らく妊婦には温泉療法が禁忌とされていましたが、

所轄の環境省の通達により、禁忌ではなくなりました。

 

そのため、妊婦の温泉入浴の実態に関する研究の倫理性についてのディスカッションが行われました。

 

 

 

 

線維筋痛症 松本美富士(桑名市総合医療C リウマチ膠原病内科)

 

 

はじめに:

 

最初に、結論を申し上げます。

 

線維筋痛症は、心身医学的アプローチがベストです。

 

 

 

できればリウマチ疾患に詳しく、漢方や鍼灸などの東洋医学も駆使できる医療機関が最有力候補だと思います。

 

 

 

線維筋痛症患者は、原因不明のリウマチ性疾患とされてきました。

(最近、病気のメカニズムが少しずつ明らかになってきました)

 

 

身体の広範な部位の慢性的な痛みとこわばりが主症状です。

 

その他、多彩な身体、精神・神経症状を伴います。

 

 

 

そもそもリウマチ性疾患は概念が複雑なため、その説明は一筋縄にはいきません。

 

 

その代表である関節リウマチ自体は自己免疫疾患であるにもかかわらず、

 

代謝性疾患である痛風、原因不明の疾患である線維筋痛症までリウマチ性疾患に括られてしまうのですから。

 

 

 

診察所見では圧痛点のみで、一般検査所見でも異常がありません。

 

 

 

高円寺南診療所を受診される線維筋痛症の方で、とくに気の毒なのは、

様々な検査を受けて、様々な医療機関を渡り歩き、

 

 

それでも症状に見合うだけの異常が見つからないため、

家族からも医療機関からも仮病扱いを受けて苦しんでいる方たちです。

 

 

精神科を受診するように担当医からすすめられても、ご本人は精神病だとは思っていないし、そう思いたくないので苦しみます。

 

 

原因不明の痛みは体の症状であると同時に、心の症状ですから、一般内科や整形外科では扱いにくいし、精神科でも対応に苦渋しています。

 

 

心療内科を標榜する医療機関の99%は精神科医であり、心療内科専門医は1%にも満たないのが現状です。

 

 

一般の方のみならず医療従事者さえ心療内科が正しく理解できていないのは当然の結果ですらあります。

 

 

そこで、高円寺南診療所は、心療内科のモデル医療機関を目指すことに社会的使命の一つにしているのです。

 

水氣道や聖楽は、心身医学と一般社会の健全な活動との接点であるということをアピールしていきたいと考えています。

 

 

 

講演サマリー:

 

<総論>

 

線維筋痛症患者は国内での人口比1.7~2.1%と推定される。

 

線維筋痛症は疼痛伝達経路のネットワーク障害であり、脳内神経炎症による中枢感作症候群の一つである。

 

 

 

<各論>

 

  • 線維筋痛症は疼痛(視床)、うつ症状(海馬)、認知症状(偏桃体)を伴う。

 

  • 線維筋痛症の一部に抗電位依存性カリウムチャンネル複合体抗体(抗VGKC抗体)の自己抗体が検出され慢性疼痛との密接な関連が示される。

 

  • 線維筋痛症の疼痛には神経生理学的検査でoff-set現象が消失している。

 

 

 

 

痛風治療のABC 山中寿(東京女子医大 膠原病リウマチ痛風センター)

 

 

 

はじめに:

 痛風はリウマチなどの膠原病とは異なるジャンルの病気です。

 

一括りにされる理由は痛風の関節炎症状(痛風発作)がリウマチ性疾患

の一つであると認識されてきたからです。

 

高円寺南診療所はリウマチ科も専標榜しているのですが、

痛風とその原因は高尿酸血症を代謝性疾患として診療しています。

 

それは高尿酸血症を脂質異常症、糖尿病などのメタボリック症候群と

同列に位置付けているからです。

 

 

高円寺南診療所は全国的にも早い時期に関節超音波検査を導入し、

迅速な対応による初期効果を挙げてきました。

 

しかし、問題は、発作後の管理中断例が多いことです。

 

少なからざる患者さんが治療中断による痛風発作を繰り返して、そのたびに再来院されています。

 

これは痛風に限らず、発作性の病気の患者さんにありがちな傾向です。

 

激烈な痛みから解放された高尿酸血症の状態にある患者さんをどのように支援していくか、

という課題は真剣に取り組まなくてはならないと考えています。

 

 

 

 

講演サマリー:

 

<総論>

 

痛風は一般の検診項目に含まれていることから早期の薬物療法が可能である。

 

他方、難治性痛風が大問題になっている。

 

 

高尿酸血症・痛風の診療の2側面

 

1)痛風関節炎の正しい診断・治療

 

2)高尿酸血症に対する正しい認識・治療

 

 

 

<各論>

 

高尿酸血症・痛風発症に関する遺伝子の多くは尿酸の排泄を司る遺伝子である

 

関節の超音波検査は有用である

 

血清尿酸値を6.0mg/dl以下にする

 

血清尿酸値の長期適正維持により痛風関節炎の再発・腎障害の進展が防止できる

 

新薬フェブキソスタット(新規キサンチンオキシダーゼ阻害薬)が使えるようになった

 

 

膠原病と皮膚病変 藤本学(筑波大 皮膚科)

 

 

 

はじめに:

高円寺南診療所は内科なのに、なぜ皮膚の診療もするのでしょうか?

 

リウマチ専門医は内科医ですが皮膚に深くかかわります。

 

リウマチ専門医は関節リウマチをはじめとする膠原病の診療に当たります。

 

膠原病は免疫の異常であり、免疫力が低下している患者さんが多いので注意が要ります。

 

その膠原病でもっとも症状が出現しやすい臓器が皮膚だからです。

 

膠原病のうちで全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎などの皮膚症状には特徴があります。

 

 

 

高円寺南診療所はリウマチ疾患のみならずアレルギー疾患を専門的に診療しています。

 

リウマチ体質のみならずアレルギー体質の方も、皮膚症状をきたしやすいのと、内科は患者さんの全身を診療することを旨とするので、皮膚も大切に拝見させていただくことになるのです。

 

 

 

 

講演サマリー:

 

<総論>

膠原病は、皮膚症状から重要な情報を読み取ることができ、しかも初発症状のことも多い。

 

膠原病患者では、膠原病と関係ない皮疹がでることもある。

 

 

 

<各論>

1)  膠原病の皮疹(皮膚症状)は、早期発見・早期治療に重要である。

 

2) 膠原病の皮疹は疾患活動性(病気の勢い)の評価に役立つ場合がある。

 

3) 膠原病患者は薬疹が生じやすい。

 

4) 感染症による皮疹との鑑別が必要である。

 

サルコペニアの現状と今後の課題 小川純人(東大加齢医学)

 

 

 

サルコペニアという医学用語は、聞きなれない言葉かもしれません。

大切なキーワードなので簡単に説明したあと、小川先生のレクチャーをご紹介します。

 

 

 

用語解説:

サルコペニアとは、加齢に伴い骨格筋を中心に筋量や筋力が低下した状態です。

 

加齢性筋肉減少症と訳されます。

 

特定の病気として確立したものではありあませんが、筋量と筋肉の減少の特徴は進行性で全身性であり、身体の働きや生活の質が低下し、死亡する危険性をはらむ症候群です。

 

この病態はホルモンなどの体液や栄養状態の加齢変化や

慢性炎症などの関与が明らかになりつつあります。

 

 

 

講演サマリー:

高齢者の虚弱で知られていることは、その要因が、身体・認知機能や臓器の余力低下などによること、

その結果、転倒・骨折リスクや要介護リスクが増え、寿命や生活の質に大きな影響を及ぼしていることである。

 

我が国はすでに超高齢社会であるため、対策としては早期からの介護予防や

転倒・骨折予防に取り組むことが重要である。

 

持続的運動、アミノ酸栄養、ビタミンD投与、ホルモン補充などによってサルコペニアの

予防や治療が試みられている。

 

 

 

コメント:

リウマチ専門医は加齢性筋肉減少症(サルコペニア)に対する医療的方略を持っていなければなりません。

 

サルコペニアはメタボリック症候群と同様に多くの人々に係る国家的課題です。

 

早期からの介護予防や転倒・骨折予防に取り組むことが重要であるという認識にとどまり、具体的処方がなされていないのが現状です。

 

 

⇒本日の新着情報『水氣道』をご参照ください。

 

 

「腸内細菌と疾患」その2・・・私たちは腸内細菌に寄生して生きている❓

 

 

 

腸内細菌は古くて新しいテーマです。常識的な発想では、

私たちが自分たちの腸管に腸内細菌を寄生させている、と考えがちです。

 

ところが、私たちの体を構成する細胞数が60~100兆個(1.0× )であるのに対して、

腸内細菌数は1000兆個(1.0× )以上でざっと10ないし100倍です。

 

腸内細菌叢の菌種は数100種類に及び、私たちが持っている遺伝子の数は2万3000に対して

腸内細菌全体が有する遺伝子の数は2,000万です。

 

私たち自身の1000倍もの腸内細菌の遺伝子に依存することになるので、腸内細菌叢は宿主であるヒトと超生命体を形成しているということになります。

腸内細菌は人類の健康を保持するための司令塔であり、100万個以上の遺伝情報を

ヒトへ提供する「腸内フローラ」は新臓器とまでいわれるようになっています。

 

前回、腸管内腔は腸内細菌を中心として腸管内代謝産物と腸管細胞で構成される

体外の代謝臓器であると考えられるようになったことを紹介しました。

このことを踏まえると、腸内細菌は膨大な遺伝情報をヒトへ提供する「腸内フローラ」として

体外の新臓器であるということができます。

体外であるということは、とりもなおさず環境の一部であるということですから、

腸内細菌は私たちにとってもっとも密接な環境であるともいえます。

 

私たちの健康は、「腸内フローラ」の環境いかんによって大きく影響を受けるので、

「腸内フローラ」を整えることが、わたしたちの健康管理のうえでどれだけ大切なのかは理解できると思います。

シンポジウム『睡眠関連障害と全身性疾患をめぐって』のダイジェストの最終回です。

 

 

 

ひとの睡眠パタンを決定するのは生物時計睡眠ゲート時刻】と睡眠恒常性【必要睡眠量】ですが、

いずれも遺伝的素因が関連します。そのため、睡眠に関する個人差は大きくなります。

 

 

時間栄養学的研究から、夜型生活者の社会的ジェットラグ(睡眠習慣と社会時刻のミスマッチ)に多い

遅い食事時刻や栄養素の日内分布の偏りが肥満リスクを増大させます。

 

またこれは短時間睡眠に直結し平日の睡眠負債を週末の寝だめで解消するパタンに陥りがちです。

しかし、この週末の寝だめでは結局、睡眠負債は解消できずに蓄積してしまいます。

 

初期には“眠気”や仕事のミスの増加、中長期的にはうつ病やイライラなどの気分障害や癌を含む

生活習慣病のリスクを増大させます。

 

 

 

高円寺南診療所では、初診時に【生活リズムに関する健康調査票】をお渡しして記入していただいたり、

また通院中に【生活習慣改善に向けての行動療法】の記録票を活用して役立てていただいたりして

心身調律のノウハウを蓄積してきました。

 

 

 

人体には生体時計というメトロノームが内在しています。

 

ひとは楽器です。

 

毎日、心身をみずから正しく調律し、自分自身を健康的に演奏し、社会参加できるようになるための

知識・技術を身に着け、健康的な習慣を形成していくことが必要です。

 

 

 

診療所内での医療をはじめ、水氣道、聖楽などを楽しみながら、

皆で養生法と鍛錬法を勉強しつつ、みずからの心身の調律を実践していきましょう!