号外:サム・アルトマン氏のOpenAI CEO解任・復帰劇(その1)

 

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号外:サム・アルトマン氏のOpenAI CEO解任・復帰劇(その1)

 

生成AIのChatGPTを開発したアメリカのベンチャー企業であるOpen AIについてChatGPT に各国語での質問を試みた中で、私が不自然に感じていた疑念がありました。

 

それは、組織の本拠地が米国のサンフランシスコにあるにもかかわらず、肝腎であるはずの英語での回答にはイーロン・マスクやサム・アルトマンなどの設立者に言及されていなかったことでした。

 

Chat GPTの訓練データのカットオフは2022年1月ですから、概ね2021年の段階で、サム・アルトマンに対して好意的でない勢力が組織内部に存在していた可能性があるこという見解はすでに述べた通りです。


その謎を解明する背景のあらましが、私の推測を発表して間もなくタイムリーに見えてきました。


「オープンAI」の取締役会は先週の11月17日に、CEOだったサム・アルトマン氏を解任しました。


しかし、IT大手のマイクロソフトが11月19日、アルトマン氏をヘッドハントすることを明らかにする一方、およそ770人いる社員のうち、全体の9割を超える700人以上の社員が、アルトマン氏が復帰しなければ退社し、マイクロソフトに移る可能性があるなどとする書簡に署名し、混乱が続いていました。


生成AIのサービスを急速に拡大させようとするアルトマン氏と、AIの安全性を重視する取締役会のメンバーとのあいだで激しい議論があった可能性が指摘されていました。


「オープンAI」は11月21日、解任されたサム・アルトマン氏がCEOに復帰することで合意したとSNS上で明らかにしました。SNSで会社は「詳細については協力して対応していく。今回のことではご迷惑をおかけした」としています。


サム・アルトマン氏自身も11月21日、旧ツイッターの「X」に、「私はオープンAIを愛している。この数日間、私がしてきたことはすべて、このチームとその使命をともに維持するためのものだ。新しい取締役会とマイクロソフトのCEOのサティア・ナデラ氏の支援によって私はオープンAIに戻り、マイクロソフトと強力なパートナーシップを築くことを楽しみにしている」と投稿しました。


アルトマン氏がCEOに復帰することやほかに3人の取締役を決めたことで合意したとしています。


ただし、解任からわずか5日での復帰決定は、会社経営が大混乱の渦中にあることを示唆します。