心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。
それは日本心療内科学会のHPです。
心療内科Q&Aのコラムを読むことができます。
Q&Aは、想定した事例です。Q&Aや疾患についてのご質問、病院の紹介等は、受け付けておりませんのでご了承下さい。※「質問」をクリックする、が表示されます。
と書かれています。
高円寺南診療所に通院中の皆様が、一般論であるこのQ&Aを読んでいただくためには、実際に即した具体的な解説が必要だと考えました。そこで、「質問」「答え」の後に、<高円寺南診療所の見解>でコメントを加えることにしました。
「質問18」
私には日本で働いているいろいろな国の友人がいますが、そのうちの何人かは食欲がなくなって痩せたり、胃が痛んだり、よく眠れないなどと、元気がなく、心配です。
母国語で医師に話したいと希望する友人もいるのですが、外国語で受診できる先生は、どこで探したら良いでしょうか?
「答え」
日本に滞在されている外国人の方が体調を崩された場合、慣れない環境や医療システムの中でどこに相談したらよいかわからない、自分の状態を十分に伝えたり相手の説明を十分に理解したりできるかわからないと心細い思いをされていることが多いものとお察しします。
外国語で直接診療を受けることができる医療機関を探すには、まずは外国語対応可能なことをウェブサイトで公開している医療機関もありますので、検索サイトなどを使って探したり、医療機関検索ポータルサイトを利用したりすることができると思います。
また自治体が案内・検索サービスを提供していることもありますので、お住いの自治体の医療もしくは外国人居住者担当の窓口に問い合わせるのもよいでしょう。
また、受診に当たっては外国語で診療してくれるかどうかだけでなく、どの診療科を受診すべきかについても判断が難しいことがしばしばあると思います。
その場合はまず勤務先の産業保健スタッフやかかりつけ医などに、日本語で(もしくは日本語と母国語のわかる方に同伴してもらって)相談し、病態に合わせて、一緒に医療機関を探してもらうとよいと思われます。
(菊地裕絵)
<高円寺南診療所の見解>
この質問が、どのような経緯で心療内科学会ホームページのQ&Aに採り上げられたか、詳細は示されていないので不明です。明らかに示されているのは、質問者自身の受診の相談ではなく、質問者の友人である複数の外国人に関する受診相談、しかも外国語対応可能な医師、医療機関についての問い合わせであるということです。
しかも、その主訴は、心療内科では典型的な、ごく普通の訴えです。つまり、この質問の本質は、心療内科領域での外国語診療が可能な医療機関へのアクセス方法について、ということになります。
回答者の菊地裕絵先生は、国立国際医療研究センターの心療内科科長(医長)です。国立国際医療研究センターのホームページには、中文、Englishのアイコンがあり、EnglishをクリックするとInternational Health Care Centerについて紹介されています。
菊地先生は<外国語で直接診療を受けることができる医療機関を探すには、まずは外国語対応可能なことをウェブサイトで公開している医療機関もありますので、検索サイトなどを使って探したり、医療機関検索ポータルサイトを利用したりすることができると思います。>と書かれていますが、国立国際医療研究センターもその一つであることがわかります。
前身は、厚生労働省所管の施設等機関であった『国立国際医療センター』(英語: International Medical Center of Japan, IMCJ)で厚生労働省所管の施設等機関でした。それが、2010年(平成22年)4月1日、「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律」に基づき国立研究開発法人国立国際医療研究センター(英語: National Center for Global Health and Medicine, NCGM)は、日本の厚生労働省所管の国立研究開発法人へと組織移行する形で発足した国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)です。
この医療機関は、日本内科学会をはじめ各種の医学会の認定施設であり、日本心身医学会研修診療施設でもあります。
しかし、この体制の確立は比較的最近のことではないかと推測されます。というのは、国立国際医療研究センターは、比較的最近のことではないかと思われます。それは、旧医療センター時代では、国際医療センターという名称にもかかわらず、英語での診療は必ずしもスムーズではなかったことを経験しているからです。
この質問者への、より望ましい回答は、心療内科関連領域で外国語対応が可能な医療機関のリストが作成されることだと思います。少なくとも英語での対応が可能な医療機関を明確に提示できていないということは、日本の医療機関の国際化が十分に進展していないことを如実に物語っています。
心療内科関連領域の診療で英語対応することは、必ずしも容易でないことは、高円寺南診療所30年の歴史をふり返るなかで実感してきたことです。しかし、継続は力なりです。多数の外国人診療を経験してくることができました。そこで、来年の改元を期に、高円寺南診療所は、杉並国際クリニックに改称する予定ですが、心療内科関連領域を含めて英語診療可能な医療機関の一翼を担いたいと思います。
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