リウマチ専門医として<リウマチ>を語る、関節リウマチの経過と予後

7月10日(金)

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RAに対して、早期診断・早期治療を行った症例で寛解を導入し、それを維持できた症例では関節破壊を伴う機能障害を起こすことなく、もともと病気がなかった人と同様の生活を送ることができます。

 

しかし、初診時にすでに関節破壊を高度に起こした症例では、早期例に較べて、寛解導入・維持はより難しくなります。そのため、機能障害を残すことが多くなります。ですから、RA治療は早期診断・早期治療が重要であり、一方、初期治療が不十分であれば関節予後を悪化させる可能性があります。

 

RAは全身性疾患なので、丁寧で慎重な経過観察とセルフケアや主治医とともに生涯学習を続けることによって予後を大きく改善できる可能性があり、実際にそれを実感しています。

そのためには、それぞれの医療機関の特徴を生かした早期診断・治療基準やそのための戦略を明らかにしておくことは大切だと考えています。

そこで「関節リウマチ早期診断・治療管理基準(杉並国際クリニック版)」を公開させていただきます。

関節リウマチ早期診断・治療管理基準

 

RAの診断や疾患活動性の再燃などで治療を開始したり、変更が必要だったりする場合は、早期に私たちリウマチ専門医を受診していただくことが望まれます。