遷延する症状で苦しむ方のために

 

前回はこちら

 


認定内科医、認定痛風医

アレルギー専門医、リウマチ専門医、漢方専門医

 

飯嶋正広

 

 

なぜ病気が長引くのか…発作性の症状対策

 

<痛風発作編その4>

 

高尿酸血症・痛風は生活習慣病である!

 

高尿酸血症は生活習慣病です。

そこで、飲酒を含めた生活習慣の改善と治療薬の服用を確実にするための行動変容が求められます。

 

ただし、痛風発作の発現・再発や高尿酸血症の合併症を防ぐためには、自覚症状のない(無症候性)高尿酸血症対策も必要であるため、適切な行動変容の前提として、患者教育を通して認知の歪み(素人的な思い込み)を是正することを含めて、少なくとも簡易な認知行動療法を外来診療で実施することは有意義だと考えます。

 

血清尿酸血の急激な変動は、発作を増悪あるいは遷延化するので、発作中は尿酸降下薬を開始したり、中止したりすべきではありません。つまり、痛風発作の際、再発を防ぐためには、尿酸降下薬の使用は炎症が十分落ち着いてから開始しなくてはなりません。

 

無症候性高尿酸血症でも、腎障害を有する場合は、腎機能低下を抑制することを目的に、条件付きではありますが、尿酸降下薬を用いることが推奨されるようになりました。