最新の臨床医学 9月21日(金)アレルギーの病気についてQ&A

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

 

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に高円寺南診療所からのメッセージを加えています。

 

 

アレルギー性鼻炎②

 

Q3

アレルギーがあると副鼻腔炎になりやすいと聞きましたが本当でしょうか?

 

A

副鼻腔炎は顔の骨の中にある副鼻腔におこる病気です。

 

鼻腔と副鼻腔は中鼻道でつながっています。現在の副鼻腔炎の40%はアレルギーに関係していると考えられており、アレルギー性鼻炎は副鼻腔炎を悪化させる原因です。

 

小児ではアレルギー性鼻炎のある場合約1/2で副鼻腔炎を合併しているとされています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

たしかにアレルギー性の副鼻腔炎は増えているような気がします。

 

アレルギー性鼻炎の患者さんには頭痛持ちの方が少なくありませんが、その場合は副鼻腔炎の有無をチェックします。

 

また鼻炎や副鼻腔(びくう)炎など鼻の病気でこの仕組みがうまく働かなくなると、鼻水が増えて鼻の奥にたまったり、粘っこい鼻水が喉に落ちたり、という症状が現れます。

 

これが「後鼻漏」です。後鼻漏には慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿=ちくのう=症)が関係していると思います。

 

エックス線検査で副鼻腔に炎症があれば副鼻腔炎と診断し、抗生物質や鼻水を出しやすくする薬で治療します。

 

大抵はこの治療で鼻炎の症状に加えて頭痛や後鼻漏などの症状も軽くなります。

 

 

Q4

妊娠中に鼻症状が強くなりますが薬は飲まないほうがよいでしょうか?

 

A

飲み薬に関しては、妊娠の時期、症状の強さを考える必要があります。

 

点鼻薬は血管収縮薬以外は比較的安全に使用する事ができます。

 

国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」で妊娠、授乳中のお薬に関して相談することができます。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

高円寺南診療所では、そもそも点鼻薬の血管収縮薬を処方することはありません。

 

ですから、点鼻薬に関しては比較的安全に処方できていると思います。

 

問題は内服薬です。妊娠、授乳中のお薬に関しては極力制限すべきだと思います。

 

国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」の活用も良いことだと思います。

 

 

Q5

アレルギー性鼻炎の治療について教えてください

 

A

アレルギー性鼻炎は自然治癒のすくない病気です。

 

原因をさける環境整備に加えて、症状が日常生活にさしさわらない程度まで治療を行います。

 

治療の中心は抗ヒスタミン薬と点鼻薬で、小青竜湯などの漢方薬が効く場合もあります。

 

手術には鼻閉を改善する手術、鼻汁を減らす手術、レーザーを用いてアレルギー反応の場を減らす手術があります。

 

また最近では免疫療法も根本的な治療法として注目されています。

 

 

【高円寺南診療所からのメッセージ】

<漢方薬が効く場合もあります。>と解説する方は、少なくとも漢方専門医ではなさそうです。

 

私は小青竜湯の他に越婢加朮湯を頻用しています。

 

小青竜湯はくしゃみや鼻汁に効き覚醒水準を高めますが、越婢加朮湯は鼻閉によく効き鎮静効果があります。

 

そのため、朝食前に小青竜湯、就寝前に越婢加朮湯を服用することによって、日中と夜間の自律神経のバランスが回復し、睡眠の質が向上し、日中の生産性が高まることが期待できます。

 

くしゃみや鼻汁が軽快すると苓甘姜味辛夏仁湯に変更するとより胃腸にも優しく作用してくれます。