5月5日(火)特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』症例2:高熱や息苦しさ 味覚もなくなる…どこで感染したか分からない④

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ4症例の研究

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤い文字として区別しました。

症例2:高熱や息苦しさ 味覚もなくなる…どこで感染したか分からない

 

3月27日取材 (高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)

新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。どこで感染したのか心当たりがないという高知市に住む50代の男性の話です。

 

第2症例(その4)

第4節:退院後も続く不自由さ


男性は2週間余りで退院。取材したときは、健康観察が続いていた

「退院してから外出自粛が4週」あるもんで、本当に買い物だけにしてですね、どこも行かないと。買い物したらすぐ帰ってきて部屋におると、それから帰ってきたら手洗いですね。手洗いとうがい。で、1時間ぐらい空気の入れ替えですね。体温も毎日測るように言われてます。体温と、咳、息苦しさ、鼻水鼻づまり、のどの痛み、頭痛、下痢、あったら報告をするということで。これは4月の23日までですね、保健所さんに報告するということです。(以上の下線を施した部分の指示は、的確なので是非、参考にしてください!)


退院する前に先生に言われたんですけど、「コロナウイルスにかかって入院していることを知ってる人もいるかもしれん、近所の人で。バッシング受けたときはどうするか」ということをおっしゃいましたんで。そのときは腹を立てずに保健師さんに連絡をしますということでしたね。

ちょっとそういう不安もありましたけど、帰ってきて今は実際ないもんでね、安心しています。(高知の皆さんの暖かい県民性が感じられますね!)


正直なところ、あしたにでも解放されたい気持ちはありますね。でも、そういうわけにはなかなかいかんもんでね、気持ちを切り替えてですね。

「ニュースを見て、自分だけじゃないと、みんなが困って、みんながたたかっていきゆうんや」(たとえ隔離されていても、孤立感から免れ、希望を失わないでいることが生存のために大切であることは、ナチスの強制収容所という極限状況から生還した神経学者のヴィクトール・フランクル博士が証明している通りです)と、うん、気持ちになりました。

 

「みんなでたたかわないかん」(その通りです。自分だけでなく、家族や仲間を守ろうという気持ちは戦いという言葉の意味を深め、その意義を再認識させてくれます)という気持ちでですね、「前向きになっていきたい」(ただ怯えて引き籠っているのではなく、積極的な気持ちと行動で開始しなければいけない、という意識は正解です)と思ってます。

 


(3月27日取材 高知放送局 山嵜雄大 宗像玄徳)
付記:コロナ・ハラスメント&風評被害について

 

幸いなことに、杉並国際クリニックの周辺では発声しておりませんが、日本看護倫理学会は声明を発表し、「病院や訪問看護ステーションなどの医療機関、およびそこで働く医療従事者が、誹謗中傷や風評など、不条理な被害を受けています」と訴えました。また、訪問看護ステーションでは、看護師が「お前は看護師か、なぜ看護師が外を歩いている。お前のせいで感染が拡がる。迷惑だから外を歩くな」という暴言をされたケースもあるとのことです。さらに、医療機関の職員の子供に対するいじめ、保育園への出入り禁止、職員や患者のタクシー乗車拒否、患者からの受診拒否、転院希望なども報告されています。 コロナ陽性患者を最初に診た診療所の医師が診療中止の張り紙を出したところ、嫌がらせの電話やいたずら書きを受けるといった事態も起きています。

 

<この項終わり>