学会速報 16日(土)午後の部まとめ

11月16日(土)午後

 

14:00‐15:10:

合同集会

専門医・登録医講習会

 

演者

吉内一浩(東大心療内科)

橋詰勝敬(東邦大学心療内科)

 

あまり発展的な話題ではありませんでした。

 

その理由は、医学会全体で議論されている新専門医制度の概要の話だったからです。

 

日本の専門医資格は、研修施設、研修プログラムの認定とともに各学会認定から日本専門医機構認定へ移行し、医療法及び医師法の一部改正によって厚生労働大臣の承認が必要になった、ということの報告です。

 

医学研究や医療に対して、行政が統制を強めてきています。

 

現在19の基本領域の専門医があり、その基本領域の上に、23の高度専門医(サブスペシャリティ)があります。

 

今後は原則として1医師1基本領域の専門医となっていくようです。

 

私の場合、基本領域は「内科」です。

 

高度専門医(サブスペシャリティ)として、アレルギ―専門医、リウマチ専門医、漢方専門医を保持していますが、これらの専門医は、たとえば内科医としての専門資格が認定されていないと取得できません。

 

この他、私は心療内科専門医でもありますが、日本内科学会は、 総合内科の充実を図るため、腫瘍内科や心療内科領域を取り扱う学会である「地域医療」、「心療内科・心身医学」を内科の必須の専門領域として承認しています。 

 

2016年9月 日本内科学会認定制度委員会にて承認

 

2016年12月 内科系関連13学会協議会にて承認

 

2017年2月 内科専門研修カリキュラムの発刊

 

2019年1月19日 医療法及び医師法の一部改正について厚生労働大臣の承認が必要になった

 

2019.11.8  23のサブスぺすべてがサスペンド

ワーキング・グループ形成されました。

 

行政の無計画で無責任な介入によって、日本の専門医制度やそれに基づく研修制度が大きく揺らいでいるのが現状です。

 

 

15:55‐18:55

日本心療内科学会

日独交流企画2

2-1講演

演者:橋爪誠、Robert Smolka、中尾睦宏

座長:村上正人

   

3人の演者の講演があり、私は聴講させていただいておりましたが、座長の村上教授のご指名を受け、質疑応答とコメントを加える役割を果たしました。

   

私はすでに3回ドイツ心身医学会に参加し発表もしているので、ドイツの先生方のほぼ全員が私を知っているからだと思います。

   

ドイツ語が不得手な日本人医師が多いためか、このセッションは、すべて英語で行われました。

 

ただし、回を重ねるごとに質が高くなってきているのが感じられ、頼もしく感じられました。

   

「継続は力なり」を実感したところです。

 

 

2-2ワークショップ 

実践バリントグループ

指導:Thomas Klonek、共同指導:橋爪誠

   

バリントグループについては、昨日もお話ししましたが、

   

このセッションの後に開催された懇親会の席で、日独の主だった参加者の先生方と充実したディスカッションができました。

   

とくに、琉球大学名誉教授の石津宏先生からは貴重な教えをいただくことができ、感銘を受けました。

   

バリントグループは医師自身の<自己精神分析>である、ということに深く共感しました。

   

この医師自身の<自己精神分析>は心療内科専門医にとって基礎的な修養であるばかりでなく、一般内科医をはじめ、患者さんに接するすべての臨床医にとって有益な方法であることを感じ取ることができました。

 

大変恐縮なことですが、石津先生は私との記念写真を所望されたので、ありがたく承りました。

   

その様子を微笑を湛えた末松教授がそば近くで見守ってくださっていました。

   

両先生は学会の重鎮ですが、ともに御歳80を超えておられますが、未だに研鑽を積んでいらっしゃいます。

   

私は還暦を迎えたばかりですが、両先生を見習って、これから最低でも20年くらいは、世の中に恩返しをしなくてはならないと気持ちを引き締めると共に、勇気と元気をいただいた次第です。