<諸外国語と私>
何らかの教養を身につけたいと思う方に私がお勧めしたいのは、音楽と語学です。
この二つは特別に裕福でない人でも手軽に始められるからです。
音楽も凝りだすと音学になることもありますが、語学もゆっくり味わいながら続けていくと語楽になります。
一番注意しなければならないのは、音が苦、語が苦にならないようにすることだと思います。
私の場合は、音楽と語学に境界線を設けてはいません。
音楽と語学は二つで一つだからです。
私にとって音楽のメインは声楽なので、必ず歌詞、つまり言葉を伴います。
これが外国の曲であれば、当然ながら外国語の歌詞になります。
とくにクラシック声楽に親しむ上では、外国語とのお付き合いはとても大切です。
どのような言語で歌うかというと、頻度順にイタリア語、ドイツ語、フランス語あたりでしょうか。
これは、私に限った話ではなく、声楽家にとって、ごく一般的な傾向のようです。
ここでお気づきかもしれませんが、英語の歌というのは、ジャズやポップスと比較するとクラシック声楽では少数派です。
むしろ、スペイン語やロシア語の方が活躍しているかもしれません。
英語の詩が少ないということは、今後のクラシック声楽の普及についていえば決してプラス要因ではないと思います。
英語以外の外国語で歌を歌っても、大抵の場合、観客に言葉の意味が通じないというハンディを背負うことになるからです。
しかし、圧倒的な影響力のある英語は、事実上、世界を席巻している言語であるということができますが、人類の遺産の継承と発展のためには、英語だけで事足れり、というわけにはいかないと思います。
国連の公用語は、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の他、中国語やアラビア語もあります。
残念ながら、それでもクラシック声楽でのいわゆる公用語ともいうべき、イタリア語、ドイツ語は日本語と同様に国連の公用語ではないのです。
クラシック声楽にとって、言語の問題は少なくないと思います。
私は、年末には諸言語メドレー形式のコンサートを企画しています。
ラテン語、イタリア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語そして日本語の曲でプログラムを組み立てます。
今後は、英語やロシア語も加えることを試みたいと考えています。
年に1ないし2回程、海外に出張する時に、言葉が通じる、あるいは言葉に親しみや愛着が持てるということは、とても大きな恵みをもたらしてくれます。
声楽をとおして外国語に親しむということは、まだまだ計り知れない多方面での効用があることが推測されます。
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