シンポジウム『睡眠関連障害と全身性疾患をめぐって』のダイジェストの最終回です。
ひとの睡眠パタンを決定するのは生物時計【睡眠ゲート時刻】と睡眠恒常性【必要睡眠量】ですが、
いずれも遺伝的素因が関連します。そのため、睡眠に関する個人差は大きくなります。
時間栄養学的研究から、夜型生活者の社会的ジェットラグ(睡眠習慣と社会時刻のミスマッチ)に多い
遅い食事時刻や栄養素の日内分布の偏りが肥満リスクを増大させます。
またこれは短時間睡眠に直結し平日の睡眠負債を週末の寝だめで解消するパタンに陥りがちです。
しかし、この週末の寝だめでは結局、睡眠負債は解消できずに蓄積してしまいます。
初期には“眠気”や仕事のミスの増加、中長期的にはうつ病やイライラなどの気分障害や癌を含む
生活習慣病のリスクを増大させます。
高円寺南診療所では、初診時に【生活リズムに関する健康調査票】をお渡しして記入していただいたり、
また通院中に【生活習慣改善に向けての行動療法】の記録票を活用して役立てていただいたりして
心身調律のノウハウを蓄積してきました。
人体には生体時計というメトロノームが内在しています。
ひとは楽器です。
毎日、心身をみずから正しく調律し、自分自身を健康的に演奏し、社会参加できるようになるための
知識・技術を身に着け、健康的な習慣を形成していくことが必要です。
診療所内での医療をはじめ、水氣道、聖楽などを楽しみながら、
皆で養生法と鍛錬法を勉強しつつ、みずからの心身の調律を実践していきましょう!
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