①「入口のようなもの」が見つかるまで、我慢するのが大変です。
②「入口のようなもの」が人それぞれ違う。
③激痛と聴覚過敏。錯乱して寝たきりになってしまった。
④発症から4年。この診療所に来てから6か月くらいたって。
⑤ある日「Aという人の司会のラジオ」は割に大丈夫という事を見つけました。
⑥そこの所から別の人の別のコーナーと聴ける範囲を広げました。
⑦それがいつどこにあるかは、わからないけれど、
➇それがあることをわかっている治療者と仲間。
⑨それがいるから、さがし続ける事ができるのかもしれません。
⑩悪筆すみません。
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Mさんは告白しています。
①「入口のようなもの」が見つかるまで、我慢するのが大変です。
たしかに、辛い訳ですから、(希望の)「入り口のようなもの」が見つかるまでの間は大変な苦労が伴うことでしょう。
しかし、我慢しながらも、その間ずっと諦めずに探し求めて、ついに見つけることができたときには、その苦労と苦痛が大きな喜びと感動に変容するのではないでしょうか。
そのときの成功体験に対してどれだけ大きな感謝ができたかによって、次に約束されているチャンスの大きさが違ってくるのではないかと思います。
②「入口のようなもの」が人それぞれ違う。
たしかに、Mさんがお考えのように、(希望の)「入り口のようなもの」は人によりけりかもしれません。
しかし、かならずしも、その入り口は、鍵と鍵穴の関係のように一対一であるとは限らないと思います。
つまり、多くの人々にとっての(希望の)「入り口のようなもの」が存在するのです。
しかし、それをそれと認めるかどうか、はまさに一人一人に掛っているのだと思います。
③激痛と聴覚過敏。錯乱して寝たきりになってしまった。
④発症から4年。この診療所に来てから6か月くらいたって。
Mさんにとって最悪な状態が、激痛と聴覚過敏。錯乱して寝たきり、の状態であったとするならば、Mさんが高円寺南診療所を見つけた段階で、すでに病気の峠を越えていたという見方もできるのではないでしょうか。
発症から4年。本道に大変な年月だったことでしょう。
そのMさんが高円寺南診療所を6か月にわたり通院してこられた、ということはとても大きな成果です。
Mさんを苦しめている病気は、概ね6か月間の通院加療で一定の成績を上げることが可能だからです。
半年以上におよぶ通院という行動の反復・継続は集中力なくしては達成できません。
病気の症状ばかりにとらわれて執着していては継続できないはずだからです。
何かに執着しているときの心は対象に固着して自由に用いることができなくなりますが、それが痛みであれば体自体も自由に用いることができなくなるので一大事です。
これに対して、希望に向かって集中しているときは、心ばかりでなく体まで自由に用いることができるようになります。
⑤ある日「Aという人の司会のラジオ」は割に大丈夫という事を見つけました。
ここで、Mさんには、回復過程にある人に特徴的な表現がみられます。
「Aという人の司会のラジオ」これは「ラジオ番組の司会者のAという人」というのでは意味が違います。
それはMさんがAという特定人に執着しているのではなく、ラジオという一般的なメディアに対して集中して聴くことができたからです。
また、大丈夫かどうか、について病んでいる人の傾向は二者択一的ですが、Mさんは割に、と表現しています。
これはMさんの精神神経学的あるいは心理的許容範囲が広がってきたことが反映されるからです。
また、「大丈夫という事を見つけました。」というのは「大丈夫でした」という通常の表現より、喜びと感動と安堵感が伝わってくるのではないでしょうか。
こうした、ささやかな成功体験は、大きな転機を迎える準備になったようです。
それは、滞ることなく詩のように流れる文体に、Mさんの「氣」の流れを感じ取ることができるからです。
⑥そこの所から別の人の別のコーナーと聴ける範囲を広げました。
⑦それがいつどこにあるかは、わからないけれど、
➇それがあることをわかっている治療者と仲間。
⑨それがいるから、さがし続ける事ができるのかもしれません。
第一部でMさんは、すでに「数えきれない小さな偶然の積み重なりで。」というメッセージを残されています。
そして、「今でも、私は、ゆさぶられる事が続いていますが、この事は、お伝えしたいと思いました。」とまとめていますが、Mさんが希望の扉を見つけ、それを次々と開いていくときの感動に揺さぶられる事になることでしょう。
悪筆、ご容赦ください。(第1部)
⑩ 悪筆すみません。(第2部)
Mさんは悪筆を自認しておられるようですが、読者の皆様にとっても、味がある文字と内容だと受け止められたのではないでしょうか。
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