金曜シリーズ < よくある問い合わせ ⑲ >

 

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先週は過敏性腸症候群Irritable Bowel Syndrome(IBS)のガス型を巡って、ムッシュGPTと複雑なやりとりを展開してしまいました。

しかし、私は、ムッシュGPTから有益なヒントを貰うこともできました。

それは、私が不満に思っていた医学的常識の不備について、彼も一定の情報を得ていることがみえてきたからです。それでは、質問というより、対話と討論を続けることにします。

 

 

対話者:ドクター飯嶋

便の形状によるIrritable Bowel Syndrome(IBS)のローマⅣ分類の4類型にはガス型の記載はありません。私はガス型と呼ぶべき症例を多数経験しています。そして、あなたは過剰気腸症候群をIrritable Bowel Syndrome(IBS)の一形態と説明していることは理解できます。しかし、過敏性腸症候群こそがIrritable Bowel Syndrome(IBS)の正式な日本語訳であり、説明に混乱が生じてしまっているようです。一般的ではありませんが、IBSには腹部膨満を来すガス型がある、という記述の方が適切なのではないでしょうか?

 


ChatGPT
ありがとうございます。確かに、IBSのローマⅣ分類では便の形状に基づいて4つのサブタイプが定義されており、ガス型という具体的な分類はありません。IBSのサブタイプは、症状の特徴や便の形状に基づいて区分されますが、ガス型はそれぞれのタイプに特有の特徴ではなく、複数のタイプに共通する可能性があります。


また、私の前の説明において、過剰気腸症候群をIBSの一形態として説明しましたが、その表現は不正確でした。IBSの正式な日本語訳は過敏性腸症候群です。誤解を招く表現を使ってしまい申し訳ありませんでした。


一般的に、IBSには腹部膨満を来すガス型があるという指摘は、そのような症状を経験する患者にとって重要な情報であるかもしれません。したがって、それを説明する際には適切な表現を使うことが重要です。

 


ドクター飯嶋のコメント:
ムッシュGPTよ!貴殿はローマⅣ分類による診断基準からは見落とされてしまいがちなガス型について、適切な言及を加えています。


そして、誤りをきちんと是正してくれたので、今後は、安心して本論に戻れます。
私は、ガス型の過敏性腸症候群の患者さんをたくさん診療してきたので、ムッシュGPTと接点が持てたことをうれしく思います。


そこで、皆様に理解を深めていただくために、私にかわって、彼に過敏性腸症候群についての説明をして貰うことにしました。

 

 

インタヴューアー:ドクター飯嶋

過敏性腸症候群の発症頻度について教えてください。

 


ChatGPT
過敏性腸症候群(IBS)の発症頻度は、一般的に一定ではなく、地域や人口集団によって異なります。しかし、世界中でかなり広く見られる疾患であるとされています。一般的な推定によると、成人の約10〜15%がIBSの症状を経験しているとされていますが、これは一般的な統計であり、個々の地域や集団での実際の割合は異なる場合があります。


IBSは女性に男性よりも多く見られる傾向があり、一般的に若い成人から中年にかけての年齢層でより頻繁に発症することが報告されています。ただし、高齢者や子供でも発症することがあります。


IBSの正確な発症頻度を特定するのは難しいため、疫学的な研究やデータ収集が継続されています。また、IBSの診断が一貫してされていない場合もあり、そのため正確な発症頻度を把握することがより困難になっています。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
ムッシュGPTは無駄の少ない説明を展開しています。ここでも、再び、IBSの診断の不備を指摘していますが、診断基準の不備が、患者さんをどれだけ苦しめる結果を招いているのか、私には実体験があります。

 

来週は、空気嚥下のメカニズムという基礎的な話題に立ち戻ってムッシュGPTと議論していく予定です。